PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<チェチェロの夢へ>粘り強いのも考えもので

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 ノイスハウゼン上空に発見された伝説の浮遊島『アーカーシュ』。
 本格的に始められた調査は鉄帝国軍と、依頼を受けたローレットのイレギュラーズの合同で行われている。
 鉄帝国は探索隊の子孫たちが住む『レリッカ』近傍に拠点を築き、探索を徐々に広げていくことになる。
 飛行亜竜を駆るイレギュラーズのために、馬宿ならぬ竜宿が設けられ翼止場(はとば)と呼ばれるようになり、それに合わせるかのように幾つかの新しい探索箇所も増えてきた。
 地上外周部にあたる『小浮遊島群』。
 そして、新たに発見された『地下遺跡深部』。
 今まで探索していた地上や遺跡以外も含めると、まだまだ未知の世界が広がっていることは明らかだ。今回も、そんな未知の世界の一つ……なのだが……。


「アーカーシュにも食べられる動物や植物は沢山あるんだよな? そういうのも探したほうが良いと思うんだよ! その……食べたいわけじゃなくて! レリッカの人達の為にもさ! ほんとうに!」
 新道 風牙(p3p005012)はアーカーシュ地上部にぽっかりと空いた洞窟を前に、興味深げに覗きつつ仲間達に語りかける。こういうところに潜むたぐいは、ゲテモノでこそあれど美味であることが……まあ、少なくはないのである。
「ヤだよ、洞窟なんて暗いし臭いし美しくない。ボクが堂々と向かうような場所じゃないだろう?」
 セレマ オード クロウリー(p3p007790)は風牙の提案に乗り気ではない。セレマらしいといえばらしい理由だが、その程度の否定で風牙が引くわけもない。覇竜で色々と美食に耽溺したがゆえに、新天地に美味を求めるのも間違っちゃ居ないのだろう、わりかし真面目に。
 なお、イレギュラーズは好奇心旺盛な者が少なくないので進むことに肯定的だ。
「まあまあ、こういう中に色々と……例えばゴーレムとか! 隠されてるかもしれないし!」
「取ってつけたような理由に押し切られるのは余計に嫌なんだよなあ!?」
 風牙が言って聞くようなキャラであればまだよかったのだけど、そういうわけでもないので結局内部に入らざるをえないわけで……セレマの懸念は、数秒後に現実となる。
「ああああああああああああベチャって落ちてき、なんだよこれ! なんか痛っ、こいつ敵じゃねえか! 風牙! 責任取れよお前!」
「…………」
「なんとか言えよ!」
「いや、なんか餅とかみたいで美味しそうだなって」
「そういうことを言えっつってんじゃねえよ畜生が!」

GMコメント

 別に悪さしようって訳じゃないんですよ。ほらなんていうか、別に取ってくおうとか狙って倒しにかかるってGMとしてあるまじき行為だと思うんで別にそんな害意はないんですって。ね?

●成功条件
・粘性物体(名称未定)の撃破・回収
・アースエレメンタルの撃退
・セレストアームズ(ミキサーアーム)の機動成功(オプション)

●粘性物体(名称未定)×8
 各人にひとつずつ向かってきます。怒り無効。どうやら古代獣に分類されるようですが詳しい生態は不明で、強力な粘性を有しています。食性。
 なお味は食べないと判別がつきません。個体ごとに違うという噂もあります。
 基本的に積極的に貼り付こうとし(至近距離から離れず、常時【足止系列】BS扱いの状態を付与する)、引き剥がすのには副行動を消費しての判定が必要です。密着状態での対象への攻撃は『必ず当たります(≠【必中】。ヒットレート判定を別途行います)』。なお、「粘り強い戦い方をするPC(GM判断)」にはより強くしつこく貼り付く傾向にあります。どんな傾向でしょうねセレマさん。
 余談ですが命名権付与が発生します。

●アースエレメンタル×10
 主に軽微な地震による足場の不利や、石礫の射撃攻撃、地面からの土刃の隆起などによる遠距離攻撃などを主体に行ってきます。倒すと鎮まります(不殺の必要はありません)。
 隙を見せた相手を徹底的に狙って倒しに行く嫌らしさを備えています。

