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シナリオ詳細

再現性沖縄20XX:年末は寿司を食わねばならぬ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性沖縄とは
 そこはまるで……《沖縄》であった。
 練達の一区画に存在する再現性沖縄。さらにその一区画には翔波と呼ばれる地域が存在する。
 それは異世界『地球』よりこの世界に召喚された人々の言う《沖縄》を何か凄い勘違いして、「大体こんな感じだろう」というイメージで出来上がった魔境である。
 沖縄にはあらゆる夢がある。沖縄は食べ物が美味しい。
 そんなイメージを植え付けられた料理人たちは「沖縄こそは料理人に約束されし聖地である」と思い込み、事実翔波ではあらゆる食材が手に入る。
 そして全ての物事は料理でのみ解決され、あらゆる暴力は此処では排除される。
 料理こそ全て。料理が世界を救う。
 火と油、水と調味料に囲まれた世界こそ我が人生……それに気付かないなど料理人として愚かだし何なら皿洗いからやり直せばいい出直してこいやド素人が……その境地に至らなければ料理人としては未熟に過ぎ、究極の一皿になど永遠に届きはしない。だからこそ、街は今日も料理バトルの音が鳴り響いているのであった。

●年末だから寿司を食おう
 寿司を知っているだろうか。
 主に練達の再現性東京や豊穣などで食べられ、他の国にも伝わっている料理である。
 寿司を食わなければ死ぬとか言い出す者がいるほどに寿司フリークを生み出す寿司は、調理法としてはひどく簡単に聞こえる。
 まず、酢飯だ。寿司酢とご飯を混ぜ込み、上手く絡むようにしたものだ。これを小さな俵型に握り、その上にネタを乗せる。これで基本形は完成だ。
 なんとも簡単に聞こえるだろう。しかし極めるには様々なものがいるともいう。
 そんな寿司だが……再現性沖縄においては年末に食べるものとしても名高い。
 一年の終わりを迎えるにあたって、ちょっと高級だけど手軽な寿司にしようという人も多いのだろうか?
 『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)もまた、そんな感じの理由で再現性沖縄にやってきていた。
 実際、再現性沖縄ほど寿司に優しい土地もない。普通の魚も泳いでいるし刺身も泳いでいる。
 ちょっと寿司食べたい。そんなときには再現性沖縄に行くのが一番であって。
「そろそろ寿司が食いたくなるな……大いなる寿司を食いたくなるな」
 サイズはそんなことを言いながら歩いているが……確かに寿司とは「大いなる」とつくに相応しいものだろう。
「寿司だと……なるほど、寿司か! 寿司はいいぞ!」
「だ、誰だ!?」
「聞かれたなら答えよう! 俺は流しの寿司職人……のクッキングモンスター! ダイカイセン!」
 そう、海戦ではなく海鮮である。良く見ると肩のところにレーンがある……なるほど流れている。
 しかしクッキングモンスターが出たということは……つまり料理バトルということだが……?
「ふふふ、この沖縄の年末を彩るこの勝負! 貴様も仲間を連れてくるといい、まとめて葬ってくれる!」
 そう、1体1では味気ない。クッキングバトルは団体戦。
 今年を美味しく彩るクッキングバトルの始まりである……!

GMコメント

今年最後の再現性沖縄は寿司で勝負だ!
相手はダイカイセン。まるで機械で作ったようにキッチリしたお寿司セットを作ってきます。
さあ、皆さんの寿司でぶっ飛ばすのです!

●翔波
 再現性沖縄20XXに存在する料理バトルの街。
 何かあれば料理で解決する料理馬鹿の聖域。
 ローレットのイレギュラーズの皆さんは料理人として参入することができます。
 此処では全てのステータスは無意味です。武器は振ってもハリセン程にも通じず、ギフトもスキルも無効化されてしまいます。
 ただし、相手より美味い料理を作れば大ダメージを与えて海老ぞりで大空に吹っ飛ばすことができます。
 相手の料理の方が美味ければ自分がそうなるってことですよ。
 なお、必要な食材や調味料は「基本的」にはその辺に生えています。
 豚肉の木とか砂糖の実とかあります。超怖ぇ。
 幻の食材と言われる類のものは特殊な場所、あるいは状況でしか存在しなかったりします。
(逆転が必要なシーンで偶然見つかったりするかもしれません)

●情報精度
 このシナリオの情報精度はRです。
 料理には常に想定外が付きまといます。
 プライドなんてミキサーにかけて飲んでしまいましょう。
 ハヴァナイスデイ。

