シナリオ詳細
<グラオ・クローネ2023>咲いた咲いた、華しょこら
オープニング
●宿に椿が咲き誇り
豊穣のとある町は、波止場から交易船がよく出ていた。
交易が盛んなだけではなく、海を望むその町はすぐ近くに山があり、山と海の幸、両方を味わえることで知られている。
山には、古くから地元に住む人たちに『山の手のお屋敷』と呼ばれている大きな旅館がある。何代も前の初代主が、お家が潰れて手つかずとなったお屋敷を買い取り、旅館にしたのだそうだ。元々あった椿園を年々広くし、丁寧に世話をし――それはそれはとても美しい椿園があるのだと、広く人々の口に噂が上る程だ。
そんな宿に『幽霊』の噂が流れ、客足が遠のいた。
何とか噂を払拭したいと望んだ宿からの依頼でイレギュラーズたちが泊まり、何事もなかったと示したのだった。
――それが、昨年の今頃の話。
「今年も椿が咲いているのでしょうか」
「見頃を迎えているそうだよ」
ポツリと零したルーキス・ファウン(p3p008870)へ劉・雨泽(p3n000218)がさらりと答える。まるで『聞いた』ような言葉にルーキスが視線を向ければ、にっこりと笑みを浮かべた雨泽が「実はね」と懐から文(ふみ)を取り出した。
「若女将――いや、今はもう立派な女将かな。彼女から『良かったらどうですか』って案内を貰っているんだ」
「ひっひー! チョコ、食べる!」
はいっと元気にカルウェット コーラス(p3p008549)が挙手をすれば、「そうやね」と昨年を思い出して蜻蛉(p3p002599)がころりと鈴音を転がした。
椿の美しい宿――『椿屋』は困難に立ち向かうためにあれやこれやと知恵を絞り、話題性を作るため、異国の菓子職人を召し抱えている。『華しょこら』と名のつく花の形をした貯古齢糖は訪れる客にも土産にも、大層人気であった。
「以前は甘味処の厨房で作っていたみたいだけれど、椿園の離れを改築して専門のお店にしたみたいだよ」
「つまり、甘味が増えたんだな?」
雨泽の言葉に甘党の回言 世界(p3p007315)が素早く反応する。反応の良さに小さく笑った雨泽は頷いて肯定して、「甘味処にもね」と付け足した。
椿園の中にある『しょこらてぃえ』では様々な花の形をした貯古齢糖が購入できる。赤や白の椿屋定番の椿チョコから、赤紫と空色の紫陽花、薄紫と白の藤、白と橙の百合、濃い紫の菖蒲、薄紅と白の桃、黄色と白の梅――すべての季節がそこへ揃ったかのように、愛らしい貯古齢糖の花々が咲いている。
旅館内にある甘味処では定番の椿チョコしか口にできないが、今年から『抹茶フォンデュ』が食べられるようになった。椿が描かれた重箱の中に美しく並べられた果物や白玉や焼き菓子を、お椀に入っている温かな抹茶チョコレートに浸して食べるのだ。香り豊かな抹茶チョコレートがとろりと包んでマリアージュ。
また、善哉も美味しそうだよと雨泽が告げる。椿の形の最中と白玉の入った椀に、温かなお湯をかけて最中を崩すのだという。あんこをたっぷりと食べたい人はゆで小豆を追加して貰うことも可能だし、椿チョコを添えてチョコ善哉にする人だっている。
「貯古齢糖とあんこ? って思う人もいるかもだけれど、美味しいんだよ」
「それはまた……人気であろう」
「想像するだけで、美味しそうって思っちゃいますね」
咲花 イザナ(p3p010317)と綾辻・愛奈(p3p010320)が頷きあい、実際に人気なのだと雨泽が笑った。
「……幽霊も安心しとりそうですの」
「そうだね。もう『出た』って噂もないみたい」
宿と若女将のことを案じて出ていた幽霊――先代女将は、きっともう。
ええことですと顎を引いた物部 支佐手(p3p009422)に、雨泽は思い出したように「飲みすぎないようにね」と釘をさしておく。一応、だ。
「お土産を喜んで貰えましたし、今回も……」
「あれ。一緒に行かないの?」
昨年は椿型の貯古齢糖のみを売店でお土産に買えたが、今年は『しょこらてぃえ』で他の華しょこらも買える。すべての花をお土産に、なんて考えた水月・鏡禍(p3p008354)に対し、雨泽の口が弧を描く。
「せっかくの灰色の王冠(グラオ・クローネ)の物語の日だよ?
