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シナリオ詳細

<Despair Blue>水没都市プラエタリタ

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●忘れる勿れ
 死んだ。
 彼は死んだ。
 呆気もなく、その身を海に打ち付けて。

 死んだ。
 彼女は死んだ。
 哀しみの中、その身体を海へと堕として。

 死んだ。
 私は死んだ。
 苦悩の中、二度とは陸に戻れぬと泣き塗れて。

 死んだ――私は哀れな人魚姫。泡となって消えることもできずに、貴方の胸にナイフを立てた。

●『水没都市』
 ネオ・フロンティア海洋王国。小さな国土に貧弱なる国力は周辺諸国からの外圧に晒され続け、遥か新天地(ネオ・フロンティア)を夢に見続けた。随一の造船と航海技術を以てして、彼らが目指すのは『机上では世界を寸断する東方の外洋』――絶望の青である。
『海洋王国大号令』を以て、その深き海へと飛び出す事となった特異運命座標を待ち受けていたのは様変わりし続ける空模様と、その身を包み込む奇妙な倦怠感であった。
 胸が騒めく。気分や体調が変調していく。航海で向かう先には確かに進めている筈だが、鼻先を擽った『嫌な臭い』はどうにも拭えない。
 周囲には船の残骸が浮かび、海が荒れ続けている。此処がプラエタリタと呼ばれた区画なのだそうだ。
 その下には様々な人々の遺物が残され怨嗟の声が渦巻いているとも言われている。
 そうだ――これは、何時からの話だったであろうか。

 ……記憶を辿ろう。
「水没都市」と告げたのはカヌレ・ジェラート・コンテュールであった。
「正確には『そこを通ると沈んでしまうといわれている都市伝説の都市』ですわ。
 噂には聞いたことなくって? 私、幼い頃に聞いて暫くは一人で寝れませんでしたもの」
 カヌレは思い返すようにそう言った。特異運命座標達が進むべきルートのひとつに『そこを通れば死ぬ』という曰く付きの場所が存在するのだそうだ。
 先に出発した特異運命座標達の情報を合わせれば『狂王種』などによる被害であろう事が現時点では分かっている。
 何らかのモンスターによる強襲で船は沈み、全てが海に飲まれていった。その事実に尾ひれがついて『大昔はその場所で誰かが暮らしており、その怨念が渦巻いている』というものになったそうだ。
「詰まる所、その場所を我々は通らねばならない……しかし、何の対策なく通ったところで『噂通り』になる事は分かり切っているのです」
 カヌレの代わりにオーダーを説明するソルベ・ジェラート・コンテュールはルートを海図へと引いた。
「その場所の安全を確保し、橋頭堡とすることが皆さんに求められるオーダーです」
「ええ、ええ。けれど、お兄様。プラエタリタへの調査は必要ありませんこと?」
「……危険ですが、其方も合わせて。何かが眠っている可能性もありますし――」
 そこまで行ってからソルベは一度口を噤んだ。
 そっと、特異運命座標へと何かを書いたメモを差し出す。
 後で開いて欲しいと耳元でそっと呟いた若き貴族派筆頭はまじめな表情から一転し、にこりと笑う。
「それでは『落ちたとき用に』練達製の水中スーツの用意をしておきます。ただ、あまり過信はせずに」
 ソルベが強調した言葉にカヌレは首を傾げる。さて、先ほど言った『水没都市』への調査は必要ないのだろうか。
 その様子を背後でにっこりと微笑み見つめる者がいる。それがセイラ・フレーズ・バニーユ夫人である事に気付き、カヌレは更に不思議そうに瞬いた。
「お兄様? バニーユ夫人がこちらを見ていらっしゃいますけれど」
「……ああ、そろそろ仕事の話をしなくてはなりませんからね。
 それでは、イレギュラーズの皆さん。御気を付けて。援軍として我がコンテュール家の物を皆さんの援護につけますから」

 メモには書かれていた――

『大号令の後、調査を兼ねてプラエタリタ地区の航海を行ったのは故バニーユ男爵。
 そして、彼が懇意にしていた女海賊のパニエでした。
 その際に航海を行うべきと進言したのはセイラ夫人であったと記憶しています。
 バニーユ男爵はその際に帰らぬ人となり、以後、バニーユ家はセイラ夫人が女主人として管理しているようです』
 成程、バニーユ家にとっても曰く付きだ。
 メモを見ているイレギュラーズにカヌレはこっそりという。
「お兄様ったら可笑しいんですわよ。バニーユ夫人にはプラエタリタへ向かうのではなく、別ルートを進むオーダーを行ったって言うのです。
 それに、バニーユ夫人には皆さんの行く先を言ってはいけないだなんて……可笑しくありません事?」
 ソルベはその事実を隠しておきたいらしい。彼はバニーユを信頼していないとは言っていたが果たして――

