PandoraPartyProject

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グランドウォークライⅢ

 帝都往くギア・バシリカ。
 内乱に決着をつける為、ヴェルスの……いやゼシュテリオン軍閥の進撃であった。
 ただ、向かった先にあった……鉄と歯車で満たされた帝都スチールグラード。
 その都は何故か華やかなりし桃色の結晶で満たされていた――
 それはR.O.Oの世界に巣食うバグの一端と思わしき『聖頌姫』ディアナ・K・リリエンルージュなる少女が関わっていたが故の事態である。これは尋常ならざる事態だと誰もが分かり、しかしその途上には様々な障害が存在していた。
 一つは闇に落ちた軍の大将軍ザーバの攻撃。
 一つは己が思うままに動くラド・バウの伝説ガイウスの乱入。
 これらはゼシュテリオンの本拠、ギア・バシリカにとっての重大な障害であった――しかし。
「よし。ガイウスの居城だったギア・フラウィウスの動力部は破壊に成功したぜ!
 やれやれ、ガイウスが戦上手ではなかったのが幸いだっと思うべきかねぇ……
 ま、闘技場での戦いはすげぇ事になってたけどな……!!」
 言うはダリウス (p3x007978)だ。
 彼は、ガイウスが己が望み――つまりこの国でも別格級の実力を持つヴェルスやザーバと戦いたい欲望を果たす為に向かってきていた動きの妨害に赴いていた。ガイウス派はギア・バシリカと同系統の古代兵器……ギア・フラウィウスによってバシリカに取りつかんとしていたのである。
 幸いだったのが、彼が軍勢の指揮になど向いていないあくまで一個人としての覇者であった事だろうか。内部で生じていた妨害工作に気付くのが遅れ、そして彼自身はザーバと異なり闇に落ちていなかった事から、ザーバ派による攻撃も受けていた――
 結果として散漫となっていた警戒を突いてダリウス達が動力部の破壊に成功したのである。
 ギア・フラウィウスは停止――残るはザーバの方だが――
「……ザーバ・ザンザ。
 あのような落ちた輝きは、もう『私』の信じた彼ではなかった……」
 そちらには鬼丸 (p3x008639)らが向かっていた。
 凄まじい勢いで進撃してきていたザーバはバシリカに乗り込まんとしていたのである。本来であればこの国の将軍としてこの国を守るためにある人物だが……バグの影響により闇に落ちていた彼は最早、魂からねじ曲がった極みにあった。
 鬼丸の切なる叫びも届かず――
 しかしバシリカより弾き出したザーバは、追いかけてくる事はなかった。
 ……それが鬼丸の咆哮により届いた、闇を祓う微かな光があった為だと。
 この時点では――まだ誰も気付いていなかったかもしれない。
「ムムムムムッ! パッルスさんめ~……
 ひめより目立つなんてッ!! 今度思いっきりアリーナを化してもらいますからね!」
 だが敵の妨害はそれだけではない。大型のエクスギアエクスがバシリカ方面に襲来。
 猛攻にあわや被害が甚大に――という所で現れたのが新衣装に身を包んだパルス率いるギア・スチールグラードスーパーアリーナ2021であった。彼女の歌を増幅し、味方の支援とする特殊古代兵器とも言うべき代物――
 ひめにゃこ (p3x008456)らと共闘し、遂に敵を撃退したのである。
 ……まぁひめにゃこにとってはアイドルとして目立ってたパルスにご立腹だったようであるが、アリーナ貸してもらう事を条件に和解した様である。やったねひめ!!
「よし! これでザーバとガイウスはバシリカには付いてこれますまい。後は――」
「失礼。正義聖騎士団所属レオパル・ド・ティーゲル。
 イレギュラーズらとの共闘によりシャドーレギオンの撃退に成功した!」
 と、その時。他の戦場の様子が気になったショッケン・ハイドリヒ(p3n000161)の背後より至ったのは、正義より支援として出向いてきていたレオパル・ド・ティーゲル(p3n000048)であった。
 なぜレオパルが此処にいるのか? 鋼鉄の内乱により難民問題なども発生していた隣国の正義にとっては、一連の事態は座して静観している訳にいかなった。かといって無暗に兵を出せば甚大な問題にも発展しうる……
 故に内密にレオパルを使者としてヴェルス率いるゼシュテリオンに接触していたのである。
 鋼鉄の問題を解決する為に支援を行うと――
 そして帝都に尋常ならざる今回の問題が発生し、盟約を果たしに来たわけである。
「うわーもうホント凄い迫力だったすよ。
 まさに見本みたいな聖騎士団ってかんじっス。アレが正義なんすねー」
 そしてその有り様はミミサキ (p3x009818)の眼にしっかりと焼き付いていた。
 God Save!(神の加護を!)の掛け声と共に戦場に赴く騎士達――
 その攻勢は正に聖騎士団の名に相応しかった、と。
 ――かくして各方面の攻勢は成功し続けていた。
 ザーバもガイウスも進軍が頓挫し、シャドーレギオンらもはねのけ。
 後に残るは帝都の城塞に残るビッツ・ビネガーと……

「ディアナ姫とやら、か――」

 瞬間。ヴェルスが零したのはこの一連の騒動の影に潜む存在の事だった。
 『聖頌姫』ディアナ・K・リリエンルージュ……
 ザーバが闇に落ちた原因もアレにあると見て恐らく間違いないだろう。
 いやもしかすれば――皇帝を殺したとされる真犯人も彼女の影響が――?
「……とにかく前進だ! もう俺たちの邪魔をする連中はいねぇ!
 城に乗り込んで制圧するぞ! そうすりゃ――この戦いは終わる!!」
 だが今はとにかく事態の解決が優先である。
 ディアナを排除すればスチールグラードを襲っているこの妙な結晶の事象も恐らく解決する事だろう。皇帝暗殺の犯人と思わしきビッツ――も倒すことが出来れば、今まで生じていた『誰が皇帝を倒したのか? 誰が次の皇帝なのか?』の問題も解消する……筈だ。
「……しかし次の皇帝は如何に」
「さてな。こんな事態だ……仮に真犯人を倒しても即そいつが皇帝……と、そんな簡単には決まらねぇだろうな。そもそも全部事態を目論んだ犯人っていう観点じゃそのディアナって奴が真犯人とも言えるし――ま、その辺りは全部片付いてからまた考えるとしようぜ」
 耳打ちしたショッケンに、ヴェルスが言葉を返す。
 混迷する鋼鉄の国の情勢。
 その渦中。帝都の城塞にて行われている攻防は、はたして……

 ※グランドウォークライの戦況が報告され始めています!

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