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シナリオ詳細

<アンゲリオンの跫音>夜の魔術と共に

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●夜の魔術師
『ツロの福音書』第一節――
 われわれは、主が御座す世界を正しさで溢れさせなくてはならない。
 ひとは産まれながらに罪を犯すが、主はわれらを許して下さる。故に、われらはその御心に応えるべく献身するのだ。
 世界を再建するべしと、書かれている預言書が見つかった。『預言者ツロ』による福音書は天義国内に広まり、シェアキム六世に齎された神託と合わさり国内の不安を煽ったのだ。
「そう、世界の再建。再建だ。すでに神の国にて可能性は示された」
 黒い服を纏ったその男は、非常に穏やかな表情でそう呟く。
 夜。たとえるなら、そんな雰囲気を持った男だ。
 とても物静かで、穏やかで。まるで何もかもがどうでもよさそうな、そんな雰囲気。
 実際、男は何もかもが今までどうでもよかった。
 『夜の魔術師』ヴェルナー。ヴェルナー・ヴァレンチノ。その名前は、忘れかけた何かに繋がる鍵であるというだけのこと。
 幻想や天義など、世界各地を放浪しているヴェルナーが表舞台に出てくるのは、実に久しぶりのことだ。
 その最中で、誤解されていた彼の情報が改めて更新されることもあったほどだ。
 しかしそれすらもヴェルナーにはどうでもいいことだ。
 何故なら、ヴェルナーはすでに「壊れて」いるのだから。
 目に見えるヴェルナーの全ては、上っ面に過ぎない。
 けれどそんなヴェルナーが能動的に動いてみようとする事態が出来た。
 情報を再現する神の国。取り戻したいものを取り戻せると構成員が語る星灯聖典の噂。
 その可能性は、すでに示されている。
 ヴェルナー自身がもう思い出せない大切なものも、世界の再建によって取り戻せるだろう。
「星灯聖典。久方ぶりに示された可能性だ。賭けるに値する。蹂躙するに値する。それで手に入るのであれば」
 ヴェルナーの背後には、巨大な影の少女がいる。『影の艦隊(マリグナント・フリート)』。それはおそらく、そう呼ばれるものなのだろう……!

●予言に抗うために
 第三の預言、水は苦くなり、それらは徐々に意志を持ち大きな波となり大地を呑み喰らう事でしょう。
 その預言を解釈するのであれば「水は苦くなり、それらは徐々に意志を持ち大きな波となり大地を呑み喰らう事でしょう」となる。
「まさに破滅的な預言だな」
「ええ、そうね。現実にするわけにはいかない未来よ。そうでしょう?」
 『騎士の矜持』ベネディクト=レベンディス=マナガルム (p3p008160)と『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)は、そう頷きあう。
 鉄帝と天義の国境沿い……の海岸近くにある「メル村」。それが今回の目的地である。
 預言に混乱しつつも「自分たちは大丈夫」という心理が働き避難していないのだが、どうにも巨大な波が立ち上がらんとしている気配がある。
 明らかに第三の預言の前兆だ……どうにか彼等を避難させなければならない。
 ならないが……気になる情報もある。
 それは「海岸に1人の黒い男がいた」というものだ。
 敵か味方かも分からない状況だが、白衣を纏う遂行者ではなさそうだ。
 合わせて気を付けなけれならないが……やるべきことは決まっている。
 メル村の人々を、無事に避難させるのだ……!

GMコメント

預言を実現させるわけにはいきません。この場所における「波」は『影の艦隊(マリグナント・フリート)』です。
どうにか撃破しましょう!
なお、メル村の人々も避難させなければなりません。どう避難させるかも含めて忙しそうですね。

●出てくる敵
・『夜の魔術師』ヴェルナー
詳細不明の黒い男。思いっきり敵ですが、皆さんにどういう風に出てくるかは不明です。
戦闘となればその場を「夜」と定義し敵の命中力を半減させるフィールドを一定時間作り出す「儀式魔術:見通せぬ夜の帳」と指定の敵1人に虚空からランダムな武器が飛んできて襲い掛かる「魔術:夜道の襲撃者」、自分を中心とした範囲内に黒い衝撃波を放つ識別攻撃「魔術:命許されぬ夜」を使用するでしょう。アトラクが倒されると撤退するようです。