●セレストアームズ(ミキサーアーム)
 駆動を停止しているゴーレムです。何体かあります。
 電気を流す、なにか弄る、何らかのエネルギーを叩き込むなどで動く可能性があります。色々試してみるとよいかも知れません。
 機動に成功するとイレギュラーズに協力してきます。

●特殊ルール『新発見命名権』
 浮遊島アーカーシュシナリオでは、新たな動植物、森や湖に遺跡、魔物等を発見出来ることがあります。
 発見者には『命名権』があたえられます。
  ※命名は公序良俗等の観点からマスタリングされる場合があります。
 特に名前を決めない場合は、発見者にちなんだ名が冠されます。
  ※ユリーカ草、リーヌシュカの実など。
 命名権は放棄してもかまいません。
  ※放棄した場合には、何も起りません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <チェチェロの夢へ>粘り強いのも考えもので完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年06月07日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

咲花・百合子(p3p001385)
白百合清楚殺戮拳
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
祈りの先
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
新道 風牙(p3p005012)
よをつむぐもの
セレマ オード クロウリー(p3p007790)
性別:美少年
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
ウルフィン ウルフ ロック(p3p009191)
復讐の炎
朱華(p3p010458)
煉獄の剣

リプレイ

●出グロ
「我々は珍味を求めて浮遊島『アーカーシュ』の地下遺跡にやってまいりました。この旅でどんな珍しい食材に出会えるのか楽しみで仕方がありません」
「と、いうわけで、本日は浮遊島の味覚を追求していきたいと思います。本日の食材はこちら!」
 グルメ探訪番組のような『狐です』長月・イナリ(p3p008096)と『よをつむぐもの』新道 風牙(p3p005012)の語りから始まった今回の状況。状況は先程から進行中なわけだが、こちらと示された先はもうアレ過ぎてみていられない。
「なんだこいつらよぉ! さっきからボクに張り付いては喉元に入ってきたり頭蓋を」
 ぐしゃっ。
「頭蓋を締め上げてきやがってぇ!!死ななくても痛いもんは痛いんだよっ!!」
 『性別:美少年』セレマ オード クロウリー(p3p007790)がゴリゴリに頭部を、肉体を潰され、秒で復帰し、を繰り返していたのである。
 如何に運命で守られていたとして、この惨状から生還できる道理がわからない。わからないが……セレマが鍛えてきたあれやこれやのせいで、絶望的なひ弱さとこいつらマジでなんとかならねぇかなレベルの耐久力を兼ね備えているのだ。要するに倒されるけど戦闘には支障がないし、なんなら半壊の状態からでも攻撃を入れる可能性すらある。
「わぁい、吾もお料理したい!セレマをミキサーに入れて遊ぶ!(鉄帝では食糧問題の解決は急務であるからな! この依頼絶対に成功させねばならぬ!)」
「一切の隙もなく本音ダダ漏れなんだよなぁ!?」
 『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)はなんでかわからないが滅茶苦茶嬉しそうだった。元気だった。料理旅情番組じゃなくて料理番組だったの? あとスナック感覚で人を殺すのはアリなの?
「イレギュラーズとは恐ろしいものだな……食に関しての飽くなき探求心、そのうち想像食でも始めるんじゃないだろうか……」
「改めて実感したんだけどイレギュラーズって変人が多いわねっ!? お前もこれから同じようになるんだよ……って? ――うっさいわよっ!?」
 『復讐の炎』ウルフィン ウルフ ロック(p3p009191)と『炎の剣』朱華(p3p010458)は仲間たちの暴挙に思わず頭を抱える勢いだった。今まさにセレマが絡みつかれえらい勢いで死んだり再構築したりを繰り返している相手が近付いていないとでも言いたげだ。気づけ。狙われているぞ。
