PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ゴールドラッシュ!!!!!!!
ゴールドラッシュ!!!!!!!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●金! 金! 世の中金じゃあ!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
 なんかの骨やべとべとしたものに埋もれたシラス (p3p004421)が世にも濁った悲鳴をあげた。普段は絶対あげない悲鳴であった。
「ゆりこさんゆりこさん、あれはなーに」
「吾等には救えぬ者だ……」
 ホネをくわえてごろんごろんするロク (p3p005176)と、骨を握っては砕き握っては砕きというコスパの悪い筋トレをする咲花・百合子 (p3p001385)。
「だからあれほど闇市に全額投入するのはやめろと言ったんだ」
 スパーとパイプをふかすレイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン (p3p000394)。
 一方で首んとこをさするようにしてビールケースに腰掛けていた赤羽・大地 (p3p004151)が『ナア』と声をかけてきた。
「あそこに転がってるのも、闇市でスッたクチなのか?」
 言われるままに振り返ると、裏路地でフンドシ一丁になったキドー (p3p000244)が真っ白になって壁にもたれかかっていた。
「ア……ア……コロ……リバ……」
「違うヨ、あれは競子ロリババアに全額突っ込んで全てを喪ったゴブリン」
 ジェック (p3p004755)が『そしてこちらがゴミとかしたロリバ券』といってえげつない束を見せてきた。
「いるわよねぇ、持ち金が少ないとギャンブルで一発逆転を狙っちゃう人」
 アーリア・スピリッツ (p3p004400)が仕方ないわねえという風にビール瓶をラッパで飲み干しているが、そのそばには大量にロリバ券が散っていた。
 ため息をつく大地。
「なんだなんだ。ここにいる全員金欠カ。依頼の稼ぎはどうした依頼の稼ぎハ」
「覚えときな大地ィ。収入が多くなったからって出費が据え置きな奴なんていないんだぜ」
「あの時なー……メカ花子に賭けてればなー……まさかニトロ積んでるなんてなー……」
 死んだ目をしたキドーのポケットから、はらりと紙束が落ちた。
 それを拾い上げてみる百合子。
「む、これは……」
「なに!? なに!? 食べ物!? ほしい! まずい!」
 一枚くわえてからペッてするロク。
「そろそろ理性を取り戻せロクよ」
「……ハッ! 私は一体。24歳にもなってなんで全裸で地べたを転がってるんだろう」
「そこまで取り戻さなくていい」
 などと言いながら、百合子は紙束を周りに見えるように翳した。
「どうやらとっぱらいの依頼があるらしい。一文無しになっても立て直せるようにローレットから大量にくすねてきたのだな」
「どれどれ……?」
 地面に一枚ずつ並べた依頼書。
 どれも1~2名程度を募集したもので、死ぬほどしんどいがすぐに済んでお金がすぐ入るという敗者復活ゲームみたいなバイトばかりだった。
「ローレットをハロワと勘違いしてる人っているよねたまに」
「つっても、渡りに船だぜこりゃあ。せーので指さしてよ、二人ずつ受けようぜ」
「あらぁ、おもしろそうねぇ」
 酒瓶を置いたアーリアが依頼書の前に立った。
「それじゃあいくわよぉ」
「「せーの!!」」

GMコメント

 本当にやるとは……勇者だな、あなたは!
 それでは早速、金に困って酔った勢い(?)で咄嗟に選んだバイトに、今からあなたがたは投入されます。
 誰がどのバイトに投入されたかはもう決まっていますので、バイトを死ぬ気で達成してください。

■ロク&百合子:邪ロリババア精肉工場
 堅くて身が引き締まった邪ロリババア肉はジャーキーにするとうめえってんで牧場でも人気の商品になりつつあります。
 ですが彼らは簡単には死なねえヤバさがあり、品種改良の結果暴れ牛くらいには強くなってしまったのでト殺がめっちゃ難しくなりました。
 なのでドーム状のト殺場に邪ロリババアを100匹放つので、死ぬ気で片っ端から殴り殺してください。
 ただし焼いたり溶かしたり精肉できなくなりそうな殺し方はNGです。
 死にそうになったら空に向かって『たすけておかーさーーーーーーーん!』と叫ぶと回収してくれます。あのひとが。

