PandoraPartyProject
星の瞬き
星の瞬き
鈴の虫が鳴く。
豊穣。高天京――その更に中枢。帝が本来座し帳の先にて、佇むは天香・長胤。
この国を手中に収めし『巫女姫』からのお達しにより彼は『決して目覚めてはならない人物』の監視を行っていた。いや、或いはその人物を奪取しようと企む輩がいれば排除する役目も担っているのだが。
その人物とは本来の豊穣の頂点者である『霞帝』
彼は深い、深い眠りに付いている。蕩ける狭間に落ちて瞼は澱みの底にもあろうか。
鬼の迫害の壁を崩さんと行動していた帝の存在は、ヤオヨロズの長胤にとって非常に忌々しい存在であった。長胤は長胤で自身の考えの下にカムイグラを導かんとしていて、その考えと帝の思想は完全に相反していたのだ――それこそ幾度か『排除』も考える程に。
……紆余曲折の果て。邪魔であった帝は深き眠りに付き。
今や己の目前で無防備であらば、かねてよりの思考を『成す』絶好の機会――である、が。
「――それを成せば『奴ら』がどのように蠢くかも分からぬわ」
それは出来ない理由があった。
旅人……この国の言葉では神人と呼ばれる存在である霞帝は、神に近き存在として受け入れられており、彼を支持するヤオヨロズも決して少なくは無かった。万一『眠りの病』という建前ではなく死すれば鬼や、それらからの反発が予想されるし、そして何より。彼がこの国の頂点に立てた理由……
『四神』の者共が不法な排除を決して許さぬ。
……奴らは動かぬ存在だ。西の海を治めていた、この国の信仰対象でもあった龍神程――ではないが。長き時を過ごし大きな力を蓄えている長寿共。かつて、霞帝が神威の国を治めるに適していると認めた愚か者共。
「だが巫女姫様の『大呪』が至れば一掃も出来よう」
長胤はその口端に悦の色を示す。
……彼は知らぬ。巫女姫の『大呪』が成ればどれ程の害を齎すのか。
しかし彼女からの強烈な影響を受けて魔種へと落ちている彼の思考は淀んでいるのだ。長胤は未だ己が考えを持ち、生まれ出でたこの大地をどうよりよくするか常に考えているが、歪み歪んだ魂の輝きは――きっと昔のモノではない。
「『大呪』が成ればその時こそお主もいらぬ事となろう……
精々。夢の中で揺蕩い、迷い続けるがよいわ」
長胤は霞帝の顔を一瞥し。依然としてその瞼が開かれる事無く、意思が灯らぬのを確認すれば――外に在りし月を見据えた。
満月が浮かんでいる。何処までも美しく、禍々しい程に輝いている天の星が。
魔を行うにあたって絶好の日であり――だからこそ帝もまた決して目覚めない。巫女姫の手により掛けられた呪いは彼女の力がある限り続き、このような日であれば特に効果が強い事だろう。彼女の力は生半可ではなく……いかに神人であろうと抗えるものか。
だから帝は目覚めない。何があろうと決して……
決して目覚めない――
「――――」
筈だ、が。しかし――『その時』生じた出来事があった。
誰も気付かなかった。長胤すら目を離した、たった一瞬だけの出来事であったから。
それでも確かに『成った』のだ。観測されねど事象として、確かに。
――脈動していた。
ほんの微かに『霞帝』の指が――動いていたのだ。
＊カムイグラでは戦いが行われています……！
＊ラサ：ラサで色宝（ファルグメント）なるアイテムが発見され、ローレットの管理下に置かれています。
＊ラサに『大鴉盗賊団』の悪事が広まっているようです。
＊【速報】大鴉盗賊団が色宝（ファルグメント）を狙って動き出したようです！
＊秋イベントAutumn foodが始まります！
＊カムイグラ：巫女姫一派が大規模な行動を開始しました！
※シナリオ『静寂の青、外洋の空』の結果から、クエスト『アクエリア・フェデリア開拓 総督府からの知らせ』が発生しました。
※一度だけ名声を獲得出来るクエスト三年目の祝祭が発生しました。
※一度だけ悪名を獲得出来るクエスト三年目の誘いが発生しました。
※各国領土が獲得出来ます。キャラクターページの右端の『領地』ボタンより！
これまでのカムイグラ / これまでの再現性東京
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