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シナリオ詳細

復興途中の鉄帝でぼったくりバーは許さないって話

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●エッダは憤慨した
 『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)は憤慨した。
 以前手に入れた密造酒関連のレシピが鉄帝の諸々で絶対に足がつかなくなって、こいつでチョロく飲んでやろうと思っていたのに、なんか使える雰囲気ではなくなったからだ。
 そう、鉄帝を揺るがした一連の事件もようやく終わり、鉄帝にも復興の兆しが見え始めた今現在。
 鉄帝の街に、この混乱のどさくさを利用して、なんと「ぼったくりバー」が出来ているというのだ。
 見た目には物凄く明るくて入りやすい雰囲気の酒場。
 ちょっと奥まった場所にある隠れ家的なバー。
 しっとりとした雰囲気のお洒落なバー。
 実はこれ、どれも今鉄帝に実在するぼったくりバーの例なのである。
 そう、あの混乱は鉄帝の軍人や官憲にも大きすぎる混乱をもたらした。
 新皇帝派と呼ばれた連中のことも含め、混乱の中で鉄帝のそうした治安能力が一時的に低下したのは仕方のないことであり、要はそんな混乱の隙をつくように色んな違法な連中が巣食うようになったのだ。
 その中の1つが「ぼったくりバー」というわけだ。
 ぼったくりというだけでも許し難いが密造酒を扱っているという話もあり、正常な鉄帝の経済に仇なす不届きものの代表格のようになっている。
 まあ密造酒のレシピでチョロく飲もうとか考えてたエッダはどうかという話はさておこう。
 こういうのは使う人間によって白黒が決まるんだ。いいね?
 さておいて、鉄帝の経済に放っておけば少なくない影響を及ぼしそうなぼったくりバーは捨て置けない。
 そこでエッダは、とある情報屋に話を持ち込んだのだ……!

●ぼったくりバーの実態
「えー、そんなわけで鉄帝にいるぼったくりバー連中の話です」
 『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)は集まった面々の前でそう切り出した。
 鉄帝に今存在する複数のぼったくりバーだが、その中でも無視できない悪質な売り上げを上げているものが3つあった。
 1つはオシャレで大人な雰囲気のバー『アイアン』。主にカクテルやおつまみなどを出し、カクテルの「技術料」などと言ってとんでもない金額を請求するバーである。
 1つは大衆向けの酒場「ゴッゴリ亭」。エールやワイン、料理などを出すが「サービス料」と称してとんでもない金額をぼったくりにくる。
 そして残る1つは、3つの中では最大の「カジノ&バー」である「スターヒル」だ。
 此処はカジノで客寄せして配っているドリンクが実は有料だとか言ったり、サービスで出されたナッツがとんでもない額だったり、カジノそのものでかっぱいだりとやりたい放題の店である。
 そしてこの3つは、それぞれ用心棒がいて客が支払いを拒否すると出てくるタイプのぼったくりである。
「つまり、遠慮はいらないということでありますね」
「まあ、そうなります。官憲と連携はできてるので遠慮はいらないですが、証拠は掴むようにするですよ」
 いきなり外から砲撃をぶち込んではいけない。つまりはそういう意味である……!

GMコメント

はい、というわけでぼったくりバーを潰しましょう。
現場はバー『アイアン』、酒場「ゴッゴリ亭」、カジノ&バー「スターヒル」です。
ぼったくりの現場を押さえれば証拠としては充分です。
あとは、分かるね?