GMコメント

 夏あかねです。ああ、こわいなあ。

●成功条件
 ・狂王種の撃破
 ・可能な限りの情報収集

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 また、『不穏な気配』と『嫌な臭い』が蔓延しており、何らかの影響を受ける可能性があります。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はEです。
 無いよりはマシな情報です。グッドラック。

●絶望の青
 天候は不安定。ころころと変わり続けています。落雷激しく、嵐の予感。
 コンテュール家の手配した船、および随伴船が一隻。イレギュラーズの無事の為に彼らは支援します。
 尚、コンテュール家は絶対的な信頼を皆さんに与えているためにイレギュラーズの指示にはがっつり従います。生きてる限り。

●プラエタリタ
 空白地区。絶望の青の一区画であり、そこを通る者は皆『連絡が途絶える』そうです。
 その下には何らかの街が沈んでいるだとか、モンスターの住処になっているとも言われているそうですが……

(メタ情報)
 海の中には遺骸となった街が存在していますが、それは意図的に設置された様にも思えます。
 また、遺品も多数沈んでおり、海の底を自由に探索できれば得られるものも多いでしょう。
 しかし、此処は絶望の青。そして、その危険地域である事はお忘れなく。モンスターは何処からともなくやってきます。

●狂王種『プラエタリタの大鎌』
 それは通り名。巨大な鯨です。非常に高いタフネスと攻撃力。軍艦をカンタンに沈めることができます。
 また、『プラエタリタの大鎌』は『家族』がいるとも言われており、周辺をぐるりと取り囲む様に同様の種の小型モンスターがプラエタリタ区画に入った時点で追従してきます。

●『海洋戦闘用スーツ・ナウス』
 練達特製の海洋戦闘スーツでございます。水中行動(弱)程度の効力を持ちます。
 ソルベから貸し与えられます。着用が必要な場合はプレイングに【ナウス着用】と明記してください。

 どうぞ、よろしくお願いします。

  • <Despair Blue>水没都市プラエタリタLv:15以上完了
  • GM名夏あかね
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2020年02月14日 22時05分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

クロバ・フユツキ(p3p000145)
傲慢なる黒
郷田 貴道(p3p000401)
竜拳
イリス・アトラクトス(p3p000883)
光鱗の姫
ジル・チタニイット(p3p000943)
薬の魔女の後継者
スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)
天義の聖女
クリム・T・マスクヴェール(p3p001831)
血吸い蜥蜴
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
如月=紅牙=咲耶(p3p006128)
夜砕き
水瀬 冬佳(p3p006383)
水天の巫女
湖宝 卵丸(p3p006737)
蒼蘭海賊団団長

リプレイ

●忘れる勿れ
 貴女を愛していました。
 女の身で浅ましくも。

 貴女を愛していました。
 その度に思うのです。私が、男であったならと。

●プラエタリタⅠ
 海洋王国より沖合へ進む。天候は制御できる事無く波は暴れ、雨粒は体へと打ち付ける。
 天を裂くように落ちる雷光。天地をひっくり返すような轟音が周囲には響き渡る。
 それは天より海へと身を投げたかのような白き一線であった。

