秋うらら。土地によりては紅葉のはっぱが色をつける季節。
　世界各地で鉄帝キノコピザやら天義ビール祭りやら深緑山狩りツアーやら秋らしさを満喫しはじめるこの季節。
　自由と活気が売りのラサ傭兵商人連合ではいかなる祭りが開かれるのか――と思いきや。
「おっっっっっもしろくねえ！！！！！」
　『凶頭』ハウザー・ヤーク（p3n000093）が狼めいて、もとい狼そのものといった様子でテーブルを両手で殴りつけていた。
　俵詰みにされた漫画肉が一斉に宙へ浮き、周りの面々が華麗に一個ずつキャッチする。
「これは、お祭りどころではなさそうだな」

　所はラサの中心地。世界の商人達が交差する首都ネフェルストの酒場『ジプシー・カーム』。
　一流のダンサーや演奏家や大道芸人たちがいくつものステージで芸を披露する、まさにラサといった具合の大きな酒場である。客達は飲んで歌って踊って騒ぎ、それを見下ろすような位置に……このVIPルームがある。
　ルームの入り口にはご丁寧なことに『ふぁるべらいず対策室』と木彫りの札が下げられていた。
　漫画肉をかじりながら、テーブルに叩きつけられた羊皮紙のロールを手に取る緋狐』チー・フーリィとラルグス・ジグリ。
　フーリィは穏やかな表情からすっと色を消し、ラグルスは対照的に皺を深く険しくした。
　開いた羊皮紙にでかでかとついたスタンプのせいである。
「『鴉』の意匠……大鴉盗賊団か」
「略奪の限りを尽くして、ご丁寧にもソレを残していきやがった」
　ハウザーは不機嫌な顔だ。彼の気質からすれば、今回もきっと凶のメンバーを連れて戦闘を『楽しむ』つもりだったのだろう。好戦的なメンバーも揃っているというのに、現場へ向かえばもはや全てが終わった後。
　ラサに数居る傭兵団の中でも屈指の武闘派として知られる『凶』たちが獲物を取り逃すということは、それだけ高度に知恵の回る連中だということだ。
「他に残していったものは？」
「なんもねぇ。強いて言うならしょっぱい後味だけだ。フン、もういい。あとのことは話し合っててくれや。そこらをブラついてくるぜ」
　ハウザーは漫画肉をラグルスの手からふんだくると、鼻息荒く大股で部屋を出て行った。

「ねえ、なんか今凄い顔したヒトが出てったけど。あれもしかしてハウザー？」
　入れ替わりでやってきたのはパサジール・ルメスの民──レーヴェン・ルメスだ。
　FarbeReise（ファルベライズ）を開いた人物として、ラサの傭兵や商人、ローレット・イレギュラーズに混じって彼女もこの部屋に招かれていた。
「足の速い『鴉』に逃げられたんだってさ」
　フーリィの言葉にレーヴェンは目を瞬かせ、思わず自らの翼へ視線を向ける。鴉のスカイウェザーである彼女だが、鴉の暗喩は決して彼女ではないだろう。
「大鴉盗賊団のことだったか」
　レーヴェンに続いたフレイムタンが口を開く。ローレットの情報屋にも伝わっていることから、ポツポツ耳に入り始めているのだ。
　ラサは清濁併せ呑む人種のるつぼだ。ひとが、ものが、かねが集まり巨大なコロニーを作っている。それを束ねるのがラサという『国家』であり傭兵商人連合なのだ。
　幻想種を大量に奴隷販売した先のザントマン事件を例に挙げるまでもなく、行きすぎた連中は商人のネットワークにかかり傭兵の戦力によって潰される。
　そんな彼らのマークしていた存在のなかに、『大鴉盗賊団』があった。
「『大鴉盗賊団』、ねえ」
　名前はどこか引っかかるものを感じさせるが、如何せんレーヴェンの記憶からは掘り起こせない。もしかしたら友人であるリヴィエールへ聞けば、或いは他の同胞に聞けば何か思い出すかもしれない。そういう意味ではFarbeReiseで感じたような気がする『何か』も気になるが、遺跡をより調べるならば時間がかかるだろう。

「話を戻すよ。盗賊騒ぎもいいが、ここは『対策室』なんでね」
　フーリィがぱんぱんと手を叩いた。
　そう、今彼らの間で注目されている『色宝（ファルグメント）』である。
　色宝はファルベライズ遺跡群にて遺跡を攻略することで手に入れることのできる『願いを叶える宝物』だ。ひとつひとつは二日酔いが治る程度の些細なものだが、かき集めればどう歪むかわかったものではない。
　ラサはこれをローレットに確保、保管させることを決定した。世界的中立ギルドであるローレットが『よりスマートな預け先』であるからだ。
「とはいえ、『大鴉盗賊団』なんてのが暴れてるなら警備の見直しと強化は必須だろうね。もし色宝に目をつけたら手が出せない。遺跡探索は商人や傭兵には専門外なんだよ」
　ラサの大事は商人が聞きつけ傭兵が潰す。しかしファルベライズ遺跡群のような特殊な土地には商人たちのアンテナも届かず、傭兵団の戦力も投入しづらい。
　だからこその、ローレット。
「アンタたちも、今回の護送任務を頼んだよ」
「ああ、それがオーダーだからな」
　フーリィへフレイムタンは頷く。
　警備と管理がラサ側の役目とするならば、保護と護送はローレット、ひいてはイレギュラーズに課せられたオーダーなのだ。

　＊ラサ：ラサで色宝（ファルグメント）なるアイテムが発見され、ローレットの管理下に置かれています。
　＊ラサに『大鴉盗賊団』の悪事が広まっているようです。
　＊【速報】大鴉盗賊団が色宝（ファルグメント）を狙って動き出したようです！

　＊秋イベントAutumn foodが始まります！
　＊カムイグラ：巫女姫一派が大規模な行動を開始しました！

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※シナリオ『静寂の青、外洋の空』の結果から、クエスト『アクエリア・フェデリア開拓　総督府からの知らせ』が発生しました。
※一度だけ名声を獲得出来るクエスト三年目の祝祭が発生しました。
※一度だけ悪名を獲得出来るクエスト三年目の誘いが発生しました。

※各国領土が獲得出来ます。キャラクターページの右端の『領地』ボタンより！

これまでのカムイグラ / これまでの再現性東京

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