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シナリオ詳細

木人道場リメイク計画

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●あくはほろびた!
「今度こそ木人魔砲計画を進めるのでして!!」
「ダメだよ♪」
 サラッととんでもないことを言う『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)に『鉄心竜』黒鉄・奏音(p3n000248)がギュッとワームのジャーキーを握らせる。
「これは……はっ!?」
「ニャー!」
「ニャニャー!」
「ニャウアー!」
「あーっ!」
 ジャーキーを貰える気配を察知したドラネコたちがどこからともなく集まってきてルシアを埋め尽くしてモフモフすると……やがて猫吸いの音が聞こえてくる。
 悪は滅びた。さておいて。
「木人道場かー……」
 繁殖期を迎えて木人が大量発生し、イレギュラーズの助けでなんとか駆逐したのはついこの前の話だ。
 今後は、何か特殊な事件でも起こらなければ大丈夫だろう。
 そう考えている奏音の元にやってきたのは、『正義の味方』皿倉 咲良(p3p009816)だ。
「あれ、どうしたの?」
「この前の木人道場なんだけど、折角だから良い感じにリフォームしたいなあって」
「……そっかあ……」
 イレギュラーズには変わり者が多いのだろうか。
 自分も結構な変わり者だという自覚がない奏音はそんなことを思うが、どのみち木人道場はそろそろ様子を見に行く必要がある。
 そろそろ木人が生えてきて修行を開始している頃だろうし、リフォームとかいうのをやって気分替えしてみるのもいいかもしれない。
 そんなことを考える奏音を、父である黒鉄・相賀が手招きする。
「どしたの?」
 呼ばれて駆けて行った奏音は戻ってくるとき……実に何とも言えない顔をしていた。

●変な木人が出た
「えー……木人道場に変な木人が出たみたい」
 木人道場。
 命名は奏音だが、確かに「道場」としか呼べないような場所だ。
 そして木人が何かという話になるが……。
 昔の武術の修行の光景として知られているものの中に木人修行がある。
 人に見立てた木人相手に修行し、技などを会得する修行法であったりするが……実は、この覇竜にも木人がある。
 あるというか、居るというか。
 なんか人型の「木人」としか呼べないモンスターはその場所に定期的に生えてきて、修行を始めるのだ。
 放っておくと師範代や師範などに成長し、武術の力で覇竜を闊歩する恐るべきモンスターに成長する。
 そうなる前に奏音が修行と称して定期的に狩っているのだが……どうにも、異変が起こったらしい。
「なんか今回生えてきた連中、魔砲っぽい技を修行してるみたいで……」
「強くなろうとして魔砲に辿り着くのは当然の結果でして!」
「はい、ジャーキー」
「ニャー!」
「ニャニャー!」
「ニャウアー!」
「あーっ!」
 ルシアがドラネコに埋め尽くされた辺りで、奏音が咲良たちに向き直る。
「たぶん、前回戦った中で目立った動きを取り込んだんじゃないかっていうのが可能性としては濃厚らしいよ」
 確かに前回はルシアが破式魔砲をブチ込んでいたので、それはさぞ目立っただろう。
「まあ、そんなわけで新しい武技を円熟させる前にブチ壊しとこうって話になって。そのついでに道場のリメイクとかもしようかなって。どうかな?」

GMコメント

アフターアクションに伴うシナリオです。ありがとうございます!

亜竜集落フリアノンに住む「黒鉄・奏音」からの依頼となります。
奏音の案内でフリアノンから近い山岳地帯を進み、岩肌に囲まれた「木人道場」を目指しましょう。
木人道場はワイバーンも外から入ってきにくい、岩場に囲まれた草地です。
無事に取り戻したら、木人道場を改造して楽しい場所にしてみるのも良いかもしれません。
建材や台車などは黒鉄・相賀が面白がって用意してくれます。
以下、必要情報です。

●木人道場
奏音命名。定期的に木人が生えてきますが原因は不明。
到着時、木人たちは修行をしている……ように見えます。
実際何をやっているのかは分かりません。
カッコよく道場破りをキメましょう。

●モンスター(木人は木で作った雑な人形みたいな外見です)
・木人×20
ちょっと強いです。「木人魔砲拳」と「木人魔砲蹴」を使用してきます。
魔砲拳は遠距離単体攻撃、魔砲蹴はギロチンの刃みたいな光を放つ遠距離列攻撃です。