なお、出てくる敵は従業員や用心棒です。
なあに、たいしたこたあねえです。
はい、そんな感じです。難しいことは一切考えなくていいですよ!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 復興途中の鉄帝でぼったくりバーは許さないって話完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年06月18日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
老練老獪
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
日車・迅(p3p007500)
疾風迅狼
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
ウルズ・ウィムフォクシー(p3p009291)
母になった狼

サポートNPC一覧(1人)

チーサ・ナコック(p3n000201)
旅するグルメ辞典

リプレイ

●ぼったくりバーをやっつけろ:前編
「はー。ぼったくりバー! 悪い商売を考えるものですね。その賢さをお天道様に顔向けできる事に使えばいいのに。まあ何でも拳で解決する僕が言える事ではないのですが!」
 『疾風迅狼』日車・迅(p3p007500)が開口一番にそんなことを言う。
「ボッタクリ破滅ツアーの始まりだ。すべての店の酒を飲み干して潰すぞおおおおおおおおおおおおお! 特にぼったくりバーを徹底的に潰すぞ! 理由? そこに目が留まったから」
「ぼったくり……たしか、追加料金を勝手に付けていって、法外なお代をちょうだいする悪質なお店でしたっけ。そんなお店がはびこったなら、どこの国でも痛手でしょう。観光にも響きます」
(神子として御祈祷料で荒稼ぎする姉さんの言いなりだった僕に言えたセリフではないですが……)
「まあ、その! 許せないとまでは言いませんけれど、お金の絡むことですからね? 仕方ないですね。おしごと、ですし」
 『蛇喰らい』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)がどっちが悪党かちょっと迷いそうなことを言っているのを『かみさまの仔』冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)の台詞が中和している。そう、ぼったくりバー壊滅。今日のバクルドたちの任務である。
「いやいや。復興途中じゃなくても、鉄帝じゃなくても、ぼったくりは商売で許されない行為だろうが。これはペナルティーとして、店舗没収だな。そして私の店の支店を開業して浄化しよう」
「悪!!! 滅!!! 殺!!! カスがぁ! 死ねぇ! やばっ 間違えたっす、逮捕だ逮捕ー! 店丸ごとあたしに寄越せ!!!」
 『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)と『持ち帰る狼』ウルズ・ウィムフォクシー(p3p009291)がやっぱり凄いことを言っているが、まあ相手は悪人なので許されるかもしれない。
「ガサ入れして土地の権利書を手に入れるであります。勇者さまムーブ。あとで居抜きで飲食店やりたい奴に貸し付けてチョロく稼ぐためであります。ヒーッヒッヒ」
 おっと、『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)の台詞1つでどっちが悪人か本格的に分からなくなってきたぞ。『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)が早くもちょっと離れて他人の顔をしている。
「お酒は好きだけどぼったくりバーは滅すべき。ぼったくりバーを更地にして新しいお店を立てる為の空き地にすればいいんだね! よーし証拠掴んだら星の破撃で一撃だー!」
「居抜きであります居抜き! 片づけ代もただじゃないでありますよ! それにすぐお店が出来るってコンセプトで稼げるであります!」
「そっかー」
 『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)とエッダがそんなことを言い合っているが、さておいて。
「ぶはははッ、いい気分で酒飲んだ後にこれされると『居酒屋』自体の信用もなくなるしなぁ。酒も出してるゴリョウ亭を営むモンとしても看過できねぇわな」
 『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)もそう締める。そう……悪人を倒して身包み剥ぐツアーの始まりである。