「けふ。今日もお酒が美味しいですわーー! やっぱり依頼に出かけた先で飲むお酒は格別。心なしかいつもよりお酒が回るのが早いみたいですわね……」
 『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)は背後から迫る粘体に気づかぬまま酒をかっ喰らい、満足気に息を吐いた。飲兵衛は雰囲気すらも肴にするのである。怖い。なお、直後に頭からがっつり食いつかれて悶絶する運命にあるわけだが。
「あん゛っっっやめ、やめろお前らっ!? ボクに向かってその汚らしいもんをぶっかけるんじゃねえっ!!」
「おおっとセレマが大変なことに! 是非最後まで見せてほしいのである! サブスクなら入るであるから!」
「ねえよそんなもん!」
 思わず漏れ出た声にDAI☆KOU☆FUNの百合子の声に応じるように、セレマは影の獣の群れを解放し反撃に出る。攻撃に出ていた粘体は『なぜか』減り続けていた体力、そしてセレマからの反撃によって大きく肉体が欠損する。切り離されたそれは一瞬のうちに白濁化し、そして。
「オーライッオーライッオーライ……っし有難うよセレマ! この粘体は責任を持って搗かせてもらうぜ!」
 『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)は粘性生物の破片を臼にナイスキャッチすると、杵を持ち上げ搗き始めた。見ての通りの餅つきである。その姿が、そして視線が。アースエレメンタル達の神経を逆なでするのは当然の話であった。
 本来ならセレマが輪をかけてボコボコにされるところを、ゴリョウが受け持つ形でなんとかしたのだ。彼自身も体に張り付かれたまま餅つきしてるから、胆力たるやセレマと同等かそれ以上に思えるが。
「おや?向こうからやって来るのは第一村人? ならぬ第一食材でしょうか? では、挨拶の代わりに早速喰らってみましょうか! 見敵必喰!! 見敵必喰(サーチアンドイート)だ!!」
「いやあ、とても食べ応えがありそうですねえ。餅でしょうか。ゼリーでしょうか。それともグミ?  果たしてこの食材を、ゴリョウさんがどのように調理するのか……今からとても楽しみです」
「犠牲になってくれる貴様らの(痛っ)犠牲は(痛たたっ)忘れん(あ゛あ゛あ゛)」
 イナリは絡みつかれる前に食ってやれとばかりの勢いだし風牙はゴリョウとかいう対過食生物特攻の存在でテンションがダダ上がりしており知性が通常より七割減くらいになっている。語彙だけは3倍になってんのにな。ロックはゴリョウとセレマに手を合わせているが自分もやべーことを認識した方がいい。
「痛った、いってぇですわね!? ……んん? セレストアームズですの? しかもミキサー型の手……」
「つまりセレマをミキサーにかけられるのだな! 吾心得た!」
 ふとそんなところで頭からやられて必死に振り払おうとのたうち回っていたヴァレーリヤであるが、ころんだ拍子に眼前にセレストアームズが転がっていることに気づく。しかもミキサーっぽい。そりゃ、百合子だって理解する。これは遊べるものだと。セレマ『で』遊ぶ道具だと。
「よし、じゃあこの粘性生物はセレマにプレゼントだ!」
「セレマさんならどうにかしてくれるわよね??」
「セレマに投げれば安泰なのね! そうさせてもらうわ!」
「お前ら僕になんの恨みがあるんだよ! 美少年に対する文明社会の風当たりが強すぎるだろうが!」
 セレマは何故か自分へ投げつけ、あるいは術式で誘導する3人くらいの不届きものに怒鳴りつける。が、イナリと風牙は『そういうノリだったし』、肝心の朱華に至っては付和雷同で投げつけてきていたらしい。人の心とか何処においてきたの? 亜流集落?
「騒いでも仕方ないだろ、ひとまずそこのセレストアームズの機動を頼む! できるだろ?」
 ゴリョウは仲間達に向けて叫び、自らはアースエレメンタルの猛攻を覚悟し身を固める。少なくとも、ちょっとやそっとの『猛攻』では彼を倒すことは難しかろう。粘性生物なら五分だが、体力面で無理があろうというもの。
 だからこその余裕なのだろうが、それが餅つきに顕れてるのマジこの依頼なんなんだろう。洞窟の中だよ?
「言いたいことはいっぱいあるけど、アースエレメンタルを叩くわよ!」
「ボクもお前には言いたいことがいっぱいあるんだよなぁ……」
 頑張れセレマ、負けるなセレマ、そしてそいつらを掃討してやれ朱華。