「流石は……『絶望の青』かな……」
 息を飲む。鼓動の音がやけに煩い。リズミカルであったそれが徐々に早くなるそれが警告であることをイレギュラーズ達は皆感じていた。
『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)は「こんなところに街が?」と荒れ狂う絶望を眺めて言った。
 混沌世界は解明されないことばかりだ。鉄帝国や深緑に存在する古代遺跡や幻想王国の『果ての迷宮』然り――到底、想像はつかぬ謎が多く、それらの事象に何ら説明なども行われない。
「推測の域を出ないけど、安全だった頃があったのかな?
 他の場所にも無人島に遺跡が見つかったりしてるけど……例えば『ここが絶望の青』になる前とか……?」
「さあ。それなら金目の物とまでは言わねぇが珍しい物の一つや二つ落ちててもバチは当たらないだろな?」
 出来るならば何らかの成果を得て帰りたい。『血吸い蜥蜴』クリム・T・マスクヴェール(p3p001831)はぺろと舌を覗かせる。
 絶望の青――そして、イレギュラーズ達の任務地点であるプラエタリタ入り口に到着してからというものの船の周囲には無数の狂王種の影が存在している。
「狂王種ってうまいこと調理して食事のアテにできないものか……」
 ぼやくクリムは特殊な方法での栄養摂取が可能である。栄養を得れようとも、食むその物の成分が把握できない以上は食うという選択肢は無いのかもしれないが……。
「うん、確かにこれだけ影が見えれば『大漁』なんだぞっ!」
 海の男として、『蒼蘭海賊団団長』湖宝 卵丸(p3p006737)は大きく頷いた。
 ここより先が空白地帯ですというコンテュール家の随伴艦よりの連絡を受けてから卵丸は周囲の音をに耳を澄ませ続けている。蒼蘭の襟が風にはためき、雷光が周囲を白く染める様子から『空白海域プラエタリタ』での航海が容易でないことを感じさせた。
「ここから先の情報を持ち帰ったものはいない……謎の水没都市に、『船が消える』空白の領域!
 うんうん、正義の海賊としては放ってなんて置けないんだからなっ!! 真実をこの目で確かめるんだぞ」
「真実とはどのようなものか――この海域に住まう狂王種の仕業か、それともそれよりも尚、『難しい』ものであるか。
 通る者が消える都市伝説とはとても興味深い。危険と言われども浪漫であることは否定できない。
 果たして絶望の海の底に一体何が眠っているのか少々楽しみになってきたでござるな」
『闇討人』如月=紅牙=咲耶(p3p006128)のマフラーが揺れる。
 風が煽り、凪ように静かに甲板へと顔を出した咲耶は自身の鼠を載せた随伴艦にはプラエタリタへ入らず『迎えの船』として待機を乞うた。
「念には念を。こちらから、行動の指定をさせていただくでござる」
「はい。イレギュラーズ。……どうぞ、ご武運を」
 静かな声音で言ったコンテュール家の家臣たち。
 その声に込められた響きは、恐怖慄く事と隣り合わせだったのだろう。この海域への出征は秘密裏に行われている。表向きにはプラエタリタ方面に向かうが『危険なこの海域を避け、さらに奥に進む』という方針だ。
 それと言うのも、プラエタリタは通る船が皆沈み、姿を消す空白の領域だ。都市伝説の上では、この海域に足を踏み入れたらば最後、磁針は狂い、行く先を見失うとも言われている。
「ここを通る者は皆、連絡が途絶えるって所が気になるかな……。
 それが通信障害だっていうなら、尚更に。水没都市に一体何が眠っているんだろう」
『リインカーネーション』スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)はここに秘密が眠っているなら暴かないと、とリインカーネーション飾った指先を撫でた。
 母と共に在る事を確かに感じ、飛沫を受けながらスティアはゆっくりと進みだす船の進路を見やる。
 この奥には――そして、この下、深き場所には沈んだ街が存在しているのだそうだ。
 カヌレ・ジェラート・コンテュールが言った『都市伝説の都市』。それが過去の遺骸であるかも分からない。
「『水没都市プラエタリタ』……」
『光鱗の姫』イリス・アトラクトス(p3p000883)の唇は、その言葉をなぞった。海洋で育った彼女も風の噂で聞いたことのある話だ。
「なんだっけ……尾鰭がついて正確なことは言えないけれど、人魚が住んでるとか、本当はないとか言われてた気もするかな。場所が場所なだけに真実もわからないし気軽な探索もできないけど」
「人魚、ですか」
 ふと、『水天』水瀬 冬佳(p3p006383)はそう呟いてからイリスを見た。
 彼女の頭に浮かんだのはセイラ・フレーズ・バニーユ男爵夫人。
「水中に住む……人魚。
 鳥の翼を得た人魚、セイラ夫人の社交界でのあだ名は『嘆きのセイレーン』……符号は出来すぎですね」
「バニーユ男爵夫人によって作られた噂と都市って事か」
 そう言われても納得してしまうような現状がここにはあるのだと『夜刀一閃』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)は深く溜息を吐いた。
(……さて、『嫌な臭い』だか『気味の悪い音』だか、さっきから船についてきているが……?)
 この海域に入ってからというもののイレギュラーズを包む空気は変わった。
 さらに濃い『嫌な臭い』が周囲を包み込み、靄の様に体を包み込む感覚さえもする。
「気味の悪ィ気配だぜ……!」
 船内の様子の最終確認を全て行ったうえでの航海で船には不安なくとも、海域自体にこうも懸念事項が多いとなれば『人類最古の兵器』郷田 貴道(p3p000401)も毒吐きたくなるというものだ。
「さ、流石は絶望の青っすね……。
 待ち合わせの時間までコンテュール家の皆さんも無事ならいいっすけど……」
『シルクインクルージョン』ジル・チタニイット(p3p000943)は先ほどの状況を思い返す。狂王種は『一定のライン』を超えないように泳いでいるようにも見えた。
 曰く、この海域に住まう巨大な狂王種は無数の『子』を連れている。子らは親から離れる事無く、親は子の海域から離れることはない――ならば、プラエタリタに入らなければ被害が及ぶ可能性は低くなるのだ。
(……バニーユ男爵夫人がここに現れない可能性だってないわけじゃないっす……。
 不審な事があればすぐにでも海洋王国に帰島してほしいっすけど――)
 おいそれと帰るほどにコンテュール家の家臣たちは薄情でもないのだろう。迫る小さな影が増えていく。それがこちらに仕掛ける事無く『親』の許へといざなう動きをしていることに貴道は気づいて。
「嫌な気配だ」と再度ぼやいた。

