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シナリオ詳細

<天牢雪獄>蘇るは、失われし古のチョコの香り<グラオ・クローネ2023>

完了

参加者 : 24 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●失われし古のチョコ
 チョコレイト。チョコレート。
 甘くて美味しい、御伽噺の灰色の王冠(グラオ・クローネ)を言い訳に大切な人、お世話になった人などにチョコを贈るイベント。
 それらは友情の確認だったり、慰労だったり、家族への感謝だったり、あるいは恋人へ贈るものだったり。
 色々とあれど、そのチョコの香りでその日は満たされる。
 けれど、もしも……もしもだ。
 長い歴史の中で失われた「幻の食材」の1つである、古の美味なるチョコの香りがその中に混ざっていたとしたら……どうだろう。
 勿論、現代まで伝わる技術の進歩と研鑽による美味は素晴らしいものだ。
 けれど、けれどだ。もう2度と味わえないはずのチョコレートがひっそりと復活していたとしたらどうだろう?
 鉄帝の空の上、アーカーシュ。その「とある場所」で、食の守護者たちによる最終調整が行われていた。
「……うむ。量、味、香り……どれも伝説の通りだ」
 液状になったチョコレートを味見した全身鎧の騎士が、そう頷く。
 ガストロリッター。そう呼ばれるガストロ帝国の意志を継ぐ者たちの一部がアーカーシュにいることは周知のことだが、たまにこうして食材を持ち込んで何かをやっていることもある。
 そしてどうやら今日は……チョコレート、であるようだった。
「此方も問題ない。採取方法によって甘味やコクが変わるというのも真実だと判定できる」
 もう1人のガストロリッターは、アーカーシュでよく見つかる冷蔵庫から固まったチョコを取り出していた。
「通常のチョコと同じ時間での凝固を確認した。味も……問題ないな。そちらはどうだ?」
「ああ。熱しても問題は無しだ。見ての通り、果物にもよく絡む」
 どうやらチョコレートの調理法を各種試しているようだ。全身鎧で。
「ではこの実験結果をもってして『チョコレートウッド』の再生は完了したとみていいと思うが……どうだ?」
「異議なし」
「異議なし」
 次々に響く声に1人のガストロリッターが頷く。
「では全員異議なし、ということで本部にこの結果を送る……が、このチョコレートウッドはこのまま活用していいらしい」
「活用……というと」
「アレか」
「アレだな」

●古のチョコの復活
「と、いうわけでグラオ・クローネということもありショコラパーティを開催することにした」
 『ガストロリッター』アヴェル・ノウマン(p3n000244)は集まった面々にそう告げた。
 グラオ・クローネにかこつけたチョコだらけのパーティということだが……レリッカ村の近くの建物跡を改築したパーティ会場がガストロリッターたちにより用意されている。
 中は当然様々なチョコが用意されているが、今回用意したのはただのチョコではない。
「幻の食材の1つ『チョコレートウッド』を使っている」
 チョコレートウッド。それは文字通りチョコレート色の木だというが、枝や幹を切ることでチョコレートが溢れてくるという、そんな不思議な木なのだ。
 木自体も食べられるらしく、遥か昔に貴族に乱伐されて絶滅したと思われていたものだ。
 しかし木の実は残っており、ガストロリッターによる再生研究が長く行われ、ようやくそれが完成したのだ。
 会場にはそのチョコレートウッドを使った様々なチョコを中心に、色々なチョコがふんだんに用意されている。
 1人できても、数人できても構わない。
 チョコを楽しみ、チョコに溺れて。蘇ったその伝説の香りと味を楽しむ、そんな一日を過ごしてみるのはどうだろうか?

GMコメント

アーカーシュで蘇りし伝説のチョコ「チョコレートウッド」を楽しみましょう!
2階建ての会場は1階にたくさんのチョコが並び、2階は子供立ち入り禁止のお酒のある空間です。
香り高いチョコの復活をお楽しみくださいませ!
なお、会場ではアヴェルを含むガストロリッターがチョコが品切れにならないように駆け回っています。

●1階
中央に「チョコレートウッドの太い枝」が飾られ、チョコがたくさん流れ出て池になっています。
果物やパンなどが用意されているので、チョコフォンデュにして楽しみましょう。
他にもチョコレートウッドを使ったブラックチョコ、ビターチョコ、甘めのチョコ。
それらを使ったチョコクッキーやチョコレートドリンクなどもあります。
口休めにお水やジュースなども。

