シナリオ詳細
錆銀の苹果の悪夢(ゆめ)
オープニング
●
悪魔の絵本。ピルグリムテイル。第二幕。
夢に現実が侵食する――
都市伝説の怪蔓延る無辜なる混沌にて、一つの噂が木魂する。
悪夢の苹果を食べたならば、幸福なる夢を見れるのだそうだ、と。
夢の苹果を食べたならば、不幸なる夢に取り憑かれるのだそうだ、と。
然して、それは本当か。悪魔の実ではないのかと誰ぞが噂することもあっただろう。
特異運命座標の許へと持ち込まれたのは60個の果実(アンブロジア)。
夢の果実を食べた人間が目を覚まさない。だから、どうか、夢の世界で何があったのかを教えて欲しい。
皆の可能性があったならば『夢から醒める』事はできるはずだから、と。
●
「皆さんに食べてもらうのはこの銀色の苹果なのです」
『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が銀色の苹果を手の中で転がしながらあなた達に話しかけた。
「最近この銀の苹果と金の苹果が市井に溢れているのです。曰く夢の苹果。これを食べた人は夢を見るのですけれども、どうも普通の人だと目を覚まさなくなってしまうのです。戻ってきた人はいずれもがイレギュラーさんなので、ローレットが調査をすることになったのです。今からあなた達にはこの苹果を食べてもらいたいのです!」
そこまで一気にまくしたてるとユリーカは苹果ジュースをずずっと吸う。
「この苹果をどのように調理して食べてもかまわないのです。ジュースにしても、そのままでも、はたまたパイにしてもOKです。そして、どんな夢をみたのか、報告書を出してほしいのです。 時間が経てば忘れてしまうので、起きてすぐ! すぐに書くんですよ! 報告書!
こっちは銀色の苹果担当で、金色は山田が担当してます。
夢のどこかにこの現象の手がかりがあるかも知れません! なんかがんばって見つけてください。見つからなかったらそれはそれでかまわないです」
どんな夢をみるのかとあなたは尋ねた。
「うふふ! とびっきりの悪夢です!」
- 錆銀の苹果の悪夢(ゆめ)完了
- GM名鉄瓶ぬめぬめ
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2018年11月13日 21時19分
- 参加人数30/30人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 30 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(30人)
リプレイ
●「食べると眠りに就く夢の果実」なんて、まるで白雪姫じゃないか。なあ?
6つに切り分けた夢のかけら。
ヨタカ・アストラルノヴァはとぷんと昏い水の夜に飲み込まれる。
星は手を伸ばせば届きそうだった。母の伸ばされた手にも指先が触れた。
なのに。
白い手が自分の首元に伸びる。伸ばした手に、足に、胴体に、頭に。
どれほど振り払ってもその手は離れない。
母の触れた指先が遠くなっていく。遠く、遠く。
――死神が誕生した。
青年には一つの目標(クソヤロウ)と一つの大切なモノ(かぞく)があった。
それが燃えた。
パチパチと音を立てて燃えるその色は手に握ったマフラーと同じ赫色。
「――――」
妹が俺にそう言った。だから俺はこの手で愛する妹(モノ)を殺した。思いの外軽い音を立てて折れた頸骨の音。
どうして人はこんなに簡単に殺せるのだと思った。
それが初めて、人を殺した日。
――死神が誕生した。すべてを屠り復讐を誓った”クロバ=ザ=ホロウメア”という死神が。
まるかじりの夢に沈むは空と海の色の瞳。
幸せのカタチは無邪気な笑顔で女の腕に抱かれている。
「縁」
澄んだ聲。
十夜 縁は手をのばす。赤子の上を通り、その手は女の首を掴む。
掴んで、昏い海に沈めた。
ごぼり、ごぼりと吐気が塊になって揺らめく水面に登っていく。還っていく。
「どうして」
女の唇が言の葉を紡ぐ。その時答えたのだったろうか、いやそうじゃなかったのかも知れない。
沈んでいく。青くなった赤子とともに。
ただ、女の耳に飾られた雫型の宝石が妙に青く輝いていた。
