ギルドスレッド
造花の館
コイツは俺がイレギュラーズになる前。
地元のとある廃墟で人が居なくなるっつー事件が起きてたんだ。
地元のとある廃墟で人が居なくなるっつー事件が起きてたんだ。
まぁ、当時の俺も今に負けず劣らず。
事件を放置出来るタチじゃなくてなー
事件の噂を聞いて、その廃墟がある土地に向かったんだけどよ。
事件を放置出来るタチじゃなくてなー
事件の噂を聞いて、その廃墟がある土地に向かったんだけどよ。
その廃墟つーのがな
昔は使われてた森の中の領主の屋敷って所でな
外から見るだけで分かるオンボロ具合でよ
色々な噂が飛び交ってる…
つまるところ、心霊スポットってヤツでな
んでよ…その廃墟に入った途端にな…するんだよ、寒気が
昔は使われてた森の中の領主の屋敷って所でな
外から見るだけで分かるオンボロ具合でよ
色々な噂が飛び交ってる…
つまるところ、心霊スポットってヤツでな
んでよ…その廃墟に入った途端にな…するんだよ、寒気が
しかも、誰かが見てる気配がする。
何処からかは分からないが、確実に見られてる。
当時の俺は、其処で引き返せば良いのに…ブルった脚を無理矢理に動かして、行方不明者を探しに奥へ向かったんだが……メインホールの大扉の先
構造的には食堂があるだろう場所な。
扉を開けて其処に入ったんだが…おかしい
何処からかは分からないが、確実に見られてる。
当時の俺は、其処で引き返せば良いのに…ブルった脚を無理矢理に動かして、行方不明者を探しに奥へ向かったんだが……メインホールの大扉の先
構造的には食堂があるだろう場所な。
扉を開けて其処に入ったんだが…おかしい
井戸があった。
なんにもねー空間に井戸だけがポツンとな。
んで、井戸から聞こえるんだ
むしゃむしゃ、バリボリって何かを食う音がな。
その瞬間にヤバいモノを感じて、引き返して大扉を閉めた。んで抑えた。
そしたらよ、扉の向こうからガンガンとトンデモねぇ力で叩かれる。んで、声が聞こえた「出せ!出せ!」ってな。
なんにもねー空間に井戸だけがポツンとな。
んで、井戸から聞こえるんだ
むしゃむしゃ、バリボリって何かを食う音がな。
その瞬間にヤバいモノを感じて、引き返して大扉を閉めた。んで抑えた。
そしたらよ、扉の向こうからガンガンとトンデモねぇ力で叩かれる。んで、声が聞こえた「出せ!出せ!」ってな。
マジ焦ったね。
扉を抑えるのをやめりゃ、ナニカは出てくる。
かと言って、このまま、この場所に居りゃ。
いずれはくたばる。
背中と体重で扉を抑える体制をとってよ。
屋敷を見渡して考えた、必死に考えた。
あるのは埃だらけのカーペット。シャンデリア。
他にはなーんもない。
んでよ、追い詰められた俺は考えぬいて…閃いた。
抑えるのやめて殴るかってな…
扉を抑えるのをやめりゃ、ナニカは出てくる。
かと言って、このまま、この場所に居りゃ。
いずれはくたばる。
背中と体重で扉を抑える体制をとってよ。
屋敷を見渡して考えた、必死に考えた。
あるのは埃だらけのカーペット。シャンデリア。
他にはなーんもない。
んでよ、追い詰められた俺は考えぬいて…閃いた。
抑えるのやめて殴るかってな…
その扉から出て来たのは行方不明者だったんだ。
汗でびっしょりとなって、死ぬほど焦った顔をした行方不明者だ。拍子抜けして間抜け面で経ってると
「どうして、閉じ込めたりしたんだ!」だなんて言いやがる。俺が井戸の話をしてもどうにも噛み合わない。
話ながら扉の先を見るとよ…如何にも貴族らしい食堂が広がっていた…困惑したね。
汗でびっしょりとなって、死ぬほど焦った顔をした行方不明者だ。拍子抜けして間抜け面で経ってると
「どうして、閉じ込めたりしたんだ!」だなんて言いやがる。俺が井戸の話をしてもどうにも噛み合わない。