●ぼったくりバーをやっつけろ:後編
 バー『アイアン』。照明も含め、どことなく大人な雰囲気のあるバーだ。
 バクルドは、そこで静かに飲んでいた。迅も同じだ。普通に飲み食いをしている。
 ……まあ、アイアンにはおつまみくらいしかないのだが。
 メニュー表を確認して技術料の記載があるかどうか確認していたが……なんか物凄い小さく書いてある。
(模様かと思いました……)
 無ければそんなものは払いません。あった場合はそんなものは見えません。
 そう言っていた迅だが、つまりコレも見えないのである。そしてバクルドは……まずはモカが仕掛けるのを見ていた。
 モカはまずはカクテルを注文して、腕前を確認しようとしていた。
 頼むのはモスコミュール。バーテンダーの腕が試されるものだ。
「……」
(これはポーカーフェイスが無ければ、顔をしかめるレベルの不味さだ。料理(悪)のスキルでも持ってるのか、あのバーテンダー?)
 モカからしてみれば、非常に粗悪だ。密造酒だとしても、これだけ素材があればもっと良い物を作れるだろうに。
「おい、私にそのシェイカーを貸せ!」
 カウンターに入り込んだモカはシェイカーを奪い取るとカクテルを作り始める。
「技術料を取れるレベルのカクテルってのは、こうやって作るんだ!」
 その様子を見て迅も頷く。
「技術でお金を取りたければモカ殿並の腕になってから言ってください)」
 良い酒があったら割れた事にして持っていこう、などと品定めも始めていたが……さておいて。
 ウルズも調査とか頭の使うことは先輩達に任せて飲んでいた。
 怪しまれたり探りを入れられるような事があれば率先して喋って演技と言いくるめで場を凌いで逆に情報を引き摺り出してやるつもりだったが……飲んでいる分には客なので飲むのに集中できていた。
 そんな中、バクルドも一杯頼む。
「ジン・トニックを一杯」
 やはり定番の一杯だが……飲んだバクルドは、心の底から「不味い」と唸る。
「なんだこりゃ、ジンが薄すぎる上にトニックウォーターはだめになってらぁ。味を隠すために砂糖でも混ぜてるみたいだが飲めたもんじゃねえな」
 そこらに置いてるスピリットを適当に飲み干しながら居座り続けようとするバクルドだが、手口としてはかなりチンピラである。
「ろくにジントニックも作れないやつに何を作らせろって? シャーリーテンプルか? シンデレラか? おっとミルクのロックが関の山か?」
「こ、こいつ……! ぐちゃぐちゃ言いやがって、金払えるんだろうな!?」
「ねえな、こんな金は」
「はあ!? おい、出てこい!」
「出たっすね!? 張り倒してやるっす。技名はノーギルティだけどお前らはギルティっす!」
 ウルズが早速突撃して用心棒をぶっ飛ばしていくが……正直に言って、出てきた用心棒とは勝負にもなりはしない。
 簡単にぶちのめすと、バクルドは従業員を叩き起こして目の前で「カクテル」を振る舞ってやることにする。
「俺からのカクテルだ、よく味わえよ」
 卵黄、ウスターソース、ケチャップ、ビネガーと胡椒を少々。
 後はアレンジでたっぷりのタバスコを振りかける。
「卵黄の衛生面は凡そ信じられたもんじゃないが鉄帝の人間だ これで腹下すなんてねぇよなぁ? 特製プレーリーオイスターだ。俺ぁ優しいから、授業料はタダにしておいてやるよ」
「さー、飲むっすよー!」
「だな、代わりといっちゃ何だがこの店の酒蔵で酒を飲み干しておくか」
 そんなことを言うウルズとバクルドだが、残念なことに次の店に行かねばである。
 そして次に訪れた店は酒場「ゴッゴリ亭」だ。アットホームな酒場といった雰囲気のこの場所もボッタクリであるのだが。
 此処でも迅はこちらもメニュー表にサービス料についての記載を確認していた。
(模様っぽく書いてありますね……あっても無くてもやっぱり払いませんが)
 そして、此処で動いたのはゴリョウだ。
 基本的には太っ腹な見た目を利用し、文字通りの太い客として動き、招惹誘導を応用して、店員等の視線を俺に向けさせてるよう小金持ちな客を演技するとしていた。