『彼は赤い世界に立っていた。煉獄と、そう表現してもおかしくないだろう。グレイシア=オルトバーンは魔王だ。そう世界が定めた』
「彼女は世界を救うために旅立った。荷物の一番下に入れてある勇者の物語。それに憧れて。彼女は戦った。そしていつしか勇者ルアナ・テルフォードとよばれるようになった。そう世界が呼んだ」
『魔王は勇者に屠られるもの。その定めに魔王は逆らった。さりとて、魔物は彼の魔力から生み落ちる。世界が定めたから』
「彼女はもう逃げることはかなわない。やがて彼女は魔王と邂逅する。世界が定めたから」
『人と暮らすために魔王は魔力を抑えていた。だけどもう限界だったのだ。魔王は魔王として世界を赤く染めた。そして気づく。世界の定め――魔王は勇者に屠られる――からは逃れることはできない。魔王は勇者をみつめた。これが私の『死』』
「「貴方が魔王だと初めから知っていたなら『私』は…。わたしは…」勇者は魔王と対峙する。世界が定めたから。流れる涙が頬を伝う」
『魔王は目を閉じる』
「勇者は剣を振るう」
デイジー・リトルリトル・クラークは空腹だった。
手をのばす先には苹果の木。触れた瞬間、木は枯れて朽ちていく。
川が見えた。其の川には魚が泳いでいる。彼女は手をのばす。指先が魚を捕らえる。
持ち上げれば魚は骨になっている。川に投げ捨てれば骨の魚はどこかに泳いでいった。
デイジーは『なんでもいいから』食べ物が欲しかった。
座り込んだ彼女の目にうつるのは美味しそうな足。
足に触れる。朽ちていかない、骨にもならない。ああ、なんて美味しそうな『足』なのだろう。
お前はよいこだ。
お前を守ってやる。
ねえ、あしたも遊ぼうね。
黒髪の女の後ろの彼らは自分に優しい声をかけてくる。黒髪の女をみる。懐かしい女はリュグナーの『』だ。
『』
彼は女を呼ぶ。瞬間、女が刃で貫かれた。おんなのあかいもので視界が閉ざされた。
次の瞬間、『』の後ろの彼らが自分を罵倒する。その人々は今まで出会ったものにかわっていく。一様にして怒りと憎しみの瞳でみている。ああそうか、『君』もか。
なにもかもが――――嘘、だったのだな。
ほほに暖かいものがふれる。どろりとしたそれは誰かの命のかけら。
聞いたことのある苦悶の声。四つん這いで進む。びちゃりと。粘性の生暖かい水たまりに手が触れる。
金属(さび)によくにた匂い。
なき声。昏い世界にカタチのない世界に『死』が蔓延している。か細くなる呼吸を、小さくなる脈動が視覚を覗く五感に触れる。
いやだ、いやだ。ソフィラ=シェランテーレは叫ぶ。
さりとて、命は堕ちていく。不可逆な、昏いところへ。
オクト・クラケーンが亡国の女王の名をもつ『聖剣』を振れば、かつて、もしくは今現在仲間だったものの、友人だったものが命を落としていく。支配に執着し、厳格に、用心深く、慎重に……『 』のために彼らを屠っていく。
やめろ、それは違う。俺は悪党だ。人殺しなんて日常だ。だけれども違う。誰かのために殺してはいけない。
俺は俺のために行動を起こさなくてはならないのだ。良いことも、そして悪いことも。果の海が遠い。遠くなっていく。それだけが俺の希望だったのに。汚辱されていく。自分が違うものになっていく。
――ああ、俺は、魔種にだけはなりたくなかったのに。
そこは真昏な闇。
見渡す限り、否。闇なのだ、自分の視覚はなにも役に立つことはない。
その闇を引き裂くように眼前に立つのはもうひとりの俺(シュバルツ=リッケンハルト)
自らが打ち合えば俺(ドッペルゲンガー)も同じ軌跡でもって打ち返してくる。
ふと、目の前に懐かしい一人の少女が通り過ぎる。名前を呼ばれた気がした。だからつい、死闘のさなかだというのにその髪が揺れるのを目で追ってしまう。
その刹那に勝負は決まる。俺が負けた。貫かれた心臓からは絶望的な程の血が流れる。
もうひとりの俺は笑みを浮かべ、少女を追っていく。俺は――なにもできない。
「遊びの時間はおしまい」
眼の前の季節もみんなも変わっていく。
清水 洸汰(しょうねん)を置き去りに。
昨日まで一緒に遊んでた。声も笑顔も覚えている。
だけどいつのまにかあいつはしわくちゃのの老人だった。
それが、とてつもなく恐ろしいことに思って叫んでしまう。
やめろ、そんなふうにはなりたくない。
子供の手は節くれだった男の手になり、そして乾いた翁の筋と骨だけの手になる。