●プラエタリタⅠⅠ
 ソナーの代わりとして聴力を使用しながらクロバは『仕掛けてこない』小型の狂王種の動きを警戒し続ける。
 ぐんぐんと進む船の上、その身の『鱗』は鎧の如き強固さであるとイリスは両足に力を籠める。
 Triviaを手に、難攻不落の乙女はイレギュラーズ達の船を追従する小型の狂王種に仕掛けた。
「探索とか遠足とか明るい気分で行きたいけど――そうはいかなさそうね?」
 驚異的生命体。絶対に只では済まさぬと小型の狂王種を引き付けるイリスが前線を維持し続けるその場所へ甲板目掛けて宙をはねたのは小ぶりな鮫。
「サメだー!? はっ、ち、違うね。大丈夫、支えてみせるよ」
『嫌な記憶』が過った気がしてスティアは首を振る。愛らしい少女には裏の顔とでもいう様に扇で顔隠し、展開させる術式は聖域の名を宿す。
「流石は『絶望の青』、でござるか?」
 咲耶はそう呟いた。手に馴染んだ妖刀より揺らぐ魔性が狂気を裂いた。
 紅牙流を用いる戦闘術は手段も殺法もすべては変幻自在術者次第と教えるようだ。
 その足に力を込めて、咲耶が小型の狂王種を切り裂けば、それに追従するように貴道がその鋼鉄の拳に力を籠める。郷田流ボクシング、それは基本となる彼の格闘技術でありながら二つの拳というシンプルな兵器に他ならない。
 超人的なポテンシャルを引き出すように熟練の術を見せる彼の実践的なボクシング術が狂王種の横面を殴りつける。
 海より跳ねたサメを思いきり海中へと『戻した』儘に、大気を思いきり蹴りつけた彼の傍より跳ねた水の飛沫にクロバは十字の意匠を刻む白銀の剣を向ける。
 アストライア、さあ、『叫べ』――!
 その細い体を吹き飛ばすように己の体内の魔力と体を極限まで酷使し、集中砲火を浴びせ続ける。爆炎の狭より放たれるは剣戟。
 強まる嵐の中で、イレギュラーズ達はただ只管に小型の狂王種を迎撃し続ける。
 海中へと沈んでいく狂王種を見やって、自身の耳を頼りに探索続けるクロバの肩でひよこが応援を続けている。
「……俺達を誘っているようだな?」
「ああ。まるで逃げるようにスイスイ泳いでいやがる!」
 舌を打った貴道の脅威の洞察眼でも同じ結論に至っていた。狂王種を受け止め続けるイリスへと降り注ぐ癒し、そして、阻害する呪いを退けるようにジルがアンチョコを手に恐怖を打ち払う。
 盾看板を手にしながら、ジルは連携を意識する。状況を分析し、問題を解決すべく大号令を発し続ける。
 周辺をぐるりと囲んだ小型の狂王種が『プラエタリタの大鎌』の子供たちである事は様子を見る限り明らかだ。
 誘うようなその動きは『プラエタリタ』の水没都市へ、そしてどこかに潜む大鎌の許へと向かっているのだろう。
「撃破しながら、水没都市へ向かうというのも中々。海上を眺める限りでは『狂王種』が多い程度でござるが……」
「はい。ソルベさんが言っていた通り危険海域な事には違いありませんが。
 それだけでは通常の絶望の青と何ら変わりはありません。それ以外に何か、あるのかも……」
 咲耶に冬佳は22年前――先の大号令の際にバニーユ男爵と女海賊パニエが此処へ向かった事を思い返して呟く。
「いえ、もしかして夫人は男爵を――」
 首を振る。
 もしも彼女が魔種で。男爵を殺すだけでは飽き足らず――?
「推測の域を出ませんから……」
 冬佳が言い淀んだ言葉を察したようにスティアは『肉親』を思い返しては唇を噛んだ。
「推測も必要なことでござる。しかし……ここに『バニーユ』が来ないとも限らぬことが気がかりで――」
 男爵がこの海域で消息を絶ったのであれば遺品の一つや二つ沈んでいる事だろう。
 前線で戦い続けるイリスと貴道、耳を澄ませ索敵と情報収集にあたるクロバは巨大な影が見えたことに気づく。
「来たぞ! 『プラエタリタの大鎌!』」
 クロバの声に、卵丸が構える。船への打撃を与えられぬ様に臆することなく水中にその体を躍らせて、そしして、見た。
 その巨大な体に鋭い尾鰭は鎌を思わせる。
「大鎌――」
 命を刈り取る形。
 ぞ、と背筋に走った気配を振り払う。
 水天、それは水の神の加護を纏い冬佳が身を躍らせ、水の加護を纏いながらスティアが魔力の花を回せながら水中へと躍り出る。
「HAHAHA! あれが『大鎌』!」
 腕が鳴るとでもいう様に両脚に力を籠め宙踊り、上空より大鎌へとその拳を叩きつけた貴道に続きイリスがそれを誘い込むように手を伸ばす。
 間髪入れず死臭を打ち消すような硝煙の香を纏わせてクロバが剣戟を放った。
「蒼蘭海賊団団長、湖宝卵丸。お前達の相手は、卵丸だっ!!」
 堂々と名乗りを上げて、周辺の小型を集めるように卵丸は周辺に広まる音を頼りに泳ぐ。
 何も遮るものはない、ぐんぐんと進む卵丸に追従し、ジルは水中行動用スーツを纏い進んだ。
「皆、生きてお土産持って帰るっすよ!」
 ジルに頷いて、イリスは引っ張られる感覚を感じ取る。
 大鎌が自身を絡めとり一気に深海へと誘ったのだ。
 波が立つ。
 そして、クロバははっとした。何処かで女の声がする。愛をうたう、甘い声が。
 ……それは、気のせいであっただろうか?