今回、師範代はまだ発生していませんが木人が余計なことを覚えた分手ごわくなっています。

●黒鉄・奏音
亜竜集落フリアノンに住む亜竜種の少女。
明るく元気で修行大好きなボクっ子。
見た目はチャイナ少女って感じの子です。武器は青龍刀に似た武器を持っています。
強さはそれなり。今回、同行していますが皆さんにかなり好意的に見えます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 決められたルートを通る限り、想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 木人道場リメイク計画完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年02月28日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
シラス(p3p004421)
超える者
新道 風牙(p3p005012)
よをつむぐもの
皿倉 咲良(p3p009816)
正義の味方
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星
ライオリット・ベンダバール(p3p010380)
青の疾風譚
小鈴(p3p010431)
元ニートの合法のじゃロリ亜竜娘
煉・朱華(p3p010458)
未来を背負う者

サポートNPC一覧(1人)

黒鉄・奏音(p3n000248)
鉄心竜

リプレイ

●今再びの木人道場へ
「木人道場、木人ね。そういえばあったわね、朱華はあんまりやりあったりはしなかったけど」
『炎の剣』朱華(p3p010458)が、そんなことを思い出しながら呟く。
「……で? 今回はイレギュラーズと戦ったことで木人が新たな武技を覚えようとしていると。イレギュラーズの持つ可能性をこんな場所で感じたくなかったわ、本当に」
 まあ、木人自体は定期的に駆除すればそこまで厳しい相手ではない。
 師範代まで成長するとかなり面倒であって師範までいくと脅威そのものだが、それ自体は「そういえばあるね、そんなの」レベルなのだ。
 ……が、そんな風物詩みたいに割り切れる者ばかりではない。
「えー!この前沢山倒して看板も「取ったどー!」ってしたのにまた生えてきてるの?! うそでしょ?! あーでも、その分木人さんも修行して強くなったんだよね! いやぁ! すごい! 敵ながら天晴であるぞぉっ!」
「……おかしい。あそこの木人は、少し前に殲滅した筈。そう、少し前だ。まだ一か月前後しか経っていない。なのに、もうそんな立派なヤツらが生えてきたのか? 奴等、もしやミントか竹の遺伝子でも入っているのか??」
『正義の味方』皿倉 咲良(p3p009816)と『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)が思わずそんなことを言うが、それも当然だろう。
 木人道場の繁殖期。ついこの間、それをどうにかしたばっかりなのだから。
 ちなみに咲良は歌舞伎張りの見栄を切っている。どうにもまた道場破りが出来るのが嬉しいようだ。
「繁殖期はどうにかなったんだけどね。アレはあくまで特別な時期だから、通常周期がたまたま近くだったみたいだね」
「やはり竹か……」
『鉄心竜』黒鉄・奏音(p3n000248)に汰磨羈が頷いて。木人と聞いた『嵐の牙』新道 風牙(p3p005012)が感慨深そうな表情になる。
「木人ねー。子供の頃に観たカンフー映画に出てきたアレだろ? 丸太を組み合わせた人形みたいなの。修業シーンとか好きだったなあ。しっかし、まさか覇竜領域にソレのそっくりさんがいるとはねー。どういう生態してんだ? やっぱ常識では測れない場所ってことか、色んな意味で……」
 風牙は言いながら、一定の危機感をも抱いていた。
(名前だけ聞いてるといい修行相手になりそうだけど、生態聞くと結構シャレにならんところも覇竜だなーって感じ)
「まあ、これ以上育たないうちに狩りとるとすっかね!」
「個人的な意見を言うなら……木人みたいな古典的な鍛錬は嫌いじゃないぜ」
『竜剣』シラス(p3p004421)は、そう言って楽しそうに笑う。
「直ぐに壊しちまうから数が揃ってるのも良いね。それにやっぱり魔砲……ん、魔砲?」
 ふとシラスが視線を向けた先は『魔砲トレーナー』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)。
「さっきはドラネコちゃんたちの可愛さで気づかなかったけども! 木人魔砲計画が悪扱いされていることに異議申し立てたいのですよ! どう考えても善で正義じゃないのでして!?」
 でしてー、と山彦が返ってくるが、皆優しいのでスルーされた。さておいて。
「ルシアとしても間違った魔砲を円熟されても困るし一旦壊しちゃうのは賛成でして。それは違うよってきっちり教えてあげて次はもっとオリジナルに近い技になるよう頑張るのですよ! 今回の依頼でやるべきことはきっとこれでして!」
「うーん、違うかなー」
「あー、つむじが! あー!」
 奏音にルシアがつむじをぐりぐりされて黙らされているのをそのままに、『青の疾風譚』ライオリット・ベンダバール(p3p010380)が分かっている風な顔で語り出す。
「道場破り……知ってるっスよ。立てこもりしている道場の入り口をドーン! っと爆破するあれっスよね?」
「それは突入じゃのう……」
『元ニートの合法のじゃロリ亜竜娘』小鈴(p3p010431)がツッコミを入れるが、魔砲という言葉は小鈴としても気になっていたらしく「ふむ」と頷く。
「んむ、たしかに魔砲は強いのじゃ。妾も嗜んでおるからのう。ならば同門として、妾も受けて立たねばならんのじゃ。ドラゴニア流魔砲拳の威力、とくと味わうが良いのじゃ!!」
「つまり今日が木人道場の真なる魔砲計画の始まりでして! あー、つむじが!」
 危うく危険なコラボレーションが始まってしまうところだったが、事前に防がれた。
 ともかくそんなわけで、今再びの道場破りである。

