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シナリオ詳細

春うららな郷の招き

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●春うららな郷の招き
 4月となったある日。
 深緑(アルティオ=エルム)に繋がりし妖精郷『アルヴィオン』は常春の桃源郷。
 そんな春の妖精郷に咲き誇る花々も、蕾が綻び始め、春の香りに誘われた妖精達が、誘われるかの様に空を飛び、花々を腰掛けにしたり、渡り歩く。
 ……そんな春の妖精郷で、妖精達を目の敵にしている者達が居る。
 少し小振りな背丈ながらも、とても凶暴な性格の彼ら。
 注意深い妖精達を襲おうとしても、中々上手く行かなかった彼らの作戦ではあるが……この春先の陽気に誘われた妖精達は、少しばかり注意も散漫になっていたようで……。
『キキキ……サァ、今コソチャンスダ!!』
 低く笑った彼ら『レッドキャップ』達は、目の前にしている妖精達の数倍以上もの物量作戦で襲撃開始。
『キャー!!』
『来ナイデー!!』
 甲高い悲鳴が響きわたり、混乱に陥る妖精達。
 対しレッドキャップ達は集団で襲い掛かり、逃げられない様にして妖精達に次々と襲い掛かるのであった。


「あ……イレギュラーズの皆さん、すいません……ちょっと、お話を聞いて欲しいのですが……」
 と、ギルド・ローレットを訪れた『深森の声』ルリア=ルミナス(p3n000174)。
 忙しそうにしている人、怖そうな人には中々声が掛けられなくて……あたふたしている彼女。
 そんな彼女を見かねて声を掛けてきた君達に、ほっと胸をなで下ろす様にしながらルリアは。
「すいません……私の友人である、妖精郷の妖精さん達が困っていて……以前、助けて戴けたイレギュラーズの皆さんなら、話を聞いて貰えると信じて来たのです……」
 ぺこり、と頭を下げるルリア、そして。
「皆さんも知っての通り、妖精郷アルヴィオンは常春の暖かい所です。丁度この春先の陽気に誘われて、妖精さん達が花々を愛でようと街から花畑へと出て来たのですが……そこに、邪悪な妖精である『レッドキャップ』達が襲い掛かる、という事件が起きてしまったのです……」
「『レッドキャップ』さんの数が多く、正直私一人では対処するのは不可能でして……イレギュラーズの皆さんに、力を貸して頂ければ、と思うのです……」
 そしてルリアは。
「妖精さん達の楽しみを、こうやって力尽くで奪い去ろうというのは、絶対に許せないのです……自分勝手な御願いですけれど、宜しくお願いします……」
 と、深く頭を下げた。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 新年度という事で春……常春の妖精郷の事件解決を御願いします……!

 ●成功条件
   妖精達を苦しめている『レッドキャップ』達を全滅させる事です。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はAです。
   想定外の事態は絶対に起こりません。

 ●周りの状況
   妖精郷『アルヴィオン』の湖畔の街エウィンから少し離れた所に広がるお花畑が舞台となります。
   甘い香りのする花が咲き誇り、妖精達は綻んだ花の蕾とかに腰掛けたり、花の香りを愉しんだりしている所に、『レッドキャップ』達が襲撃してきます。
   レッドキャップ達は花を楽しんで居る妖精達を捕まえて悪い事をしようとします。その為に、花々を踏みつけるのも厭いません。
   妖精さんは6人位……対してレッドキャップは70体程で、徒党を組んで仕掛けてきます。
   (ちなみにお花畑なので、妖精さん達からすれば踏み躙られるのは、ちょっと嫌な気がするでしょう……)

   尚、このシナリオにはルリアも同行させて頂きます。
 
 ●討伐目標
   敵となる『レッドキャップ』達ですが、70体ととても多いです。
   ですが、個々の戦闘能力は高くなく、体力は低め、更には動きも素早く、とてもちょこまかとしてきます。
   また精霊種という事も有り、神秘攻撃に対する耐性はかなり高く、バッドステータスも効きづらい様です。
   とは言え物理攻撃には並程度の防御力しかありませんので、そちらで仕留めて行くのが吉かと思います。
   ただ……出来れば花々を散らせるような事は抑えて戴ければ、というのが妖精さんからの願いです。

   それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 春うららな郷の招き完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年04月14日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

クロバ・フユツキ(p3p000145)
背負う者
オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛
サイズ(p3p000319)
妖精■■として
ハロルド(p3p004465)
ウィツィロの守護者
アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)
蒼穹の魔女
エリス(p3p007830)
呪い師
エルシア・クレンオータ(p3p008209)
自然を想う心
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色

リプレイ

●花誘う妖精郷
 4月に入った、とある春の一日。
 深緑(アルティオ=エルム)に繋がりし妖精郷『アルヴィオン』は、春も春真っ盛り。
 咲き誇る花々は綻び、甘い香りがその地を包む。
 そしてその香りに誘われし妖精達は、好みの花の香りを楽しむが為、妖精郷をふわりふわりと飛び回る。
「……凄い。妖精郷には初めて来たんだけど、すごく綺麗な場所だな……!」
 と、『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)が思わず微笑むと、それにこくり、と頷く『スピリトへの言葉』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)。
「ええ……うららかな日差しを浴びながら寝転ぶと、とっても気持ち良いのよね……」
 目を細め、うっとりとしているオデット。
 ……だが、そんな妖精郷を脅かそうとする影。
 赤い帽子を被り、悪意を持った妖精達……通称『レッドキャップ』。
「レッドキャップ……ですか……」
 ぽつり、と『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)が顔を伏せると、それにルリアが。
「どうか……されたのですか?」
 と問いかける。
 それにエルシアは。
「ええ……レッドキャップ達を見る度に、母との戦いを思い出します……」
「お母さんとの……戦い、ですか?」
「ええ……心地の良いものでは無かれども、私にとって大切な記憶……それを鮮やかに蘇らせてくれる彼らには、寧ろ感謝さえ抱くのですけれど……」
「そう……ですか……」
 エルシアの言葉に、ルリアは掛ける言葉に迷う。
 そんな二人のやり取りを聞き流しつつ、『死神二振』クロバ・フユツキ(p3p000145)が。
「しかし敵の数は70体……随分多いな……やってやれなくはないが……」
 と天を仰ぐと、オデットと『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)、『呪い師』エリス(p3p007830)の三人も。
「そうね。いや、聞いてたけど、でもやっぱり数多いわね!?」
「……七十体!? 妖精郷で今迄そこそこな回数レッドキャップと交戦してきたが、この数は明らかな異常事態だな……」
「ええ。レッドキャップとは私も戦ったことはありますが、今回意は異常な数です。何か良く無い事の前触れで無いと良いのですが……」
 と、驚きと共に、何かの前触れで無いか、を警戒する。
 ただ『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)と『聖断刃』ハロルド(p3p004465)は。
「まあ、妖精郷もなかなか落ち着かないよねえ……」
「ああ。だが敵の数が多いならそれはそれで良いじゃないか。それだけ長く戦いを楽しめるという事だろう?」
「うん、まあそうとも言えるけど……でもやっぱり70体って、異常な数だよ。楽しむ暇はあるのかな……?」
 首を傾げるアレクシア。
 ……とにかく、今回イレギュラーズ達が相手にしなければならないのは、レッドキャップの大集団。
 それに加え、出来る限り妖精さん達の楽しみである戦場となるお花畑を守らなければならない。
「……うん。レッドキャップがたくさんやってきて、花畑を荒らしてしまうなんて嫌だな。そうはさせたくない……花も妖精も大切にしつつ、レッドキャップを倒すんだ」
 とイズマがぐっと拳を握りしめると、それにサイズ、クロバ、オデットも。
「とにかく数が多いから、奴等を殲滅してから調べる必要があるだろう。とにかく敵の数を減らしていかないと妖精達を守れない……ならば前のめりで行くぞ!」
「そうだな。なるべくなら周辺の被害は可能な限り抑えつつ、だな……だからこそ、花畑を守ってほしい、というルリアからのお願いなんだし」
「そうね。折角の綺麗な花畑だもの。できるだけ花畑を守ってあの不届き者をやっつける、簡単ね!」
「ああ。花畑を守る必要がある妖精からのオーダーならば、身を削ってでもこなすさ!」
「……サイズ。無茶したらまたお説教だからね?」
「分かった、分かってるって」
 と、三人の会話にルリアも。
「本当、ありがとうございます……!」
 とぺこり頭を下げる。
 そして。
「ええ。妖精さんと花畑を守りつつ、レッドキャップ達をやっつけてしまいましょう!」
「お花を荒らさせるわけにもいかないし、きっちり懲らしめてあげないとね!」
 アレクシアとエリス二人の決意、そしてエルシアも。
「ええ……依頼として避け得ぬのであれば、その命……摘み取らせて頂きましょう」
 と頷く。
 そしてイレギュラーズ達は、アルヴィオンの花畑へと急ぐのであった。

