PandoraPartyProject
終焉の足音
砂嵐。
R.O.O世界国家の一つにして、現実におけるラサに相当するその地は灼熱の気候に包まれていた。
何も珍しい事ではない。国土の大半を砂漠で占められているのだから。
それがこの地における日常――の筈が。
「なんだぁ……? 今日はよ、なにかこう……やけに静かじゃぁねぇか?」
「ああ確かに――妙だな。鳥の声どころか気配も感じねぇぞ」
その、砂嵐の中でも南側に位置する街『カラジール』に住む者には胸騒ぎが生じていた。
上手く言えないが『何か』が妙なのだ。
天を見据えれば雲一つない晴天。美しい快晴だと誰もが感じる……が。
風は吹かず。鳥はおらず。鼠の類ですら存在を感じえぬ。
――『何か』がおかしい。
嵐の前の静けさの様な……そんな気配を誰もが感じ取っていれ、ば。
「……おい。なんだあれは?」
瞬間。誰かが彼方を指差した。
それは街の南側。国境の更に先の向こう側。
――そこに『影』が見える。
気のせいではない。確かに彼方に陽炎が如き影が見えて、更には『近づいて』来ている。
人か。魔物か。
知れぬがただ事ではない事態だと誰もが理解し――しかし。
「お、おい……待てよ。この先から来る存在がいるってのか?」
気付いた。砂嵐の南側に『国家は存在しない』
これより先にあるのは国家の枠組みとして数えられるのか怪しい竜の領域と。
そして――『もう一つ』しかないのだ。それは……
『――■■■■■』
直後、聞こえる。唸るような声が聞こえる。
声の主は影より。だが聞いてはならぬ。
それは万物を狂わす不吉の象徴。この世に存在してはならぬ狂気の象徴。
ソレが近づいてくる。
大きな地響きを立てながら。誰しもを焦燥に導く金切り声を挙げながら。
「ぁ……? ぁ、ぁあ!? う、うわあああ!! なんだあの化け物はああああ!!」
「で、でけぇぞ!! 街よりでけぇ!! 女子供を逃がせ!! 早くしろ――!!」
やがて誰しもに視認出来る距離にまで至れば、気づく。
ソレの巨大さに。街よりも遥かに巨大にして、遥かなる『死』が近づいてきている事に。
只人では抗う事すら叶わぬ。
――同時。悲鳴が生じる。
街の各所より恐怖が伝播しているのだ。人々の本能が警告を鳴らしている。
ここから一刻も早く離れなければと。
子供らの泣き叫ぶ声を始めとして、急ぎ脱出しようと右往左往している、が。もう間に合わぬ。
その地へ『奴』めの一歩が到達すれば。
「あ、ぁ、ぁ――たす、たす、たすけ――」
全てが飲み込まれる。
――そう、文字通りに『全て』が飲み込まれていく。
人が。街が。大地そのものすら。
誰も逃れられない。
誰も無関係ではいられない。
ソレは終焉を運びし獣。
終焉の地(ラスト・ラスト)より至る、厄災の象徴。
その名は『終焉獣』■■■■■
これがこの世の終わりの始まり。終焉を伝える獣の足音が全ての生物に宣誓す。
虚ろなる世界よ、その役目を終える時が来たのだと。
伝承? 正義? 鋼鉄? 航海? 翡翠? 砂嵐? 神光?
知らぬ知らぬ存ぜぬ知らぬ。全て砕けろ黙して死ね。
獣は往く。その足で全てを踏みつぶしながら、砂嵐の地を……いや。
この世界の全てを蹂躙するように。
森羅万象死に絶えよ。
※砂嵐の砂漠地帯に謎の存在が出現したようです――ッ!!
※砂嵐の街や村が次々と消滅しています!!
※R.O.O-patch 4.0『ダブルフォルト・エンバーミング』が先行告知されています!
これまでの再現性東京 / R.O.O
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