  • 再現性沖縄20XX:年末は寿司を食わねばならぬ完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2024年01月09日 22時25分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ツリー・ロド(p3p000319)
ロストプライド
エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)
愛娘
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
ディバイン・シールド
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き
御子神・天狐(p3p009798)
鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人
ビスコッティ=CON=MOS(p3p010556)
メカモスカ

リプレイ

●寿司を作ろう(前編)
「年末は寿司だ、なんか良くわからないけど、そんな声が聞こえる、オラクルか? いや初オラクル発動がこれとか流石に泣くぞ……」
 『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)がそんなことを言っているが、今日は寿司対決である。
「寿司を作り、楽しみ、理解して、信じ続けてください? また空耳が聞こえた……とりあえずやることをやらないと。そろそろ寿司を作ろうか」
 そう、どんなものを作るのか? それはもうサイズは決めていた。
「大事なのは米と酢だ、米はゴリョウさんのお店で売っている混沌米なら沖縄でも楽に通用するが……せっかくだ、己の直感に従い、米と酢を探し出そう。後はファーマシースキルで米と酢をベストマッチな割合でかけて混ぜるぜ」
 そう、米と酢は寿司の基本となるものだ。それ無しでは寿司は成り立たず、あっても配合に失敗しては寿司が台無しになってしまう。だからこそ、ここは慎重に……しかし、シャリだけでも寿司は成り立たないのだ。
「後は寿司のもう半分となる魚を釣る……というスキルは持ってないので、シンプルに買ってきたぜ! 買ってきた魚を下手したら鍛冶道具よりよく使っている気がする再現性沖縄の料理道具セットを使って、魚を捌いていくよ」
 そう、それもまたアリだろう。再現性沖縄のプロの技に頼るのもまた寿司ではアリとも言えよう。
「あ、包丁は冷やしてあるよ、切るときに魚の温度をあげない一工夫だ」
 そう、そんな一工夫が大切なことだ。
「鍛冶屋なのに料理道具の方が使用回数が多いのは……鍛冶屋としてはあれかもしれないが……まあ、料理は毎日しないと行けないからね!  でも俺は鍛冶屋だからね! なんかここに居ると忘れ去られてしまいそうな気が最近する!?」
 確かに沖縄のサイズは料理人サイズといった感じではあるが……まあ、さておいて。
「後は醤油とガリだな……これは手作りは時間がかかりすぎて無理なので、しっかりしたのを買ってきたぜ! わさびくらいならこの沖縄に生えてそうだな、サバイバルスキルを使って、探し当てて、手に入れるぜ!」
 ちなみにガリも生えているが、さておこう。『愛娘』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)もまた、寿司に想いを馳せている。今回はチーム戦だからこその戦術をたてているが……だからこそ、エクスマリアも仲間を背負うための気合が入っていた。
「ふむ。寿司か。以前再現性東京で食べたことはあるが、確かに美味かった。より海に近しい此処であれば、よりよい鮮魚も豊富そうだ、な」
 そう、再現性沖縄にはあらゆる食材が揃っている……魚もまた然りだ。
「チームで勝負するなら、それを活かした戦術と寿司を駆使しなければ、なるまい。即ち、寿司フルコース。マリアは最後の〆、『デザート寿司』を担当しよう」
 デザート寿司。それがどのようなものであるのか? それはもうエクスマリアはすでにイメージできていた。
「メインの材料はこの『気まぐれドロップス』。かのシュペルなんとかウィリーの手で作られた飴玉、だ。これを溶かして柔らかくし、その辺に生えていたフルーツの果汁を混ぜ込んで色付けして、寿司型キャンディの感性、だ。寿司っぽさを増すため、醤油(っぽい黒蜜)、わさび(っぽいピスタチオクリーム)も、用意した。あとは天狐に光らせてもらう、か。飴細工ゆえ、光が透けて、色合いもよりうつくしくなることだろう」