●水没都市Ⅰ
 引きずる様にイリスの体が落ちていく。手を伸ばした焔の体にぶつかった尾鰭が激流を生み出しその身をしたたかに船底へと打ち付けた。
「ッ――!」
「美味しそうには見えないな」
 血走った大きな赤い瞳と見つめあってからクリムは小さくぼやく。再度、大きく煽られた尾鰭をフォースロッドで受け止め、その腕に力を籠める。
 周囲を包み込む小型の狂王種に視線を向け、その愛らしいかんばせに苦しい色を載せた卵丸が唇を震わせる。
「卵丸だって――!」
 鉄帝国工房の特注お墨付き。パイルバンカーを手に水を含む船長服の襟が大きく煽られる。
「こっちにくるんだぞっ!」
 蒼い蘭と錨の旗本へ――
 蒼海に煌めく虹を作り出すように。小型の狂王種の体を切りつける。鼻先に感じた嫌な臭いに思わず目を細めた卵丸が顔を上げれば、大鎌に引きずられ鵜様に『水没都市』へと向かうイリスも同じように感じたか頷く。
(うん、この『大鎌』みたいな生物がいれば確かに普通の船も沈むかも――けど、それだけじゃない!)
 僅かに感じていたほかに何かあるという予感は確かなものに変わる。
 大鎌はイリスを水没都市の中へと引きずり込もうとしているのだ。それだけはわかる。
 貴道が拳を突き立て、大鎌を底へと叩きつける。尾鰭が大きく揺らぎ、水面まで大仰な程に波立てれば、その一撃にクリムのその身が煽られる。
 腕を掴み、冬佳は周囲に陣を展開する。無数の氷刃は浮上を払うがごとく――そして、清浄なる神水を触媒とした癒しの術法をもって仲間を救う。
 魔道具を手に、冬佳が目を凝らす。どうやらここがプラエタリタ。水没都市だ。
 大鎌がのろりのそりと動くそれの背後に見える人工物にクロバは「なるほど?」と呟いた。
「見た限りならば『作られた』という言葉が正しそうだ。人為的に拵えられた水没都市――朽ちているように見えてそれほど古くないようにも見える」
「ええ。私が見てもその通り。もう少し近づかなければ本来のことは分からないけれど……」
 大鎌と相対した儘、イリスが息を飲む。その背後、小型の狂王種を集めては攻撃を重ねる卵丸はじりじりとした感覚を覚えた。
「ッ――――!」
「イリスさん!」
『ぐわり』と。
 大口開いたそれより逃れるようにイリスがその体を水没都市の建物の中に転がり込ませる。
 大鎌を翻弄するようにクロバの剣戟が飛び込み、隙をついてイレギュラーズは一時退避場所としてその建物へと飛び込んだ。
 気を失った焔とクリムを庇う様にスティアが癒しを送り、『船』へと戻るための算段を立て続ける。
「大鎌は遊んでるみたいに見える……」
「そうでござろうな。恐らくは『こちらの様子を見ている』だけでござろう」
 しかし、だからと言って遊ばせていてはじり貧になるのはイレギュラーズだ。
 大鎌の尾鰭が動く。それを誘導するように『海上へ向け』させながら貴道はその拳に力を込めた。
「チッ、くたばれクソ野郎が……やらせるかよッ!」
 大鎌の周辺の小型を受け止めながら卵丸は経過時間を感じつつ焦りが滲み始める。
 大鎌の猛攻で、確かにダメージを与え続け、篤い回復で継続戦闘は続けていけるだろうが――それを屠るまでの根競べになってしまう。
 戦闘時間が長引くにつれ、周辺より現れる狂王種は勿論のこと、戦闘不能となった仲間を安全地帯に連れていることも難しくなっていく。
(このままじゃ皆で海の藻屑なんだぞ……!)
 焦りと、そして海の男としての矜持を胸にした卵丸を支援するように咲耶はひらりと海中を動く。
 死なぬため、生き抜くために、その力を込めた黒き髪が揺らぎ続ける。
 建物の中のより顔を出し、猛攻を続け続ける仲間たちを支援する冬佳は自身を包み込む海水に奇妙な感覚を覚えていた。
(この海。唯の海水では無いのでは――?)
 それは出立前に見た一枚の報告書だ。元イレギュラーズである魔種が情報を流したというそれ。

