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シナリオ詳細

ぴよもふ・イースター!

完了

参加者 : 21 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●4月12日
「シャルルさん、ブラウさん」
 呼び止められた『Blue Rose』シャルル(p3n000032)とブラウ(p3n000090)は揃って振り返った。2人へ『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は手に持っていた羊皮紙をじゃん、と見せる。
「ぴよもふランド、また行きません?」
 その言葉にシャルルとブラウは揃って「えぇ……」と言いたげな表情を浮かべた。

 まずぴよもふランドについて説明しておこう。
 この施設が発見されたのは今年に入って少しのこと。ブラウが年末年始に帰省し、ローレットへ戻る最中に連れ去られた施設であった。後述する通行証がなければ発見することもできない摩訶不思議ランドである。
 中では『大きなぬいぐるみ』とでも言うようなふわもこキャラクターたちがお出迎えし、人をダメにするアイテムが点在している。遊園地のようなアトラクションの類はなく、ただただダメになるための空間だ。ちなみに入園無料、入退園自由、通行証はふわもこ──ふわふわもこもこな部位を持っている、或いは身に着けていることである。

「ボクはあの後も引き続き調査をしていたのです。誰がいつ立てたのかもわかりませんでしたから」
「何かわかった?」
「いえ、今のところ何もわからないのです……」
 手強いのですとユリーカ。いつのまにか出来ていたし、建設に関して周辺に住む職人も領主も把握していないのだ。
 さらには昨日、予兆もなく園内に変化が起こったらしい。
「今日は、何処かの世界で『イースター』と呼ばれる日なのだそうです。卵をカラフルに塗ったり、それで遊んだりするのです。
 ぴよもふランドも昨日、突然そんな飾り付けになってしまったのですよ」
 だから調査をしてきて欲しいのだ、とユリーカは告げる。ついでに遊んで来ちゃってもいいですよ、とも。
「あの場所ごと撤去、とかないワケ?」
「被害とかがなさそうなので、今のところ考えていないそうなのです」
 そうでなくてもふわもこであること、或いはそれに該当する何かを身につけていなければ発見・入園できない場所だ。人以外の何者か──精霊だとか妖精だとか──が関与していそうなこともあり、迂闊に手を出さない方が良いということもある。
「ふわもこ装備は……」
「必須なのです」
「……だよね……うーん、猫じゃなければ良いよ」
 ぴよもふランドの通行証とも言うべきふわもこアイテム。前回は猫耳カチューシャを渡されたシャルルは、それ以外であればと条件をつけてブラウを見下ろした。黒くつぶらな瞳がそちらを向き、難しい表情を浮かべる。
「………その、どなたか連れ帰って頂けるなら」
「まあ、置いていかれたら帰れないか」
 神妙に頷くブラウ。彼はなんの因果か、ぴよもふランドの住人(キャラクター)たちに気に入られてしまったらしい。1匹では帰してくれないだろう。
「折角ですから、他のイレギュラーズの皆さんも一緒に行ってくると良いと思うのです。僕を混ぜてくれても──」
「ユリーカ、ちょっといいかい?」
 奥の方から他の情報屋がユリーカに声をかける。ユリーカは言葉を切ってはぁい、と返事をした。その声に少しばかりの悲しさが滲んでいたのは気のせいではない。
「ボクはあっちに行ってくるのです……というわけでブラウさんシャルルさん、あとの広報は任せたのです!」
「「え?」」
 それは聞いていない──などと声をあげる頃には姿がない彼女。シャルルとブラウは顔を見合わせ、しっかりと置いて行かれた羊皮紙を見て肩を竦めた。


