PandoraPartyProject

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星は君を見ている

 色鮮やかに咲き誇る花園のそばで、ティーポットを傾ける。
 白いガーデンチェアに腰掛けたユーフォニー(p3p010323)は、自分のカップに紅茶が注がれていくのを眺めながらぽつりと呟いた。
「星界獣の……知性化、ですか?」
 独り言を述べたのではない。今まさに自分のカップに紅茶を注いでくれている相手への問いかけだ。
 相手の名はテロニュクス。この園を守る竜種、将星種『レグルス』だ。
 彼は宝玉の嵌まった杖を立てかけ、向かいの椅子へと腰掛ける。
 長い尻尾をまるめ、椅子の横へと流すようにして。
「その通り。星界獣がどのようなものであるかは、もうご存じですね?」
 テロニュクスの問いに、ユーフォニーは口元に手を当てつつ考える。
「終焉獣大規模の出現とほぼ同時期にヘスペリデス内に現れた怪物で、エネルギーを貪欲に喰らって多様に進化する種……だったと思います」
「その通り。特にイレギュラーズのエネルギーを好んで喰らうらしく、あの地で戦ったイレギュラーズたちの残留エネルギーを喰らって進化した個体がいたようです」
「それが、知性化した星界獣なのですか?」
 いかにも。と言葉を短く区切ってテロニュクスは自分のカップへと茶を注いでいく。
 二人のカップに茶が注がれたことで、やっとユーフォニーはカップを手に取る。
「知性化すると、どうかわるんでしょうか」
「まず外見に大きな変化が現れます。星界獣は人型をとるようになり、知性が発達するのです」
「それは……!」
 以前、ヘスペリデスにて星界獣退治を行っていた時に遭遇した個体を思い出す。
 イレギュラーズの能力をコピーしたかのような星界獣が出現し、そこそこに苦戦したものであったのだが……。
「ええ、例の個体群。その完成形と言ったところでしょう」
 貪欲にイレギュラーズのエネルギーを喰らい続けたことで進化した個体が現れ始めた。そういうことだ。
「かなり手強い個体でした。その完成形となれば、ヘスペリデスから出て亜竜集落が襲われるなんていうことも……?」
 あってほしくないと願いながら、ユーフォニーは問いかけてみた。
 対してテロニュクスは冷静な様子を保ち、自らのティーカップに口をつける。
「いいえ、それはないでしょう。動きを観察していますが、ヘスペリデスから外へ出るという気配はありません」
「それなら、よかった……」
 ホッとした様子をみせるユーフォニー。だが、かのベルゼーが人と竜の共存を願って作り出したこの美しい園を乱すということであれば、それはそれで止めねばならない。昨今強力になりつつあるという終焉獣同様に。
「ああ、それと、もうひとつ気になることが……」
 テロニュクスはそんな風に、こともなげにユーフォニーへと話を持ちかけた。

「集落の痕跡を……発見したんですか!? ヘスペリデスの奥地に!?」
 ユーフォニーは驚きのあまりに目を見開き、そしてヘスペリデスという地について思い出す。
 覇竜領域深部、ヘスペリデス。
 そこは冠位魔種ベルゼー・グラトニオスが造り上げた最果ての地にして、竜種と人間の共存を目指した黄昏の領域である。
 とはいえ、人間が立ち入ることなどまるでできないピシュニオンの森の更に先に存在するために、その場所に人間など存在しないと思われていたのである。
「ベルゼー様からも、そんな話は聞いていませんでした。知っていて黙っていたのか、それとも気付いていらっしゃらなかったのか……」
 そう語るのは花園の管理人にして竜種、テロニュクス。
 彼らは以前、星界獣の出現をうけてヘスペリデスへとおもむき、様々な種類の星界獣退治をイレギュラーズと共に行ったのだが……。
「その時進んだ場所より更に深部。影の領域に近しい場所に、その痕跡は発見されました。
 痕跡はつい最近まで、あるいは現在も人間が生活しているという痕跡です。
 我々竜種は人間の姿を真似て行動することはありますが、それとも決定的に異なる……人間の、それです」
「人間の……集落が……」
 もしそうだとしたら人と竜の共存、ということになるのだろうか。いや、何かしらの力ある遺物によって隠れ住んでいるということであれば、単に棲み分けということになるのだろう。
 いずれにせよ……。
「調べてみる必要が、ありそうですね」

 ※ヘスペリデス深部に謎の亜竜集落が発見されたようです!


 ※プーレルジールでアイオンキャンプ&マナセの小旅行が行なわれているようです……?
 双竜宝冠事件が劇的に進展しています!


 ※プーレルジールで奇跡の可能性を引き上げるためのクエストが発生しました!

これまでの天義編プーレルジール(境界編)終焉の兆し(??編)

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