 寿司型キャンディ。なるほど見た目が寿司のようなスイーツということだが、キャンディであるがゆえに美しい造形も……腕次第ではあるが可能だ。
「デザートはフルコースの最後を飾るもの。味はもちろんのこと、見た目でも存分に満足させた上で、食事の締めくくりとしなければ、ならない。『気まぐれドロップス』は食べたものにすこしだけ元気を湧き上がらせる効果も、ある。奇想天外な寿司に驚き消耗した心には、甘さとともに優しく溶け込んでくれる……はず、だ」
 なるほど、素晴らしい発想だと『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)も思う。
「光るお寿司!? うわーーーーいいなーーーー!!」
 ヨゾラだって負けてはいられない。
「お寿司だーーーー! 寿司バトルだ! 僕も頑張ってお寿司握るよ!」
 そんなやる気満々のヨゾラも、すでに作るものは決めている。
「僕は……玉子のお寿司でも握ろうかな、ワサビ抜きで。えっ子供っぽい? 玉子のお寿司も大事じゃない?」
 玉子のお寿司。それは確かに重要なものだ……セットには必ず入っているし、玉子で寿司屋の腕が分かると言われるほどだ。
「……いや、むしろ子供っぽい寿司を極めればいいのでは?」
 そこでヨゾラは、そんなことを思いついたようだった。
「お子様ランチゾーンあってもいいのでは?僕はもう大人(年齢Unknownの自己申告)なので食べれないから羨ましい。よーし作るぞーーーー!!」
 というわけで、まずは材料集めからだ。広域俯瞰にハイセンスも用いて材料を探して集めていく。
 集めるものはシャリ……の原材料の米とお酢、卵と各種調味料、後は他の寿司用の材料だ。
 出汁巻き玉子が既にありそうだけど、やっぱり自力で作りたいなぁということで探すのは卵であるわけだが。そうして材料を集めれば調理開始だ。
「お米を炊き、お酢を混ぜてシャリを作って。卵を混ぜ、調味料を入れ、出汁巻き玉子を作る! そうしたら海苔を程よく細長く切って、出汁巻き玉子と細丸く形を整えたシャリを巻く……よし、玉子のお寿司完成!」
 綺麗に握れている。そしてヨゾラはここでまだ終わりではない。
「さらに子供っぽい寿司を作っていこう」
 ちなみにヨゾラ個人の意見であり実際にどうであるかは個々人の感覚に依存する。ヨシ!
「ウインナー寿司、ハンバーグ寿司、シンプルなマグロ(赤身)やエビ等……あ、チキンライス作って軍艦にして玉子乗っけてケチャップかければオムライス寿司とかできるのでは? よし作るよー! そしてオムライス寿司には……可愛い猫が描かれた旗を刺す! 僕のお寿司エリアはお子様ランチのような飾り付けにするよ!」
 さて、そんな中……『寿司聖』ゴリョウ・クートン(p3p002081)も動き出していた。
 寿司聖。凄まじい称号だ、一体どんな寿司が飛びだすというのだろうか?
「ぶはははッ、この寿司聖を前にして寿司で勝負と申したか! 然らば魅せてみせよう我が腕でッ!」
 そう宣言するゴリョウの用意する逸品は、寿司聖の名にふさわしいものだ。
「俺の逸品は新春に相応しい紅白握り寿司! 駆動大青鎧『牡丹・海戦』を着込んで黒潮に突っ込み漁業してきた魚。そして我が領自慢の米を使うぜ!」
 なるほど紅白握り寿司。それは確かに新年を迎えるにあたりめでたいものだ。
「紅はマグロ。大トロと赤身の『境界線』の部位を使う。通常、各部位は切り分けられてて『境界線』を使うことはまずない。だからこそ、未知の味わいが存在する。表面は『紅』らしく赤身、身は硬めで脂が少なくあっさりとして重量感があるぜ。が、口に含み噛んだその瞬間にその下に隠れた大トロの脂の甘みと旨味が弾ける。さっぱりとこってり、両方を味わえるのがこの『紅』の寿司だ」
 なるほど、技が要求されるが実に美味しそうだ。
「白は真鯛。柔らかな口当たりと風味豊かな旨味、旬の今の時期は歯応えも良いぜ。こいつを白板昆布で締めることで水分を抜き、昆布のグルタミン酸を浸透させて旨味を凝縮させる。ねっとりとして味わい深い余韻を感じられるぞ。紅が赤身と大トロのマリアージュ(組み合わせの妙)なら、こいつはミックスアップ(旨味の引き出し合い)になる。こいつが自慢の『白』の寿司だ!」
 そして勿論、シャリの握り方にもこだわりがある。
「握り方は本手返し。適切な力加減で素早く作る、が基本だ。なので熟練者は一度で掴む米粒の数まで把握できると言われてるな。真っ当なネタを真っ当な手間と真っ当な技術と職人魂で作り上げたド正統の極みがこの紅白寿司だ! さぁ食いねぇッ! それはそれとして相手さんの寿司や、味方陣の寿司も味わせてもらうぜ! いやぁ楽しみだねぇ!」