●ぴよもふ・イースター!
 ふわもこを装備した者たちの眼前へ現れる『ぴよもふランド』の看板。目撃証言のあった辺りを適当に歩いていれば見つかるのだから驚きである。
 入退園ゲートでふわもこを見せれば特に止められることもなく通される。ランドの中には闊歩するにわとりの着ぐるみ──ぬいぐるみのようだが──や、身を寄せて日向ぼっこするひよこの着ぐるみ──こちらもぬいぐるみのように見える──がいる他、明らかに入園者を誘うダメソファ&ダメクッションの数々。
 そしてそこにユリーカが言っていたらしきイースターの飾り付け。卵を模したダメクッションが点在し、キャラクターの中にウサギが多く見えるのも気のせいではないだろう。
「ん、あれは……エッグロールかな」
 シャルルが目ざとく見つけたのは園の隅っこに設置されたエッグロールの道具。卵とそれを転がすステッキで対になったそれは、去年シャルルが遊んだものと似ているようだ。
 エッグロールの道具が用意されていると言うことは、恐らくエッグレースやエッグハントと言ったものもできるはずである。誰が作ったか、誰が用意したか定かではないが異世界の祭りによく精通していることで。

 さあ──何をしようか?

GMコメント

●すること
 ぴよもふランドで遊ぶ

●ぴよもふランド
 誰がいつ立てたのかも分からない摩訶不思議ランド。ふわもこを身に着けていないと入園できません。
 ふわもこは『身に着けていないと』いけません。ただ持っているだけではゲートで止められてしまうのでお気を付けください。

 ぴよもふランドは『人をダメにする空間』をテーマに作られています。そのためダメクッション&ダメソファ、それらになりうるふわもこキャラクターが数多く存在しています。にわとりとひよこのキャラクターが多いのは気のせいではありません。
 彼らは危害を加えられなければ基本大人しく、ゲスト(お客様)を歓迎してくれます。
 今回はイースター風味となり、ウサギのキャラクターも少しばかり多いようです。卵型のクッションなどもあります。また、隅の方には本来のイースターを楽しむためのブースも設けられているようです。

・イースターの遊び
 色塗り:卵(を模した玩具)に色を塗る。色も柄も塗料も自由です。
 エッグハント:園内に隠された卵を探す。卵は普通サイズです。
 エッグレース:スプーンに卵を乗せて落とさないように運ぶ。皆で競争しよう!
 エッグロール:孫の手みたいな形のステッキで卵を転がします。真っすぐには転がらない。シャルルが見つけたのはこれです。

●NPC
 私の所持するNPC(シャルル、フレイムタン、ブラウ)、及びざんげ以外の幻想に住まうNPCが登場する可能性があります。

●注意事項
 本シナリオはイベントシナリオです。軽めの描写となりますこと、全員の描写をお約束できない事をご了承ください。
 アドリブの可否に関して、プレイングにアドリブ不可と明記がなければアドリブが入るものと思ってください。
 同行者、あるいはグループタグは忘れずにお願い致します。

●ご挨拶
 今年もやりますイースターイベシナ。愁です。
 イースターは一部の宗教で卵・肉・乳製品等を食べることが解禁になる日だそうなので、私の夕飯は親子丼に決定しました。
 全部のことをしようとすると各1行しか描写がなかった、という悲劇が起こるのでお勧めしません。1箇所を濃厚にギュギュっと詰めてくださいませ。
 ご縁がございましたら、よろしくお願い致します。

  • ぴよもふ・イースター!完了
  • GM名
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2020年04月30日 22時10分
  • 参加人数21/50人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 21 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(21人)

シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
蒼銀一閃
リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)
無敵鉄板暴牛
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
トリーネ=セイントバード(p3p000957)
飛んだにわとり
アリス(p3p002021)
オーラムレジーナ
ジルーシャ・グレイ(p3p002246)
ベルディグリの傍ら
カイル・フォン・フェイティス(p3p002251)
特異運命座標
ブーケ ガルニ(p3p002361)
兎身創痍
ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
ルナール・グリムゲルデ(p3p002562)
片翼の守護者
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)
木漏れ日のフルール
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)
キラキラを守って
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
生イカが好き
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
虚無堕ち魔法少女
ゼファー(p3p007625)
祝福の風
チシャ(p3p008267)
エゴノキフェアリー