■ジェック&大地:紛争地帯でピクニック
 幻想と鉄帝が未だにめっちゃ争ってるのはご存じかと思いますが、そんな中でも激戦区になっているエリアでアホな貴族がピクニックしたーいとか言い出しました。
 なので彼らが通る予定のエリアで地雷撤去を行なってください。
 仕掛けてあるのは『光学センサ地雷』『屍屍(しかばね)地雷』の二種類です。
 光学センサ地雷はその名の通り上をなんかが通ったら爆発する地雷です。半径5メートルくらいが吹っ飛びます。
 屍屍地雷は半径20メートル以内に人を見つけるとスケルトンアンデッドを大量に召喚するという地雷です。このスケルトンは光学センサ地雷にひっかからないというめんどくさい性質を併せ持ちます。
 いかに地雷を踏まないようにするか。いかにアンデッドを迎撃するかで頑張りましょう。

■レイチェル&アーリア:魔術実験の被験者
 誰だよこんな依頼を持ってきた奴は。
 匿名希望のヤバい魔術師が開発した『因縁魔術(仮)』はかけられただけで一日ずっと誰かに因縁をつけられまくります。
 この効果を試すためにスラム街の決められたルートを二人組で練り歩くという実験が成されました。
 歩いてるだけで『その耳が弟に似てる』とか『俺を性的な目で見た!』とか『テレビで見た!』とかいう意味の分からん理由で因縁をふっかけられ、そのたびに暴力を振るわれます。
 逃げてもいいし迎撃してもいいですが、できれば派手に迎撃してほしいと依頼人は言っています。

■シラス&キドー:富豪のお宝盗み出すまで帰れまテン
 幻想で開かれる貴族のパーティー。
 そこへボーイスタッフとして潜入し、可能な限り貴重品を盗み出していくというバイトです。バイトなのかこれは!?
 来客にはある程度ランクが振り分けてあり、高いほど難易度とお宝の価値があがります。
 ランクC:普通の金持ち。指輪とか懐中時計とかちょっと高いハンカチとかをスリとることができます。ガードはゆるく、そのぶん価値もそれほど高くありません。
 ランクB:いい金持ち。宝石のはまった指輪やちょっとしたお宝を所持しています。必ずそばにSPがついているので盗み出すのに一苦労。
 ランクA:すごい金持ち。それなりに力のある貴族や富豪です。ものを盗まれるのに慣れているせいかSPも多く本人も用心深く、尚且つたまに罠も仕掛けています。リカバリー手段を用意しないと即追放のリスク。
 ランク鬼:パーティーの主催者。噂によると『仏の顔』という貴重な宝石だらけの懐中時計を懐に所持しているらしいのですが、これを盗み出そうとして今まで五十人くらいの盗人が腕を切られました。よほど完璧なプランがないとダメなやつです。

  • ゴールドラッシュ!!!!!!!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年07月31日 21時40分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

キドー(p3p000244)
緑色の隙間風
レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
蒼の楔
咲花・百合子(p3p001385)
白百合清楚殺戮拳
赤羽・大地(p3p004151)
彼岸に根差す
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
シラス(p3p004421)
ラド・バウD級闘士
ジェック(p3p004755)
ガスマスクガール
ロク(p3p005176)
クソ犬

リプレイ

●パーンドラパンドラパンドラ求人パーンドラパンドラアルバイトー
「俺は不死身のゴブリン。その名は『盗賊ゴブリン』キドー(p3p000244)……地獄を知りたきゃおしえてやるぜ。俺は地獄を見てきたからな」
 影のさす横顔。方頬だけで引きつるように笑い、身体ごと傾けて見せるキドーはふんどし一丁であった。
 尻んとこに丸めて挟んであるのはとっぱらいの依頼書コピー。尻に油性ペンで書き込まれた『借用書』の文字。
 『夜闘ノ拳星』シラス(p3p004421)は両手の指で画角をとりながらその様子をながめていた。
「おー……俺がツッコミ入れるまでもねえくらいあられもねえや」
「チクショウ!」
 耳にひっかけていた赤鉛筆を地面に叩き付け、頭をがしがしするキドー。
「でももうちょい続けてれば上がり調子になる筈だったんだよ。あと500G借りられてればなあ……!」
「だよなあ。あと500Gあればよう……宝石積んだ馬車が俺んところ来る手はずだったのになあ。ヤバい……闇市つっこむために俺ヤバいところから……」
 伝染したのか感染したのか、シラスの目からハイライトが消えた。
 彼の後ろには金属バットを肩に担いだ丸眼鏡の男が立っている。
 シラスのポケットに『ミノファイナンス』という社名と番号が書かれた名刺を差し込むと、肩をポンと叩いた。
「ワガママな貴族が新鮮な臓器移植をしたがってる。未成年のカオスシードじゃないとダメなんだそうだ」
「へ、へえ……見つかるといいな、ドナー……」
 冷や汗をだらだらしながら目をそらすシラス。
「バイトがんばれよ。お前らをパーティー会場のボーイに入れ替える代わりに俺は手数料を貰う。それ以上稼げるかどうかはお前ら次第だ。行け」
 ドンと背中を押され、二人は――。