・『影の艦隊(マリグナント・フリート)』軽巡洋艦級×5
遂行者サマエルの客人、狂気の旅人(ウォーカー)マリグナントの影響で生み出された者たちです。
『影で出来た人間』の姿をしているほか、『戦艦の大砲や高射砲のような、近代的な装備』で武装しています。
攻撃方法は「マリグナント式対空砲」と近距離範囲攻撃の「マリグナント式防御機銃」、強力な「マリグナント式大型主砲」です。

・『影の艦隊(マリグナント・フリート)』アトラク
遂行者サマエルの客人、狂気の旅人(ウォーカー)マリグナントの影響で生み出された者たちです。
ただし、明らかに巨大です。どうにも他の影の艦隊を運搬できる「空母級」とでも呼べる存在のようです。
『影で出来た人間』の姿をしているほか、『戦艦の大砲や高射砲のような、近代的な装備』で武装しています。
攻撃方法は中距離範囲攻撃の「マリグナント式連装対空砲」と近距離範囲攻撃の「マリグナント式連装防御機銃」です。
強力な一撃はないようですが、全体的に他の影の艦隊よりも強力で多数を攻撃することに向いています。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • <アンゲリオンの跫音>夜の魔術と共に完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年08月23日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
シャルロッテ=チェシャ(p3p006490)
ロクデナシ車椅子探偵
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
戦輝刃
クシュリオーネ・メーベルナッハ(p3p008256)
血風妃
クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)
海淵の祭司
囲 飛呂(p3p010030)
きみのために