リプレイ

「あ、自前の毛皮いけます?」
 いけまーす! と言わんばかりに通されたブーケ。ダッチラビットの彼であるが、決してスタッフではない。甘やかしてもいいけれど──自分だって甘えたい。バブみ感じてオギャりたい26歳男性なのである!!
 歩いていれば「大丈夫?」と言いたげにひよこ(notブラウ)が優しく羽交いを広げる。そのふわふわに身を委ねると、あれよあれよとひよこちゃんが大集合。
(お日様の香りや……)
 夢の世界に旅立つまで、あと何秒か。
「はぁあーー……いいテーマパークだわぁ……」
 ダメクッションへ大の字になったイーリンはくたりと力を抜いている。無理、遊べない。もうここで暮らす。
「ふっふっふ……それならここで、ダメになれーっ!」
「ってウィズィっ! きゃー! 駄目にされるー!」
 きゃいきゃいと笑ってじゃれつくウィズィとイーリン。マウントを取り返したイーリンの柔らかな肢体がウィズィを誘う。しまいには2人抱き合ってくすくすと笑いあって。
「あっはっは。はー……ほんと、くだらないわ」
 恋人の心音を聞きながらくすくすと笑うイーリンは、頬に手を添えられた。
「くだらなくなんてないさ……君との一時はかけがえのない宝物だよ、ハニー」
 キリッと顔を決めたウィズィ。その表情はイーリンの「来年も」という言葉で満面の笑みへ変わる。
 来年だけじゃない。その次も、もっと先も。こうして2人で、平和に微睡めたら。
「はふぅ! 随分走り回りましたわねー!」
「でも、こんなに卵を見つけられた人は私たちくらいなんじゃないかな!」
 手元に集まった沢山の卵にタントとシャルレィスはにっこり。少しくらい休んでも良いだろう。春の陽気も心地よく、素敵なお天道様日和である。
「さあシャルレィス様、どうぞご一緒にっ」
 近くのクッションへぼふんぼふんと埋まる2人。すぐさま体の力が抜けていく。
「うわー……相変わらず気持ちよすぎるクッション……!」
 久しぶりの感触に顔を埋めるシャルレィスは、でもと持ってきたニャント様──もといおてんとにゃんをタントとの間に挟み込む。ビッグサイズのそれにタントは「ふわ、」と声を漏らした。
「このぬいぐるみも、とっても気持ち良いですわねー……」
 顔を見合わせれば、自然と笑みが浮かんで。更に同時に欠伸がふわあ。