「私、聞いたことがありますの。労働とは、心が8割! つまりセレストアームズは、壊れていて動かないのではなく、テンションが下がっていて動かないだけなのではないかしらっ?」
「なるほど一理ある」
(そうかな……)
「してヴァレーリヤ、貴殿ならどうテンションをあげる?」
 ヴァレーリヤの思い出したような言葉に大仰に頷く百合子。頭部に疑問符を乱舞させるロック。なんで起動停止したか分からぬ以上は何があっても『一理ある』のだが、殊更アレな提案に思えた。が、ヴァレーリヤはそんな視線はお構いなしと踊り始めた。
「目の前で楽しく踊れば、テンションが上って釣られて動き出すに違いございませんわ~~~~!!」
 踊り始めたヴァレーリヤは、しかし次の瞬間に引きつけきれなかったアースエレメンタルの集中攻撃と粘性生物の打撃によりステップが狂い顔から地面へと濃厚なKISS...
「この腕がミキサーなだけあって、何かスイッチやダイヤルみたいなのついてるんじゃないか?」
 風牙は別の個体に取り付きつつアースエレメンタルへ攻撃を仕掛けると、隙をみてセレストアームズの全身をまさぐる。よくわからない計器類が至る所にあるが、適当に推したり回したりしても今のところ反応がない。成果を上げるには今暫く時間がかかりそうだ……そのとき、機体の背後からイナリが忍び寄る。
「壊れた家電製品を修理する方法はやっぱこれよね!」
「ちょっ、大丈夫なのか?!」
「ちなみにこの方法は内部部品の接触不良を叩く事で振動を与えて改善させる為の方法で、昔の家電製品は内部部品の精度不良で接触不良が多かったから、生まれた手法よ! 今の家電製品だと逆効果になる可能性があるから要注意よ!」
「何処見て言ってるんだよォ!!」
 イナリは斜め45度からぶん殴り、変な振動している相手を見て「てへぺろ」みたいなノリで告げた。わかってんじゃねえか……。
「皆、いろいろ試してるみたいね。負けてられないわ!」
「せめてボクに優しい戦い方をしろ! 優しさで負けるな!」
 朱華はアースエレメンタルを主敵とし、乱舞による打撃と強烈な火炎による猛攻で全滅を目指していた。いたのだが、その片手間にセレマ側の粘性生物に攻撃が当たっていたため、結果としてセレマがひどいことになるという循環が発生していた。ガンガンに叩きつけられるオーバーキル。彼じゃなかったら気をやっていたに違いない。
「なあセレマ、今朱華が焼き切った粘性生物なんだが……ソーダ寒天になってる」
「関連性が一切不明なんだよなあ!?」
「つまり火で燃やせば寒天なのね! この季節にぴったりじゃない!」
「その前に言うことあるだろうが!!」
 そんなわけで、ゴリョウは餅に続く形態変化「ソーダ寒天」を発見した。

「さて、どうしたものか……、そういえば良い角度でぶっ叩けば大体の機械は動き出すって他の旅人共が言っていたな」
「さっきやったけどうんともすんとも言わなかったわ、パスで!」
 ロックは機械に疎い頭をフル回転させ、ひとつの結論にたどり着く。惜しむらくは、ついさっき華麗に失敗していたところであろうか。
「ふーむ、エネルギー不足なのであろうか? エネルギー即ちカロリー! なんか燃料タンクのようなところに食べ物を入れれば動くのでは???」
「こっちに何だか蓋みたいな突起あるぜ! そっちにもあるかも!」
 百合子は、セレストアームズが動かない理由を燃料に求めた。スイッチを見つけてもガス欠では意味がない、と。ゆえに、風牙が見つけた『突起』を探るとその素早さを駆使してぐいっとひねった。あと半ひねり多かったら蓋をねじ切っていた。
「入らぬ? 合体せぬ? かつての熱意を思い出して動き出したりとかもない?」
 燃料蓋を開けた彼女は、あろうことか粘性生物をその中に放り込もうとしていた。というか放り込んで蓋をした。
「ほ、本当に大丈夫か……?」
 ロックはあまりのテンパった思考に正直虞しか感じなかった。感じなかったが、仲間の判断が正しいのならセーフかもしれない。
 タンク内からどったんばったんと振動が響いている時点で何かおかしいのだが、それはそれとして彼もヴァレーリヤに倣い、外観にスイッチがないかをくまなく探した。
「エネルギー不足? 動かない? だったら――コレよっ!」
 朱華はエネルギー不足と聞くと、今までの恩返しとばかりに炎を纏った斬撃をセレストアームズに御見舞する。
 爆音とか諸々の衝撃があたり一面に広がったあと、爆煙の中から光を放つ一対の目があった。
「R.E.A.D.Y.....」