「随分偉そうなこと言っちまったが……」
 『それがオーダーなら』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)は咥えて上下させていた煙草を手に取り、ため息交じりに煙を吐いた。
「俺もスッちまったんだよなァ。煙草なくなったらやべぇ……」
 メシは抜けても煙草は抜けない。そんな奴だって世の中にはいるもんだ。
 似たような生物を探すように、レイチェルはくるりと振り返った。
「あの時大穴のロリババアに賭けていたら、今頃万ロリバ券で大儲けだったのに! 今頃モルトカムイのビンテージをあけてた筈なのにぃ……!」
 ワンカップを片手に黄色いベンチに座り込み、ぐでーんと頭を後ろに垂らす『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)がいた。
 いまこの瞬間に聖剣騎士団所属永劫の探求『セラエノ』だよって紹介したら誰が信じようか。
「今私が飲めるのは安酒だけよぉ……!」
「つらいよな……」
 煙草(パイプ)を大事そうにがじがじとやるレイチェル。
 そうこうしていると、怪しい奴が二人に近づいてきた。
 真っ黒な仮面とボイスチェンジマスクで顔を覆い体型が分からないくらいのローブで頭頂部までを隠した奴である。ここまで怪しいやつもそういない。
「オマエタチガ、ヒケンシャカ……コレヲ、ノメ。ココヲ、アルケ」
 そう言って二本の瓶とロードマップを突きだしてきた。
「……ま、やるしかねぇか」
「そうねぇ」
 二人は顔を見合わせたあと、瓶の中身を飲み干した。
 アーリアの神色がいきなり真っ黒に染まった。
「あらぁ」
「何入ってんだコレ」

 『家族は幸せの味』ロリババア牧場株式会社。
 大きな看板を見上げ、『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)と『クソ犬』ロク(p3p005176)はぼーっと立っていた。
「わたしねー、牧場に競ロリババア場併設させたかったの。
 払い戻しから控除したテラ銭でロリババアたちを養えるからー」
「立派であるなあロク殿ー」
「ロバ代支払いで闇市に消えるGOLD! なのに気づいたら牧場から逃げていくロリババアたち! 競子ロリババア場視察でロリバ券に消えるGOLD!」
 目をかっぴらいて舌を出すロク。
 びくびくとけいれんしながら仰向けに転がり、両手両足を高速でじたばたさせはじめた。
「ゴーーーーールドォーーーーーーーーーーーアババババババババ!」
「ロク殿!? ロク殿ォーーーーーーーーーーー!!」
 百合子は拳を握り、決意と共に振り返った。
「最早背に腹は代えられぬ……ロリババア牧場株式会社の専属ト殺師としてボーナスと給料アップの為に武者働きさせていただこう!」
 振り返った先にあったのは。大きな白いドーム状の建物であった。
 中からズドンズドンという激しい音が聞こえ、壁には大きく『邪ロリバ注意』という標識がかけられていた。
「いっぱいころそうね! 邪ロリババアいっぱいト殺していっぱいお金作ろうね! 百合子ちゃウワアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛!!」
 ロクは白目を剥いたままドームへダッシュすると、『危険』と書かれたハッチを開いて中へと頭から突っ込んでいった。
「ロク殿ォーーーーーーーーーーー!!」