●道場破りとリメイクと
「本当に木人同士で修行してる……」
 シラスが思わずそう呟く。今回はまだ師範代がいないので組み手をしているが、ガチの修行風景である。
 似たような形の雑な木の人形といった風体の木人たちが一心不乱に修行をしている様子は、なんともシュールだ。
 その光景はシラスの中の木人とあまりにも違っていて、こっちが現実だということに微妙な理不尽さを感じてしまう。
 でもこれが現実である。
「ちょっと俺の知ってる木人と違った……そういうモンスターだと思って早いところ片付けよう」
「もう一度狩りつくすのみ!」
「それじゃあ、せーの……!」
 汰磨羈と咲良も、タイミングを合わせて。
「たのもー!」
 全員で叫ぶ。いざ道場破りである。
 シラスは道場と言っても戸は無いだろうから強く地面を踏み鳴らして構えることで、更にそれっぽい雰囲気を出している。
(言葉が通じるかどうか知らないけど戦意は伝わるだろう多分)
 話が通じたのか戦意が通じたのか、木人たちは訓練をやめて一斉にシラスたちへと拳を向ける。
 だからこそ、小さくシラスは笑って叫ぶ。
「道場破りに来てやったぜ!」
「それがしはぁ! 皿倉咲良ぁっ! 遠く聞こえし覇竜の妙技と魔砲の併せ技ぁ! 再び御教授願いたいぃっ!」
 咲良も威風堂々と叫び、ビシッと構えをとる。
 ちなみに小鈴のドリームシアターにより木の板の床とか壁とかの広い道場風の幻影を辺り一面に発生している。
 正面の壁にはカムイグラの掛け軸とかがかかっている本格仕様である。
 なんか本当にルシアと相性が良さそうだ。
「とりあえず……まずは様子見のSADボマーっス!」
「と、いう訳で~? もう一回道場破りでしてーー!!」
 ライオリットのSADボマーが炸裂し、ルシアの破式魔砲が放たれる。
「結果的に魔砲拳法を教えられたから多分今回の師範代はルシアなのですよ! 師匠自ら放つ魔砲をよーく味わって勉強するのでして! 「魔砲」とは! 遠くまで届くだけじゃなく! 全てを貫いてぶっ飛ばす威力と貫通力が要るのでして! 「魔砲の力を応用した技」であればさっき言った限りじゃないけども! オリジナルの魔砲を放てるようになった方が格闘技としても一歩進めるのですよ!」
 なんかルシアが講義をしているが……誰に教えているかはさておき言ってることは非常に役に立ちそうである。
「これぞ、新たなる木人道場の姿なのじゃ!! さぁ、いまこそ長年の因縁に決着をつけるのじゃ!! ドラゴニア魔砲拳!」
 言いながら小鈴が放つのは魔力撃だが、ルシア式魔砲論だとセーフっぽい。
 ちなみに長年の因縁とやらが何であるかは小鈴自身よく知らないらしいが、今回は別に倒れても大丈夫そうだななどと考えているので結構前のめりに戦っている。
「兎も角っ! 魔砲を完璧に使いこなせるようになる前にぶっ壊せばいいのね? やってやろうじゃないっ!」
「ルシアとしてはそれもちょっと見てみたいのでして!」
「却下よ!」
 灼炎の剱を顕現させた朱華のH・ブランディッシュが木人たちに炸裂し、大きく破壊痕をつける。
「朱華が、フリアノンの炎の剣があんた達を燃やし尽くしてあげるっ!」
 叫びながら、朱華は青龍刀を振るっている奏音へと呼びかける。
「奏音、アンタも手伝ってくれるんでしょ。だったら合わせなさい。朱華達だってやれるって事、改めて魅せてあげましょう?」
「おっけー! じゃあやろうか、朱華!」
「倒れる限界まで積極的に攻勢を仕掛けるわ。倒れ時はいつだって前のめりなんだからっ!」
 そうして大暴れする2人とは別の木人相手に、咲良のスーパーノヴァが炸裂する。