●花に惑う妖精郷
『~♪ アア、イイ香リ……ナンダカ、ウレシクナッテクル♪』
『ソウネ♪ 春先ノコノ香リ、大好キ♪』
 と、妖精達は花々を渡り歩き、とても嬉しそう。
 ……そんな花畑にじりじりと。
『アソコニイル……妖精、油断……キヒヒ!』
『数デ圧倒スレバ、逃ゲラレナイ……一気ニ、仕掛ケル!』
 と花畑ににじりより……襲撃するタイミングを待つ。
 ……そして、妖精達が花のつぼみにちょこんと座り、ふぅー、と目を閉じ大きく生きを吸う仕草をした、その時。
『今ダ!!』
 と、徒党を組んで一斉に仕掛けるレッドキャップ達。
 一方向だけでなく、様々な方角から大量のレッドキャップ達の奇襲に、妖精達は大きな悲鳴を揚げて、飛び惑う。
 そこに辿り着いたイレギュラーズ達は、とっさにレッドキャップと妖精の間に割り込む。
「おら、平和を乱す輩は皆殺しだ!」
 と、ハロルドが開口一番に叫び、レッドキャップの注意を惹く。
 そうしながら他のイレギュラーズ達は、花畑にある程度距離を取り合う様に立ちはだかり、すぐさま保護結界を展開。
「これで少しでも花畑に被害がいかなければいいが……」
「そうだね。取りあえずレッドキャップの牽制は頼むよ。妖精達をまずは俺は保護する」
「分かった、よろしく頼むな」
 とクロバ、サイズが短く会話し、そしてクロバは驚き飛び惑っている妖精達に。
「もう大丈夫! 俺達が必ず守るから、落ち着いて!」
 と、出来る限り優しく、声を掛ける。
 だが妖精達は、突然の襲撃にまだ悲鳴を揚げて逃げ惑っている様な状態。
 ……そんな妖精達に、更にオデットも。
「大丈夫、大丈夫だから落ち着いて、ね? お花畑も守るから、みんなの好きな場所、守るから」
 と同じ位の身長で飛び回り、妖精達を安心させるように動き回りながら、保護結界を更に展開。
 イレギュラーズ達が分散して保護結界を展開する事で、広いお花畑を余すところ無く保護出来るように動く。
 そんなイレギュラーズ達の行動により、最初は悲鳴をばかり上げて居た妖精達も、ちょっと落ち着いたようで。
『ナ、何……アナタ達ハ……エット?』
『タ、助ケテクレルノ!?』
 懇願するように見上げてくる……それにエリスとアレクシア、ルリアが。
「ええ、花畑を荒らさせずに、皆さんを守って見せます! だから、散らばらずに、ここに集まって下さい!」
「ばらけずに固まってくれていた方が、何かあった時に守りやすいからね」
「ええ……大丈夫です。イレギュラーズの皆さんは、私の村も助けてくれたのですから……絶対に、助けてくれます……」
 そんな三人の言葉に、こく、こく……と頷く妖精達。
 そして、アレクシアとルリアの近くに出来る限り纏まって、じっと身を寄せ合う。
「良し。じゃあさっさとレッドキャップ達を倒していくとするか。勿論……出来る限り花への被害は抑えめでな!」
 とハロルドが言うと、それにイズマ、エルシアが。
「うん。こんなに綺麗なお花を踏みにじるようなレッドキャップ達は、絶対に倒さないとね!」
「ええ……それでは、始めましょう」
 と頷き、そして早速エルシアが、動く。
 70体程いるレッドキャップが一番密集し、更に仲間達が居ない方向へ向くと共に。
「遠慮する必要は無いでしょう……纏めてひと思いに燃やし尽くします」
 と全身全霊の魔力を込めた、火線砲の一撃を放つ。
 さすがにその一撃は、かなりの攻撃力を誇り……元々体力の少ないレッドキャップ達を一網打尽にする。
 ……更に保護結界のお陰もあり、花々が燃え尽きる様な事も無い。
『熱イ! クソッ、フザケタマネヲ!!』
 ただ、元より神秘耐性が高いのか、数匹は何とか生き延びてしまう。
「……一発で死ねば、苦しまずに済んだのですが……仕方有りませんね……」