 たんぽぽのゆれる草原。
 草の上にぺたんと座った『ガスマスクガール』ジェック(p3p004755)がしゅこーしゅこーと空を眺めていた。
 やや煤の残ったゴーグルのアクリルパネルに青い空がくすんでうつり、雲が風に流れて千切れるのがみえた。
「絶対勝つナガれだったジャン? ナンデあそこでコケた? オカシくない? イカサマ? ヤオチョウ? ヤオチョウなの……?」
「ま、今更言ってもしょうないだろう」
 横に座っていた『彼岸に根差す』赤羽・大地(p3p004151)が自分の首元をぽんぽんと叩く。
 依頼書を改めて確認すると、地雷撤去のお仕事とある。
 とうの依頼人はというと。
「ウム、よく来たな平民の者よ。早速地雷を撤去してくれたまえよ」
 カイゼル髭をつまんでくいくいした貴族オブ貴族が大きく出た腹を撫でながら言った。
 若干殺意がわいたがこのくらいではヤらない大地である。
「ねーダディー、ピクニックまだー? 戦場でピクニックする動画はやくとりたーい」
 同じような体型をした子供が依頼人の袖をひく。
 殺意が高まったがこのくらいでキレない大地である。
「貴族ってのは物好きなもんだな」
「だネぇ……ご要望通り戦場にしてあげようかナ?」
 ジャコンとライフルをコッキングするジェックの肩を、大地がぽんと叩いた。
「まあ、ああいうワガママのおかげで今すぐ金が手に入るんだ。俺は図書館のため。アンタは明日喰う飯のため」
「……だネぇ」
 銃を下ろし、ジェックはたちあがった。
「お仕事お仕事ターノシーイナー……っと」
 ため息のように、ガスマスク越しに深く息を吐いた。

●シークレットパーティ
 黄金に輝くパーティー会場。貴族や富豪たちが政治的な戦いを繰り広げる中で、まるで小石のように無視される存在。それがボーイスタッフである。
 料理の運搬やその他雑務を一通りこなすかれらは空気のように会場を移動し、そして……。
「この通りスリ放題ってわけだ」
 手の中に真珠のネックレスを握り、柱の陰で取り出してみせるシラス。それを覗き込むキドー。
「やるねぇ……けどそいつニセモンだぜ」
「わかってるよ。簡単にスられるような奴は簡単にボられる。楽なかわりに利益が少ねえってわけだ。
 ポケットも無限にモノがはいるわけじゃねえし、あんまり無駄打ちはしたくねえな……」
「よし……じゃあこういうのはどうだ」
 キドーはパチンとウィンクをして、身なりのよい金持ちを指さした。

 SPをそばに連れ歩くような金持ち。海洋と幻想の間にある貿易関係で結ばれた商業連合。その一角を担う大物商人である。
 スリや泥棒や強盗といった犯罪には慣れっこの彼らは常にSPに死角を守らせている。が、金がかかるのかそばについているのは一人きりだ。
 そんな商人のそばをキドーが通りかかった瞬間。
「おおっと!」
 自然によろめくことでトレーに乗せていたグラスワインが商人の服へ派手にひっかかった。
「うへえ、こいつはすみません! 今拭きますんで!」
 いかにも怪しいといった風に笑い、汚れたハンカチを取り出すキドー。
 SPがそれを遮り、キドーの手首を強く掴んだ。
「近づくな下郎。主人に髪の毛一本でも触れたなら指を切り落とすぞ」
「滅相もございません。イタタ、腕が折れちまう! 悪気はねえつってんだろ!」
 大きくも小さくもないトラブル……の裏で、シラスは幽霊のように気配を消し、商人の後ろをするりと抜けていった。
 もしこの状況をきわめてスローで観察できたなら、彼が財布を抜き取り素早く金だけを奪って財布を元の位置に戻したことがわかるだろうが、それに気づくものはこの場にいなかった。
「一流のスリ師はスられたことにすら気づかせねえもんだ」
 合流したキドーと分け前を分割し、柱の裏から会場をのぞき見る。
「なあシラス、『仏の顔』……いってみねえか」
「奇遇だな。俺もトライしたいと思っ――」
 懐に手を入れるシラス。
 会場のあちこちで目を光らせるSP。主催者のすぐそばから一切離れないボディーガードたち。
「やめようぜ。危険を煽ったら逆にSPが主催者に張り付く」
「でもって俺らは腕を落とされるだけじゃすまなくなるってか。違いねえ、今回の稼ぎで満足しとくかね」

