PandoraPartyProject

特設イベント

Phantom Night


●パンプキンパレイドⅤ
 何時ものようにスクール水着に身を包みデスレインは右手をそっと茨に添える。
「壁を辿っていけばいつか出口に着くでゴザル! 魔王忍法を使うまでもなッブッ!?」
 デスレインの上から降り注いだのは水。突然の豪雨のように降り注ぐそれを受けて、「水着でよかったでゴザル」とデスレインは小さく呟いた。
 己の水着が紺色で良かったと胸を張ったのはPPP倫への配慮故か。
「何? 白いのも良い? わかるー。でも田中は基本に忠実な紺の旧スク派」
 誰に向かって話すかは分からないが首長はしっかりと届けておこう。
 布を被りゴーストの仮装を施したブランカはうろうろと迷路を歩き続ける。気づけば何処にいるのかもわからなくなって――咲く薔薇たちの向こう側を覗く事が出来たならばゴールはすぐそこのはずだ。
「ふぅ……ゴールはあちらですか……」
 うろうろと歩き回るブランカの布がきゅ、と誰かに踏まれる。「きゃっ」と小さな声が聞こえ振り向いたその向こう――
「お、お化けなのー!?」
 びくりと大袈裟に肩を揺らした鳴が怯えた様に眉を寄せる。可愛らしい南瓜のスカートが大袈裟に揺れ、魔女の帽子がずるりと落ちる。
 悪魔の羽を生やした鳴の言葉にブランカもびくりと怯えて見せた。詰まりはお化けの仮装の彼女に驚いてしまったと言う訳だが。
 狐の姿になっちゃうからと気を付けて進んでいた鳴の耳がひくりと揺れる。何処からともなく聴こえて来たのはごろごろと何かの転がる音。
「か、南瓜がいっぱい降ってきたのー!?」
 南瓜に追いかけられながら、迷路の奥へと進む薫は『まだ未来が輝いていたころの17歳の自分』の姿に変化していた。
 その傍らで周太郎は吸血鬼の仮装に身を包み、隣にセーラー服が居るというのは何とも漫画の様な光景だなと頬を掻いた。
「あの頃の青春再び……はいいんだけど、隣にいるのはいつもの周太郎なのよね、はあ」
「ため息つくな」
 肩を竦めた薫に周太郎は曖昧に笑う。完全に迷ったという薫は困った様に周太郎のマントを手繰り寄せた。
「ちゃ、ちゃんとエスコートしてよね? 今の私は幼い少女なんだから……」
「ああ、安心しな。吸血鬼らしく眠るまでついててやるさ」
 黒い猫耳を浸ければ使い魔のようで。三角帽子に黒のローブを身に纏ったシュゼットはキアに「行くわよ」と手招いた。
「右なの? 左なの?」
「ちょっとは自分で考えて……シュゼの方が長い気なんだから頑張って欲しいっス!」
 楽しいことが有ると言ったのはキアでしょうとシュゼットは唇を尖らせた。どちらに行けばいいのかを指し示すキアにシュゼットは「れっつごー!」とぐんぐんと進んでゆく。
 茂みから飛び出したのはマシュマロの様な小さな兎。ちょっとした悪戯に怯えたキアが「びええ」と声を上げればシュゼットは小さく笑う。
「へーきよ。キア。怖くないもの。むしろふかふかで可愛いかも?」
 白い翼に紫苑の薔薇を飾って、イーリスは何処か怯えた様に宵色の迷路を見回した。茨が絡む壁に、薔薇の飾られた生垣たち。
「一人になるのは、少し怖いですね……」
 赤い翼を追い掛けて、悪魔のように蠱惑的に笑ったヴェッラの背を追い掛けるイーリスははぐれないように、と何度も口の中で唱えた。
 安心しておくれと振り仰ぎヴェッラは「そういえば」とゆっくりと手を差し伸べる。
「とりっくおあとりーと、じゃよ。イーリス殿は何かお菓子は用意した?」
「キャンディならありますが……」
 ゆっくりと差し伸べられた手を握り、差し出した飴は何時もよりおいしいと感じた。
 もこもことした着ぐるみ姿で弟切は政宗の手をぎゅ、と握りしめる。クラッカーのように弾ける花から零れ落ちてゆく金平糖を小さな瓶に入れたならば瓶は「私を食べて」と叫び出す。