●寿司を作ろう(後編)
「またまた来たぞ、再現性沖縄! もう勝手知ったる何とやらだな。いいぞ、何でも来い!」
\ソイヤ!!/
 『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)が気合をソイヤと入れている。
「今回のテーマは寿司か。マグロに鮭、光物に創作寿司……そのレパートリーは実に豊富だが折角だ。ここは、『元の世界では希少極まりなく、滅多に出てこなくなってしまったネタ』をゲットしに行かせてもらう!」
 ババッと手早く水着姿へチェンジ☆する汰磨羈は、しっかりと準備運動をしていた。
「本来なら確保するのは至極困難な代物だが──忘れてはならない。ここは再現性沖縄だ。運と根気、そして持てる力の全てを出し切れば、必ず見つかる筈!」
 そう、汰磨羈の言う通り……再現性沖縄では望めば与えられる。
「漁業ヨシ! 水中行動ヨシ! 料理ヨシ! 念の為のサバイバルヨシ! 覚悟をキめた修羅道ヨシ! では皆の者。獲ってくる!!」
 妖刀『愛染童子餓慈郎』片手にレッツ漁業! ……ということで全スキルを駆使して獲ってくる覚悟。その獲物とは──!
「獲ったどぉーーー!!」
 なんと鯨である。
「鯨の残りは再現性沖縄漁業組合に譲ってきた。滅茶苦茶勿体ないからな!」
 食品ロスなどの問題にも配慮している。完璧だ。
「私が握る寿司は……そう、鯨肉を用いた『赤肉の握り』だ! リアルなら特級10kgで諭吉さん6枚くら飛ぶ代物。それを惜しみなく使った寿司を喰らえ!! 風味はレバーよりもコクがあるがクセは少なく、まぐろの握りにも匹敵するまろやかな口当たりが特徴の『赤肉の握り』、一度喰らえば忘れられないその衝撃をお届けしよう」
 ドヤ顔の汰磨羈だがなるほど、美味しそうだ。『運命砕き』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)も頷いている。
「寿司は美味い。再現性東京や豊穣で食って知り、俺も練習した。酢飯と魚の切り身を合わせるだけに見えて実に奥が深い。本当の職人にはまだまだ及ばねえが……それでも全力で美味い寿司を握る」
 というわけで、ルカは作戦を用意してきていた。
「俺は今回再現性沖縄で取れる魚を使って寿司を握るぜ。熱帯、亜熱帯で取れる魚は美味くねえっていうイメージがある。そんなイメージをぶち壊す再現性沖縄寿司を見せてやるぜ」
 というわけで、ルカは生えている魚を見繕って3つの寿司を作るつもりだ。なお生えている魚という現実には今更誰もツッコミはしない。
「まずはグルクンの握りだ。片身の皮を引き、バーナーで炙る……そいつを氷水でしめる。その間にグルクンを少し塩じめしておく。酢飯とグルクンをあわせて、先に用意した皮と合わせる。その際に皮にすだちを落とす。すだちの酸味と香り、皮の風味がいっぱいに広がり、弾力のあるグルクンを楽しめる一貫だ……グルクンの皮霜造り握りだ。楽しんでくれ」
 勿論、一貫で終わりはしない。
「2貫目はイラブチャー……つまりアオブダイの握りだ。こいつは毒があるから調理する時は注意する。切り分けて味噌漬けにしたものを握るぜ。そのままでも美味いが、味噌漬けにする事でもっちりした食感と濃厚な味噌が印象的な美味い寿司になる」
 なるほど、調理時の包丁使いも完璧だ。美味しいものになっているのは間違いない。
「最後はアカマチだ。ナガオダイ、あるいはハマダイとも呼ばれる高級魚だ。こいつは切り分けたものをそのまま握っても当然のように絶品だ……だがそれじゃあ再現性沖縄寿司とは言えねえ。アカマチは再現性東京でも食べられるからな。何か……何か再現性沖縄ならではの、それも添え物じゃねえ、お互いの良さを引き立てるようなものはねえか……!?」
 悩むルカは、それを見つけ出す。
「これは!」
 見つけたそれはまさにルカの探し求めていたピッタリのものだった。
「アカマチを握り、その上に少量の島らっきょう味噌を添える……再現性沖縄の海の幸と山の幸を組み合わせた再現性沖縄ならではの寿司に仕上げるぜ。食ってみなダイカイセン。これが俺の再現性沖縄寿司だ!」
 そして、次は『メカモスカ』ビスコッティ=CON=MOS(p3p010556)だ。