●スラムは危険のおもちゃ箱
 アーリアとレイチェルはゴロツキに取り囲まれていた。
「早えな」
「効果覿面ねぇ」
 背を会わせて立つアーリアとレイチェルに。ゴロツキたちは素手で挑みかかっていく。
 が、その瞬間。
 アーリアは正面の相手に投げキスを放ち、レイチェルは自らの手首を切って血を吹きかけてみせた。
 血を媒介とした魔術と魅惑の花吹雪がゴロツキたちを襲い、素早くアーリアたちはお互いの立ち位置を入れ替えた。
「ふふ、ロリバ券の恨み……!」
 手にしていた酒瓶を投擲。
 血のふきかかったゴロツキに命中し、内側に封じられていた蛇が呪いをもってゴロツキのを食いちぎった。
 一方でレイチェルは大弓に血の矢をつがえ、アーリアの花吹雪を耐えきったタフな男めがけて発射した。
 矢は男の心臓部に突き刺さり、肉体を血の呪いで犯しきった。
 首から上が爆発して壊れたスプリンクラーと化すゴロツキを見て、周囲の者たちが悲鳴をあげて逃げ出していく。
「全員相手するまでもなかったな」
「付き合いの悪いコたちよねぇ」
 二人は頷きあい、決められたルートをてくてくと歩いて行く。
 その間ゴロツキや犬、ヤブ蚊やカラスに至るまで無節操に因縁をつけられ、そのうち一部は直接的な戦闘行為にいたり、そのたびに壊れたスプリンクラーを生産していった。
 そんな中……。
「オレサマの縄張りでよくもまあヤンチャしてくれたなァ? えェ?」
 片目にアイパッチをした男が、ピアスのあいた舌を出して目の前に立ち塞がった。
 実験が終わろうかというタイミングだが、ある意味締めくくるに相応しい相手と言うべきだろうか。
「俺様はトムディルク! 殺戮と恐怖の権化! 貴様は今から――」
 血でできた投げナイフがトムなんとかの額に突き刺さった。
 うげえといって倒れるトムなんとか。
「名乗りが長え。ポエム大会じゃねえンだぞ」
 レイチェルは右腕の魔術式を毛細血管のように赤く光らせると、血のロープを作って周囲の連中の首をしめはじめた。
 アーリアは酒瓶をラッパ飲みしながら横を通り抜け、男たちのこめかみや頬、唇を指先でスッと撫でていく。
 ただそれだけで彼らの頭部が消し飛び、崩れ落ちていく。
「さあて、お金が入ったら良いお酒買って、また競ロリババアよぉ!」
「ギャンブルはもうゴメンだが、酒なら付き合うぜ」

●ト殺は立派なお仕事
「アアバババババ! アバー!? アバー!?」
 ゴウランガ! 邪ロリババアト殺場はツキジめいたネギトロ・フィールドと化していた。
「アバー!」
「ノジャア゛ア゛!!」
「アバー!」
「ノジャア゛ア゛!!」
「アバー! アバー!」
「「ノジャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」」
 ロクが爪を繰り出すたび光の軌跡がひかれ、ラインはいくつも交差しそのたびに血しぶきを吹き上げていった。
 全ての血しぶきが壁と床にかかるより早くロクは邪ロリババアの間を駆け抜け、口に邪ロリババアの足をくわえたままブレーキをかけた。
 ロクの背後で波のように崩れていく邪ロリババア。
「ロク殿! ロク殿!」
「――ハッ、わたしは一体」
「金欠のあまり修羅と化していたようであるな。しかし心配無用。ここからは吾……ロリババア牧場株式会社の専属ト殺師咲花百合子に任せるがよし! 覇ッ!!」
 百合子が美少女構えをとった途端、百合子を中心に虹色のきらめきが広がり百合子をファビュラスなつやが包んだ。
 目撃するだけで寿命が延びそうな美貌とオーラに、邪ロリババアたちが一瞬だけ躊躇する。
 しかし品種改良された邪ロリババアの獰猛さは美少女開花状態の百合子にすら襲いかかるほどの獰猛さをみせた。
「「ノジャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」」
 鉄仮面を開いて牙を剥き、四方八方から一斉に襲いかかる邪ロリババア!
「百合子ちゃん!」
「――」
 百合子は一瞬。ふわりと髪をかき上げた。
 その動作だけで世界がねじれ飛びかかっていた邪ロリババアたちは訳も分からず首から上を爆発四散させ空に虹はかかり百合の花は咲き乱れ小鳥は歌い清らかな川が流れ聖歌隊がハレルヤし黒人ジャズシンガーが声を張り観客たちがスタンディングオーベーションをした後……。
「くっ」
 全ての美少女幻影は消え去り、レベル1フォームとなった百合子はがくりと膝と拳を床に付いた。
 あたりには首の無い邪ロリババアが逆さに立ち並ぶのみである。
「ト殺完了……実に歯ごたえがありそうなよい肉よ。
 競ロリ場でワンカップと共に売り出せばバリバリ稼げそうな気がするのである」
「後でちょっと買っておかなきゃね! え? 邪ロリババアも食べたいって? ……仕方ないなあ! はい!」
「ノジャア゛!」
 つれてきた邪ロリババアに携帯していたロクのジャーキーをなげてやると、鉄仮面の下からくわえてもっしゃもっしゃ食べ始めた。