 ――心身を蝕まれながら数十日も苦しんで、最後には絶望の海に溶けてスープになる。

(まさか……?)
 その言葉がそのままなのであれば、この海には無数の怨嗟と『人』が混ざり込んでいるのか。
 それゆえに絶望が出来、絶望が疫病と化し、大罪の『嫉妬』で形作られたのならば。
 それ以上は憶測を出ない。建物の中に滑り込んだスティアが「此の儘じゃ大鎌に勝てない」と悔しげにつぶやくそれに対し、クロバは「一時撤退だ」と建物の中へと足を向ける。
「OK、なら――テメェは一旦空でも見てろ!」
 貴道が殴りつけ、大鎌が『空』を向く。その隙を突き周囲の小型へと一斉攻撃を放ったのち、イレギュラーズは一度、水没都市内の建物に集合する。
「……この街は、沈んだのではなく水中に作られたもので、此処が夫人にとって大切な場所だとしたならば」
「ここが、男爵と女海賊の死んだ場所っすよね……?」
 この海域に沈んだ、と言われていた。首を傾いだジルに冬佳は頷く。
 傷の手当てをするスティアに礼を言ってから貴道は周囲をぐるりと見まわした。
 バニーユ男爵と女海賊パニエについて聞き込みをしていたと、物陰に姿を隠した貴道は仲間へという。
「パニエとバニーユ夫人――いや、セイラは『親友』だったそうだ。
 社交界じゃァ、女だてら海賊になったパニエと社交界の花と呼ばれたセイラの関係は面白おかしく語られてたそうだ」
 人の噂は尾鰭を付けて。貴道が出立前に聞いたことはコンテュールの家臣たちもよく知っていた。
 どこまでが事実であるかは分からないがゴシップで塗り固められた面白おかしい社交界(くうかん)。
 曰く、パニエはバニーユ男爵を愛しており、取り持とうとフレーズ家の令嬢セイラが近づいたそうだ。セイレーンと呼ばれるほどの美しい歌声のフレーズ令嬢を好ましく思ったバニーユ男爵が彼女を娶ることを決め、親友たちの関係には亀裂が入ったそうだ。
「……よくある話と言えば、そうなのかな」
 まだ恋というものは分からないけれど。
 それでも『貴族』として、そういう話があることをスティアはよく知っていた。
「そうでござるな。良くある恋愛小説で、話題の種にもなりやすいゴシップのようで……。
 その噂にはセイラ側の視点が抜けているでござるな。それならばパニエがセイラを恨むことはあっても……」
「ああ。それで、もう一つ噂があるんだそうだ。セイラはパニエを選ばず自分を選んだ男爵を好ましく思っていなかった――表立っては仲睦まじい夫婦だったそうだけどな」
 好ましく思わず、大号令の際に絶望の青への出立を提案した、とでもいうのだろうか。
 王国の悲願をバニーユが進んで叶えに行かねば意味などない、と。
「ねえ、こっち」
 ひらひらと手を振って進んで奥へと調査へ向かっていたイリスが顔を出す。嫌な臭いがすると約束を胸に咲耶が進むのを躊躇う空間にイリスは何かあるのかも、と踏み込んだ。
 是が非でも生き抜く戦いを行う冬佳はその匂いがイリスが呼ぶ空間から一段と濃くなっていることに気づく。
(何かある? いや、『いる』?)
 それはクロバとて同じであった。不安げに進むジルが「な、何があったっすか?」と首を傾げればイリスは「バニーユ家の家紋」と言った。
「バニーユ家の!?」
「うん。それが括り付けられた木で作られた墓標が……」
 おざなりに作られた墓があると指さすイリスにジルは頷く。朽ちた木々へと針金で縛りつけられた家紋はバニーユ男爵夫人が身に着ける家紋と同じだ。
「それから――」
 鼻先を掠めた濃い死臭より幾分か離れた場所、ロケットペンダントがわざとらしく誂えられたモティーフに飾られる。それは、聖なるかなと祈る場所のようにも見え、そして――
「墓標?」
 おざなりに括り付けられたバニーユ家の家紋の木の墓標よりも美しい珊瑚で作られたそれ。
 イリスが振り向けば、ジルは「自然物じゃないように思えるっす」と呟いた。
「さっきの木の墓と比べれば……これはセイラが用意したものかしら」
 イリスの言葉にジルは「誰の」と呟く。この場所で男爵が亡くなったのならば彼の――?
 いや、それならば墓標に飾られるはロケットペンダントではなく、家紋の筈ではないか。
「あ、ここ。名前? 文字が刻まれてるんだぞっ!」
「名前でござるか? どれどれ……P……?」
 それ以外は掠れて見えやしない。
 ずずん、と大鎌がぶつかる音がした。軋んだその場所から出ようと振り返ったクロバは「お前」と呟くのだった。