好いた相手と花を愛で、甘味を口にし、甘い言葉のひとつでも囁いておいでよ」
鏡禍へと、そしてローレットに居るイレギュラーズたちへと言葉を紡いだ。
好きの形はきっと、どんなものだっていいのだ。
友人として、恋人として、伴侶として。どんな形であれ。
「暫くの滞在でも宿泊でも、大丈夫だよ」
椿屋は椿の垣根で覆った露天風呂からの眺めも最高だ。
一緒に行かない? と雨泽がいつも通りの笑顔を向ける。
――「わしもいくぞ!」と響いた瑛・天籟(p3n000247)の声には笑顔で無視を決め込んで。
- <グラオ・クローネ2023>咲いた咲いた、華しょこら完了
- GM名壱花
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2023年02月26日 22時05分
- 参加人数42/∞人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 42 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(42人)
サポートNPC一覧(2人)
リプレイ
●
ざあと冷たい風が椿の花を揺らした。
桃色の瞳に映る景色は昨年と一緒で……少し違う。
昨年は憂いの表情を隠そうとした笑みだった女将は、今は心から笑っている。買った花のチョコレートも昨年よりいっぱいで、包みを抱えたカルウェット コーラス(p3p008549)はひひっと笑った。
ヒトって、すごい。成長して、変わっていく。
そんなところが好きだ。
「あ、雨泽」
「やあ、カルウェット」
「これ、あげる、する」
まだ綺麗なままでポトリと落ちていた椿。
「ありがとう。君に似合いのものも探そうか」
ふたりは椿の間をゆるりと歩き、小道の床几に腰を下ろしているリンディス=クァドラータ(p3p007979)とマルク・シリング(p3p001309)の前を通り過ぎていった。
「マルクさん、何色が好きですか?」
「好きな色、というか、気になるのは、この赤と白の花が同じ木に咲いている椿かな」
あれ、見えるかな。
指差すマルクの視界に近づこうと、リンディスが身を寄せる。赤と白が寄り添う椿の花のように。
「リンディスさんは?」
「私は……うーん、白でしょうか?」
昨年この時期は梅を見た。梅の白さも思い出し、リンディスとマルクは同時に咲った。
それから話すのは、お土産の話。
椿といえば椿油が有名だから、髪の長いリンディスにぴったりだ。
「今日の夜の読書のお題花にしませんか?」
「花に因んだ本、いいね」
帰りに本屋さんで見繕おうと決めれば、読書の合間に摘むチョコレートも買っていきましょうねと話が弾む。勿論、バッグの中に忍ばせた贈り物のことはその時まで内緒のお楽しみ。
「今日は、のんびり過ごしましょう、ね」
忙しい建葉・晴明(p3n000180)のために、休息日を。
己の傍らで彼の心が安らかにあれることを、メイメイ・ルー(p3p004460)はいつだって望んでいる。
差し出された腕と手、どちらにしようか少し悩み、手を伸ばすのは腕の方。
「……晴明さまだから、ですよ。他の方には、しません」
「……俺だけか」
言葉無く問う視線に精一杯の主張を返せば静かな……けれども擽ったげな笑みの気配が降りてきて、メイメイの胸を跳ねさせる。
「美しいな」
静かな声は、椿に向けたもの。
飾り気のないその声が安らいでいることが察せられ、メイメイはそれだけで嬉しくなる。良い香りと可愛らしい花、そして好きな人も側に居てくれる幸せなひととき。
「メイメイ殿」
一言断って晴明が離れれば、心が萎む。
けれども彼はすぐに身体を戻し、メイメイの頭へと触れた。
「矢張り、赤がよく映える」
「……! ありがとう、ございます」
彼の言葉と笑みで落ちていた椿を髪に添えてくれたことを知り、メイメイの胸は喜びでまた膨らんだ。
「……晴明さまは、春、お好きです、か?」
「好きだ。だが、冬の寒々しいときも好ましく思うよ」
豊穣は四季が他国よりも確りと感ぜられる。それは鮮やかで美しい。
豊穣の春はメイメイの故郷の春とは違うけれど、メイメイはどちらの春も好きだった。
「わたしも、好きです」
主語を省いた言葉はあなたがとも告げているようでドキドキしてしまうけれど、一足早く椿が春を届けてくれたようで温かに心を揺らして。
メイメイたちが女将に「足湯もありますよ」と案内された頃、レイン・レイン(p3p010586)はひとりで椿園を散策していた。
「……この花は見た事ない……かも……?」
陸に疎いレインには、まだまだ知らないことばかり。
花壇に咲かずに木に咲く椿に首を傾げ、そっと触れれば花弁はしっとり、ツヤツヤの葉は硬く、柔らかな花の感触は好ましく思えた。
「同じ所から、違う色が出てるの……何でだろう……」
疑問は増えるばかり。