話ながら扉の先を見るとよ…如何にも貴族らしい食堂が広がっていた…困惑したね。
後は行方不明者が噂になってる事を伝えて
二人一緒にとっと退散したんだがよ。
…帰り道の森で気づいたんだ。
"なんで森の中の廃墟があんなに明るかった"んだって
バッと振り返って遠くの廃墟を見れば灯りは付いていた。そして、その灯りはすぐに消えて…
「気づかなきゃ良かったのにね」
耳元で吐息と共に声がした。
二人一緒にとっと退散したんだがよ。
…帰り道の森で気づいたんだ。
"なんで森の中の廃墟があんなに明るかった"んだって
バッと振り返って遠くの廃墟を見れば灯りは付いていた。そして、その灯りはすぐに消えて…
「気づかなきゃ良かったのにね」
耳元で吐息と共に声がした。
まぁ、此れが俺が「行方不明者を連れて帰れた」が「気づかなきゃ良かった事に気づいた」話だ。
イレギュラーズになった今じゃ、亡霊騒ぎは良くある話って分かったけどよ
イレギュラーズになった今じゃ、亡霊騒ぎは良くある話って分かったけどよ
あ~~~~~~~~~~~~いるいる。
結構いるよなそういうの。
良かったじゃんウィルオーウィスプとかじゃなくって。
結構いるよなそういうの。
良かったじゃんウィルオーウィスプとかじゃなくって。
ワハハハハ!!
そりゃあ誰だってビビるよなァ、まして冒険者でさえ無かった頃なラ!!
そうだろうそうだろウ!!
(赤羽は手を叩き愉快に笑う。質問はこれと言って無いらしい)
そりゃあ誰だってビビるよなァ、まして冒険者でさえ無かった頃なラ!!
そうだろうそうだろウ!!
(赤羽は手を叩き愉快に笑う。質問はこれと言って無いらしい)
……うん、幽霊ってそういうことよくするよなぁ。
ただ悪霊ではあるけど被害的にもマシな方だったんだろうな。
ただ悪霊ではあるけど被害的にもマシな方だったんだろうな。
……そういやァ、俺は死霊術師。グリムは墓守。セレマハ……まア、人間じゃねぇのには慣れてるんだロ。しらんけド。
俺はツマミなんて持ってねぇヨ。
……真の酒飲みは塩だけでイケるって聞いたゾ。
外は塩水でいっぱいだし組んできたらどうダ、セレマ?
俺はツマミなんて持ってねぇヨ。
……真の酒飲みは塩だけでイケるって聞いたゾ。
外は塩水でいっぱいだし組んできたらどうダ、セレマ?
美少年が怖がっていいのは、自らの美しさが損なわれる瞬間だけに決まっているだろう。
もっと美少年について学んでから出直してこい。
もっと美少年について学んでから出直してこい。
はいはい、もっと美少年を勉強しなおしますよ、セレマさん…かぁー、質問狙いだったんだがなー
次は誰でしたっけ?(懐からパンを取り出し貪る)
次は誰でしたっけ?(懐からパンを取り出し貪る)
ともあれ、語り終えたには違いない。
誰も怖がってないし、質問もないなら次に回してしまおう。
誰も怖がってないし、質問もないなら次に回してしまおう。
(僅かに眉をひそめた。自分の得意とする話題がとられたからである。
自分の頭の良さをひけらかすほど馬鹿なことはないが、経験上語れることが多いが故に、あのカードで特に困ることはないだけに、先にとられると面倒だ……
……一方で、狡猾のカードはどのような機転を見出せるかという「実力」を図るに便利な札である。同じ仕事で付き合っているだけの冒険者に、はたしてどのような実力が伴っているか…よく見てみるとしよう。)
自分の頭の良さをひけらかすほど馬鹿なことはないが、経験上語れることが多いが故に、あのカードで特に困ることはないだけに、先にとられると面倒だ……
……一方で、狡猾のカードはどのような機転を見出せるかという「実力」を図るに便利な札である。同じ仕事で付き合っているだけの冒険者に、はたしてどのような実力が伴っているか…よく見てみるとしよう。)