 そう、他メンバーが上手く活動できるようにするサポート役であり人助けセンサーで客以外もチェックし脅されて働かされてる奴とか居る可能性をも考えていた。
 だが、この場所……酒場「ゴッゴリ亭」。此処については流石にモノ申すことがある……ということで。
「ほー。ほほー。金を。余分に取ろうと。誰から? ほーん。自分の顔をよく見るであります。どっかで見覚えないでありますか? もう一度聞くが、誰から金を毟ろうとしているのか分かっているのか?」
「し、知るかボケェ!」
「オラア!」
 一撃で用心棒を沈めながら、エッダは大暴れする。今の鉄帝でエッダを知らないのは結構モグリだが、馬鹿はそういうの興味ないので仕方ないのかもしれない。
「ていうかボッタ店って基本マズいでありますよね。マトモなもんが出せる腕があるならボる必要なんかないでありますしね。むしろこんなクソマズいもんを出された慰謝料を丁寧に頂戴して回らないといけないでありますね。オラァ原液の方がまだマシまであるぞ!」
 原液タンクの下に寝転がっていっぱいプッシュしながら文句をつけているエッダだが、とりあえずその横を通りながらゴリョウの出番である。
「正当な理由なく料理一品でバカ高い「サービス料」取るのは流石にダメだ。大衆向け謳ってるなら尚のことだ……ちょっと待ってな。俺が本物のお通しってもんを教えてやるよ」
 というわけで、ゴリョウのお料理タイムである。
「作るモンは居酒屋の定番。熟成されたタコを塩辛風に仕上げ、色味がキレイな茎ワサビと和えた、旨味と刺激の味わい深いたこわさ。そして出汁をたっぷり含んだふんわりと柔らかでしっとりと仕上がった出汁巻卵の2点だ」
 出来上がった料理は、まさに大衆向け居酒屋の定番メニューだ。
「ゴリョウ亭ではこれらを出来る限り気軽に食える値段にしてる。それは料理は食ってくれる相手ありきだからだ。美味い飯が食える場所ってだけで信用してくれるし、その信用あらばまた食いに来たくなるだろう。その良きサイクルを一時の金儲けで失うのはあまりにも勿体ねぇと思わねぇか?」
 反省し、やり直す気概がある奴が居る場合はそのままゴリョウの店の従業員候補として引き取り教導だ。
「そんときゃ、きっちり『大衆向け』の心構えを教え込むぜ。今回の被害額はきっちり返させるけどな! ケジメは大事だ! おっと、欲しい奴がいれば店舗については他面子に譲るぜ。俺にとっちゃ店よりも人手の方が欲しいってのがあるしな。居なけりゃそのままゴリョウ亭の支店にするぜ」
 流れるように乗っ取りの話をしているが、おかしい。ゴリョウは酔っていないはずなのだが……。
 そして最後はカジノ&バー「スターヒル」である。3つの店舗の中では1番大きい店だが、やはりボッタクリである。ついでにイカサマもやっている。そして……ヨゾラは、このスターヒルに強い憤りを感じていた。
 だからこそ今日のヨゾラは魔術紋部分を化粧で隠し、伊達眼鏡も外して隠し持ち変装もしていた。
「3店舗全て…特にスターヒルは許すまじ。星の名前でぼったくりすんな馬鹿ー!」
 そんな感じであるが、モカもカジノコーナーの方へと向かっていた。
「へーカジノかぁ!遊んでいこうかなぁ。このドリンクやナッツはサービス?」
「厳選されたものをサーブしていますよ」
「そっかあ」
(そういう躱し方をするかあ……)
 言質をとっておこうとしたヨゾラだが、敵もさるものだ。
 メニューも見せてもらい、金額を覚えておくようにしていた。
 カジノも遊びつつハイセンスで音等に違和感ないか見ておこうともしていたが、すでにモカも対応していた。
(あーこれは……イカサマだね)
 そう、モカも同じ意見であった。
 どう考えても店ぐるみでイカサマをしている。そう考えていたのだ。
(じゃあイカサマを暴きましょうね~)
 直感、看破、聞き耳、捜索、他の使えそうなスキルを使ったモカは、ディーラーが怪しい動作をした瞬間に腕を取る。
「どういう事かな、これは?」
 モカがそう言えば、ヨゾラも行動開始する。
「よし領収……あれ、おかしいな結構高いよ? 飲食物は普通の範囲内だから高額にはならないはずだよね。悪いけど、さすがにこの額はぼったくり。会計は拒否させてもらうよ」
