PandoraPartyProject
クリスタル・ヴァイス
鉄帝闘技場ラド・バウの闘士の一部に動きが見える頃。
銀の森では――雪が降る。
鉄帝の冬はどこまでも深く、冷たい。
この雪に、幾人が埋もれたのだろうか。
この雪を、幾人が乗り越えてきたのか。
「――イレギュラーズちゃん達、大丈夫でしょうか」
エリス・マスカレイド(p3n000293)は紡ぐ。その手の平に、雪の雫を迎えながら。
『銀の森』の精霊女王たる彼女の心配事は一つ――地下へと向かうイレギュラーズちゃん達だ。先日発見された地下への道……それはかつて地の底に封じられたとされるフローズヴィトニルの封印へと通ずる道でもあった。
いや。あの『道自体』は封印の為に建設されたモノとは限らない。あそこはあまりにも広大過ぎる。巨大な迷宮が如く、だ――かつて存在した古代文明の名残かもしれず、フローズヴィニトルへ繋がる道に偶々なっただけかもしれない。
……が、もはやこの際真実はどちらであろうと構いはしない。
重要なのは確かにフローズヴィトニルへと通じており、そして『アラクラン』という新皇帝派の組織がフローズヴィニトルの封印の要に手を出しているという事実だ。
この大寒波はその影響かもしれない。
もしも。封印がもっと開かれて。
フローズヴィニトルが復活なり、更なる吐息を零したりすれば……
「……もしかしたら私達ですら凍ってしまうかもしれませんね」
「はっはっは。しかしエリスよ、イレギュラーズちゃん達は並ではないぞ。
イレギュラーズちゃん達が向かったのであれば、大丈夫であろう!」
と。エリスの言に次いだのはオリオン(p3n000257)か。
『冬』という概念の化身の大精霊――であった彼にとっても、この事態は他人事ではない。いやフローズヴィトニルは天災の類であり、オリオンとなんぞや直接の繋がりが在る訳ではないが……しかし、だ。
フローズヴィトニルの被害が拡大すれば、銀の森といえど只ではすまぬ可能性がある。
仮にエリスやオリオンが無事だったとしても精霊達――更にはイレギュラーズちゃん達はもっと――大変な事になってしまうかもしれないではないか! うむ、これは放っておけぬぞ!
「いざと言う時は、私が」
「――むっ?」
「要を失えど、他の封珠を確保すればわたしならば、冬を封じられます」
「エリス」
「分かっています。今言ったのは最後の……ええ。最後の手段、と言うだけですよ」
刹那。エリスの言に――オリオンの瞳が鋭く走った。
エリスは氷の特性を宿した精霊女王である。
そんな概念を宿す彼女であればこそ――出来る手もあるのだ、と言う事か。
……尤も。それは何の痛みも伴わぬ手段ではない。
それこそエリスという一個の精霊が――全てを懸けるかの如く――
「イレギュラーズちゃん達を信じよ。この冬も、この国の事も、な」
「……はい。今は、無事を信じましょう」
聞けば。幾つかの勢力は既に地下に対して動いているという――
同時に新皇帝派側にも対抗する動きが見えている事だろう。
……はたして如何様に事態は進んでいく事か。
ああ。また雪が降って来た。
――クリスタル・ヴァイスと呼ばれる、例年ならば大雪が降る時期が、すぐそこまで迫っていた。
※地下道攻略作戦が始まりました!!
鉄帝動乱編派閥ギルド |
---|
これまでの鉄帝編|アドラステイア
トピックス
- 帝国鉄道網防衛クエスト開催中
-
【鉄帝】鉄帝動乱編開催中
『新皇帝』バルナバス・スティージレッドの『勅令』にゼシュテルが揺れています
→各勢力ギルドに参加しましょう!
→派閥勢力パラメータを使用できる『アイアン・ドクトリン』が制定されました! - 【天義】シビュラの託宣、始動中
- シリーズシナリオ(特設)一覧ページ