頭を使って疲れたレインは、チョコレートドリンクはないかなと本館へと戻っていった。
椿園の中に新設されたしょこらてぃえ『椿』には四人の客が訪っていた。
「以前に買った貯古齢糖はここのものなんですよ」
「そうなの? あれ、とても美味しかったわ」
昨年お土産を買って帰った水月・鏡禍(p3p008354)は恋人のルチア・アフラニア(p3p006865)に紹介できて嬉しいとはにかんで。
形だけでなく味も違うと店員が教えてくれたから、ふたりは真剣な表情で貯古齢糖を吟味する。どの形も凝っていて、美しい。
「気になる形はありましたか?」
「そうね……」
「全部にしますか?」
「それはなし。やりすぎよ」
ルチアが望むのなら、全部あげたいと鏡禍は思うのに。
「折角だし貴方に選んで貰えると嬉しいわ」
「僕が、ですか? でしたら百合を」
凛として咲く花は、彼女のよう。
「……いつか、私たちの形の貯古齢糖も食べたいわね」
「ルチアさんの形は、食べてしまうのが惜しいですけど」
「あら」
それならひとりで全部食べてしまうわよ、なんて。ルチアは鮮やかな花のように咲った。
(お花、お花、白い花…白く淡く、広がる光ですべてを癒して――)
華しょこらをジッと見ていたはずの祝音・猫乃見・来探(p3p009413)は脳裏に浮かんだ景色にハッとした。すぐにそれは消えてしまったけれど。
「祝音はどの花を選ぶの?」
「あ、劉さん」
「どれも可愛くて悩んでしまうよね」
選べないと悩んでいるのは雨泽も同じのようで、ホッと笑みが溢れた。
ふたりでうーんっと悩んで、祝音は桜の華しょこらを購入した。
「はい、劉さん。友チョコ、だよ。みゃー」
「奇遇だね、僕も同じことを思っていたんだ」
同時に開けて見れば、咲くのは同じ花。
またふたつ、笑みが咲いた。
●
「これを貰おうかな」
アレン・ローゼンバーグ(p3p010096)はお土産用の椿チョコを選んでから、自分用の椿チョコとほうじ茶を注文した。
盆を持って景色が良いところを探し、そこで食べるのだ。
美しい椿の景色も、椿チョコも、みぃんな『姉さん』へのお土産だ。
彼女へのお土産には薔薇を選びがちだから、今回の椿はきっと喜んでくれることだろう。そうして外に出たいと彼女も思ってくれたのなら――
「うん、美味しい」
アレンの腹へと椿がぽとりと落ちていった。
「エルピス、ふぉんでゅでいいかな」
「ええ。わたしも同じもので」
柔らか微笑みを眩しげに見つめたルーキス・ファウン(p3p008870)は、自分と『聖女の殻』エルピス(p3n000080)に抹茶フォンデュをと注文した。
暫く待てば届けられた重箱には思わず「重箱だ」と声が漏れ、蓋を開ける時のワクワク感、そして下の段をも開けるワクワク感に胸を満たした。
「……『ふぉんでゅ』って初めて食べたけど美味しいな」
「豊穣にはフォンデュはないのですか?」
聞けば、チーズフォンデュなるものもあるのだとエルピスが言う。
お互いの味をより美味しく頂く。それは食材への感謝につながる。
(俺も、エルピスにとっての「ふぉんでゅ」みたいな存在になれたら良いな)
へえと零したルーキスはそんなことを思いながらも抹茶チョコに浸したバナナをぱくり。抹茶もチョコレートと合わさるとこんな甘さになるのかと不思議な心地を覚えたのだった。
「――童、酒は……」
「わしは童ではないぞ」
抹茶フォンダンと酒とを交互に口へと運ぶ瑛・天籟へと注意しようと声を掛けた咲花 イザナ(p3p010317)は、その言葉にはたと彼の姿を見た。よくよく見れば、尾も角も成熟しているように見える。
「これは失礼をした」
「よいよい。しかし主は真面目そうじゃの」
気にするのならば酒に付き合ってくれと天籟は笑い、己から申し出るつもりだったイザナはふたつ返事で応じた。
「甘いものはの、酒にもあうんじゃ」
「ほう」
天籟の各地の酒話に付き合いながら、賑やかな宿の様子にイザナは瞳を細めた。
なかなかいい旅館だと零した十夜 縁(p3p000099)に、彼を誘った蜻蛉(p3p002599)は嬉しげな笑みを見せる。
「前に泊まった旅館に、今度は縁さんと二人で来れるやなんて」
甘味処の内装と窓の外の景色へと意識を逸らせば、「誰と」なんて野暮な問いをほうじ茶で飲み込むことに縁は成功した。勿論依頼でなのだが、知る由はなく。
程なくして椿チョコと抹茶、抹茶フォンダンが供されれば、それらを載せた盆を縁が持ち、ふたりで静かに景色と味とを楽しめる場所を探した。
「ひとくち頂いてもええ?」
「嬢ちゃんもやってみるかい?」
串に刺した白玉を抹茶チョコへ浸した縁が差し出そうとするが、蜻蛉は受け取らずに己の唇へと指を当て微笑む。
逡巡は一瞬。間が開いては意識していると思われる。
桜色の唇から覗く赤い舌。白と緑。
見つめてしまわぬように気をつけて。
「ご馳走様でした」
「……絶対わざとだろ、お前さん……!」
にっこりと、悪戯猫が微笑んだ。さあ、どないやろ?