●忘れる勿れ
 親愛なるPへ――Et je t’aime encore

 貴女が彼のことを愛していることなど、知っています。
 彼が私を愛してくれたことも知っています。

 私が、女でなければ。
 私の愛など泡に溶けて、私が――私でなければ、貴女は幸せになれたの?

●水没都市ⅠⅠ
「こんな所まで――ああ、コンテュール卿も人が悪い」
 背後より聞こえた声にクロバががばりと振り返る。ソナー替わりの聴力でも気づかなかったと振り向けば、鮮やかな白髪を揺らした女が立っている。
 しかし、女と呼ぶにはその肉体はがっしりとし、男性的に変貌している。僅かな差であれど、社交界の花と呼ぶにはあまりにも中性的であった。
「何を見ましたか……?」
「さあ。お前が『見て欲しくない』ものかどうかすらも分からない」
 クロバが武器を手に女――セイラを見遣る。彼女の背、その向こうでは嬉しそうな動きを見せた狂王種達が立っていた。
 建物の中に彼女は入る気がないのだろう。それほど奥行きのないこの場所に『魔種であろう』彼女が入り込む事は自身らの逃げ場を失うことに他ならない。
 ゆっくりと距離を詰めるように拳に力を込めた貴道は撤退ルートを脳内に描きながら「随分な接待で嬉しく思うぜ」と笑って見せた。
「ふふ、クスクス――『哀れな船乗り(イレギュラーズ)』さんたち。
 いいことを教えてあげましょうか。ほら、後ろを見て」
 ゆっくりと振り返ったスティアが「え」と呟いた。
 おざなりに木で作られた墓標が傾ぎ、下よりそれを握る腕が見える。
 今までイレギュラーズに朗らかな笑みを向けていたセイラの表情が歪み、その下より這い出す何かを見ろと彼女は何度も続けた。
「どうですか。私の魔種。私の『研究結果』……。
 この海域では何故かモンスターが変貌していく。ああ、いいじゃないですか。『あの人』の助けになればと思ったのですが、私ったら歌う以外はあまり得意ではなくって」
 失敗してしまいましたと微笑む。
 周辺の『あからさまに作られた建築物』の中から無数の影が見える。
 音を聞き卵丸は「な、何かいるんだぞ」と周囲をぐるりと見まわした。
「何かだなんて。『私の子』ですよ。大鎌とその子たちはここを守っているだけですもの」
「ここは、お前が狂王種を繁殖させる場所だって?」
 予想通りだと吐き捨てたクロバにセイラは微笑んだ。
 以前、背後を眺めるスティアが一歩下がり、イリスも何か異質なものが蠢いていると唇を震わせる。
「おはようございます。お目覚めはいつも悪いのですね。
 それに、そろそろぐずぐずになって泡にでもなりそうな風体ではありませんか」
 セイラ・フレーズ・バニーユはせせら笑った。その端正な顔立ちに飛び切りの微笑と、そして、残酷なまでの殺意を湛えて。
「セーーイラ」
 半分溶けだした体。溶解したその存在を人と呼んでいいものか。
 医療知識を有するジルは『ソレ』の命がもう永くないことを悟る。
「貂医∪縺ェ縺??∵ク医∪縺ェ縺」
「ええ、ええ」
「蜷帙?縺雁ァォ讒倥→遘√↓縺ッ菴輔b縺ェ縺九▲縺溘s縺?縲
 遘√?菴輔b縺励※縺?↑縺??ょ菅縺檎桝縺?%縺ィ縺ェ繧薙※縲∝?辟カ縲」
「ええ――……もう、黙っていただけますか?」
 どろりと半身を融けさせながら『男』であっただろうその生物は唸る。
 理解に苦しむ『言葉』を『理解』しているセイラは苛立ったように地団太を踏む。
「ああ、妬ましい……! 貴方がまだ生きているだけで! 妬ましい!」
 だん、だん、だん。
 何度も地団太を踏むセイラ。彼女が苛立てばプラエタリタは揺らぎ、海の底に潜む狂王種は怯え続ける。
「どうですか。廃滅病(アルバニア・シンドローム)は。
 どうですか。死に至る病は。貴方にはとびっきりを上げましたからね。
 ふふ、ふふ、クスクス――苦しいでしょう? ほら、『あなた』。リッツパークからお迎えが来たようですよ?」
 あなた、と呼ぶにしては親しんだその声音。生ける屍と化したようにぐずぐずに融けた男は唸りながらイレギュラーズへと狙い定める。