●2階
お酒を使った大人なチョコや、お酒そのものもあります。
子供は入っちゃだめです。

●特殊ドロップ『闘争の誉れ』
 当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争の誉れ』がドロップします。
 闘争の誉れは特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
 https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • <天牢雪獄>蘇るは、失われし古のチョコの香り<グラオ・クローネ2023>完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2023年02月25日 22時15分
  • 参加人数24/34人
  • 相談8日
  • 参加費50RC

参加者 : 24 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(24人)

ギルオス・ホリス(p3n000016)
リーヌシュカ(p3n000124)
セイバーマギエル
エフィム・ネストロヴィチ・ベルヴェノフ(p3n000290)
歯車卿
アウレオナ・アリーアル(p3n000298)
白雨
オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
武器商人(p3p001107)
闇之雲
マルク・シリング(p3p001309)
軍師
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
ルナール・グリムゲルデ(p3p002562)
片翼の守護者
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
レイリー=シュタイン(p3p007270)
ヴァイス☆ドラッヘ
胡桃・ツァンフオ(p3p008299)
ファイアフォックス
ライ・ガネット(p3p008854)
カーバンクル(元人間)
ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)
最強で最高のダチ
祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
祈光のシュネー
郷田 京(p3p009529)
ハイテンションガール
佐藤 美咲(p3p009818)
無職
ニャンタル・ポルタ(p3p010190)
ナチュラルボーン食いしん坊!
夢野 幸潮(p3p010573)
敗れた幻想の担い手
クウハ(p3p010695)
あいいろのおもい
シェンリー・アリーアル(p3p010784)
戦勝の指し手

リプレイ

●香しきはチョコなのか
「木から直接チョコレート……? カカオの実じゃなく? うーん、まぁ……加工の手間も無いし? 楽っちゃ楽か……?」
「木からチョコレートは初耳だねぇ。どういう原理なのやら」
 『紅獣』ルナール・グリムゲルデ(p3p002562)はチョコレートドリンクを飲む『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)と共に首を傾げる。
「うーん絶妙な甘さ、何混ぜても合いそう」
 言いながらルーキスたちは2階へと向かう。
「ついでにチョコレートのカクテルでも頼もうか」
「チョコのカクテル、いいね。違うタイプを二杯頼もうか」
 なんなら今作っても良いけど。
 ルーキスと一緒に作るならそれでもいいけどな。
 そんな言葉が重なって。
「今年のグラオクローネも一緒に出掛けられて良かったよ」
「んー? そうだなぁ、でも来年も一緒に出掛けるぞ?」