えっと、うん、たぶんあれは狡猾なことだったはず。
……よし、待たせた。
これは自分がイレギュラーズになって移動範囲が広がってからの話だ。
……よし、待たせた。
これは自分がイレギュラーズになって移動範囲が広がってからの話だ。
イレギュラーズになってからは依頼の後に、
その場所の色んな物を見るのを楽しみに行動していたんだ。
その時はラサの依頼で終わった後に骨董品の市場を見ていたんだ。
その場所の色んな物を見るのを楽しみに行動していたんだ。
その時はラサの依頼で終わった後に骨董品の市場を見ていたんだ。
古い物には力が宿るともいうし、術の触媒や器に使えるかもしれない。
そうでなくとも見ているだけで楽しくなる。
少し厄い物もあったがそういう目的だった。
そこにガラの悪い輩が来たんだ。
そうでなくとも見ているだけで楽しくなる。
少し厄い物もあったがそういう目的だった。
そこにガラの悪い輩が来たんだ。
その輩はまあ……多分一人はヤッているだろうなって風貌をしていて、
睨みつけるように品物を見ていた。
店主はお爺さんだったし、何もせずに立ち去るといいなと思っていた。
睨みつけるように品物を見ていた。
店主はお爺さんだったし、何もせずに立ち去るといいなと思っていた。
だがその輩は予想通りに店主を脅し始めた。
「この店で一番価値が高いのはどれだ」などそのような事を言っていたと思う。
ただ店主は余り目利きは出来ないようだったし道楽で店をやっていたのだろうな。
それを店の端の方から見ていた自分は助け船を出すことにした。
「ああ、それならこれが一番高いだろう」と黒い石の入った小箱を渡したんだ。
「この店で一番価値が高いのはどれだ」などそのような事を言っていたと思う。
ただ店主は余り目利きは出来ないようだったし道楽で店をやっていたのだろうな。
それを店の端の方から見ていた自分は助け船を出すことにした。
「ああ、それならこれが一番高いだろう」と黒い石の入った小箱を渡したんだ。
「その黒い石は恐らくだが〇〇で採れたものだ」とか魔術の触媒として高く売れるなど、
そんな感じの出鱈目を言うと、輩はよく確認もせずにそれを持って店を出て行った。
店主には自分が代金を払いつつ自分も店を出た。
その後その輩がどうなったか知らないが、石だけ売ったなら碌な事にはなってないだろうな。
そんな感じの出鱈目を言うと、輩はよく確認もせずにそれを持って店を出て行った。
店主には自分が代金を払いつつ自分も店を出た。
その後その輩がどうなったか知らないが、石だけ売ったなら碌な事にはなってないだろうな。
石の方は高く売れるだろうがあれ抑えみたいなモノだったんだ。
小箱の方が結構厄そうな代物でな、
死にはしないだろうが酷い目にはあうだろうなって感じだった。
店から厄介な代物を押し付けつつ横暴な輩を騙して追い出した。
こんな話だ、これでよかっただろうか?
小箱の方が結構厄そうな代物でな、
死にはしないだろうが酷い目にはあうだろうなって感じだった。
店から厄介な代物を押し付けつつ横暴な輩を騙して追い出した。
こんな話だ、これでよかっただろうか?
・・・・・・なんだい。
おとなしそうな顔して性格悪いじゃないか。
第一印象よりも好印象だよ。
おとなしそうな顔して性格悪いじゃないか。
第一印象よりも好印象だよ。
ほー…なるほど、良い話だ。
人助けは出来るし、悪党にゃ天罰をってか?
割とやるもんだな、アンタも。
人助けは出来るし、悪党にゃ天罰をってか?
割とやるもんだな、アンタも。
そうだな。質問をしよう。
どうやってその小箱が厄介そうな代物だと判断できた?
知識か、それとも経験かい。
どうやってその小箱が厄介そうな代物だと判断できた?