奪われていく時間。それが怖かった。
オレを勝手に大人にしないでくれ! 叫んだ声はしわがれていた。
「遊びの時間はもうおしまい」
気まぐれだった。武器商人はただ好奇心で世界の命運を握る聖女をそそのかしてみる。
まるでアダムとイブをそそのかした蛇のように。
哀れ。世界はめちゃくちゃに。
気まぐれだった。勇者と戦う魔王なんてヒロイックに浸ってみたかったのだ。しかし勇者はいなかった。
哀れ。世界はめちゃくちゃに。
気まぐれだった。感染する屍人。街に放ればどうなるか。屍人は屍人を増やしていく。
哀れ。世界はめちゃくちゃに。
気まぐれに滅びのアークを起動した。
ああ、ああ、哀れ――世界はめちゃくちゃに。
●殺人鬼は如何にして起きたのかしら? いいえ、起きてないわ。あれは眠ったまま。
苹果の砂糖煮は琥珀に落ちる。波紋が広がる悪夢をどうぞ。
シーヴァ・ケララはファム・ファタルを追いかける。
薔薇の歌姫が幸せそうに腕を絡める。
そう、自分でない誰かの腕に。
哀しいことだけれど、それは不幸ではない。愛するものが幸せだから。
彼女とすれ違ってみた。気づいてもらえるようにローブをわざとらしく脱いだ。
でも――
薔薇の目に自分はもう映らない。映らない。映らない。
視線が交わることもない漸近線のまま永遠に。
ムスティスラーフ・バイルシュタインは責められていた。あかい血まみれの家族が。
『なぜおまえはいきている』
生きることは祝福だ。そのはずだった。
ごめんねと謝る。
『あやまってこころがはれるのはおまえだけだ』
そのとおりだ。残るべきは若い子だ。老いた自分でいいわけがない。
家族が消えていく。なにもなくなる。目がさめても、それは同じ。
だったら、いつからが夢でいつまでが夢?
今も夢の中なの? 彼は思う。思って。深く深く悪夢に沈む。
グレイル・テンペスタは墓地を歩く。
ふと墓石に目をやれば知っている名前。仲良くなったあのひとや、お世話になったあの人が。
冷たい墓石に無機質な文字で刻まれている。
そして、見つける。自分の名前を。
指先で刻まれた文字に触れようとすれば人の指先。大雨によってつくられた水たまりに目を落とせばそれは人間の姿に化身した自分。
戻ろうとするが戻れない。失ってしまった。失ってしまった。
彼は崩れ落ちる。口からは意味の持たぬ言葉を漏らして。
一面の星空と海。みなもに立つヨルムンガンド。
そして大切な人々の背中。
歩をすすめる。置いていかれたくなくて。でも。
一歩すすんだ。あのこが飲まれた。一歩すすんだ。あのひとが飲まれた。
気づいたらひとり。みなもの古い友がいやな笑を浮かべている。
「友を世界をそして命を食らって。人の皮をかぶっても其の本質はかわらない。
なあ? それで人のつもりになったつもりか? 化物(ワールドイーター)」
遠くまで、どこまでも遠くまで伸びる腕がほしかった。
何かを掴みたかった。掴んだ何かを集めておく巣がほしかった。
だから、やがてアベルは蜘蛛(でもにあ)となる。
蜘蛛はまどろむ。
どこにでもあるような絶望を塗り固めたその場所で、唯一の希望があった。
兄弟とよんだそいつは目の前で殺された。「アベル」という魔物に。
にくかった、くやしかった。
そして思い出す。嗚呼『アベル』は今は俺だ。
アーサー・G・オーウェンは戦っていた。骸が積み上がっていく。見覚えのないその光景。
いや、本当にそうなのか?
自分に問いかける。これは、喪われた記憶のカケラではないのか?
あのとき自分は目指していた。ここではないどこかへいかなければならないと思った。
進めば戦いがあった。叫んで、戦った。たくさんたくさん。覚えてなどいない。
そして向き合う。
「――どうして、お前が?」
お前とは誰だ? ここはどこだ? 誰が? だれがだれがだれが――俺だ?
それは地球にいたころのものがたり。
ルチアーノ・グレコのものがたり。マフィアである彼のものがたり。
生きるためには奪わなければならなかった。だからそれがどんな相手でも銃口をむけることができた。
あのとき以外は。
「お兄ちゃん、殺せないの?」
嘲るような高い声。震える手がゴーストサイトの中央にあの子を捉えることを拒否する。
トリガーはこんなに重かったのか?