 二人並んで座りながらチョコレートカクテルで乾杯する2人の姿は、とても自然なもので。
 2人のような光景もあれば、それぞれの過ごし方をする2人もいる。
 そう、『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)と『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)だ。
「実はさ! 私って元居た世界ではあんまり甘い物を食べる機会ってなかったんだよね! ふふ! 君と一緒に甘いチョコを食べて、お酒を飲んで……私はなんて幸せ者なんだろう!」
「ふふふ、蕩けるような甘いチョコに、ほろ苦いお酒。こんなパーティーを楽しめるのは、落ち着いた大人の特権ですわね」
「そうだね! これはきっと私達のように落ち着いた大人の淑女の特権さ!」
 並ぶ2人はそれぞれお似合いのドレスを着て、お酒の入ったグラスを掲げる。
 互いの色を映したグラスは、その尊い関係性を現しているかのようだ。
「乾杯しましょうマリィ。ゼシュテルと私達の未来に」
 そう、まさに大人の特権だろう……何杯か飲んだ後の醜態を除けば。
「おほほほほほ、お酒がいっぱいでございますわ〜〜〜!」
「あはははは!酔っぱらったヴァリューシャも可愛いなぁ……!」
「ほら、貴方も飲みなさい!」
「うおっ、酔っ払いだ! タチの悪い酔っ払いがいるぞ!」
「ほぅ? 君はヴァリューシャのお酒が飲めないっていうのかい?」
 数十分後、泥酔して通りすがりのガストロ騎士の兜の隙間にお酒を流し込むヴァレーリヤと、それを全肯定するマリア。とんでもないコンビの出来上がりである。
「出会え出会え!」
「あっ、こら!放しなさい!私をつまみ出すだなんて、どういうことですの!? 私は、お客様ですのよ!!マリィ、マリィ、助けて下さいまし! この人達が! 謂れのない罪で! 私を!」
「は? ヴァリューシャを解放したまえ! レインボータイガー社の法務部と争う気かい!? 絶対に許さないよ!」
「誰かリーヌシュカ氏連れてこい! 確か近くにいただろう!」
「酔いがさめるまで樽に入れとけ樽!」
 そんな2階に視線を向け『セイバーマギエル』リーヌシュカ(p3n000124)は「……何か今呼ばれたような」と呟く。
「ま、いっか。アーリア、おさそいありがと! ねえ、なにする? わたしね、チョコたべたい!」
 そうして目を輝かせるリーヌシュカに『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)は優しい目を向ける。
「みんなでチョコを食べたいわ。あとチョコフォンデュ!」
「ええ、あっちにあるわね。でもその前に……」
 まだ到着していない「とある人物」のことをアーリアはリーヌシュカに囁く。
 そう、かの『歯車卿』エフィム・ネストロヴィチ・ベルヴェノフ(p3n000290)のことだ。
「なんていったって今日は我らがアーカーシュの歯車卿、エフィムさんのお誕生日。いっつもデスクに向かってばっかりだからシュカちゃんと引き剥がすの大変だったわよねぇ、ふふ」
「ええ、勿論忘れてないわ! 歯車卿の誕生日を祝うのね、いいわ! 盛大に祝いましょ!」
 そう、その為に集まったのはアーリアとリーヌシュカだけではない。
 『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)もヒュッと顔を出す。
「精霊にも声をかけてきたの。みんなアーカーシュの仲間だもの、きっと喜んで祝ってくれるわよね!」
 そして主役であるエフィムを『浮遊島の大使』マルク・シリング(p3p001309)がエスコートしていた。
「これはこれは。マルクさん、お誘いをありがとうございます。仕事の話……というわけではないようですね。一体なんでしょうか」
 疑問符を浮かべるエフィムにマルクを代表した仲間たちが一斉に声をあげる。
「ハッピー・グラオ・クローネ&ハッピー・バースディ!」
 マルクは少しだけブランデーを入れた紅茶で、誕生日に乾杯を。
 仲間たちもドリンクを手に乾杯すれば、『アーカーシュのDJ』ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)が進み出る。
「チョコレートをオッサンからもらってもうれしかないだろうが、卿。ま、ねぎらいの歌くらいは貰ってくれ。ハッピー・グラオクローネ。そしてアンタのこれからの年が日に日に素晴らしくなりますよう。なぁに、ここまでどんがらがっしゃんと悪くなったとこから立ち直ったんだ。後は勝ちに行くだけだろう?」
 此処に来るまでの間、A-001に頼んでアーカーシュラジオの生放送の手配もヤツェクはしている。
「士気高揚にもなるしいきなりマイク振られた歯車卿の対応見たくないか?」とのことだが……エフィムがどんな表情をするかは、もう少し先のお楽しみだ。