「わたくし、もう、抗えませんわ……」
「私も……もう、駄目……」
 睡魔に誘われた2人の頬を、優しい風が撫でていった。
(いやいや、怪しいだろう)
 カイルは至極ぴよもふランドを怪しんでいた。だって無料で? 入り放題で? しかも人をダメにする?
 実は人攫いを企む何某かがいるかもしれない。そんな緊張感をはらんで入園したカイルは──。
「安全ですね」
 マスコットたちを見た途端手のひらくるり。だって良からぬことを企てるなんて思えない。
 陽だまりに集まるひよこたちへ声をかけ、もふりと触れる。終いにはふわもこに囲まれて、温もりの中カイルの意識は夢の中へと旅立った。
 蒼の羽根で彩られたルーキスとルナールはまずふわもこクッションにごろん。
「んあー、これはダメになるクッション」
 あっという間に力を抜かれるそれに、しかし目的はこれだけじゃないとルーキスは手を伸ばす。片手に玩具の卵を、片手に筆を。
 ルナールも同様に、筆へ色を移す。
(今度こそちゃんとした物を作らねば……)
 今回は猫を描こう。やればできるはずだ。
「おにーさんは進んで………る?」
 ──けれども、どうしてこうなるのか。
 ルーキスが目を瞬かせる。そりゃそうだろう、ルナールの手元にあるのは猫『らしき何か』だ。
「………進んでる、と思ったが……どうやら俺の画力は家出中らしい」
「仕方ないなー」
 手先は器用なはずなのにね、と呟きながらルーキスはクッションをポイ。こういう時は適材適所、共同作業で作っていこうではないか。
 細かい絵はルーキスが。色塗りはルナールが。2人の手によって卵は彩られたのだった。
 頭を傾げば兎耳が揺れ、くるりと回れば兎の尻尾がふるふると揺れる。
(バッチリですね)
 リディアはふわもこ兎となってエッグロールへ。ダメになるのも少し、いやかなり気になるけれど、今はこちら。
 完全な球ではない卵は意図せぬ方へころりころりと転がって、つい夢中になっていれば腰に付いた尻尾がピコピコ跳ねる。ゴールが近くなったと思ったらまたあらぬ方へころころり。
「……っ、ゴール……!」
 目的地へようやく卵が収まると、リディアは笑顔を浮かべてぴょこぴょこ跳ねたのだった。
 クッチャクッチャとガムを噛み締めるメリーは、それをエッグレースのスプーンにぺっと吐き出す。別にガムが食べたかったわけでもないしお行儀とかあーあー良く聞こえなーい。
「よし、これで落ちないわね」
 ガムでスプーンと卵をくっつけたメリーはその頑丈さを確かめ、スタート地点から全速力。揺れもしない卵に高らかな笑いが上がる。
「勝つためには手段なんか選ばないわ! ルールなんてクソくらえよ!」
 ──だがしかし、並走する者もこれまたプロであった。
(鶏として卵を落とすわけにはいかないわ!)
 嘴でスプーンを咥え、翼でバランスをとるトリーネ。さらに存在感をアピールしようとするが──喋れないし鳴けないしどうしよう。
(ならば回るわ! こけこけトルネード!)
 ぐるんぐるん回りながら前進するトリーネ。目は回るけれど目立ってるし遠心力で卵も落ちない。あとは頑張ってゴールへ進むだけだ。
 ……残る問題は、どのように卵を落とさず止まるかである。
 ふわりと風が起こって、小柄な体が空へと誘われる。チシャのまとったポンチョがひらりと揺れた。
 目指すは隠れた卵。美味しく丸ごとお腹一杯になるまで頂くのだ。
 チシャの体は風に運ばれて小さな隙間も抜けて、運よく卵の元まで辿り着く。
「極上の卵なの! げっとなの!」
 きゃあと喜ぶチシャは装飾の施された卵を束の間見つめ、ほんのちょこっと躊躇って、
「でもやっぱり遠慮なく、まるかじりなのー!」
 言葉と同時に齧りついたチシャは「これ、美味しくないなの!!」と叫んだ。
 園内を回り、ふわもこに抱きしめられてご機嫌なアリスにゼファーは目を細める。
「……妬いてるの?」
「えー、別にぃ。何でもありませんよぉ?」
「嘘だ、絶対、一寸だけ拗ねてるでしょう」
 なんてやり取りしながら歩く2人。程々に疲れてきたところへ、罠かと言わんばかりのダメソファが視界に入る。
「ねえゼファー、疲れちゃった」
 その腕に縋りつけば、彼女もまんざらでないようで。沈むソファに身を横たえるとアリスはいそいそ膝枕の体勢を整える。
「もう動きたくないモードに入ったわ……」
 そもそも、アリスは同じ名前の登場人物と似て非なる性格だ。決して好奇心に突き動かされたからって穴に落ちない。つまり、あまりアウトドアじゃない。
「じゃあ、ここでお昼寝しましょうか──」
 睡魔誘われるまま、とはいかなかった。
 言葉が途切れたゼファーに続いてアリスも「ん?」という表情を浮かべる。なんか、シートの隅に、ある。思わず2人は顔を見合わせた。
「ふわもこがいっぱいっ!」
 目をキラキラさせる焔にフレイムタンは微笑む。2人の手のは揃いの猫さんグローブ、そして猫耳カチューシャ(焔は自前)。入園時必須アイテムだ。
 視界に広がるはダメ空間。でも折角のイースターだし、色々遊んでみ──。
「はっ! この手じゃ物が上手く持てないよ!」
「……確かに。脱ぐわけにもいくまい」
 手袋のようであればまた違ったのだろうが、握る動作は難しい。そんな2人の視界の飛び込んだのは『エッグハント』の文字であった。

 ──あれだ。あれならふわもこ堪能しつつ遊べるぞ!