「……いけない!」
 冬佳の言葉に最初に反応したのはイリスであった。悠々と水の中を進むイリスがジルの腕を掴む。
 刻限も迫る、しかし、それ以上に『あの無数の影と男』は危険すぎる。
 大鎌を斃す事も叶ってはいない以上、これ以上の事は望めないだろう。
「コンテュール家の方が待っているのでしょう? どうぞ、それに乗ってお逃げなさい。
 『哀れな船乗り』さん。……ええ、私は陽気で優しいセイレーン。一度なら見逃してあげましょう」
 ただし――「この子と『お迎えを待っている彼』との鬼ごっこに勝利できれば、ですが」
 白く長い髪を広げ、揺らしたセイラが笑う。くつくつと嘲るようなその笑みから遠ざかるように交代する卵丸へと大口開けた大鎌が迫りくる。
「ハッ――何処も彼処も怪獣(バケモノ)だらけってか? ジョークにしたって笑えねェ!」
 その身を滑り込ませ鉄拳を大鎌の鼻面へとめり込ませる。指先の骨が軋む感覚に電流迸るように腕を競りあがった痛みを感じ貴道の表情が歪む。
 撤退だ。耳を澄ませてクロバはぐ、と唇を噛んだ。大鎌との戦闘時間が長かったことで得られた情報も少ない――しかし、明確なことはわかる。
 プラエタリタはセイラの『根城』であり、彼女が我が子と呼んだ狂王種はこの場所で産み落とされている。
 大鎌とその子供たちはこの海域から出ないだろうが、大鎌とは別のルーツを持つ狂王種はプラエタリタの外で船乗りたちを絶望へと叩き落している事だろう。
「とんだ悪人だな? セイラ・フレーズ・バニーユ!」
「ああ、やめてください。私……バニーユの名はあまり好きではないのです」
 頭を振った女の腕が、迫る。迫る。
 振り払うよう、そして、遠ざけるようにイリスが男の手を叩けば――その体に纏わりついたのもまた、嫌な気配に他ならない。
 ぐちゃりとその掌より伝った気色の悪い気配が離れずその体を包み込む。
「ッ――」
「それでは、また」
 哀れな船乗りさん。
 唇はそう動く。深海へと姿を消した澱の乙女の傍より無数の影が飛び出した。
 狂王種。大鎌の子供たち。
「何か聞こえる――?」
 イリスが振り向けばクロバは首を振った。しかし、その耳には確かに何者かの歌声がこびり付いて。
 鬼ごっこならば鬼は少しの時間待機する。そんな児戯を楽しむセイラを尻目に冬佳は走り出す。
(バニーユ家が嫌い……? 『あなた』と呼んだ彼は……まさか……。
 なら、あの墓標に眠るのは『もう一人』、女海賊パニエ。あの墓と文字は彼女が――?)
 真実を聞き出すことはできない。墓標に刻まれたあのラブレターは掠れていたのだから。

「イレギュラーズ!」
 コンテュール家の随伴艦による救助を得てリッツパークへと向かう。
 荒立てる波は今ばかりは無事に返してくれるかのように穏やかで。
 そして、リッツパークへと到着したイレギュラーズ達は聞かれた。

 ――セイラ・フレーズ・バニーユが姿を消した、と。

成否

失敗

MVP

水瀬 冬佳(p3p006383)
水天の巫女

状態異常

クロバ・フユツキ(p3p000145)[重傷]
傲慢なる黒
郷田 貴道(p3p000401)[重傷]
竜拳
イリス・アトラクトス(p3p000883)[重傷]
光鱗の姫
クリム・T・マスクヴェール(p3p001831)[重傷]
血吸い蜥蜴
炎堂 焔(p3p004727)[重傷]
炎の御子
湖宝 卵丸(p3p006737)[重傷]
蒼蘭海賊団団長

あとがき

 お疲れさまでした、イレギュラーズ!
 死の領域に入っていただきまして……とてもスリリングな水中でございました。

 余談ですが情報制度Eの文言は夏あかねが考えたのではなくテンプレートで出てくる文言そのままなのです。ぐっどらっく。
 それではまた、この領域でお会いいたしましょう。

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