 そんな不思議の国に瞳をきらりと輝かせた彼に「すてきな悪戯だね」と笑い掛けた政宗は水晶の煌めき燈したランタンを揺らす。
 紺の衣の袖を集めて溢さぬようにとキャンディを拾い上げ、政宗は柔らかに微笑んだ。
「はい、弟切くん。あーんして?」
 ――ほら、とてもおいしい悪戯だったね。
 橙色に輝く精悍な馬は何処までも走り続ける。コルは昨年の妖精郷では獅子の姿を借りたけれど今年は地上を速駆け出来る姿になるのだと意気込んだ。
 思い切り地面を蹴れば砂塵舞い風が頬を撫でていく。凪ぐ風さえも心地よい――けれど、胡散臭い迷路では思い切り走れないのだと歯噛みして。
(でもそれ以上に、この床――!)
 どうして曲がりくねった道で爽快に走れるのか。なぜかといえば地面は後方に向け動き続ける。どれだけは知ってもコルを進ませないつもりだと、「どうしてっ」と悲鳴に似た声を漏らして。
 走り回るローストチキンを視線で追って「元気が良いな」とリェルフは笑った。ぎゅ、と握りしめた小さな掌の感触を確かめて、次は何処に行こうかとゆっくりと振り仰ぐ。
「あっちの角を曲がってみようか」
 足取りは緩やかに。あくまで同行者に合わせたその歩幅は何時もより小さめだ。ぎゅ、と強く握られた掌に大丈夫俺がいるさ、と柔らかに言葉を返して。
「毎年、収穫祭の魔法では姿が変わらないのよね」
 しゅん、と飛んでくるパイを受け止めてカタリヤは持ち前の反射神経に感謝する。少し風変りな収穫祭にとんがり帽子に黒いドレスを併せた魔女の仮装は善く似合う。
 宵色の中を行きながらふと、視線を降ろしカタリヤは僅かに首を傾いだ。
「……胸のところ、ちょっと大胆すぎたかしらね?」
 その隙を見計らったように飛び交う悪戯は甘いキャラメルの香をさせる。ナッツが頬に掠めたがゆっくりとパイをキャッチした彼女は一口摘み上げ「美味しいのね」と柔和に笑う。
「さぁ、食い止めましょう」
『目的が変わっているな…』
 ――目的は迷路を抜けんとする団長の阻止。趣旨が大いに変わっているがサングィスは大量のキャンディをバスケットに詰め込んだ。
 血濡れの骸骨兵士を思わせる格好はホラー顔負けである。トランプ兵たちに見つからぬように裏手にこそりと回り息を潜めれば、何処からか話し声が聞こえて来た。
 無数の武器に貫かれた落ち武者ルックの雷霆はある意味でこれ以上もない悪戯に掛った後のようにも思える。だが、これからがお楽しみだ。
 大量に降り注ぐキャンディに「あっ」と声を上げたのは比。民族衣装に身を包んだ褐色膚のエルフの様相で比は慌てた様に手を伸ばす。
「キャンディ!」
 服の裾を持ち上げて降り注ぐそれをキャッチする比の傍らで罠が発生したことにこれ以上もなく雷霆のテンションが上がっていく。
「待って待って――!?」
 ビタンッ、と音を立て突如として床が持ち上がる。大袈裟に頭をぶつけたプティは「こんなところに!?」と目を大きく瞬かせた。
「なんかトラップ多すぎない!?」
「えぇイ!」
 伸び上がる蔦に絡まれながら離せと声を荒げるカイトはプティと共にトラップの中。次々とトラップを発生させる雷霆の後方に居るものだから様々な罠に掛り続けるのは自然な事だ。
「この世界のハロウィンやばいわ……」
 あまりにファンタジーな出来事に。あまりに過激なトラップに。零の表情が僅かに歪む。
 パンプキンカラーのローブを揺らした魔女スタイルのユノは蔦を切り、カイトとプティを救出する。妖艶に笑った彼女の目の前に次に降り注ぐのは大粒の雨、ならぬ、飴。
「ッ――!?」
 痛い、と慌てて後退する零が手をぱっと上げる。白旗模様だが、まだまだ悪戯は続いていくことだろう。なんたって、罠を仕掛ける相手がいるのだ。面白ければすべてよしというこの魔法道具のバックアップも十分だ!