「服の中に入ってきっしょくわりぃんだよぉ!! ハイ・ルール違反で訴えるぞっっ!! そして勝つぞっっ!!
 鉄帝法だと決闘裁判だぁ?? 知るかバーカ!! なんならここで略式裁判に臨んでやろうか!!」
「セレマ!(ぺったんぺったん)お前のやりたいように倒して良い!(ぺったぺった)あとの調理は俺がやるからな!」
「当然だろ! ボクはもう何回痛い目にあってると思ってるんだよ! もうこのまま一気に」
「セレマー! できたのである! 吾たちやったのである!」
 餅をつきながら応じるゴリョウに、さしものセレマもちょっとキレ気味。好きにせよと言われたのだから、ここから隙に……と思ったところで、百合子が猛然とセレマのもとへ架けてきたのである。そして、間髪いれずにセレマの腕をつかむと、のっそりと歩いてきたセレストアームズ目掛けて放り投げたではないか。その腕のミキサーブレードは、既に高速回転を初めてい
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛だめ死んじゃあ゛っ」
 そして不思議なことが怒った。
 セレマ(だったもの)が地面にびしゃびしゃとこぼれ落ちると、僅かな間をおいて再構築が始まる。始まるが、先程までとはまるで違うのはセレマの表情に絶望の色が浮いているからだ。
「セレマをミキサーにかけても食べ物にはならないのであるよな……ちょっと残念」
「貴重なパンドラは今のでもっていかれたけどな! バカ! ほんとバカ!」
 なお、セレマもろともミキサーされた個体だが。
「粘性生物は……ヒッヒッヒ……(裏声)」
 って感じで大分色が変わってケミカルな味わいのゲル状物体になったらしい。
 ロックの発見である。あとそこから先はコンプラ違反だ。涙拭けよ。
「それはそれとして美味い餅の作り方って知ってるか? それは『よく搗(つ)く』ことだ。
 餅の粘性はでんぷんによるものだが、その成分は枝分かれの多い構造だ。
これを搗くことで互いの枝が絡み合い、よく伸び、きめの細かい滑らかな舌触りと腰の強いしっとりした餅が出来るってわけだ。『意見と餅は搗くほど練れる』って言うだろ? つまりはそういうことだ」
「私、きなこ餅とずんだ餅が食べたいですわーー!」
「砂糖醤油と雑煮もあるぞ! どんどん食え!」
 ゴリョウのそれはそれは有り難い餅談義をよそに、ヴァレーリヤは既に餅を食べ始めていた。
 いつの間にやら駆逐された粘性生物を、外見こそ変わっていないが老け込んだ顔で食べるセレマ。そんな彼を見守るべくじっと見つめる百合子。「高齢の方がお餅を食べる時は横で見守ってあげましょうって、何かに書いてあったから食べるところじっと見てる!」とのことだが、セレマが喉につまらせて戦闘不能になるの、それはそれで笑えるなって。
「何か一気にいろんなことがあって疲れ……っ」
 風牙は、先程までの狂乱めいた騒ぎから一転して和やかに進む食事で腹が膨れ、思わず洞窟の壁に顔を突っ伏してしまう。するとどうだろうか。粘性生物を擁す洞窟の外壁が、ちょっとスパイシーに感じたのだ。思わず彼はガリガリと内壁を削り……それらが千変万化のスパイスであることを突き止めた。
 なお、起き上がったセレストアームズの一体は、朱華を主人として認めているらしく、レリッカまでついてくるらしかった。

成否

成功

MVP

セレマ オード クロウリー(p3p007790)
性別:美少年

状態異常

セレマ オード クロウリー(p3p007790)[重傷]
性別:美少年

あとがき

 まさかそんな斜め上の遣り方するなんて思ってなかったし友軍だからセレストアームズの武装に【必殺】って書かなかった結果がこれです。
 結果として粘性生物と洞窟の内壁が新種認定されました。よかったね。

PAGETOPPAGEBOTTOM