PandoraPartyProject

PandoraPartyProject

鋼鉄最終決戦

燦然! 絢爛! しかと見よ!
 余こそが『雷帝』。
 三つ並びし皇の一角にして、汝らの夢を護る者である」
 次々と現れるネームドに圧倒されながらも、イレギュラーズたちに率いられ戦う鋼鉄帝国軍。かれらの空に、拡張された『雷帝』ソール・ヴィングトール(p3x006270)の演説の声が響く。
「鋼鉄の者達よ、余に並び立て。
 余が求めるは汝らがこの国へ与える希望」
 即ち!
 ――未知への挑戦だ!」
 まるで雷帝の魂を示すかの如く、それまで足を止め防衛モードを堅持してきたギアバジリカが大地に脚を打ち高く立ち上がった。
 分離して離れていく小型輸送機たちを見るに、これまで収容していた負傷者たちを離脱させ最終決戦モードへと移行したのだろう。
 ここは鋼鉄帝国南西部。終焉獣デカラビアとシャドーレギオンの軍勢による国家壊滅作戦の戦場。
 そして――無限にすら見える疑似宇宙に包まれた特殊空間である。

 移動要塞ギアバジリカが立ち上がった今こそ、あらすじを語るべきだろう。
 混沌世界でいうゼシュテル鉄帝国に相当する、ROO仮想世界ネクスト主要国家がひとつ『スチーラー鋼鉄帝国』。
 ここは暫しの間複数の軍閥による内乱が続いていた。いや、今もまだ続いている。
 皇帝を殺した者が次なる皇帝になるというルールであるにも関わらず、前皇帝殺害の当事者が名乗り出ないという事態ゆえの混乱であったが、その裏に暗躍していたのはこの世界全体を崩壊させんとする『聖頌姫』ディアナ・K・リリエンルージュパラディーゾというバグエネミー勢力であった。
 友情と絆と、そして何よりも熱き闘志によってその悉くを打ち破り首都の獲得に成功したイレギュラーズとその所属軍閥ゼシュテリウスは、このむなしき皇帝殺害の連鎖を止めるべく『死なない皇帝』を即位させた。
 それが先に語った『雷帝』ソールを初めとする虎・優・雷の三帝である。
 だがそんなひとときの安寧をよしとせぬ、世界を滅ぼすための軍勢が帝国へと波の如く寄せ返した。
 終焉獣デカラビアを中心とした終末の軍勢。彼らは砂嵐盗賊団の支配する砂漠地帯を壊滅させ、その隣にある鋼鉄帝国にまで滅びの手を伸ばしていたのだ。
 抗い、戦い、そして時には傷付くイレギュラーズ率いる鋼鉄帝国軍。
 だがそんな彼らを逃がすまいと、終焉獣デカラビアは『疑似宇宙』なる異常な空間を展開し、移動要塞ギアバジリカもろとも戦場ごと覆ってしまったのだ。
「この空間内では終焉獣デカラビアは不死身……たとえネームド・バグエネミーたちを倒したとしても……」
 師団を率いていた『優帝』いりす(p3x009869)は荒い息を整えながらも、巨大すぎる星空の怪獣を見上げていた。
 たとえばいま戦ってくれている全ての帝国軍兵士たちが命をなげうって攻撃し、デカラビアの恐るべき自己回復能力を上回る速度でその肉体を破壊していけば、もしかしたらこの巨大すぎる敵を倒しきれるかもしれない。
 だが、そのために払う犠牲は何千という命であり、自分達を信じ国と世界の未来ののために生きるべき人々を失う事になる。
 『優帝』いりすにとって、それは無限の未来の喪失であった。
 強いから勝ち残り、強さによって生き残るのが鋼鉄帝国の常であった中で、弱くとも生き残る価値を説いた『優帝』。だからこそついてきてくれた民たち。だからこそ戦うと決めた民達に、それを許すことはできない。
 退くべきか。それとも戦い続けるべきか。
 そう迷ったまさにその時、『雷帝』はギアバジリカと共に立ち上がったのだった。
 ならば、やるべきことは一つだ。
「皆さん。もう一度力を貸して下さい。私達の――無限の未来を守るために!」
 ギアバジリカから伸びた巨大なシンボルから光が走り、それは浮遊する飛行空母VDMへと繋がった。
 それはギアバジリカの中で祈った人々の心が作り出した光であり、ギアバジリカそのものを動かす力でもある。
 いりすは祈った。そして彼女に続く兵たちもまた祈った。
 民を守るため。家族や子や、友を守るために祈った。
 その祈りがギアバジリカへと集まり、そしてそれはさらなる巨大な光となってVDMへ注がれる。
 空母の上。『虎帝』夢見・マリ家(p3x006685)が叫んだ。
「今こそ、終焉を打ち払う時です。VDM砲――発射!」
 空母から放たれた光は空を穿ち、疑似宇宙を切り裂いて行く。
 そして、自分達を閉じ込めていた宇宙色の幕を弾き飛ばし、青き空が戻った。
 中に浮いていた岩石群や敵機の残骸が次々と落下する中で、終焉獣デカラビアもまた地面へと落下。
 数秒で元通りになってしまうほどの治癒能力は――発揮されない。
 勝機は、今だ!
「鋼鉄帝国総員――決戦である!」

「がんばったね。もう大丈夫! これでみんなハッピーエンド!
 ……そう思った所で叩き潰されるのが、一番苦しいんじゃないかな?」
 ニッコリと笑い、『天国篇第九天 原動天の徒』セララはデカラビアの上へと立った。
 自らを魔法で巨大な幻影に変えると、頭をあげた竜の如きデカラビアが咆哮をあげる。
 と同時に、『天国篇第六天 木星天の徒』ランドウェラオルタが大地へとおりたった。
「けど、こっちもだいぶ手駒を失ったよね。この程度じゃ……『今居る軍勢を皆殺しにする』くらいしかできないんじゃない?」
 とろけるように笑うランドウェラオルタ。その横に、『傲慢な死神』ストラーフがゆっくりと舞い降りる。
 死そのものを振りまくこの存在にかかれば、鎌一本で100の軍勢を死に至らしめることすら可能だろう。そしてそれを使役するだけの力を持つランドウェラオルタの力は計り知れない。
「ね? チャンスだよ、エーデルガルト」
 振り向くと、溶けた金属のようなものを操り巨大なミサイル垂直発射装置群を周囲のフィールドに敷き詰め始めた。
「おおいに結構だ」
 国が滅びるか、自分達が滅びるか。
 選ばせるのは、二つに一つだ。

 ――<ダブルフォルト・エンバーミング>Fullmetal Battleendが最終決戦フェイズに入りました!

これまでの再現性東京 / R.O.O

トピックス

PAGETOPPAGEBOTTOM