「今回は師範代がいないけど、実力がみんなパンプアップしてる。であれば、やっぱりさっさと木っ端みじんにしていくのが正解だよね!」
 戦い方が確かに違うが、師範代が居ないならこちらの有利は揺らがない。
 だからこそ咲良もまた全力だ。
「くらえー!正義の味方修行スペシャルキーック!!」
 凄まじい暴れ方をする咲良に、風牙も負けてはいない。
「こっちの攻撃は、味方に当たらないようにしているが、そっちはどうかな? 技は覚えても、戦術は身に着けているか? 武技だけ伸ばしてもダメだってことを教えてやる!」
 風牙の臥龍這が木人を薙ぎ払い、討ち漏らしをしないように周囲に油断なく視線を向けていく。
「魔砲のようでいて魔砲じゃない、木人のようでいて木人でもない。そんな紛い物は俺がブチ壊してやる!」
「出た杭ならぬ木人は討つべし、討つべし!」
 シラスのH・ブランディッシュが炸裂し、汰磨羈の花劉圏・斬撃烈破『舞刃白桜』が白桜の花弁が如く舞い散らせながら木人を切り刻む。
「魔砲と言えば極太ビームだろう。拘りが浅いぞ、木人達よ……!」
 あるいは師範代が誕生していたら汰磨羈の言うような極太ビームを放ってきたかもしれないが……ないものねだりをしても仕方がないし、そんな個体がいないことを喜ぶ場面ではあるのだろう。
「経験を積ませたら、より厄介になっちまうからな。逃がさねえぜ!」
 そう、風牙の言う通りなのである。
「オレは木人じゃないっスから! 木人じゃないって言ってるじゃないっスか!?」
 何があったのか木人と戦いながらそんなことを言っているライオリットは何があったのだろうか……。
 小鈴が飛行を利用した空中竜巻魔砲脚とかいう技を開発しようとしたりと色々あったりもしたが……やはり師範代が居ないのは大きいのだろう。
 木人たちは壊滅し、再び木人道場に静寂が戻ってくる。
「今度こそ看板、取ったどー! あ、奏音ちゃん看板よろしく!」
「はい、看板!」
「此度もぉっ! この道場の看板はぁっ! もらっていくぞぉっ!はっはっはっはぁ!! ……あ、奏音ちゃん、これ終わったら取ったどーしていいかな? 前回看板作ってくれたの奏音ちゃんだし、念のためね? 確認はしとこうと思って……」
「え、持って帰っていいよ?」
 いいらしい。咲良はとりあえず持って帰ることにしつつ、看板を背負って。
「さて、残ったこの『道場』だけど……確かに放置するにはもったいないな。こう、竜の形の木人、いや木竜か? 組み立ててみるか?」
「え、それで次回木竜生えてきたらどーするの……?」
 残骸を見ていた風牙がピクリと反応して奏音へと振り返る。
「……可能性あるのか?」
「分かんないけど、木人って訳わかんないとこあるし……」
 今回魔砲木人が出てきたことを考えると、ありえない話じゃないな……などと風牙は木竜作りをやめてしまう。
 次回木竜道場になっていたら、たまったものではない。
「ふむ……しかしまあ、毎回これを倒すのは骨だろう。勝手に修行を始める習性があるようだけど戦い以外に意識を向けられないかな」
 シラスは相賀から材料を貰って加工してきたジャグリングや皿回し、コマなど大道芸の道具を置いてみるが……やはり奏音は微妙な顔だ。
「……器用だねえ」
「これもマズいか?」
「分かんない。でもボク、木人サーカス拳とかを相手にするのは嫌かなあ……」
 シラスはちょっと考えて、コマや皿を器用に投げてくる木人を想像する。
 ないとはいえない。いえないが……平和な木人になる可能性だってある。
 万が一を考えればやってみる価値はあると全員で相談して結論に至る。
 まあ、万が一木人サーカス団になっても師範代クラスが出てくる前にどうにかすれば大丈夫だろう。