「くっくっく、我は母上のために料理を最近覚えた者……。メカじゃから指を切っても特段問題ないから練習にめっちゃ精を出すことが出来る。その成果を今こそ見せるときよ!!」
 なんと素晴らしい心意気だろうか。そんなビスコッティにも1つの作戦があった。
「寿司バトルと言っても寿司ばかりでは飽きるじゃろう。違う、好きだから飽きることはないって話じゃあない。寿司を食べるならより良い食べ方を模索するのもよかろうと言うておるのじゃ。ゆえにこの寿司、フルコース仕立てでやらせていただく!」
 そう、ここまでの一連の寿司は全てコースの流れ。
「我が担当するのは前菜。オードブル! このあと待ち構える王道のメイン寿司。それを引き立てるための寿司ではあるが、それ故にこのフルコースに引き込む一皿を用意せねばならぬ! うおおお唸れ我が右腕!!!」
 そうして作るのは、まさに寿司のオードブル……!
「こちら芽葱と梅肉を海苔で巻いた一貫です。お好みで鰹節をまぶしてお召し上がり下さい」
 爽やかな芽葱が梅肉でしっかりとした味わいになり互いを支え合う逸品だ。
「くっくっく、海鮮とは全く違う野趣に溢れた一貫じゃろう。しかし山の幸の苦みと酢飯の酸味、梅肉の爽やかさは当然あう。鰹節のタンパク質と旨味があうじゃろう」
 そして、まだまだこれでは終わらない。
「赤カブの棒寿司です。内側には昆布とユズ皮を入れて彩りを添えております」
 なんと棒寿司……しかも赤カブだ。見た目にも爽やかだ。
「これも山の幸ではあるが、芽葱同様昆布を海の雰囲気として入れておる。くくく、これも別ベクトルの旨味よ。彩りと深い味わい。そして淡白さが寿司の脂を求める状況を作ると言うわけよ! 貴様はもう寿司を味わうことしか考えられまい!」
 食欲を刺激するという意味でも、素晴らしい仕上がりだ。そうして、『鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人』御子神・天狐(p3p009798)もまたコースの一端を担うに相応しいものを作り上げていた……!
「目が眩むような寿司を見せてやろう! 細工は流流仕上げを御覧じろ! いざ、調理決闘! 食材が豊富な沖縄なら思う存分料理が出来るというもの。じゃがしかし、それを活かせるか否かは料理人の腕次第! 美味しく射貫いてくれようぞ!」
 言いながら天狐が取り出したのはうどんだ。まさかうどんで寿司を作ろうというのだろうか? その通りである。
「今回作るのは稲荷寿司ならぬ稲荷うどん! 黒糖を染み込ませた油揚げをコトコト煮込んで仕上げる。鰹節だけのシンプルな旨味で茹で上げるうどん、主張しすぎては衣と喧嘩するからの。酢飯と違い酸味が無い故に舌から脳へ直接稲荷の味を叩き込む! シャリとは違ったうどんのコシは新鮮じゃぞ。鰹出汁の染みたうどんを稲荷で包んだ逸品は美味じゃからな。これでイチコロじゃ!」
 なんと稲荷寿司の形に仕上げてしまった。しかし、どうやらここでは終わらないようだ。
「じゃが!!! 更にエンタメと映えを意識しようではないか! それでこそ一流のクリエイター! 『太陽の手』による効果で料理に輝き(物理)を加えるぞい! 神々しさを得た料理で味覚や嗅覚だけではなく、視覚でも味わえるのだ! 更に! 皆が望むなら皆の料理も光らせる!! 神々しきオーラで慄かせてくれようぞ! 此処まで来たらもういっそワシも『後光』で光り輝いたるわ!」
 なんとキラキラ物凄く光っている。これがエンターテイメントだというのか……まあ、雰囲気で飯を食うともいうし間違いではない!
 その結果は空高く吹っ飛んでいくダイカイセンが証明している。
「アンタの寿司も悪くなかった。あれだけ正確に握るのは丁寧な仕事だし、修行の賜物だろう。だけど寿司ってのは進歩の歴史だ……今の最高じゃなく、未来の最高を握っていこうぜ」
 そんなルカの決め台詞が、綺麗な勝利を演出する。ああ、素晴らしきかな寿司。それはまさにルカの言う通り、未来を握るものであるのだろう。

成否

成功

MVP

ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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