リプレイ

●避難実行せよ
「艦隊を追ったらコレ、か」
 『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)は、そう小さく呟いた。
 鉄帝と天義の国境沿いの海岸近くにある「メル村」。
 第三の預言の対象地域であるこの場所では、すでに異変が起こりつつある。
 あるが……未だ避難が済んでいないのが現状だ。そして、放置するわけにはいかない。
「危機感を持たないのではなく持てない。天義の団結力たる頑固さ、歴史から来る信心深さ。それを解きほぐす必要は無いわ。ただ、流してあげれば良い。さ、始めましょう……神がそれを望まれる」
「予言はあれど、すぐ様避難に移れないのは仕方があるまい」
 『騎士の矜持』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)も、イーリンにそう頷く。
「だが、俺達が危険性を説いて動いて貰う事は可能だろう。このまま村の住人達が蹂躙されるのを避ける為にも、先ずは避難をして貰わねばな」
「ええ、そうなるわね」
「先ずは村長の所に話を付けに行こう。それと、他にこの村の周辺に住んでいる者が居ないかなども確認したい」
 そう、こういった時は上役に話を通して、他の者にも話を通して貰うのが良いと判断していた。
 そして、具体的にどうするのか? イーリンとベネディクトのとった手段は単純にして効果の望めるものだった。
 そう、それは……ベネディクトの貴族の嗜みやイーリンの地元のダチコーに村のお偉いさんなどの発言力のある人に仲介して貰うという手段だった。それだけではなく、目視で探すことも並行していく。
「村長の家は一番大きな家が一般的だと思うが、解らなければ村民に訊ねてみるか」
 そうして村長の家が見つかれば、いよいよ訪問だ。
(予言が耳に入っているなら、対策を打たずとも話題にしたことはあるはず)
「ごきげんよう、夜回りの修道女ですけれど。少しお時間を頂いても?」
 まずは、そうイーリンが切り出す。
 にこやかに、相手が何故避難しないかの本質を探っていくが……否定はしない。
(予言に誑かされたと思われたくないから? 自分たちの体裁があるから? タフネゴシエイトで時間をギリギリまで使って、納得させれば後は皆を扇動して行けば良い。誘蛾灯のような安心感のための夜花と後光よね)
「大丈夫、貴方達の悩みを神は必ず救ってくださるわ」
(『私達のお願いで仕方なく』なら言い訳も立つでしょ)
 そうしてそこに現れるのはベネディクトだ。
「村長、予言が出ているのは聞いているだろう。この付近にもその兆候が見られた、何事も無ければ良いが何かが起きてからでは遅い。俺達を信じて、一時退避してくれないか」
「ううむ。まあ、あなた方がそう仰るなら……」
「それと、足が遅い者や身動きが取れぬ者の家も教えてくれると助かる。移動が困難なら助けてやらねばならないしな」
 幸いにも仲間たちも待機している。移動に手間取ることも無いだろう。
「命だけを守るとは言わん。あなたたちにとって、この村は大事な場所だろう。この場所も勿論守ってみせる、約束しよう」
 そうして避難は村長の指示もあり始まっていく。『ロクデナシ車椅子探偵』シャルロッテ=チェシャ(p3p006490)も、避難誘導を実施していた。
「この戦場には、大切な仲間も居る様なのでね……村人を助ける様なガラじゃないのだが、お邪魔させて貰うよ」
 まず村人の避難を優先する事で、守ると同時に戦場の不確定要素を排除していく。
 シャルロッテ自身が信仰蒐集に至る存在感を見せて、村人を【統率】して避難させようというのだ。
「この戦略眼を以て敵から逃れる安全な経路を判断するよ。この技能と【R・I・D】の助けも得られるしね。どれもクェーサードクトリンの得意分野だ」
 そう、安全な経路での避難は住民を安心させるのには必須だ。
「何事も無ければピクニックとでも思いたまえ、だが何事か有ってから後悔しても遅いよ」