先にお湯を頂いたシャルティエ・F・クラリウス(p3p006902)とネーヴェ(p3p007199)のふたりは、旅館の浴衣姿で甘味処前で待ち合わせ。
湯上がりの血色の良い肌と頬、髪はしっとりとしていて――
(ネーヴェさん、いい匂……ハッ)
(クラリウス様……ちゃんと男性だわ)
ネーヴェの髪からは椿の薫りが香り、シャルティエは浴衣で喉仏や首筋が顕になっている。パッと視線を逸らしあったふたりは微妙な空気にそわそわとしながらも席につき、甘味を注文した。
「なんて綺麗で……素敵」
見目も可愛くて。
最中を見つめるネーヴェの表情にシャルティエは嬉しくなる。
甘味を口にすれば妙な空気は消え去って、善哉と椿最中に舌鼓。
「ネーヴェさん、善哉美味しいですよ。一口どうですか?」
「交換こ、ですか? はい、ぜひ!」
ネーヴェが最中を割って差し出されたのをぱくり。
こちらもどうぞと一匙掬って差し出して。
羞恥は後からやってきたけれど、ネーヴェが幸せそうならと耐え忍ぶのだった。
「ねぇ、これなんて読むんだっけ?」
「ぜんざい、だな」
「どんなの?」
「あんこの汁?」
漂う甘い香りに祖母の記憶を呼び覚まし、朔(p3p009861)は懐かしさを覚えながら小さく笑った。あれやこれやと尋ねてきたけれど、結局コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)は全て食べるつもりのようだ。
「うま!? なにこれ、甘すぎないのが良いわぁ。朔、朔、これ何で出来てるの?」
「抹茶のチョコだな」
抹茶フォンデュはお気に召したらしい。
けれど。
「……」
「て、おい。そんな顔すんな。これちゃんと食べ物だから。美味いから!」
善哉に対して「この黒いドロドロがぁ?」と疑いの眼差しのコルネリア。
「不味かったら承知しないからね!」
そんな事を口にしながらも、一匙。
もう一匙。
「俺食おうか?」
美味しかったんだなと察して笑う朔に、疑った手前美味しいとは素直に言えないコルネリアは「あげないわよ!?」と椀をかばうのだった。
――全て頼んでいいし、奢ってやる。
そうクウハ(p3p010695)が言ったから、有原 卮濘(p3p010661)は遠慮なく「ここからここまで全部ください!」をした。
美味しいとほっぺを抑えて食べ、時折クウハにもあーんっと食べさせ、抹茶チョコをつけた白玉団子も食べさせてもらう。嬉しくて美味しくて、雰囲気も良くて最高♪
「妹か犬みてー」
「えっ」
「いや、オマエの存在に俺は結構救われてるんだぜ? ってこと。一緒にいてくれてありがとな」
「え、はい、こちらこそいつもありがとうございます」
『有原卮濘』がヒトとして動けてるのはクウハのお陰だ。突然のことにそわりとバングルを撫でてしまう。
「後で露天風呂もいこうな」
宿泊客は旅館の浴衣も着れる。見せてくれるかと問えば大きな頷きが返ってきて、卮濘はせっせと甘味を口へと運んでいく。
家族風呂を予約しておかないとだから、食べ終えたら受付にいって。待ち時間は椿を眺めていればいい。
ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)と武器商人(p3p001107)は養子のラスヴェートを混じえて家族旅行。豊穣の四季に富んだ景色も椿も美しく、露天風呂と風情のある旅館。そしてなにより、ラスヴェートの嬉しげな顔。
甘味の前ではヨタカとラスヴェートが真剣な顔で悩み、武器商人の心を綻ばせた。
「全部1つずつ買って、皆で分けるとか、どう……?」
「うん、全部頼んでシェアして食べよう」
「パパさん天才! さんせー!」
練り切りもチョコも、全部食べたい。それなら全部買ってしまえばいい。
気に入ったものがあれば明日帰る前にもう一度楽しんだっていいし、華しょこらはお土産に買って帰ることだってできるのだから。
「どれもすごーく美味しい!」
「ふふ、そうだね……」
客室で親子仲良く口にすれば、ラスヴェートが瞳をキラキラと輝かす。
「ラス、我(アタシ)の分もあげるよ」
「あ、お父さん。大丈夫だよ、お父さんの分はお父さんが食べて」
息子がこんなにも優しい。ヨタカがしっかりと育ててくれているお陰だろうか。
口の端にチョコレートをつけながらもキリッと武器商人を見上げるラスヴェートの口をヨタカが懐紙で拭い取る。
ラスヴェートは小さいけれど知っているのだ。
美味しいものは好きな人と分けっ子したほうが美味しい。