 ブラッシング済みの見事な耳と尻尾で入園した汰磨羈もエッグハントへ。
(普通サイズであるならば、ふわふわな所に埋めるだけで隠せるはず)
 つまり──隠すのならばダメクッション!
 ダイブしかけた汰磨羈はふと冷静になる。勢いよく行けば割れてしまうだろうと。なのでそっともふもふして。
「……ううむ、これは良いふわもこ」
 卵探しをしているのか、ふわもこを堪能しているのかは彼女の様子を見れば分かるだろう。
「大丈夫だ、ちゃんと探している。決してふわもこを堪能しているわけでは」
 スヤァ。即落ちだった。
「お、あっちでレースやってるみてーだ! ブラウもつれて勝負しようぜ!」
「そうだね! ブラウさーん!」
 ワモンを抱えたフランが手を振ると、小さなひよこがぴょんと跳ねる。1人と2匹がやってきたのはエッグレースだ。
「フラン! ちょ、ちょっとオイラ口にスプーンくわえるから卵のっけてくれー!」
 ヒレで持ったら前に進めないと慌てて声をかけたワモン。その後ろでブラウが「ボクも!」と飛び跳ねるなか、フランは順番にスプーンへ卵を乗せてやる。
(スタート前から勝負が終わるところだったぜ……)
 危ない、とワモンは目と鼻の先にある卵を見つめ思う。だがしかし、ヒレさえあればこっちのもの。ブラウにもフランにも負けられない!
 ──が、そもそも体のサイズが違うと言うもので。 ハンデにとフランが選んだのは兎の着ぐるみだ。よたよたと歩いてきたフランはスタート位置について──よーいどん!
「負けないよ2人とも、世紀の大レース! ぬおおおおお!!」
 1人と──いや、3匹のレースは熾烈を極め、ブラウたちは少し休んでから違うもので遊ぶことにした。彼らの姿を見つけたジルーシャが「あら、こんにちは♪」と声をかける。
「この後空いているのならエッグハントとかどう?」
「したいです!」
 ぴよ、と飛び跳ねるブラウ。今度その頭に合うような帽子を見繕ってやろうと思いながら──フランとワモンも交えて卵探しだ。
「さ、それじゃあ探すわよー♪ アタシは上の方を見るから、ブラウちゃんは下をお願いね」
 手分けして園内を探し始める一同。卵を見つけると皆でハイタッチし、「景品がないのも寂しいし」とジルーシャがキャンディをプレゼント。
 そろそろ一休みしようか、なんて話が出たところで「ブラウさーん!」と元気な声が木霊した。
「あ、リュカシスさん!」
「こんにちは! お仕事しに来ました!」
 そう、既に大半の者が忘れているがこの依頼は調査と言う名目もあるのである。現にイーハトーヴなど張り切って──。
「座ってるうさぎさんがいる可愛い!」
 あれ?
「イーさん?」
 気が付けば近くに彼がいない。リュカシスが慌てて見渡すと兎マスコットを嬉々として観察する彼が見えた。その周りにいる、沢山のマスコットたちも。
「あら、ふわもこちゃんたちがいっぱいね♪」
「ですね! イーさん、待ってー!」
 ブラウをひょいと抱えて走るリュカシス。のんびりできそうな空間にジルーシャたちもついていく。近づく気配にイーハトーヴが瞳をキラキラさせて振り向いた。
「すごいよ! おっきなぬいぐるみみたい! ふわもこ! 可愛い! 可愛い!
 勿論ふわもこなリュカシスもブラウも可愛いよぴよもふランド最高だね!!」
 ここまで一息である。
 ハグの許可に皆でぎゅっとしてみたり、お日様の匂いを嗅いでみたり。ダメになる街道まっしぐらである。
「イースターはふわもこううさぎさんの日……」
「永遠にこうしていられる……」
 睡魔が手招きしている。脳裏にオフィーリアの拗ねた声がよぎるが──。


 ──実に、抗いがたいふわもこである。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

すやぁ……

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