PandoraPartyProject
世界が終わる前に
R.O.O、ネクスト世界。正義国と伝承国の境。
ほんの少し前まで、何かに食い荒らされたような荒野のような様相を見せていたその世界は、今、草木が生い茂り、小川が流れ、鳥や獣たちが歌い、風がそよぐ、そんな場所になっていた。
喰われていた世界が、取り戻されていた。
「フィーネ様!」
R.O.Oのアンナが、よろよろとやってくる。ハルツフィーネはそれに気づいて、思わず彼女を抱きしめた。
「なにを……先ほどまで戦っていたのですから! それに、生命エネルギーを聖遺物に……!」
ハルツフィーネ(p3x001701)がそう言うのへ、アンナは頷いた。
「はい。確かに、すごく疲れていて……それに、聖遺物は力を失ってしまいました。これから何年、この状態が続くのかはわかりません。
……いいえ! それよりも! そんなことよりも!
まるで物語のクライマックスのよう! 強大な敵と戦い、見事下した勇者たち! わたくしが、その力になれた事……っ~~~~最高! です!」
きゃいきゃいと飛び跳ねるアンナに、ハルツフィーネは頭を抱えた。しまった、とんでもない成功体験を与えてしまったかもしれない……。
「では、その少女が、敵……パラディーゾの一人というわけだな」
レオパルがそう言うのへ、原動天、ぱらすち、が頷く。
「許してもらおうとは思っていません。元より不安定なバグの身、おそらく本当に……長く生きることもできないでしょう。
おそらく、この戦いに決着がつく頃には……。
それに、権能や能力も、今は星喰いに食われ、失われています」
「ぱるぱるぅ、ぱらすちのこと、許してやってほしいんだ」
エイル・サカヅキ(p3x004400)が言った。
「もちろん、悪いことはしたから、その罪を償う必要はあるんだけど……友達なんだ、アタシたち」
「そうか」
頷くレオパル。桜(p3x005004)、そしてスティア(p3x001034)、現場・ネイコ(p3x008689)。ぱらすちと縁に声をかけ続けた特異運命座標たちもまた、頷いて返す。
「……過ちは誰にでもある。我が国はかつてそれを不正義と断罪し続けるという過ちを犯した。
良いのだ。仮令命が短かろうと、償いの道を歩み始めたものを、我が正義国は断罪はしない」
「じゃあ……!」
ネイコが、笑った。
「うむ……監視はつけさせてもらうが」
「充分な温情です、レオパル様」
桜が、ゆっくりと頭を下げた。
「よかったね、ぱらすちちゃん」
スティアが笑うのへ、ぱらすちが頷く。
(……たとえ、この身体に残された命が短くても……私は、正しく生きようと思う。
ごめんね、金星天、水星天……少しだけ、時間を頂戴……)
「星喰いは潰えたか。やはり……二度とは食べたくない味だった」
真読・流雨(p3x007296)がそう言うのへ、すあま(p3x000271)は頷いた。
「もう、お腹すかないかな。お腹いっぱいになれなかったのは悲しいけど……もう、苦しまなくて済むのは、よかったのかな」
少しだけ寂しそうに言うすあま。『ラダ』が手を差し出すと、すあまは抱き着くように、その肩に乗った。
「ばいばい、スターイーター。生まれ変わったら、おいしいものを食べようね」
「さて、このまま勝利の余韻に浸りたい所だが、我々にはまだ戦うべき敵は残っている。
既に命令は下されていて、このまま翡翠国の決戦に合流する予定だ」
レオパルは言った。
「もはや我々に、聖遺物の力はない。
だが……人の意思が奇跡を起こせることを、我々は知っている。
特異運命座標たちよ。この世界のため……今しばらく、力を貸してほしい」
そういうレオパルに、特異運命座標たちは頷いた。
一つの戦いは終わり。
そして、次なる戦いの場へ――。
――スターイーターを撃破し、正義国に一時の平和を取り戻しました!
――<ダブルフォルト・エンバーミング>ワールド・エンド・ゲームが終了し、翡翠国へ援軍を送るべく動き出しました!
これまでの再現性東京 / R.O.O
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