そうおもって歯を噛み締めた瞬間子供の頭がザクロのように弾けた
振り向けばそれは臆病で心優しい相棒。相棒の瞳からは涙がとめどなく溢れていた。
「『 』そろそろクッキーが焼けるわぁ」
アーリア・スピリッツは、呼ばれ慣れない――或いは呼ばれ慣れた名前に振り向く。
お母さんのクッキーは美味しくて、いつだって甘くて。多分幸せの味というのはああいう味なんだろうと思う。
ノックが聞こえた。
だめ。記憶が警告する。それは『悪魔』の声。
視界は真っ赤に染まる。血の赫。お母さんの赫。
ぐらぐらと揺れる。まるでひどく酔ったときのように。
「フセイギ」「ダンザイ」
騎士が言った。言葉の意味が聞き取れない。妹がぺこりと騎士に頭をさげた。
生臭い。嫌な匂い。走れ。それだけは理解できた。だから心臓が弾けそうになるまで、走った。
アレクシア・アトリー・アバークロンビーは諦めることは許されない。
悩んでいるひとを導いた。其の人は不幸になった。
誰かの危機を救おうとした。だけど命は喪われた。
力が足りないのだと知識と技術をみにつけたのに、まだ足りない。
自分の所為で死んだ人がいる以上『諦めてはいけない』
だれも、だれも守れない。だけど『諦めてはいけない』
苦しかった。辛かった。
だけど誰かがいう『貴方の取り柄は諦めないこと』
ねえ、本当に私は諦めちゃだめなの?
アマリリスは聖女と呼ばれた。だからそうしなくてはいけなかった。
ただひとり、お父様の前では普通の女の子でいられた。
だからずっとそばにいてほしかった。優しくて素敵なお父様。
村が燃えていた。
パチパチと生木が爆ぜるおとの真ん中で静かに美しい炎の魔神がいた。
見間違えることはない。お父様だ。お父様は私をおいてどこかにいってしまう。
私は孤独に飲み込まれた。こんな寂しい世界はいや! 一人にしないで!
叫んでも孤独のままで。だからこの世界を灼き尽くしたくなった。
「シュバルツ」
ふと知らない名前がこぼれた。お父様の名前じゃない名前。
だけど、其の名前も憎しみの業火が灼き尽くしていった。
ライハ・ネーゼスにとって許しは罪科でしかない。
英雄譚が見たかった男がいた。彼はより悲劇的で、より美しいそれを作り上げるために悪をなした。悲鳴と怒号とそして悲哀が英雄を襲い、それから這い上がる英雄はなんとも美しかった。
不幸を巻き散らかした彼は糾弾されるべきであったのだろう。
しかして、『彼らは』裏切りの徒を許す。
怒ってほしかった、糾弾してほしかった。なによりも、人非人と蔑まれながら殺されたかった。
迎えてくる暖かな手など欲しくはなかった。
その手はいつの間にか悪魔の手になりライハの首にまとわりつく。呼吸ができない。
ああ、それでいいそれでいいのだ。
椎名・美由紀は足元を這う触手から逃げていた。
殴られた側頭部が痛む。
彼女は闘技場の戦士だった。最強と呼ばれていた彼女は脳天気にも今日も勝てると思っていた。
だから油断したのだ。
その代償は穢れ。一瞬で倒された彼女はその報いをうける。
うねる触手が足を這い上がっていく。
耳障りな不協和音がリア・クオーツをとりまく。
白亜の都のお姫様。
だれもがリアにひざまずく。傅く声は賛美と尊敬と敬愛に満ちている。
はずなのにリアに聞こえる音は不協和音だ。気持ちが悪い。耳を塞いでも不協和音はとまらない。
頭がわれる。
終わらない不協和音はリアを壊すように続く。どこまでも、いつまでも。ずっと。
「お前か。ザムエル・リッチモンド……」
それは新田 寛治が勝てることがなかった相手。
21世紀のアメリカンドリームを体現した其の悪魔は人類粛清を望む。彼を倒すために彼らは立ち上がった。ひとりひとりと仲間は死んでいく。
そして行われる人類粛清。
嘘だ、それは止めたはずだ。人々は死んでいく。現代における魔王は其の手腕でもって人類を粛清した。白いフレームのメガネの向こうで非対称に笑をうかべて。
「あいにきたぜ」
両手のなかの手がかりは少し酸っぱい苹果味。
大切なものが思い出せない。すごく身近にあったはずなのに。
モヤのかかったその思考は晴れないどころがどんどんと曇っていく。それが不安で仕方なかった。
気がつけば仄暗いそこにいた。
最初に足がみえた。ぶらりぶらりと揺れる足。嫌な想いのまま見上げるそれ。
それは大切だったもの。だというのに顔は滲んで見えない。