 村人同士でも相互に声掛け助け合いをさせ、確実に一人残らず避難させるべく、【R・I・D ナイトホーク】【A・メイド】【A・バトラー】にも手伝わせていく。
(例えば、戦闘中になってから村に取り残されていた子供が……とかそういう展開は御免被るのでね)
「あわわ、逃げ遅れてる人達が沢山! なんとか皆を助けるよ!」
 『ノームの愛娘』フラン・ヴィラネル(p3p006816)も避難誘導が最優先と考え動き回る。
 温度視覚で物陰に居て様子を伺っている人を取りこぼさないようにするのも忘れはしない。
(あたしは人をぐいぐい指示して引っ張っていくタイプじゃない、だから声掛けの後は説得などでも躊躇ってる相手の目を見て心に訴え背中を押そう)
「お願い、今はあたし達を信じて。絶対に守り抜くから!」
 真摯な言葉とは、最後の一押しになるものだ。だが、違う手段も必要だと『薄明を見る者』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)は分かっている。
「やれやれ予言だなんだとそんなものに振り回されるとはな。いづれにせよ人命は最優先。一つたりとも取りこぼす気はない」
 そしてブレンダは優しく説得するのは間に合っているだろうし私は私なりに避難させようと考えていた。
 半信半疑な住民たちを一喝して無理やりにでも動いてもらうつもりであり、こういう時の為のカリスマだと思っている。
「巻き込まれたくないのなら疾く失せろ! 怪我をしたくはないだろう!」
 戦闘態勢ということをわかりやすくするために黄金残響も発動させていた。
(見てわかるというのは大事だろう? 走れない住民たちは抱えてでも避難させるつもりだったが……いないようだな)
 それはイーリンとベネディクトからも伝えられている。『血風妃』クシュリオーネ・メーベルナッハ(p3p008256)もそうであればこそ、遠慮なく思考誘導を出来るというものだ。
 とはいえ、パニックを引き起こさない程度に不安を煽り、逃げようとする方向への思考誘導を試みるというものだ。
「態々預言という形を取るからには、必ずや海沿いの地域全てを巻き込む災厄が起こります。皆さんが隙を見せたその一瞬に、災厄は襲い来たり全てを呑み込みます。逃れるには今をおいて他にはありません」
 逃げなくても大丈夫と思い込むのを防ぐ為、物言いは基本断定的に。避難先は、極力海岸から遠い方面へ。
「神の正義、神の奇跡……相変わらずこの国はそうしたものに振り回されがちなのですね。何にせよ、まずは預言とやらを否定するとしましょうか」
「波が来る――ここは地の上だと言うのに。精霊が騒いでおる」
 『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)もそう呟きエレメント・マスターにより、可能ならば精霊を可視化して見せようとする。
「水、或いはそれに類するものが見せられれば説得力が増そう……ええい、というか我らが逃げろと言うたら逃げるのじゃ! 慌ててからでは遅いぞ!」
 『点睛穿貫』囲 飛呂(p3p010030)も事前に井戸などの水場の確認をしていたが……苦い。ニガヨモギのような味がする。
 だからこそ、説得の声にも必死な……真実味が混ざる。
「波が来てから逃げるんじゃ間に合わない、村の人達に被害出したくないんだ。原因は俺らがなんとかする。でも呼びかけは、村人同士の方が見逃しもないし、安心できると思う。協力して欲しい」
 そうして避難が終わった頃……1人の黒い男が村に現れていた。
 まるで最初からそこにいたかのように夜を纏う男は、「さて」と告げる。
「やりたいことは終わったか? ならば自己紹介しよう。私はヴェルナー……覚えなくてもいい。貴様等が生きるか死ぬかも、私には興味のないことだ」
 同時に、海岸に影の艦隊の姿が現れる……!
「儀式魔術:見通せぬ夜の帳」
 まだ明るいはずなのに「夜」だと認識してしまうような、自分の視界が制限されているかのような不思議な感覚。
 それは自分ではなく「この場」が変わったのだと、誰もが気付いていた。
 それは間違いなく、この戦いの始まりだった……!