それにこの後には海の幸と山の幸双方盛り沢山な夜ご飯。
パパとお父さんと一緒に旅行が嬉しいと咲うラスヴェートの笑顔はふたりへの何よりのお土産となったのだとか。
グラオ・クローネは恋人たちの特別な日。そんな日にお泊りの約束を取り付けて紲 雪蝶(p3p010550)は飛び上がらんばかりに喜んでいった。
『貴様にとって特別な日だというのであれば、吾輩にとっても特別な日だ』
意味を解っているのかは解らないけれど、そう言ってくれる紲 月色(p3p010447)が愛おしい。
「月色。はい、あーん」
椿チョコを摘んで差し出せば、月色は素直にぱかりと口を開けた。
けれども途端に恥ずかしくなった雪蝶は手を引っ込める――が。
「いいから寄越せ」
「ちょっ……!?」
力強く手首を握られ、引き寄せられる。
指先に吐息が掛かって、意識してしまう。
「ん、なかなかに美味だな」
ニッカリと笑うその顔がずるい。
「……ああ、そうだ雪蝶。これは吾輩からのチョコだ」
勿論本命だと告げる月色に本命って意味解ってる!? って思う。ずるい。
口を開けろと言ってくるところもずるい。開けちゃうじゃん。僕だけ顔真っ赤じゃん。チョコの味なんてわかんなくなっちゃうじゃん!?
「美味いか?」
「うん……」
「まったく、このくらいで照れているようでは、家族風呂すら共に入れそうにないな?」
「えっ!?」
月色が呵呵と笑う。雪蝶ばかり心が乱されて、本当にずるい。
だから勇気を出して、えいっと口付けた。
唇の近く。けれど意識しちゃいそうな、そんな場所に。
「唇は、月色が僕と同じ気持ちを抱いたら貰うね?」
僕の本命ってそういう意味なんだから!
メニューに描かれた絵はとても愛らしくて、アルル(p3p010943)は悩んでしまった。椿の形のチョコも、最中も……うーん、全部可愛い!
という訳で、アルルの眼前には全種類の菓子が並んでいた。勿論、飲み物も、だ。
「お主、それ全部食べるのか?」
そんな声が掛かれば、ちょっぴりだけ恥ずかしくなる。
顔を上げてみれば、相手はぷかぷかと浮かぶ――本当のアルルの年くらいの子。
「うーん。一緒に食べてくれる?」
「よいぞ」
向かいの席にぴょんっと座ったその子は、『てんらい』と名乗った。おじいさんみたいな喋り方で……字はどう書くんだろう?
「ぜんざいから食べようかな」
「あんこは熱いぞ」
「大丈夫だよ、ふーふーするから!」
苦手だったあんこは美味しく感じて、サクサクな最中が口についたとふたりで笑い合う。和菓子とお茶ってちょっと大人な感じがして、背伸びをした気分。
パパ、ママ、私……大人な食べ物食べれるようになったよ。
「なんじゃ、どうした? ほれ、これも食べよ」
両親を思い出し眉を下げると、椿チョコが口へ飛び込んできた。
「雨泽様、もうしんどいとこないですか?」
「大丈夫だよ、ニル。こないだはありがとう」
ニル(p3p009185)と雨泽、そして『ココア』と物部 支佐手(p3p009422)で四人掛けの席。ニルと雨泽の前には抹茶フォンダン、支佐手の前には椿チョコが置かれている。
「支佐手は今日は酒は良いの?」
「いやあ、酒にも合いそうですが、今日は結構」
「因みにその貯古齢糖、幻想のブランデーとすごく合うよ」
「人の決心を揺らがせるの、やめてくれんでしょうか」
小さく笑った雨泽は、おいしいねとニルへと顔を向ける。
「はい、『おいしい』です」
雨泽を真似て白玉に抹茶チョコをつけたニルはもちもちと頬張って。
支佐手へと視線を向ければ、彼も幸せそうな顔をしている。
やっぱり甘味は『おいしい』のだ。
「お花も食べたらおいしいですか?」
「うーん、どうだろう? それじゃあ今度、専門店に行こうか」
エディブルフラワーが食べれる店が何処かにあったはず。
雨泽の言葉に「はい!」と頷いて、ニルは今日の『おいしい』を口に運ぶ。
「雨泽殿はまた珍しいもんを。わしも、ちいともろうてええですかの?」
「勿論。交換しよう」
「ニルも交換、したいです」
ニルと雨泽の抹茶フォンダンは具が多いから、ふたりからは白玉と果物を。
支佐手からはチョコを貰い受けたニルは、仕事の合間でも摘めて、それでいて可愛らしさにホッとできるような食べられるチョコの花。これをお土産にしようと決めた。
「雨泽殿」
食べ終えた頃、支佐手が名を呼んだ。
「ちいと付き合うてもろうてもええですか?」
首を傾げれば、前回酒に失敗して世話になったから女将に菓子折りを差し入れたいのだと支佐手が口にして。
「勿論、付き合うよ」