●アリスのお茶会Ⅴ
「こんにちは。……私が焼いたクッキーよ、これで良ければどうぞ」
「トリックオアトリート」。自身を伺うトランプ兵の一枚(?)にメイド姿のアンナがクッキーを差し出した。
(……食べるのかしら?)
 手渡されたクッキーをしげしげと――不思議そうに眺める彼(?)をアンナはじっと見つめている。
(御伽噺の世界……アデプトの発明品について話は聞いていたけれど、いざ、体験すると頭が痛くなりそう)
 あ、食べた。
 トランプ兵に捕まったのは風蘭も同じだった。
 紫乃と連れ立って――キョンシーとチャイナ服にうさみみのパーカーを付け足した扮装の二人は、手製の杏仁豆腐の小鉢をまるでタワーのように積み上げて、彼等、哀れなる公僕(?)に差し入れたのだ。
 外見からすれば、食べたり飲んだりするのか分からない連中だが――事の他人間らしい動きで二人を歓迎したトランプ兵は、それを食すなり奇妙に飛び跳ね、意図しない反応を見せていた。
「ハズレが混ざってる? そんなはずは……?」
 抗議めいた彼等に風蘭が首を傾げ、隣の紫乃は額の汗を拭う振りをしながら満面の笑みを見せていた。
「ふう、いい仕事したぜなの!」
 風蘭が供した杏仁豆腐のクコの実は、紫乃の手によって……
「いやぁタダで飲み食いできるたぁ素晴らしいな!」
「トリックオアトリート」を迫るトランプ兵達を持参の煎餅(かなり硬い)で蹴散らして、ヘルマンは豪快に笑った。
 骨身の彼は普段着のままだが――存在そのものがこの場のドレスコードにドストライクなのである。
 一方で、ヴェールを揺らしコーネリアは一味違う。
 トランプ兵へとするりと細い指先を添える。女悪魔は蠱惑的な笑みを乗せて只、楽し気に。
「うふふ、悪戯……トランプ兵さん、悪戯したい? それとも――」
 ゆっくりとその手は下へ、下へ。嗚呼けれど、それでは駄目だとトランプ兵が講義を上げる様にスプーンで出来た杖で地面を付く。
 ぱ、と手を離しコーネリアは妖艶な笑みから一転し、いつもの明るく元気な様子に破顔して見せた。
「冗談だよ冗談! 公序良俗は守るってば。そんな怖い顔すんなよ」
 赤いリンゴに、白い指先。ローブを引き摺るように歩きながらスガラムルディはスノウ・ホワイトに出てくる魔女のようにじんわりと笑う。
「おばあちゃん、元々魔女だけどねぇ~」
 今日は少し闇色に濡れたローブに身を包み、語り掛けてくる茶器たちに小さく会釈を見せる。バスケットに並べた林檎に毒は入ってない――なんて、本当かしら?