●地雷撤去と称して爆撃しちゃわないのには理由があってだな
 大地は地雷だらけの平野を前に、ジェックにくいくいと指で合図した。
「地雷ってことは撃てば壊せるだロ。滅多打ちしてくれ」
「オッケー」
 ジェックはライフルをフルオート状態にすると、右から左へなぞるように連射していった。
 弾丸に命中した地雷が爆発し、付近の地雷に連鎖してさらなる爆発を起こす。
 射撃を繰り返すたびに爆発が引き起こされあたりが灰色の煙に覆われていく。
「ヨウは安全圏から壊せばイイのさ……アレ?」
 はれた煙の中から大量のスケルトンアンデッドが現われ、全員一斉にこちらへギロリと振り返った。
「ナンデ?」
「お、やべえ」
 首を傾げるジェックと、半歩下がる大地。
 彼らが動くより早く、アンデッドたちは暴徒のごときダッシュで大地たちへと襲いかかった。
「ジェック、地雷を撃テ! さっきみたいに爆発に巻き込めば――」
「ゴメーン、あれ多分、全部屍屍地雷の爆発だネー。てか、弾、地雷には全然当たってないヤ」
 その昔、爆弾が沢山埋まってるなら銃をめちゃくちゃに打ったり油をまいて火をつけたりすれば解決じゃんといって地雷地帯を堂々と行軍した軍隊がいた。理由は省くが、彼らは地雷地帯でほぼ壊滅したという。
「てことで大地、頑張っテ」
「しょうがねえ……!」
 大地は『待雪草』の術を発動させると、襲いかかる大量のアンデッドを迎撃し始めた。
 『牡丹一華』に頼って動き回ろうとすれば地雷をふみかねない。アンデッドのほうから向かってきてくれるなら、大地としては好都合なのだ。APがつきるその時までは。
「俺だけじゃしのぎきれねえ。ジェック、援護射撃ダ!」
「ダヨネー」
 ジェックはアンデッドから距離を取りながらライフルを連射。
 大地に群がるアンデッドへ射撃を加えていく。
 するとアンデッドはジェックにも狙いをつけて一斉に襲いかかってきた。
「ウワー……」
 ジェックは腰からコンバットナイフを抜くと、それをライフルに装剣した。
 それから、長く厳しい戦いが始まり……。
 経過すること約3分。
 荒い息をした大地とジェックが土の上で仰向けに横たわっていた。
「弾バラまいてれバ終わりだと思ったらヨお……」
「死ぬほどしんどかったネ……」
 あれから二人はマジで死ぬ気になってスケルトンの群れと戦い続け、工学地雷は何か適当に大きいモンを転がしたりすれば爆発することが分かったので獣をけしかけたり大きな石を転がしたりしてなんとか爆発処理させることに成功した。終わった頃にはあちこちめちゃくちゃになっていたし結構パンドラが減ったが、貴族のキッズは『マジ戦場じゃん』といって喜んでいた。
「無情な世の中だが……」
「お金が入ったからハッピー、てことにシヨ……」
「だナ……」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete!

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