 そんな生き延びたレッドキャップに、さらっと言い放つエルシア。
 でも、レッドキャップ達は。
『ウルサイ! 絶対ニ殺ス!!』
 と憤りながら、次々と全身し、攻撃開始。
 ……流石に保護結界も、徒党を組んで踏み荒らすのには無傷で……という訳には行かない様で、花の茎が折れてしまったり、花びらが散ってしまったり……。
 そんな敵の動き対し、クロバが。
「まぁ……あんたらに恨みはないけど、天罰覿面という言葉があってな。少しやり過ぎに思っても許し……てくれなくてもいいや。妖精郷に思う事はあれど、許されるために動いている訳じゃなくてね……!!」
 と言い捨てながら、鬼気纏いし昏ノ太刀・滅影の一撃を叩きつける。
 勿論こちらは物理の一撃……耐性を持ち合わせないレッドキャップ達がウギャアア、と悲鳴を揚げて、ばったばったと倒れていく。
 それを見たサイズとイズマも。
「かなり効いているみたいだね。なら、物理で押していこうか」
「そうだな。数が多いから、範囲でなぎ払っていこう」
 作戦を短い会話で合わせ、別々の範囲を対象にH・ブランディッシュをそれぞれ放ち、各々の範囲を殲滅していく。
 そして続くはオデットとアレクシア。
「神秘に耐性があるとしても、完全に防がれるものでないなら火力で押し通してしまえばいいのよ!」
「そうね。攻撃しないよりしたほうがよほどいいわ!」
 二人、『一筋の光』と『神気閃光』をそれぞれ発動し、先にダメージを受けた相手を追加攻撃し、一匹でも多く仕留めるように動く。
 そしてエリスがルーン・Hで敵を雹で攻撃。
 ただ氷は直ぐにとけて、評決効果は発揮されず。
「本当に……厄介な相手ですね」
 唇を噛みしめるエリスにハロルドがああ、と頷き。
「なら俺に任せろ!」
 と盾役として、皆の行動を待った上で動く。
 ターゲットが散逸になった所へハロルドは。
「ははははっ! おら、無視けらのように駆除されごみくずのようにうち捨てられる覚悟は出来たかよ! それとも無様に抗ってみせるか? いいぜ、やってみろよ! 俺の護りを貫けるってんならよ!」
 と、『アームズ・オブ・レギオン』を発動する事で、自己回復と防御の強化をしつつ、連続行動でもって『翼十字』からくる怒り効果を周囲にまとめて付与していく。
 イレギュラーズの猛襲……70体という数の暴力で対抗するレッドキャップ達。
 ただ、物理の範囲攻撃には満足な抵抗は出来ず、敵数は瞬く間に減少し、花畑の上に次々と臥していく。
 次の刻となるも、物理攻撃が出来る前衛陣の動きは変わらずに範囲を一網打尽にし、それで討ち漏らした敵を神秘の高火力で焼き尽くす。
「……苦しいでしょう? 母と私の炎の戦いの巻き添えで、燃えていったレッドキャップ達も、その様に泣き喚きながら死んでいったのです……」
 と、エルシアのささやくような言葉は、焼かれるレッドキャップ達からすれば、死刑宣告の様なもの。
『クソッ……絶対ニ道ヅレニスル!!』
 と起死回生の一撃とばかりに、イレギュラーズの間近にまで潜り込んで、妖精達にダイレクトアタックしようとする。
 ……だが。
「させないよ!」
 と素早くアレクシアがその間に割り込み、妖精をカバーリング。
「私はそう簡単にはやられないよ! かかってきなさい!」
 力強い彼女の一言に、妖精達は元気付けられたことだろう。
 ……そして、攻撃を妨害されたレッドキャップに、エリスが『魔光閃熱波』で単体狙い撃ち。
 更にイズマが『落首山茶花』を放ち、確実に止めを刺す。
 決して妖精達には攻撃を仕向けない様にしながらの、物理範囲攻撃で敵を殲滅。
 徒党を組んで、勢いづいていたレッドキャップ達は……そんなイレギュラーズ達の連携を前にして、満足な抵抗も出来ぬまま、花畑を寝台として、全て臥して行くのであった。

