PandoraPartyProject

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ラスト・ラストII

 喧騒、悲鳴、怒号――
「実際問題、最高だね。『悪魔としては』賞賛に値するよ」
「神様的にはそろそろここ、ドン引くんですけどね」
『聖餐の天使』パルフェタムール(p3x000736)が、『R.O.Oの』神様(p3x000808)がそう言うのなら――それは至上の誉め言葉であり、最悪の現実の到来である。
 影の城、ラスト・ラストの舞踏場を『繋ぐ』のはまさに至難。
 イレギュラーズが超え続けねばならぬのは、常に絶望的な瞬間の連続だった。
 然したる時間を置かず、誰かが殺されている。然したる暇も無く、何かを殺している。
 血で血を洗う――その表現が俄かに『温く』感じる程に、影の煉界は恐るべき殺戮の空間を形成していた。
「ああ、分かってるよ……!」
 絶望しろって言うんだろう?
 無理だ、不可能だって――つまらない『現実』を叩き込みたいんだろう?
(……余計なお世話だ! 兄が大切な妹を壊す。そんな悲しい結末を、認められる訳ねぇだろ!?)
『アガットの赤を求め』ヨハンナ(p3x000394)は自らを貫いた熱い痛みに血を吐いて倒れた。
 仰向けに、闇しか見えない空を見上げ――それでも諦めず、ここに戻るだろう。
 プレイヤー側にも余裕のある者は居ない。
『デスカウント』は虚構でも、一つ間違えれば本物の死(ログアウト不可)は避け得ない。

 ――さぁ、私とお前ら、どっちが先に死ぬか勝負だぜ……痛い痛い死ぬ死ぬ負けちゃう!!!

 言葉は冗句のようだったが、『グリーンガール』きうりん(p3x008356)が『戻れなくなった』のは『良くも悪くも』この戦いの現実だ。
 いや、そうでなくてもこれ程までに圧倒的なリアリティを備えるR.O.Oにおける『死』の体験は忌避すべき恐怖そのものなのだが。
「こりゃぁ……中々どうして。
 やはり、いよいよ。一筋縄ではいかない話でありやすな」
『複羽金剛』ビャクダン(p3x008813)が苦笑する。
「この状況下だ。不本意だが初デスはくれてやろう。だがその程度で臆する程日和らんぞ? 」
「復讐者にもな……矜持はあるのさ」
「言った筈だ。証明してみせると」
「まだまだ! これで終わりではあるまい? 面白いゲームにボスの変身位は付き物だからのう!」
「はー、見事な貧乏くじっスね、これ!!!」
「愚兄共が、勝手に人を蔑ろにして……
 妹(ひがいしゃ)さんも他の存在も、君らの玩具(もの)じゃないんですけどー☆」
『屋上の約束』雀青(p3x002007)『國定 天川のアバター』天川(p3x010201)『ノー・マーシー』ディリ(p3x006761)『うどんの神』天狐(p3x009798)が嘯くのも、『ステルスタンク』ミミサキ(p3x009818)『NyarAdept-ねこ』ナハトスター・ウィッシュ・ねこ(p3x000916)が悪態を吐くのも、そうしなければ深い闇に侵食されそうな気分だったからだ。
 終わりと錆の世界は今この瞬間も、燦然と輝く光そのものさえ呑み喰らわんとその牙を剝いている。
「【楽しいね」サクラちゃん」
「……うん」
「お父様とサクラちゃんのお祖父様もこんな風に力を合わせていたのかな? 」
「――そうかもね」
『逸脱』を見せた『天真爛漫』スティア(p3x001034)にせよ、『華義の刀』桜(p3x005004)にせよ全く無事では有り得ない。
 しかし、彼女等にこの場所は似合いだ。幾度と無く刃を振るい――幾度目か桜が刃を振るった時。

 ――ほう。中々の太刀筋。面白き者がおるではないか。

「……っ、センセー!?」
 玲瓏たる声が戦場に響いた。
 思わず心臓のビートを倍程にも上げてしまった桜が視線をやった先には。
「知らぬ顔じゃ。その太刀筋なら忘れぬが……娘、主とは何時か面識があったかな?」
 首を傾げる死牡丹梅泉、そして何れも熟練の武芸者たる錚々の面々が立っていた。
 決戦はやはり完全なる決着を望んでいるのだ。
「おやおや。これは運が向きましたかね?」
『仮想ファンドマネージャ』ファン・ドルド(p3x005073)が薄く笑う。
 一方で醒めた顔をした『イノリ』は「またこんな事が起きる」と溜息を吐くだけ――


 ※各地で決戦が次なるフェーズに進んています!

これまでの再現性東京 / R.O.O

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