知識か、それとも経験かい。
一つ目か。
厄介だと判断出来たのは雰囲気が少し冷たかったのもあるが、
確信できたのはギフトが反応したからだな。
小箱だったしそう多くは無かったが人の一部が使われてた。
そう分かったうえで見ると店に置いておくのも躊躇われてな、
あの輩が来なければ自分で買って浄化を試すなり教会の方に送るなりしていたと思う。
厄介だと判断出来たのは雰囲気が少し冷たかったのもあるが、
確信できたのはギフトが反応したからだな。
小箱だったしそう多くは無かったが人の一部が使われてた。
そう分かったうえで見ると店に置いておくのも躊躇われてな、
あの輩が来なければ自分で買って浄化を試すなり教会の方に送るなりしていたと思う。
ほほう?
確かに呪術的な意味が込められるものには、人の体の一部が使われることもあるが……小箱程度の大きさからそれを見出すのは簡単じゃあない。大したものだよ。
天分と、それと経験に恵まれている。
(……なるほど。ギフトと経験の噛み合いがいいのだろう。
有能と言い切るにはまだ怪しいところだが……それにしてもこの善人さは損だろう。)
確かに呪術的な意味が込められるものには、人の体の一部が使われることもあるが……小箱程度の大きさからそれを見出すのは簡単じゃあない。大したものだよ。
天分と、それと経験に恵まれている。
(……なるほど。ギフトと経験の噛み合いがいいのだろう。
有能と言い切るにはまだ怪しいところだが……それにしてもこの善人さは損だろう。)
いやァ……その小悪党もざまあねぇナ。
でもいいじゃン、スカッとしたゼ。
(機嫌良さそうに赤い瞳を細めて笑った)
……しかし件の彼の末路を想像するだに……ちょっとゾッとするな……。
(気にはなるが、言わぬが花、知らぬが仏という事もある。聴きたい気持ちをぐっとこらえた)
でもいいじゃン、スカッとしたゼ。
(機嫌良さそうに赤い瞳を細めて笑った)
……しかし件の彼の末路を想像するだに……ちょっとゾッとするな……。
(気にはなるが、言わぬが花、知らぬが仏という事もある。聴きたい気持ちをぐっとこらえた)
人の一部が使われた匣だぁ?
制作過程で恐ろしい事してんのが想像に難くねぇな。
悪党についちゃどうなるが別に良いが…
その後の匣の行方も気になんな…
制作過程で恐ろしい事してんのが想像に難くねぇな。
悪党についちゃどうなるが別に良いが…
その後の匣の行方も気になんな…
さあな。
案外、どこの冒険者の宿で、奇妙な依頼のひとつとして提示されてるんじゃあないかい。
「この事件をどうにかしてくれ」ってさ。
(そう嘯きながら、歯でコルクを引っこ抜いて……空いた手でカードを1枚引いた。)
案外、どこの冒険者の宿で、奇妙な依頼のひとつとして提示されてるんじゃあないかい。
「この事件をどうにかしてくれ」ってさ。
(そう嘯きながら、歯でコルクを引っこ抜いて……空いた手でカードを1枚引いた。)
87
【22.災禍】
(ランタンの明かりに照らされて現れたのは、黒い枠のカード。
荒涼とした原野を、胸騒ぎのする色の群れが覆いつくそうとしている。
一目見ただけで不吉さを暗示させるような一枚だ。)
なるほど。
(顔ぶれを確認するように一度、二度と、瞳が瞬く。)
【災禍】か。
身の上話の中でも飛び切りの『酷い目に遭った』を語らなければならないあたり……どうも格好がつかないんだよな。これは。
それにキミ達も熟練の冒険者だろう?
とてもとは言えないが、この一枚でゲームに勝利することができるとは思えないね。
だが最善は尽くしてみよう。
(顔ぶれを確認するように一度、二度と、瞳が瞬く。)
【災禍】か。
身の上話の中でも飛び切りの『酷い目に遭った』を語らなければならないあたり……どうも格好がつかないんだよな。これは。
それにキミ達も熟練の冒険者だろう?