 ……と、そこに『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)がろうそくのついたケーキを持ってエフィムの前に立つ。
「我からもエフィムにプレゼントを用意しとるぞ! 他の者からも貰うだろうから、ケーキは控えめサイズにした! オレンジとビターチョコのケーキじゃ。どうじゃ? 洒落とるじゃろ? ムフフ♪」
「おや、これは……ろうそくが独特の形ですね」
「我から見たお主のイメージをパティシエに頼んでみたんじゃ。酒とも合いそうじゃからな! お主の歳は分からんかったからの、ロウソクは歯車型にしてみたぞい!まんまじゃが!ガハハ! ほれ! フーッて消すんじゃ! それ、フーッと! ほれほれ!」
 エフィムが蝋燭を吹き消せば拍手が響いて、オデットが果物をチョコフォンデュにしたものを配っていく。
「歯車卿は今日の主役だもの、遠慮しないで受け取ってね」
「俺は政治とか情勢とかそういうの苦手だから執務作業が出来るのは凄いと思う。いつも頑張って貰ってるお礼の意味も込めてパーティーを全力で盛り上げないとな!」
「そんなことを思ってくださっていたのですね」
 『カーバンクル(元人間)』ライ・ガネット(p3p008854)にエフィムは頷き、ヤツェクの曲に耳を傾けお酒を一口飲む。
 少し辛口の赤ワインはチョコレートにも良く合う味だ。
「チョコが食べ放題と聞いちゃ、このカロリーの申し子が黙っちゃいませんよ。というわけで佐藤美咲参上でス」
「ああ、美咲さんもいつもおつかれさまです」
「やー、オデット氏ほどじゃないスけどねー」
 エフィムに言いながら『カラーレスシビル』佐藤 美咲(p3p009818)はチョコをまとめて口に運ぶ。
「オデット氏もニャンタル氏もシュカ氏も若いスからねー。血糖値が気にならない今のうちにいっぱい甘いもの食べておきなさいな。私? 私は去年の健康診断を受けてないからセーフでス。シュレディンガーの血糖値というやつでスよ」
 確認するまでは健康と不健康、どちらもあり得るというわけだ。
「さ、2階からお酒も持ってきたわ! 改めて誕生日おめでとう&ハッピー・グラオ・クローネの乾杯!」
「ハッピーバスデートゥーユー!」
 そうしてアーリアとリーヌシュカも同時にエフィムへとお祝いの言葉を贈って。
「みんな聞いて、歯車卿が書類仕事の仕方を教えてくれたの。すっごくめんどくさいけど、大事なことだもんね。あとは。帝国軽騎兵隊! 集合! いますぐ歯車卿に特大の花束を調達してきなさい!」
 勿論、これは演出なので事前にアーリアが手配しているので到着まではすぐだ。
 そんな向けられる感謝の気持ちたちは、確かにエフィムへと届いている。
「ボク……私の誕生祝いですか。なんというか面映ゆいものですが。いえ、この歳になって誕生日などというものを祝われるのがこれほど嬉しいとは思ってもみませんでした」
 アーカーシュの面々による、自分への誕生日祝い。クセの強い面子の集まった独立島アーカーシュではあるが、その仲間想いの気質は他の勢力にだって負けはしない……それを改めて感じるかのようだ。
「皆さんありがとうございます。折角ですから今日は仕事なんて抜きにして、ヤツェクさんの曲を聴きながら、お酒でも飲んでしまいましょうか」
 新しいワイングラスで再度の乾杯をしながら、エフィムはその味をゆっくりと楽しむ。
 たまにはこんな日があっても良い。そんなことを思いながら、エフィムは再度誓う。
「ボクも帝国の民だ。ボクなりのやり方で、必ず平和を取り戻して見せる」
 その姿を見ながら、マルクは『ガストロリッター』アヴェル・ノウマン(p3n000244)に声をかける。
「それで、あの相談の……」
「ああ、準備は出来ている。今でいいんだな?」
 頷くマルクが合図をすると、ガストロリッターたちが勢いよく整列し、ヤツェクがその旋律を聞きなれたものに変える。
 それは誕生日の歌。仲間たちが綺麗に揃って歌う姿は、エフィムですら驚きに驚きを重ねるサプライズであっただろう。
「ゆっくり時間を過ごせるのもそろそろ……スかねー。この後は戦闘が続いて……全部終わったらそれはそれで忙しくなるでしょう」
 一通りの歌が終わった後、美咲はそうエフィムへと語り掛ける。
「酒の席だから言うんスけど、歯車卿なら戦後を任せられると思っています戦後のアーカーシュを任せまスからね? というわけでこれはお願い料として」
「我からも、もう1つプレゼントがあるぞ! これじゃ! ババーン! 縁起の良い物じゃぞー! いい事が沢山来る様にな!」
 ニャンタルもそこに混ざっていく中、リーヌシュカとアーリアも改めて楽しんでいた。
 チョコレートウッドの作り出す不思議なチョコは、リーヌシュカの乙女の部分に突き刺さったようで、そんな彼女の面倒をアーリアは楽しそうに焼いている。
「元が軍人さんだし、随分成長もしたとは思ったけれど……まだまだ子供らしくてかわいらしいわねぇ。ほら、あーん」
