PandoraPartyProject

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One can’t believe impossible things

 体が崩れ去る。それは疾う覚悟していた事だった。
 元より、イレギュラーズに敗北する事となれば体は朽ちて崩れ、無為になるはずだったのだ。

 ――親不孝者!

 そんな言葉が遠くで木霊する。
 母(マザー)が『物語の娘』の死を悲しむのだと彼らは叫ぶのだ。

 ――明日の貴方がアリスでも、原動天が守りたいと言ったのはジェーンと呼んだ今日の貴方だ。
 ――ただ一言「生きたい」と言って、お願い。

 が、彼女が、そう言っていた。
 生きたいと、思ったことはなかった。
 自身が生き残ることが母を苦しめることになるならば。死なねばならぬと思っていたからだ。

 ――どれだけ貴女が崩れていっても、絶対にその魂をすくいあげてやるわ。
 そして……『外』で思いっきり怒ってあげるッ――

 そう告げたあの子は何という名前だったかしら。
 友人だと、笑ってくれたセララ(p3x000273)ひめにゃこ(p3x008456)の事は覚えているのよ。
 あと、とっても痛い拳骨の人も。『また』があったら自己紹介から始めましょう。

『また』……。
 でも、ごめんなさい。優しい人たち。私、もう行かなくっちゃ。
 これが、お母様を救う為に必要なことなのよ。
 私の体が崩れ落ちたら一等美しい花が咲く。
 それを、母を救うワクチンの――それから、傷ついた母の修復に、使ってはくれないかしら。
 私は死んでしまったのではないわ。母と共に、これからもずっと、ずっと生きていくの。
 そう、『おじさま』に伝えて頂戴。

 ――アリスchangってば、相変わらずクラリスchang大好き過ぎでしょ!
   でも、そういう所は嫌いじゃないZE! 確かに、頂戴しましたよっと!

 ……おじさま? ああ、おじさまね。
 ねえ、これがあればお母様は治るかしら?

 ――今、聞いちゃう!?

 うふふ。嘘よ。此の儘、私は世界に溶けるのかしら。

 ――アリスchangってば、そういう事言いながら……
   あ、乙女の秘密は言わない約束だった!
   今はお眠り。good night♪ 後は『おじさま』とイレギュラーズに任せちゃいな!

 ……ええ、そうしようかしら。ねえ、おじさま。最後にね、我が儘を言わせて頂戴?
 あのイレギュラーズ達が言ってたの。我が儘を言っても良いって。
 ――お母様に、愛してるって伝えて欲しいの。


『Rapid Origin Online』――ネクストと呼ばれたその地にて各地を襲った終焉の気配は退けられた。
 然うして得られたのは『マザー』クラリスを蝕んだクリミナル・カクテルのワクチンである。
 クリストへと齎された『アリス』のデータと『赤い花』はマザーを救うためのワクチンとなるだろう。
 同様に、練達を破壊するべく活動する『姉ヶ崎-CCC』の側にも『厭々ながら手を貸す者』が現れた。
 セフィロトドームの美しき空は相も変わらず曇りきっている。
 天蓋は常ならば心地よさを提供するが、此度ばかりは閉塞感ばかりを与えてきたのだ。
 だが、吹いた清涼なる風は救いのように統括制御装置『マザー』の元までも届けられる。

 ――ワクワクチンチン、漸くいい感じにGet♪ だZE!
   最後までキレーな君のFlower、バッチリクッキリ受け取っちゃったぜ、アリスchang!

 彼のその言葉に頷いたのは――

これまでの再現性東京 / R.O.O

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