とてもとは言えないが、この一枚でゲームに勝利することができるとは思えないね。
だが最善は尽くしてみよう。
御伽噺ってあるだろう。
市井の詩人が語るような叙事詩や歌とは違う、その土地その土地に宿る特有の物語さ。
多くは童子に対し教訓や戒めを刷り込むものであったりするわけだが、中には本物もある。
例えば妖精の物語が真実であったように、確かに存在した事実が形も曖昧な御伽噺として、土地によって形を変えて残り伝えられている。
そしてそういった真実というのは、想像を逸するような奇怪さと幻想を帯びていたり、どうしようもない不条理を帯びていたりするものだよ。
ボクにとっては『騎士スウィンの悲しい物語』がそうだった。
市井の詩人が語るような叙事詩や歌とは違う、その土地その土地に宿る特有の物語さ。
多くは童子に対し教訓や戒めを刷り込むものであったりするわけだが、中には本物もある。
例えば妖精の物語が真実であったように、確かに存在した事実が形も曖昧な御伽噺として、土地によって形を変えて残り伝えられている。
そしてそういった真実というのは、想像を逸するような奇怪さと幻想を帯びていたり、どうしようもない不条理を帯びていたりするものだよ。
ボクにとっては『騎士スウィンの悲しい物語』がそうだった。
あれはまだボクがどうしようもない無力だったころの話だ。
当時のボクは無力なりに頑張り屋でね。
今のような力のその欠片でもいいから手を伸ばそうと、方々駆け回っては知識をかき集めていた。
その道程で……確かそう、東部(天義)の寒村に立ち入ったんだよ。
宿泊するのにもちょうどよかったからね。
当時のボクは無力なりに頑張り屋でね。
今のような力のその欠片でもいいから手を伸ばそうと、方々駆け回っては知識をかき集めていた。
その道程で……確かそう、東部(天義)の寒村に立ち入ったんだよ。
宿泊するのにもちょうどよかったからね。
名前も娯楽もないような辺鄙な村だったと記憶しているよ。
ただそこにも語られるような御伽噺くらいはあった。
それが『騎士スウィンの悲しい物語』だった。
内容の方はよく覚えているよ。
敬虔な天義の聖騎士スウィンは誰しも認める清廉潔白公正な誇り高い騎士。
だがある時、スウィンは偶然出会った女に、初めての恋をした。
しかし悲しいことに、女の正体は、妖艶な魅力で男どもを誑かす残忍な魔女だった。
騎士スウィンは魔女に絆されるまま、金品を捧げ、地位を捧げ、名誉を捧げ、力を捧げた。
信仰と愛の葛藤に苦しみながら。
そして最後は聖騎士を追われて、何もかもを失ったところを魔女に殺される。
その魂は悲嘆にくれながらこの地を彷徨い歩き、神に許しを請い続けているのだ………
………まあ、東部では珍しくない話だよ。
地方によって多少形を変え、タイトルを変えて語り継がれている。
そういうどこででも聞けるような御伽噺だ。
ただそこにも語られるような御伽噺くらいはあった。
それが『騎士スウィンの悲しい物語』だった。
内容の方はよく覚えているよ。
敬虔な天義の聖騎士スウィンは誰しも認める清廉潔白公正な誇り高い騎士。
だがある時、スウィンは偶然出会った女に、初めての恋をした。
しかし悲しいことに、女の正体は、妖艶な魅力で男どもを誑かす残忍な魔女だった。
騎士スウィンは魔女に絆されるまま、金品を捧げ、地位を捧げ、名誉を捧げ、力を捧げた。
信仰と愛の葛藤に苦しみながら。
そして最後は聖騎士を追われて、何もかもを失ったところを魔女に殺される。
その魂は悲嘆にくれながらこの地を彷徨い歩き、神に許しを請い続けているのだ………
………まあ、東部では珍しくない話だよ。
地方によって多少形を変え、タイトルを変えて語り継がれている。
そういうどこででも聞けるような御伽噺だ。
キャラクターを選択してください。
依頼だから交易船の警護やってるけどさ。
なにも起きないとやっぱ暇だよね。
●今回のカードの特徴
それは高価そうに見える。
それは色付き硝子のように薄く透通っているが、裏の模様を見透かせない。
それは『語り手』の敗北を検知すると曇ってしまう。
それは『聞き手』の敗北を検知すると淡く輝く。
それは誰かが勝利すると、全てのカードが勝者の手元で束になる。
●ルールへのリンク
https://rev1.reversion.jp/guild/818/thread/14878
●特別ルール:カード指定
自PCが引くカードを、乱数に頼らず「このカードを引いた」ということにしてよい。
これは各PC1ゲーム中1回までの救済措置である。