●花に笑う妖精郷
 そして……どうにか大量のレッドキャップ達を倒しきるイレギュラーズ。
「……」
 静かに、倒れたレッドキャップ達を見渡すエルシア。
 もう動かぬ骸が、70体……花畑の周りに散らばっている。
 そんな敵の骸の下には花畑がある訳で……。
「取りあえず、被害の状況はどうだ? 急いで確認しないとな」
 と、転がるレッドキャップ達を花畑の上から退去させるサイズとハロルド。
 更に戦闘の痕跡をエリスやイズマが中心に片付ける事で……妖精さん達が気負わないようにさせる様に動く。
 そしてレッドキャップ達が居なくなった跡の花畑を一巡……大きな被害は取りあえず無さそうなのだが、幾つかの花々は押し潰されたり、散ってしまったりしていた。
 とは言え半分以上の花々は無事であり、成果は上々と言えるだろう。
 そして、花畑の外に片付けられたレッドキャップ達にエルシアが。
「生命の円環を断った者の責務は、それを新たな形で繋ぐことなのです……」
 と、繁茂の手の力を発動し、彼らの骸を、この花畑の肥やしへと変える。
 更に、戦闘の跡と、レッドキャップの死体の一掃を終えた後……妖精さん達は。
『……ア、、アノ……エット……ア、アリガトウ!』
 ぺこっ、と頭を下げる妖精達。
 それにクロバが。
「いや……完全に被害無しとは言えない。すまない、君達の楽園を荒らしてしまって」
 と頭を下げる。
 勿論妖精達は。
『ソンナ事ナイ……守ル為ニ、頑張ッテクレタ……私達、嬉シイ……!』
『ウン……アリガトウ、ミンナ!』
 ふるふると首を振り、イレギュラーズ達の周りをくるりくるりと舞い踊り、感謝を伝える。
 ……そんな妖精達の輪舞に、ほっと胸をなで下ろすイレギュラーズ。
 そしてオデットが。
「ねえ、一緒にお花を楽しみましょう♪」
 と妖精達の輪に交ざりながら、一緒にお花を周り、香りを愛でて楽しむ。
 他の妖精さんも、イレギュラーズ達の近くを舞い踊りながら、一緒に楽しむ。
 ……そんな中、折れてしまったお花を見つけるとアレクシアは、一端摘んで、持ち込んだ水差しに入れる。
「こうしたら、少しでも長くそのお花は生きられるからね」
 と提案。
 更にオデットも、同じように折れてしまった花を見つけて。
「ねえ、このお花……手折ってもいいかしら?」
『ン……イイケド、ドウシテ?』
「綺麗なお花だから、押し花にしてあげたくて。折れてしまった花は、再び花を咲かせることは出来ないけれど、押し花にすれば、ずっと綺麗なまま。お友達へのプレゼントにしたいの」
『ソウ。ウン、イイヨ……大事ニシテネ?』
 妖精達からすれば、お花を大切にしてくれるなら、それで充分。
 そんな朗らかな妖精さん達との一時を、イレギュラーズ達はゆったりと過ごすのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

妖精郷シナリオに参加頂き、ありがとうございました!
常春の妖精郷に春が訪れ、それを狙うレッドキャップの大集団。
花畑への対処もして頂けて、妖精さん達からは大感謝……本当にありがとうございました!

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