「あーん。えっへへ! 美味しい! これチョコレートウッドっていうのね。チョコの池に入れるのは、マシュマロと、果物と。つけるチョコは甘いのとホワイトがいい。お口直しのドリンクは紅茶をいただくわ! ホットのストレート!」
 まるで、妹がもう一人できたみたいだわ、と微笑むアーリアだがニャンタルが「ち、ち、ちちち……わ……我より有る!!!! 我の方がお姉さんじゃぞ?!」と敗北していたのは、また別の話だ。
 そして、1人でコャーと参加した者もいる。『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)である。
「なんと、樹液がチョコとは摩訶不思議。チョコの香りに誘われて、やってきたのがわたしなの」
 そんな胡桃が向かったのは当然、チョコレートウッドによるチョコフォンデュだ。
「メインは何と言ってもチョコフォンデュかしら〜最高に贅沢なの。果物! お菓子! パン!」
 次々とフォンデュされていき、胡桃の口の中に消えていく。
「騎士さんやガストロリッターのみなさまも、チョコレートウッドの栽培からパーティの準備まで、お疲れ様なの。とても楽しませてもらわせているのよ」
 そんな胡桃に、ガストロリッターたちはそれぞれの反応を返して。
 『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)と『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)も、その中に混ざっていた。
 2人ともエフィムの誕生日祝いにも混ざっていたが、それも終わったのでこうして楽しみに来ていた。
「チョコレートウッド…枝から流れたチョコで池ができてる!? すごいなぁ……」
「チョコレートの池……不思議で、おいしそう。フォンデュにしてお皿に盛って……ちょこちょこ食べるよ。みゃー」
「チョコの池にくぐらせて、お皿に乗せて……いただきまーす!」
 そうして食べてみれば、なんとも美味しいチョコだ。
「チョコレートウッドのチョコもあるんだ! 色々少しずつ食べようかな」
「チョコレート沢山。いいよね……。お腹いっぱいになったら寝ちゃいそうかも」
 どれも美味しく、一番を選べと言われても中々に迷ってしまいそうだ。
「不思議な木、チョコレートウッド……今度こそ絶滅せずに数を増やせるといいな。色んな菓子の樹や植物があったらお菓子の森になりそう」
 あるいは、あるかもしれないが……その一方でチョコを知らない者もいる。『通行止め』解・憂炎(p3p010784)である。
「ところでチョコレートってなんだい。僕は生ハムとか以外全く知らないんだ。カカオ豆なる物から出来ると本には書いてあったんだけど、木からも出来るんだね。世の中は、未知で溢れている。やはり本だけは解明できない世界がそこにあるという事か」
「って、えっ? チョコ知らないの? 実は拙もよくは知らない! 名前は聞いた事あるんだけどね。おとっつぁんが「あめーからあんま食べるなよ。太るぞ」って事でね」
 憂炎もそうだが、『白雨』アウレオナ・アリーアル(p3n000298)も大概である。
 チョコを知らない同士がチョコレートウッドみたいな変化球が最初で大丈夫なのだろうかと思わないでもないのだが……まあ、上物なのは間違いないから良いのだろう。
 ともかくアウレオナも「憂炎は大丈夫かな、この前結構な怪我をしたんだよね……」と気にしてはいたが、憂炎も元気そうだ。
「っと、いけないいけない。アウレオナさん。ハッピーグラオクローネ。そして、誕生日おめでとう。此処に連れてきたかったのは僕からのささやかなプレゼントさ。思い出は、たくさん作った方が良いと思ってね。これも、その一つさ」
「……えっ? くれるの!? うわ~ありがとう!初めてだよ、人からチョコを貰ったのは! 食べて良い? いいよね? いただきまーす! ……うわ~にがい! ダークチョコってヤツかな? でも憂炎がくれたものだもんね、大事に食べるよ!」
「どうかな。気に入ってくれたなんだこの黒いチョコ滅茶苦茶苦い」
 そんな憂炎だが、当然チョコの種類については知らないわけで。
「そういえばグラオクローネはお互いに渡してもいいんだよね。と言う訳で――はい。これ拙から! こっちは多分甘いのじゃないかな。一緒に食べよう?」
 そうして渡されたチョコは、結構甘い。
「なんだ、ちゃんと甘い物もあるじゃないか。しかし僕にはちょっと甘すぎるな。いつも生ハムで塩分過多だからかな?」
 言いながらも憂炎はイマイチきまらない自分にちょっと苦笑してしまう。
 しかし、そんなところも憂炎の良いところだろうか?
「さて、コーヒーでも如何かな。甘いチョコと合わせるとこの苦さが欲しくなるのは僕だけかな? 本音を言えば、このコーヒーとチョコをお義父さんも楽しめたら良かった」
 アウレオナへコーヒーを渡しながら、憂炎は他へは聞こえないように、それを告げる。