「ニルはお土産を買って、お庭を見てきますね」
「僕も後から合流していい?」
「はい」
パッと笑ったニルは雨泽と支佐手を、いってらっしゃいと見送った。
●
温かな湯気が視界を白に染めている。
「屋外で椿の花を眺めながらお風呂も楽しめるなんて、楽園のような場所ですね」
けれどもその中に赤がぽつりぽつりと咲くのに目を細め、リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)は首筋へと手で湯を掛けた。
以前は入浴時に自身の身体と他人の身体を見比べて落ち込んだこともあったけれど、今のリディアはあの時よりも肉体的にも精神的にも成長している。
他人は他人だし、胸もお尻も大きければいいというものでもないので気にする必要はないのだが――それでも気になるのは乙女故だろうか。
日が暮れるのはまだ早く。椿をともに見て回った後、雨泽はチック・シュテル(p3p000932)と温泉に浸かっていた。
「雨泽、いっぱい元気……なった?」
「ああ、うん。お陰様で?」
「……ちゃんと肩まで、浸かって」
露天風呂は外気が冷たい。また風邪をひいてしまうと咎めれば「熱いの苦手なんだよね」と言いながらも、よいこのお返事「はーい」は返ってくる。
「そういえば、チックと温泉に浸かるのは初めてかも?」
自身が他者とのそれを避けていたのは勿論棚の上だ。
「椿、雨泽と……似てる」
「花に例えられるのは悪い気はしないね」
熱い! あいすくりんが食べたい! と雨泽が言い出すまで、ふたり、のんびりと。
「はー……あったまるー……お花見と温泉が両方楽しめるなんて、最高の贅沢だわー……♪」
夜も深まれば、レッツゴー夜の露天風呂! とジルーシャ・グレイ(p3p002246)がラグナル・アイデ(p3n000212)を男湯へと誘った。
ジルーシャがドのつくビビリであることを知っているラグナルはいいのか? なんてニンマリと笑ったけれど、夜の露天風呂――ほこりと白く立つ湯気が優しく照らされる様の美しさと星と花の魅力は其れほどまでに強いのだ。
「あれ? 葉っぱが動いたような……」
「えっ、うそうそうそうそ!?」
幽霊は『もう』出ないと聞いている。
が、それはつまり『以前は居た』の裏返しでもある。
温泉で上気していた肌が急激に青ざめていくのを見れば、流石に「あ、やばい」と思うもの。慌てて両手を合わせれば、涙目のジルーシャがキッとラグナルを睨んだ。
「もう! 甘味処で抹茶フォンデュを奢ってくれないと許さないから!」
勿論、気をよく笑ってふたつ返事。
正座をしなくていい良いところだったから、湯上がりにのんびりと楽しめた。
「お背中流しましょうか、みにゅー?」
「ちょっとレナ」
「なぁに、みにゅ」
「広いんだから、そんな近づかないで」
善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)とミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)は家族風呂でふたりきり。広々とした空間なのに身を寄せてくるレジーナに、ミニュイは慌てて距離を取った。
裸体を晒すだけでも落ち着かないのに、羽毛の無い身体でなんて、そんな……。
「ふふふふ」
「自分で洗える。だからほら、あっち行って」
離れても、レジーナは楽しげに躙り寄る。
せめてもの抵抗に蹴る形を取ったら――足首を掴まれてそのまま全身くまなく現れてしまった。
「……疲れた」
「そんなお疲れのみにゅに朗報があるのだわ」
「何」
「チョコレートとお酒を持ってきたのだわ」
「それって溶け……ってもう溶けてる」
「はいみにゅ、あーん」
「はいはい。レナも食べて。早く。ほら、あーん。はい、あーん」
ご機嫌なレジーナに、ミニュイはせっせと食べさせた。
これってもしかして……新婚旅行?
フーガ・リリオ(p3p010595)と佐倉・望乃(p3p010720)のふたりは、同時にハッと気が付いた。気付いてしまった。
そして予約した家族風呂の時間も迫っていて、どうしても意識せざるを得なかった。
「き、綺麗ですね……」
ドキドキしすぎてのぼせないように、とは思って入るものの、ドキドキしてしまう。出来るだけ湯気と椿を視界に入れているのに、それでも声が震えてしまう。
「そうだ、望乃。チョコも食べよう」
「あっ、はい……って、チョコ溶けかかってます!」
ドキドキしてる場合じゃない。急いで食べなくちゃ!