「俺はまた……助けられなかったのか」
繰り返すエチュードのラストはいつだって同じ。アオイ=アークライトの意識は昏いところへ沈んでいく。
悪夢のパイを切り分けて。エリシアは幽暗にたゆたう。
それは心なき人間に追われていた頃であった『エリシア』のおはなし。
彼女が自分を助けたのは気まぐれだったのかもしれないけれど一緒にいたときは幸せだった気がする。笑ったことだってあったのかもしれない。
ああ、あのときだ。嫌な記憶が逆回しに再生される。『エリシア』は自分の所為で殺された。
其のシーンが何度も何度も何度も繰り返される。
何度も『エリシア』が殺される。
鴉羽・九鬼はいのちを奪う。
奪ったはずのそれが恨みがましい目でみていた。それは自分がそう思っているだけかもしれないけれど。殺したことを正当化するためにもう一度ころす。
あれは悪だ。だから殺した。何度も何度もいいきかせる。
ふと自分の手にいつもある『イン』がない。
5回殺したあいつが迫ってくる。自分にはもう戦う手段はない。
あいつは嬉しそうな笑顔でこういう。
「地獄でまっているよ」
そこは彼岸花の海。東 政宗は赤い絨毯の上転がっている。学生服。高校生のころのものだ。
起き上がろうとするとどこにいたのか白い髪の青年に飛びつかれる。なつかしいなと二人は子供の時の頃にもどったかのようにじゃれ合った。
『俺を殺してよ』
彼はそういう。何を冗談をと思うがいつの間にか手にあったナイフは青年に吸い込まれた。
白い彼が彼岸花を咲かせる。まるで彼岸花の海の一部のように。
『俺のこと、忘れないでよ』
忘れたことなど一度もない。守れなかったにがい思い出は胸に棘として残っている。
でもそうだ、そうだったのだ。君は死ぬその時まで残酷なまでに美しかったのだと思い出した。
●そして。
かれらイレギュラーズは現の今。
でもよく周りをみてみて。眠りに付く前と貴方は同じなのかしら?
ねえ、貴方は本当にちゃんと「起きているの?」 それとも夢のまま?
悪魔の尻尾。ピルグリムテイル。
嫉妬してるのはだれかしら?
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
ピルグリムテイルの第二幕いかがでしたでしょうか?
夢のあとさき。
まよいみち。
まよわず手をのばしたあなたは夢の向こうにひとつ近づきました。
ご参加ありがとうございます。
GMコメント
やめぬめのぬめのほう、鉄瓶ぬめぬめです。
前回は『朱金メトロノウム』『錆銀トロイメライ』という導入がございましたが未読でも問題ございません。
苹果の果実(アンブロジア)関連の連動イベシナです。
皆様にはこの怪しげな苹果を食べていただきます。
見るのはとびっきり不幸でいやな夢。
どんな不幸な夢をみたのかプレイングでくださいませ。
友人と別れる夢、誰かが死ぬ夢、はたまた自分が死ぬ夢。
不幸な夢しか見ることができません。
それが現実になるか、夢のままであるのかはアナタ次第です。
プレイングが幸せなものであったとしても、不幸な夢に変えられてしまいます。
嫌な夢はあくまでも一般論において嫌な夢になります。メリーバッドな感じも含まれます。
***注意***
この依頼の返却と同時に
『悪夢レベル1』
という称号が配布されます。この称号の意味は今はまだわかりません。
夢で深淵に深く関わることができたPCさんにはこのレベルの数値が上昇する可能性があります。
また今後この称号をお持ちの方はセットした上で一連の依頼に参加していただけますと、悪夢レベルの上昇があります。
やめGMのものでもぬめのものでも構いません。同じとして扱います。
やめ側とぬめ側を行ったり来たりしてもらってもかまいません。
セットされてなかった場合はレベルは追加されませんのでご注意ください。
やめ(菖蒲)GMの金の苹果もこちらの銀の苹果も食べたい!などはあるかもしれませんが今回はどちらか一方を選んでもらいます。
【『朱金の苹果の夢』『錆銀の苹果の悪夢』は排他処理がかかっております。
両方に参加することは出来ませんのでご注意ください】
称号は同じになりますのでご安心ください。
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