「おや、そうですか。では……力尽くということで」
「よし用心棒来たー! ぶちのめしタイムだ!」
「酒は人を傷付けるための道具じゃねー! あたしと酒勝負だ!」
「喧嘩の始まりです。お買い上げありがとうございます!」
 ヨゾラとウルズが真っ先に襲い掛かり、迅も手近な用心棒に飛び掛かっていく。
「これ一本で10万Gでありますか。オラ、高級酒でありますよ。飲ましてやるであります。ありがたく思え」
「ふん、復興中に酒に混ぜものして金をふんだくるたぁいい度胸だ」
 エッダも相手の口に瓶を突っ込んでいるが、ヤツェクも負けないくらいに暴れている。
「ここの請求額はこんな額ー! ぼったくりだよ! 僕等が引き受けるから皆は逃げてー!」
 そうしてヨゾラは大暴れする中、一般客が逃げていくのをサポートするが……それはそれ。
「僕の前でさぁ、星の名前掲げてぼったくり? ふざけんなよこらぁ!」
「あたしのおしゃけどこーねぇ飲みたい飲みたい飲みたい飲み足りないっすーなんで飲ませてくれないんすか……!? 文無しに飲ませる酒はない……? なんでそんな酷いこと言うんすか……! こんなに可愛いのにっ……びぇぇぇぇ……やだやだやだやだぁ!!! 飲ませて飲ませて飲ませて飲ませて飲ませて飲ませて飲ませてノーギルティ飲ませて飲ませて飲ませて飲ませて飲ませてェ」
 ウルズも大暴れだが、うーんタチの悪い酔っ払いである。ていうかケンカしながら酒も飲んでいたようだ。
 そんな中、睦月は店員の改心を狙ってギフト「幽世の瞳」を使っていく。
 各店員さんや、オーナーさんの断片的な過去を覗き見ししたうえで、後光を使用し天上のエンテレケイアで回復をほどこし、いかにも助けに来たかのように見せかけていたのだ。うーん、マッチポンプ。
(悪徳店員さんたちからは僕が天使に見えるかもしれませんね。かみさまですが)
「いまこの御札を買うと、これまでの罪から救われ札束風呂で美女に囲まれてウハウハになれます」
 何やら言いくるめようとしているようだが「まず現世利益で釣るのが宗教の手口ですし。反論されたら、「地獄へ落ちますよ!」と一喝すればいいですしね」らしい。よし、どっちが悪党か本格的に混沌としてきたぞ。
 そうして見事全員ぶちのめすと、なんだか分け前会議が始まっていた。
「ローレットと鉄帝の偉い人に掛け合ってアイアンの立地とお店を買い取れるか掛け合ってみるっす、リコルド酒造組合のオーナーとして真面目に取り組むっす……この店、欲しい。あたしはまだメーカーでしかなくてお店とかバーはまだ持ってないっす、もしかするとこれがあたしの第一店舗になるかもと思うと武者震いが止まらねえっす。買い取れるかな……大丈夫かな……いや、オーナーが弱気になっちゃダメっすね。押し通るっす!」
「スターヒルの物件を居抜きで頂……お借りしましょうかねフフフ」
「じゃあゴッゴリ亭は俺だな」
 そんな感じで分配が決まっていく中、エッダが真面目な顔になる。
「真面目な話。こういう商売やられると、いかな鉄帝とはいえ経済の循環不全が起きますから。使った金は適正に徴収され還元されるべきです。金が滞ることは共同体単位の生活水準が下がることと同意であります。魂がビンボーな奴はそれがわかっていない。陛下の治世の妨げとなるものは、些細な芽でも摘まなければ」
「そうですね! これにて三店舗壊滅です。お疲れ様でした! ちゃんとしたお店になった時にはちゃんとお客として行きますね!」
 迅が酒瓶を抱えながらそう綺麗に締めるが……こうして2つの武装勢力による抗争は終結したのであった。
 あ、違った。悪人退治は終了したのである。

成否

成功

MVP

ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク

状態異常

なし

あとがき

竜種がごとく~鉄帝ボッタクリ編~
end……

違ったっけ? そうですね。

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