「実はもう一つプレゼントがあるんだけどね。それはまた今度渡させて欲しい。もう少しカッコつけて渡したいからね」
 憂炎のその言葉に、アウレオナも微笑む。
 そんな光景を余所に、ギルオス・ホリス(p3n000016)と『ハイテンションガール』郷田 京(p3p009529)も2階へとやってきていた。
「今年もグラオクローネの季節がやってきたね」
「チョコに溺れて構わないだなんて、太っ腹なイベントよね! 今年は一緒に、お酒やチョコレートを楽しむわよ!」
「ああ、君もも成人した。一緒にお酒も飲めることだし、ね」
 そう、京も今年で20なのだ。
(ただ折角の日だし……酔っぱらわない程度に留めておこうか……大丈夫かな。京が暴走するような気もする)
 しっかりと見張っておくとしよう、と苦労人な事を思うギルオスの横で京はなんとも楽しそうだ。
「お酒の入ったチョコっていうと……ウィスキーボンボンかしら? ま、全種類コンプリートでたべちゃうから、そのうち分かるわね! もちろんお酒も忘れずにね? さ、一緒に楽しみましょー、あっはっはー!」
 これはダメそうだ、とはギルオスは言わない。そんな京の楽しそうな姿が、ギルオスの楽しさでもあるからだ。
「ふふ、いつだって元気だなぁ」
 ギルオスの予想通りに酔った京は、どうやら絡み酒のようで。
「チョコおいしー、お酒うまーい、あっはっはー!えー、酔ってないよー、ほんとほんとー! ひっく! えへへ、気分が良いので京ちゃんがあーんをしてあげます、あーんを! そして代わりにギルオスさんもこの京ちゃんにチョコを食べさせなさい、あーんするのです、あーん」
「ああ、いいとも。はい、あーん」
 いつ渡そうか、と悩んでいたそれは小さなチョコ。
 それをギルオスは、指で摘んで京の口へと運び入れていく。
『ヴァイスドラッヘ』レイリー=シュタイン(p3p007270)と『敗れた幻想の担い手』夢野 幸潮(p3p010573)の2人もまた、独特の雰囲気を持っていた。
「色々な味があって美味しいわねー」
 気楽な事を言いながらお酒入りのチョコレートをワインでゆっくり楽しむレイリー。
 そんなレイリーを前に、幸潮は愛というものに対する1つの答えを見出していた。
 しかし、それを口に出すことはなく。
「食事は人の三分の一を成しているからな。多様であるのは当然よ。此度もお誘いをありがとう。ハッピーグラオ・クローネ、レイリー」
 まずは、そんな言葉から始めてみる。
「して……我がレイリーを愛の対象として扱っているのは言うまでもないが。レイリーは我のことをどう思っているのか、一つ聞いてみたいな」
「幸潮かぁ。私から見ると純真ってかんじかしら? 心というか精神というか」
 凄く物を純真に見てるし、彼女自身もそんな風に見える。そうレイリーは語る。
(だからこそ、場所や状況に合わせた姿や心になれるんだろうし。私にとっては少々眩しいわね)
「あーん♪」
 だからこそ、そんな気持ちを示すように甘くて酔いそうなチョコレートを差し出す。
「……あーむっ」
 まるで恋人のような展開に幸潮が「恥ずか死ぬ」と呟いてしまうのは仕方のないことだろう。
 『闇之雲』武器商人(p3p001107)と『悪戯幽霊』クウハ(p3p010695)の姿は、1階にあった。
「いやァ、凄いねぇ……。そこかしこからチョコレートのいい匂い。幻のチョコレートと謳うだけあって期待が持てそうだ」
「幻のチョコレートとやらはどんな味がするのやら。伝説ってぐらいなら相当美味いんだろうな」
 そんなことを言っていた2人だが、中々に満足しているようだった。
「折角だし慈雨に食べさせてやろう。ほら、口開けろよご主人サマ? 可愛い眷属からの施しだ。嫌なんて言わねーだろ?」
「ん、クウハ。食べさせてくれるの? もちろん嫌じゃないよ」
 そうしてパクリと武器商人がキウイを口にすれば、武器商人もクウハへとパンを差し出す。
(お互いにお互いの世話を焼くのが好きなもんだから、こういうのも最早自然にやっちゃうんだよね)
 世界で一番旨く感じる、などという台詞が自然と出てくるクウハも流石と呼ぶ他ないが。
「家の奴らにも食わせてやりたいな。土産に買って帰れないか打診してみよう。出来る事なら木の枝自体を持って帰りたいところだが……さて」
「枝そのものが無理でも、お土産にこのチョコを使ったお菓子とか貰っていければいいよねぇ」
 なんとも思いやりに満ちたことを言う2人だが……お土産にと配られたチョコレートウッドの欠片は、楽しい一日を過ごせる程度にはもつだろう。
 これは、そんな誰もが幸せになれる……そんな日の話だ。

成否

成功

MVP

マルク・シリング(p3p001309)
軍師

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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