PandoraPartyProject

PandoraPartyProject

終戦の玉座で、男達は踊り出す

 スチーラー鋼鉄帝国にて、三つ目の区切りが訪れた。
 ひとつめは首都をイレギュラーズたちゼシュテリウス軍閥が手に入れた時。
 ふたつめは新皇帝に『虎帝』夢見・マリ家(p3x006685)『優帝』いりす(p3x009869)『雷帝』ソール・ヴィングトール(p3x006270)の三人が即位したこと。
 そしてみっつめが……帝国最高級戦力にして守護神、『塊鬼将』ザーバ・ザンザが皇帝への忠誠を誓ったことである。
 これによって帝国三大軍閥であったゼシュテリウス軍閥、ガイウス軍閥、ザーバ軍閥が統合され再び結束したことになる。
「しかし、油断ならぬ連中だのう……パラディーゾというやつは」
 帝国首都、王城。玉座の間にて。
 正義は動乱のなかにあるが、ヒイズルでの戦いに決着がつき、翡翠での戦いもじき決着が訪れようという頃。
 それまで頭を垂れていたザーバは、ため息交じりにそう呟いた。
 『天国篇(パラディーゾ)第一天 月天の徒』トモコによって仕掛けられた今回の騒動は、イレギュラーズたちが居なければ酷い結末を迎えていただろう。
 最悪国家解体。よくてもザーバ含む国防能力を失い国家が傾いていたところだ。
 軍団長の座に就いていたリュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガーも悲しげに首を振った。
「まさか、ボクたちが深い闇におちて国家の破壊をもくろむなんて……」
「ですが不幸中の幸い。魔種と違って、想いの強さによって元の皆さんに戻すことができました」
 戦いの功労者である『ROO刑事ゼスティアン』ゼストがほっと胸を撫でおろす。
「しかし……なぜ元に戻れたのでしょう? 魔種に相当する存在であったのですよね?」
「ふむ」
 その疑問に答えたのは三つ並んだ玉座のうちひとつに腰掛けるソールだった。
「おそらくは、『聖頌姫』ディアナ・K・リリエンルージュの作り出したシャドーレギオンと同じ理屈だろう。魔種に相当するといっても、あくまでその闇はDARK†WISHの発展系……」
「つまり、想いの強さで打ち払うことができたんですね!」
 別の玉座につくいりすがぎゅっと拳を握って嬉しそうに笑った。マリ家がうんうんと頷く。
「しかし、これで帝国は安泰というわけではありません」
 マリ家のその一言に、他の皇帝たちも、ザーバやリュカシスも、そしてゼストやその場に集まったイレギュラーズたちもピリリと空気を緊迫させた。
帝国にザーバをぶつけるという極めてシンプルかつ破壊力の高い計画、通称『ザーバ・インパクト』を引き起こした黒幕トモコと、その支配下にあるノーザンキングス連合王国。これらがどんな動きをするかわかりません。
 来るべき時に備え、帝国の守りは万全にしておかなければならないでしょう」
 マリ家に、いりすとソールも頷いた。
 その場に集まっていた文官たちも同じ考えのようだ。
「ですが」
 パチン、と誰かが指を鳴らした。
 突然玉座の間がレインボーカラーに輝き、天井から現れたミラーボールが回転する。
 鳴り響くダンスミュージック。踊り出すとら。
 ハッとして立ち上がるザーバやその部下達は、音楽の中でにっこりと笑った。
 言うべきことはただひとつ。
「今は勝利を喜びましょう! 帝国の勝利に――乾杯!」

 自由と勝利を勝ち取り、踊り出す男達。
 待ち受ける運命を知りながら、しかし今はハッピーであれと。

 ――ザーバ軍閥が帝国に加わりました!

これまでの再現性東京 / R.O.O

トピックス

PAGETOPPAGEBOTTOM