「椿チョコも美味しかったけど……もっと甘いモノ、味わってみないか?」
「……もっと甘いモノ、ですか? ……わたし、甘党ですから。すごく甘いモノを、期待しちゃいますよ?」
期待の孕んだ瞳が合わさって、唇と唇、そして舌と舌とが重なった。
甘党のキミはお気に召しただろうか?
エストレーリャ=セルバ(p3p007114)とソア(p3p007025)は水着姿で家族風呂。
「ねえ、今日はボクもエストを洗ってあげたい」
「いつもと逆だね。……じゃあ、お願いできる?」
いつもはソアが洗ってあげているけれど、いっぱい練習したんだと手をキュッとしてみせればエストレーリャが微笑んでくれて、ソアの尻尾がピンと立った。
「優しく優しく……丁寧に丁寧に……」
「うん、とても気持ち良いよ。上手だね、ソア」
「泡をいっぱいもこもこにしたからね!」
「それに何だか甘い香り?」
「ふふーっ、気付いた? ココアみたいに甘い香りでしょう?」
ボクからのグラオ・クローネだよ。
とっておきのシャンプーを持ち込んだのだと、ソアは誇らしげ。
「いい香り。ソアの手も気持ちよくて、とても幸せな気分。ソア、ありがとう」
気持ちよくて、泡が目に入らないように目を閉じていると眠気がやってくる。
眠らないように、気をつけないと。
「このままボクに全部任せてね」
「うん、お願い」
「……動いちゃだめだよ?」
「うん」
瞳を閉ざしたエストレーリャは、ソアの瞳がキラリと光ったことに気付けない。
頭を泡立てる手が、エストレーリャの耳も包んで――
「えっ、わっ」
「くすぐったい? あっ、動いたらダメだってば」
ギュッとして逃さない。
このまま身体も洗ってあげちゃうんだから!
「えっ、ソア!?」
「えーい!」
ソアは楽しげに身体を擦り寄せ、ふたりで全身泡もこになるのだった。
グラオ・クローネって二次元のイベントだけじゃなかったんだね……!
まさかミルヴィ=カーソン(p3p005047)という美女から誘いを受けると思わず、もしかしてコレって夢なのでは? と彼女からチョコレートを貰ってからも三國・誠司(p3p008563)は信じられずにいた。
え、だって。人生初めての女の子からのチョコだよ? 夢オチだったら泣いちゃうよ?
ジーザス! それだけでも嬉しいのに……神よ、僕は今あなたの存在に感謝しています。
「お背中流しますよー、うふふ♪」
人生初のチョコイベントを終了したばかりの誠司には刺激が強いことに(本当に刺激が強いことに)バスタオルだけを巻いたミルヴィが背中を流してくれると言うのだ!
「背中!? あ、いや、大丈夫だって……!」
「まあまあ、まあまあ」
暖かく柔らかな胸がぴとっと背中にくっつけば、もう誠司はその身を任せる他無い。
「ふふっ、意外と逞しいんだー?」
くすくす溢れる笑みが背中を擽って、それもそれで苦しいのを誠司は何とか耐え抜いた。
「私はね、人を信じられない」
ふたり並んで浸かった湯船の中で、自分が異性を惑わすタイプだという自覚のあるミルヴィは冷えた声でそう言った。
信じられない。だからこそ、信じさせてほしい。
ちゃんと愛してほしい。私を選んだことで不幸になってほしくはない。
うんと小さく頷いた誠司はミルヴィの肩へと手を回す。当然のことだが自分よりも細い肩は異性のそれで。ドキリとするけれども心を鎮めて抱き寄せる。
側にいるよと、その気持ちが少しでも伝わるように。
「ね、せいじくん」
肩に預けていた頭を持ち上げて、ちゅっと音を立てて口づける。
揺らぐ瞳と艶やかな唇に誠司の視線は吸い込まれ――重なった。
彼女の心が少しでも埋まればいいと思う。
返せるのは熱しかないけれど、それでも。
「まだ夜はこれからだしお部屋でもゆっくりしよ」
そうして一杯、アタシを愛してね。
●
温泉宿でのんびり羽伸ばし――ではない者も居た。
デスク仕事を持ち込み客室で黙々とこなしていたアルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)は、何度目かの綾辻・愛奈(p3p010320)からの指摘と座った視線に居心地悪気に手を休めた。
「珍しく顔が赤いな、大丈夫か?」
放置される形になった愛奈はひとりで酒を飲んでいたらしい。
今日は休みだとか、休むのも仕事だとか、温泉もチョコも椿も素敵だしお酒だって……と色々と口にしている。
(これは、酔っているな)
無防備な彼女の姿に、なぜだかアルヴァの方が恥ずかしくなる。
「……どこ行くんですか……今日はお休みです……」
「わっ、ちょ、愛奈?!」
水でも持ってきてやるかと思ったら、しがみつかれてしまった。
アルヴァは愛奈のことが好きだし、出来ることならずっとこやって……。
「……お願いだから」
「ん」
いつの間にか、愛奈は眠りに落ちていた。
「黙って居なくなるのだけはやめて……」
「……ごめん、な」
いったい何回彼女を傷つければ気が済むのだろう――。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
素敵な時間となったでしょうか?