●夜の魔術師
「あの黒衣を纏った男は……何処かで?」
(見覚えもある気もするが、ハッキリとは思い出せん)
 だが、それを呑気に思い出している暇は無いとベネディクトは思い直す。
 今は戦わなければならない。黒狼の直剣と黒狼の槍を振るい、迫る軽巡洋艦級へ向かい黒牙無慙を放つ。
 いつもより狙いにくい……だが、当てた。暗闇の中で暗視も無しに戦っているかのようだ。
 飛呂も視界そのものに制限がかかるのであれば温度視覚によって熱源でものを見ようとする。
「蛇の『目』を甘く見るなよ」
 ソリッド・シナジーを発動させながらジャミル・タクティールを飛呂は叩き込んでいく。
 とにかくまずは軽巡洋艦級を倒さなければならない。そう決めているからだ。
 だが、それでもやはり狙いが甘くなっているのを感じる……それを悟らせないように、飛呂は努めてポーカーフェイスを作る。
 そして……後方にいる巨大な『空母級』であるアトラクを倒さなければこの戦いは終わらず村は潰される。
 そう感じていたクレマァダは、アトラクへと絶海拳『海嘯』を放つ。
 サイズの大きいアトラクならば命中減衰が掛かっていてもある程度の命中が見込めることを期待してのことだが……先程のヴェルナーの儀式魔法が、確実にクレマァダにも影響を及ぼしている。だが、それでも効いている。
 だからこそ、クレマァダはヴェルナーに問いかけてみる。
「……なぜ予言の成就に拘る。今までの、在り得た世界の再現というのは……理解はせんが、なんとなく分かる。じゃが、こんなものはただの災害じゃろう。結局殺すしか頭にないように見えるのに、色々御為ごかしを捏ねるのには何か理屈があるのか? ヴェルナーとやら。申し開きがあるならば申してみるが良い。聞くだけは聞いてくれよう。どうせ納得はせんが、お互い少しはすっきりするじゃろう?」
 そんなクレマァダの問いに、ヴェルナーは何処吹く風……非常にどうでもいいという風だった。
「興味がないな」
「何?」
「どうでもいい。これをすると決めた連中が何を企んで何を為そうとしているのか。その全てが私にはどうでもいい。私が望むはただ1つ。それが叶うのであれば、他の全てに価値は感じない……いや、私の願いの礎となるのであれば価値はあろうか」
 だが、とヴェルナーは言う。
「それを貴様等が理解しようとしまいと、それもまた興味がない。私は私の目的が為、この預言とやらを成就させるのみ」
 ヴェルナーが指を鳴らすと同時に、虚空から槍が現れクレマァダへと襲い掛かる。「魔術:夜道の襲撃者」……ヴェルナーはこの儀式魔術の中で効果を受けない。なんともズルい魔術だ。
 だが、ヴェルナーを今此処で止める必要はない。村を破壊する軽巡洋艦級を倒し、アトラクを倒す。それが村を守る方法だと分かっているからこそ、クシュリオーネはプラチナムインベルタを放っていく。
 ヴェルナーのせいで中々当たらない中でも、プラチナムインベルタであれば話は多少だが別だ。
「こっちだよ、あたしが相手!」
 フランが引き付けるのは軽巡洋艦級たちだ。
 敵陣に突っ込んで攻撃集中しての花惑で釘付けにしてしまおうというのだ。
 そこからはがっつり皆の盾になって、全部の攻撃を受け止める構えだ。
 更にはベネディクトさんが範囲内なら森の激励でケアするのも忘れない。
「いっけーベネディクトさん!」
(ブレンダさんがアトラクを抑えてくれるんだもん、あたしも耐える!)
 そう、フランの言う通り……ブレンダもまた強敵と相対していたのだ。
「預言にこだわるのなら、このデカブツさえどうにかすればいいというわけだ……!」
 ブレンダの今回の役割はアトラクの抑えだ。
 自由に動かれてはどれだけの被害が出るか分からないからこそ、自由に動かすわけにはいかない。
「夜になり多少見づらくなろうとデカブツ相手なら問題はない。それに……私だけならいくらでも避けられるからな」
 砲身を皆とは別方向へ向け範囲攻撃を誘導するブレンダは、とにかくアトラクの足止めに徹していた。
「どんな武装を持っていようと当たらなければ意味はない!」
 当たったとしても、ブレンダには絶気昂がある。
「皆との合流を待ってもいいが倒してはいけないわけでもない……これでも竜と戦った身なのでなぁ! 船の相手くらいできない道理もない!」
 覇竜穿撃からの愛女神の交響曲でアトラクの方針を狙おうとしていく。そんなブレンダを支援するのはシャルロッテだ。
 クェーサードクトリンとしての力、タクト・オブ・グレイゴーストによる常時強化。
 英雄奇譚ラグナロクや殲滅兵団による戦闘支援、更にはクェーサーアナライズによる戦線維持も忘れてはいない。
「その上で【レギオン】の初お披露目だ」
 【A・メイド】【A・バトラー】を中心とした戦闘人形部隊。まさにレギオンの名の通りのそれらはシャルロッテの指揮に従い動く。
「さあ、パーティも終盤ね。シャルロッテ、そのまま装備だけじゃなくて。思考や命令、指揮系統の分析をお願い」
「ああ、任せてもらおうか」
 イーリンも紫苑の魔眼・織式を発動させながら、影の艦隊が絡め手など前回と違う戦術にどう反応するかを引き出そうとしていた。
(人は、水がないと餓死よりもっと早く死ぬ。普通に暮らしてるだけの人達すら巻き込むのか)
 飛呂はこの状況に、そんな怒りを感じる。
「苦しんで死ねって言ってるも同然、そんな予言に付き合ってやるもんか」
 だからこそ、ラフィング・ピリオドがアトラクに最後の一撃をくらわせて。ヴェルナーは消えゆくアトラクを見ながら僅かに溜息をつく。
「……此処までか。まあ、いい。チャンスはまだある」
 ヴェルナーはそう言うと、最後にベネディクトに一瞬視線を向けて去っていく。
 夜のように感じていた不可思議な感覚も消え……イーリンは、戦いの終わりを感じていた。
 預言を1つ、確かに妨害した。だが、これで終わりではないのだろうと感じさせる。
 そう、あるいは……これは更なる激戦を告げる合図かもしれないと。
 誰もが、そう感じていた。

成否

成功

MVP

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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