PandoraPartyProject

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こんなにも遠い空の下で

　空が遠い。
　いつもそうだ。
　伸ばしても伸ばしても。
　僕が僕である限り。
　届かない。
　世界が嫌いだった。
　自分自身が嫌いだった。
　だから壊してやりたかった。
　心中だ。自分と世界との。
　なんと傲慢なのだろう。
　自分如きが、世界と釣り合っているなんて。
　好きの反対は憎悪、なんていうけれど。
　結局は、たまらなく自分が好きだから、愛しいから、際限のないプライドがあったから。
　それを満たせなかった自分を、許せなかったのかもしれない。
「まぁ、そんなものですわよね」
　訳知り顔で、ぱっぱらぱーがいう。
「そんな『あなた』も好きですわ～～～！！」
「馬鹿が」
　僕は笑った。
「馬鹿が。もっといい男を好きになれ」
「いい男なんて山ほどいても、わたくしが好きになったのは『あなた』だけですわよ」
「そうか」
　まぁ、それならいいか。
「許す。受け入れてやる。
　貴様の、恋だか愛とやら」
　そう、笑った。
「まぁ！　やりましたわ、皆様！
　わたくし、恋、成就しちゃいましたわ～～～～！！」
　そういって、ぱっぱらぱーが手を振って。
　それだけが見えて。
　やがて何も聞こえなくなった。
　……。
　それからしばらくして、ロザリエイルの瞳から、ぱたぱたと涙が零れ落ちた。
「……わたくし、恋が実って。
　すぐに、枯れ落ちてしまいましたわ。
　なんて幸せなのでしょう。
　なんて辛いものなのでしょう」
　ぱたぱたと。
　雨のように。
　ロザリエイルの、ほほを、涙が塗らしていた。

　ワームホールの拡大が止まった。
　それは、全剣王ドゥマの討伐を意味しており。
　最終決戦に臨むイレギュラーズたちの、最初の勝鬨を上げるべき時であることを、意味していた。
「私たちは」
　フォルトゥナリア・ヴェルーリア（p3p009512）が声を上げる。
　張り上げる。
　仲間たちへ向けて。
　群に。
　人々の、群に向けて。
「勝ちました！
　勝ったの！
　絆が、
　願いが、
　想いが、
　それぞれが、紡いだ、
　この奇跡は！」
　どんなものよりも貴い。
　それを導いた貴方も。
　貴方達も。
　皆。
　等しく。
「カチドキをあげよう！」
　イグナート・エゴロヴィチ・レスキン（p3p002377）が叫んだ。
「鉄帝式にね！
　オレたちは――勝った！」
　おう、おう、おう！
　おう、おう、おう！
　友が。
　仲間が。
　誰彼もが。
　鬨を上げる。
　勝ったぞ、と。
　ここに、我々は、最初の勝利を刻んだぞ、と！
　終焉に、人類は、立ち向かえるのだと――！
「オーケイ。
　でも、貴方達も、まだ戦い続けるのよね」
　ビッツ・ビネガー（p3n000095）が言った。
　そう、戦いはここで終わりではない。
　まだ、始まったばかりなのだから。
「このワームホールは、私達で維持していきます」
　アミナ（p3n000296）が言う。そう、ワームホールは、影の領域への橋頭保であり離脱路でもある。
　多くを確保しておく必要があった。
「……皆さんは、お気をつけて。
　帰ってきたら、またいろいろなお話をしましょう」
　メルティ・メーテリア（p3n000303）が、そういって笑った。
　戦いは、まだ続く。
　されど、必ず希望はあると――。
　胸に抱き。
　次なる戦いへと、ローレット・イレギュラーズたちは向かうのであった――。

　※Bad End 8・全剣王ドゥマの討伐に成功しました――！

　※最終決戦が進行中です！
　※各国首脳が集結し、一時的に因縁と思惑を捨て、ローレットと共に決戦に臨む事で一致しました！
　※Bad end 8首魁と見られるマリアベルとの戦いの報告が上がっています……！
　※世界各国にて発生した戦いの、結果報告があがっています……！

　※幻想各地にダンジョンが発見されたようです。

　これはそう、全て終わりから始まる物語――

　Re:version第二作『Lost Arcadia』、開幕！

これまでの天義編｜プーレルジール（境界編）｜Bad End 8（終焉編）

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