ハッピーグラオクローネ!
GMコメント
ハッピー・バレンタイン! 壱花です。
今年もグラオ・クローネを楽しみましょう。
●目的
旅館『椿屋』でのんびり過ごす
●シナリオについて
以前イレギュラーズたちが依頼で赴いた旅館が舞台となります。(シナリオ名『甘き華咲く椿の宿』)
「ひとときを過ごす」でも「お泊り」でも雰囲気はご自由に。
●プレイングについて
選択肢グループから行き先を選択してください。(選択肢を選び間違えないか不安でしたら【1】等を一行目に記してくださっても大丈夫です。プレイングの記載を優先します。)
同行者が居る場合は一行目に、迷子防止の魔法の言葉【団体名(+人数の数字)】or【名前+ID】の記載をお願いします。その際、特別な呼び方や関係等がありましたら二行目以降に記載がありますととても嬉しいです。
「相談掲示板で同行者募集が不得手……でも誰かと過ごしたい」な方は、お気軽に弊NPCにお声がけください。お相手いたします。
●旅館
若い女将が、一生懸命経営しています。たくさんの人が来てくれるようにと、他国の甘味である貯古齢糖を作れる菓子職人を招き入れ、花の形の貯古齢糖を甘味処で出すようになりました。
豊穣の一般的な旅館です。再現性東京等の旅館で見られる、マッサージチェア・ゲームセンター・コーヒー牛乳等はありません。
●EXプレイング
開放してあります。
文字数が欲しい、関係者さんと過ごしたい、等ありましたらどうぞ。
可能な範囲でお応えいたします。
●NPC
弊NPC、2名が同行しています。
○瑛・天籟(p3n000247)
【4】以外に現れます。
大抵どこかでチョコを肴にお酒を飲んでいます。
○劉・雨泽(p3n000218)
【1】でのんびり椿を愛でていたり、昨年は無かった【2】で全部食べたいと悩んでいたり、【3】で重箱に入った抹茶チョコフォンデュにニコニコしたりしています。【4】は男湯であれば現れます。露天風呂が好き。
●ご注意
公序良俗に反する事、他の人への迷惑&妨害となりうる行為、未成年の飲酒は厳禁です。
年齢不明の方は自己申告でお願いします。
イベシナなので描写は控えめになるので、行動は絞った方が良いでしょう。
行動場所
以下の選択肢の中から行動する場所を選択して下さい。
選択肢は【1】だけれど「『しょこらてぃえ』で購入したチョコを食べている」等も可能です。
【1】椿園
旅館のお庭から続く広い椿園。遊歩道になっており、椿を愛でながら散策できます。
品種別に植えられており、一重咲・八重咲・宝珠咲・牡丹咲、赤・白・桃・縦縞としっかりと分かれていますが、咲き分け(一本で異なる色を咲かせる)・七曜変化(色・形が多彩)等、多彩な椿の道もあります。
【2】しょこらてぃえ『椿』
椿園の中にひっそりと建つ離れ。
以前は茶室だったようですが、建て直してチョコレート屋さんになっています。
花の形の貯古齢糖がたくさん並んでいるので、選ぶのを楽しみたい方向け。
此処で作られた貯古齢糖が甘味処や売店で売られています。が、こちらでは椿以外の和花の形の貯古齢糖もあります。
【3】甘味処
旅館(本館)内の甘味処。椿の形の貯古齢糖を取り扱っています。売店でお土産として購入することも可能です。
こちらで購入した場合、庭が眺められる落ち着いた甘味処でも、客室や休憩スペースのある玄関広間(ロビー)等でも、好きな場所で召し上がれます。
<食べ物>
椿チョコ、椿最中、練りきり、善哉、抹茶フォンデュ
<飲み物>
煎茶、抹茶、ほうじ茶
【4】浴場
男女に別れた大浴場と予約制の家族風呂があります。
どちらも露天風呂があり、椿の垣根で覆われています。
入浴可能時間:15時~23時、5時~10時
【5】その他
ただロビー等に座ってのんびりしたい等、旅館内でできることができます。
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