 白雪姫(かわいいこ)に差し出すのは甘く熟れた赤い果実。
「ガオー」
 手を少し上げて、何処かふざけてみせたレオナは周囲を見回し「イレギュラーズは普段から仮装大会のようなのに、魔法に掛けられたらもう手が付けられないかもしれないね?」と冗談めかした。
 茶会の席は何処までも騒がしい。二十日鼠が走り回ればどこかで帽子屋が笑っている声がする。赤の女王はトランプ兵たちにご機嫌取りをされながらイレギュラーズを見つめている。
「ハハハ、こういう騒ぎは……まあ、嫌いじゃないかな」
 レオナは言う。何事も楽しむ事が肝要だ。
「こんなところで会うとは奇遇だな。この先は仮装をして居ないとダメだった筈だが」
 大きな袋から赤い帽子と白い髭を取り出したアレフはドレスコードから外れ、通常の格好のままであったアルペストゥスにトナカイの角を差し出した。
 魔法の夜に、何かを願わなければ何時もの通り。単純明快ではないか。しかして、パーティーに呼ばれたのだからそれなりの格好をするのが自明の理だ。
「グル……」
 首を傾げるアルペストゥスに「少々屈強なトナカイだが似合っているぞ」とアレフは大きく頷いた。
 とりあえずは彼を乗せ、馨しいにおいをさせるパーティー会場へと赴こう。少し時期をはずしたサンタクロースの唄でも口遊みながら。
 黄昏時、誰そ彼。愛し子は世界からその存在を薄らとさせる。伸びる陰に隠れる様にフードを被った縁は「ゆーれーさんはーきづかれないのー」と小さく笑う。
「とりっくおあーとりーとー」
 ばあ、と顔を出した縁のバックからころころと飴玉が落ちてゆく。希薄な存在感であれど彼女が世界の寵愛を受けている事には違いない。
 楽し気に歩むその足を追い掛けて、飴を拾い上げたヴェノムは「『武』礼講」と口にした。
「良い言葉っすね……つまりは武を持って礼を尽くせと言う事っすね!」
 ファンの許へと走り寄っていくヴェノム。強そうだと目を付けたのは成程、フィールドワーカーとして鍛え上げた体を目にしたからだろう。
「戦うのはちょっと……」
「じゃあ、あのぴえろみてーなにーちゃんと糸目のにーちゃん、どっちが強いすか?」
 瞳を煌めかせたヴェノムにファンは「さあ」と首を傾げる。秘密主義のようにも思えるドクターの事は詳しく知らないのだと彼は何処か悪戯のように秘密めいて笑った。
「遠路はるばるお疲れ様。ここまではどうやって来たんだい?」
 グラスを持ち上げて挨拶を交わしたみつきにファンは「企業秘密――なんて」と冗談めかした。実際は馬車などでの徒歩移動であったのだろう、疲労感を僅かに滲ませ遠いですねぇと彼はぼやく。
「練達って旅人が多いんだって? ファンやドクターも旅人なのか?」
「ドクターは見た目通りに旅人ですね」
 あの突飛な性格をした叡知のセフィロトの青年はその印象に違わず旅人であるそうだ。ファン自身はフィールドワーカーである出自以外は現在は『ヒミツ』だと笑ったのだが。
「ご興味があれば是非練達に――おっと」
 ちら、と視線を向けるマッドハッターにファンは『アリス』に手を出すのは怖いですから、と手をひらひらと振った。
 学問の都――研究者の夢の都。暁蕾の中での練達の印象はそれだ。
「誰かが呼んでいるの」
 その名を。だからこそ、彼女はその記憶を紐解きたいのだと何度も繰り返す。真面目くさった表情で聞いていたファンは黒のツーポイント眼鏡を覚えているという暁蕾に大切な人だったんでしょうね、と返した。
「記憶というものはその実難しくてね。君が望むならいつの日か紐解けるかもしれないが――嗚呼、私には断言はしかねるさ」
 マッドハッターはひらりと言葉を交わす。記憶というものは不安定な鍵をかけて仕舞われ続ける。その錠前を落とした時に何が起こるのかは分からない。
