PandoraPartyProject

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Sei mit dem Gebrüll

 エーデルガルト・フロールリジ(p3p006270)が会議室から出ると、広場には戦士たちが整列して並んでいた。
 ―――その顔ぶれはフロールリジ騎士団の者のみではない。だが、その中に見知らぬ顔は誰一人としていない。

 まず、エーデルガルトの目に写ったのは最前列。そこには自らの次に姿を見たであろう騎士が立っていた。
「……今回は特別だからな。――なんなりとご命令をマイロード。此度この身は貴方の剣。総てを斬り伏せ貴方に勝利を捧げましょう」
 ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)は鞘から剣を抜き、誓いと共に眼前へ構える。

 ブレンダに続いたのは、エッダの後輩である金髪の軽騎兵だ。
「鉄帝国軽騎兵隊員に告ぐ! フロールリジ大佐の命により、私達はイレギュラーズと共に遺跡深部を再制圧するわ! 死に物狂いで戦いなさい!」
 軍帽を跳ねさせながら振り返ったリーヌシュカ(p3n000124)に、軽騎兵隊員達が一斉に敬礼する。

 軽騎兵隊員の列の中には軍属どころか、練達、豊穣、幻想……と明確に他国に属する面々も混じっていた。
「上司の承認以外は揃えてきましたよ。……行きましょうか、司令」
 佐藤 美咲(p3p009818)は闇市で調達した鉄帝国軽騎兵軍装に身を包み、案外整った姿勢をしながら友人にして仕事相手である鉄帝大佐に視線を向けた。
「正直、この国のことはあまり好きではありません。ですが、ええ。エッダさんという仲間のためであれば微力ながら力を尽くしましょう。」
 小金井・正純(p3p008000)は穏やかに微笑み、そっと弓の弦を一度弾いた。
「雑用係に国外の騎兵隊は如何かしら。傭兵なら普通の部下に言えないことも言えるでしょ、司令官殿?」
 ラフな敬礼をしたイーリン・ジョーンズ(p3p000854)は報酬は弾んでよね、と「らしく」振る舞って見せた。

 当然、他国民ばかりにいい顔をさせる鉄帝国民ではない。イーリンの隣には騎兵仲間である彼女が並んでいる。
「私ももちろん行くわ、エッダ殿。これだけいれば、勝てるわよね!ほら、宴会のお酒は準備出来てるわ」
 樽の上に座り、その酒樽を手で叩いてレイリー=シュタイン(p3p007270)は笑う。慢心ではない、これだけ頼れる仲間がいるなら勝てると自信があるのだ。
「エッダ先輩、出陣ですね!ボクも準備万端です!」
 リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)が楽しそうに両腕を振り、装備したカッコイイ武器がガチャガチャ豪快な音を立てる。

 豪気、豪快、豪傑。まさにゼシュテル鉄帝国といった二人の後ろからもう一人、鉄帝らしい人物が歩み出る。
「友よ。あまりめでたい状況ではないが君の軍人としての晴れ舞台だ。私もヴァリューシャも全力で力を貸そう。邪魔する者は我が雷で全て焼き払ってみせようとも」
 マリア・レイシス(p3p006685)は天へ紅雷の号砲を放ってから、自らの恋人と友人を見据えた。

 ―――マリアの視線の先に立つ二人は、この場でエーデルガルト、いや、エッダ・フロールリジに最も近い位置に立っている。
 それは物理的な距離かもしれないし、そうでない距離なのかもしれない。

「あら、エッダちゃん緊張してる? ウォッカでもーーま、それは全てが終わった後で、ね。いきましょ、後ろは任せてちょうだいな!」
 手元のスキットルを開けようとしてーーそっと胸元に仕舞い、ころころとアーリア・スピリッツ(p3p004400)が笑って隣の『同類』を小突いた。
 
「仕方ありませんわね。軍に手を貸すだなんて本当は御免だけれど、貴女の下であれば、今日くらいは一緒に戦って差し上げますわ」
 小突かれたヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)は、開いていた聖書を閉じ、集まった面子を見渡すと、司令と呼ばれた女に向き直る。

「エッダ、私達に号令を。元に戻してあげることは出来ないけれど、せめて魂くらいは取り戻してあげましょう。きっと陛下も、皆も、パトリックも、それを望んでいるでしょうから」

 ヴァレーリヤが最後に想いを告げると、その場の全員が各々の形の敬礼をする。
 並んだ戦友たちの向こう、透き通る夏の空。騎士(メイド)の視線の先には空を揺るがす大きな戦いが見えていた。

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