「ルシアからはもちろんここを魔砲トレーニング場に近くなるようなリメイクのプランで改装するのですよ! 今回は前燃やしてきた人はいないけども同じ目に遭わないよう念のためこっそり週刊『魔砲はいいぞ』と魔砲のコツとかを絵で記したノートを生えかけの木人の近くに置いて学んでもらってから改装開始でして!」
「あ、なら折角だし、ルシアさんに魔砲を教えてもらおうかな!」
「歓迎でして……あっ」
「あっ」
「コツを木人に教えちゃメッでしょ!」
 ルシアと咲良を奏音がドタバタと追い回すが……さておいて。
「やー、どういったものに改造するかというと結構悩むっスね……」
 ライオリットも、言いながらアイデアを出していく。
「娯楽施設らしいし施設って覇竜にはあんまりない気もするっス。倒した木人をサンドバックのような感じにして、技の練習をできるようにするとかがシンプルっスかね? いやいや、単純に遊び場にしても面白そうっスけどね。どこぞの国の地下で棒を押してぐるぐる回すだけの設備を真似てみるとか? ……それって楽しいんでスかね? 兎に角、何か作るものがあるなら、何でも手伝いまスよ!」
 グルグル回すだけの施設は捕らえた人にやらせる謎の装置ではないだろうか。
「ふむん。いや、わりと魔砲拳に進化した木人は強かったのじゃが、今回のでこれ以上に進化してしまうのかのう? ガチな話として徘徊するのがまずいのだしのう」
 まあ、師範級は何処か知らない場所に徘徊していくことが多いので、直接危険かというと別の話ではあるのだが、強敵が増えているのには間違いない。
「五重塔とか作って全てを突破しないといけない、みたいな感じにしてしまえば、木人もここにとどまってくれんじゃろうか?」
 そんな死亡遊戯なことを小鈴が言う。
「いや、それを妾達が作れとか言われたら断るのじゃが。いっそ大工木人みたいに自分達で進化して自分達の道場を建ててくれれば一番助かるのじゃが」
 そうなった場合、そこにいるのは間違いなく師範級なのだが小鈴としてはアリなのだろうか。
「まあ、五重塔はさておいて……道場って名前を付けたんだったらちゃんと道場に見える様にしておきたいわね。やるからには徹底的によっ!」
 朱華もそう言ったあたりで、五重塔と聞いて唸っていた汰磨羈が声をあげる。
「ふむ、道場のリメイクな私としては、こう……立派な銅鑼が欲しくなるな。なんかこう、風格が出るだろう?」
 風格のある木人とか怖そうだが、さておこう。
「後は、そうだな。いっそ、本物の木人を作って並べてみるか? 作り方なら私が知っているから、任せてくれ。出来上がったら、本当の木人の使い方を教えてやろう」
 その後どうなるか全員がほぼ正確に同じ未来予想図を描いて。
「――また生えてきた木人達が、この木人を使って修行を始めたりしそうな予感はするが。それはそれで、面白いことになりそうか?いや、さらに余計な強さを手に入れる可能性も……ううむ。まぁ、その時はまた、私達が気張って倒せばいいだけの話か」
 というわけで、色んな道具や木人(修行用具)、銅鑼が置かれた木人道場が誕生することになったのだが。
 次に木人が生えた時、どんな感じになるのか……ちょっと楽しみになってきたのは内緒である。

成否

成功

MVP

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式

状態異常

なし

あとがき

木人遊戯、吼えよドラゴン。戯言です。
ご参加ありがとうございました!

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