 記憶を封じ込むのは案外柔い殻なのだという様にマッドハッターは小さく笑った。
 三月兎の仮装に身を包みギルバードは柔和に笑う。練達から幻想へと訪れた客人たちに彼らギルド【梟の瞳】は興味津々だ。
「ごきげんよう練達の方々。ようこそ幻想へ。わしはギルバート。
 我々も小さな魔法ショップを持っておるのじゃが、今回見せてもらった道具は実に興味深い」
 魔法道具、その言葉にドラマは瞳を煌めかせる。女騎士の格好に身を包み甲冑姿の彼女は手元で笑い続けるグラスに指先をつん、と触れ「この道具に原案は?」と首傾ぐ。
「原案?」
「はい! この不思議な迷路に不思議な生き物たち……魔法道具の世界には不思議がたくさん詰まっています! この世界は何かの物語のオマージュ?」
 如何にもDr.マッドハッターが好みそうな話ではないかとファンはドラマに笑みを溢す。この魔法道具は兎も角、この魔法の夜は混沌世界の御伽噺を元にしている。望むならばローレットのユリーカに問うてみるといいだろう。少女趣味の彼女は御伽噺をこよなく愛しているのだから。
 シルクハットに僅かに触れてレイチェルは「今宵は愉しい宴にご招待頂き感謝しているぜ?」と小さく笑う。
 口端から牙を覗かせ、レイチェルはちら、とファンとマッドハッターを見遣った。
「俺も旅人だが…愉快なマジックアイテムを収集しててね。あんたらには世話になるかもなァ」
 マジックアイテム、と瞬いたファンは幻想での新たな情報収集になるのではとレイチェルをじぃと見つめる。
 練達は多くのフィールドワーカーを抱え情報収集を熱心に行っている。悪魔の仮装に身を包んだモルフェウスはあえてファンに向き直りゆっくりと言葉を選んだ。
「我々はマジックギルド、梟の瞳……様々な研究を行う練達の存在、以前より気になっていた。お出で頂いた事に感謝しつつ、魔法道具の話に花を咲かせる事が出来れば、と思っている」
「それは嬉しい限りですよ」
 マッドハッターの出方を確認するモルフェウスに対する帽子屋の反応は僅かに伺い見るかのような雰囲気だ。アリスに対しては好意的な彼は僅かに拗ねた素振りを見せる。
「私も此方には来たばかりでして、先人の方々がどの様に混沌を捉えているのか興味があるのです……ですけど、帽子屋はどうしたのですか?」
 練達への興味を胸にしたヘイゼルがマッドハッターに抱いた最初の印象は偏屈屋だ。随分と個性的な性格をしている相手だとは思うが拗ねる素振りとは一体どうしたものか。
 ファンは笑う。
「やきもちですよ」
「……やきもち?」
「アリスが『練達(うち)』にばかり興味を持つから」
 嗚呼、なんて子供っぽい理由であろうか。成程、彼は偏屈屋で変り者の帽子屋だ。扱いは少しばかり難しい。
 そんな彼はと言えば、
「ふふ、素敵なお祭りにご招待ありがとう。
 貴方はお酒が飲めるのかしら。それなら折角なのだし付き合っていただきたいわね?
 Dr.は色々やっているのかしら?こんな催しを開けるのだからちょっと有名人なのかしら――」
「そうとも! 僕はちょっとした有名人――良くも悪くも、悪くも悪くもちょっとアリスを困らせる意地悪な帽子屋だ!
 だが、今夜ばかりはアリスの望みに応えよう。何て言ったって、今夜はこんなにも素敵な夜なのだから!」
 喜ばしい事に自身に向いたセレナの興味に相好を崩して大仰な応えを返している。
 ファンとヘイゼルは顔を見合わせて偶然にも同じ動作で肩を竦めた。まるで、子供だ。
「あー、温まる……」
 だが、ハロウィンパーティの夢の中にこたつを持ち込んで――こたつむりと化す霞も最悪の魔物と化している!

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