PandoraPartyProject

PandoraPartyProject

『神咒曙光』

 ネクスト patch2.0 Download――――介入手続きを行ないます。

 クエスト受注履歴を参照しました:『絶望航路アクエリア
 クエスト受注により『航海<セイラー>からの紹介状』を入手しました。
 
 新規クエストが開放されました。
 エリア『神咒曙光』が解放されました。
 エリア『神咒曙光』此岸ノ辺ワープポータルが使用可能となりました。
 ……クエスト開放により『航海<セイラー>からの紹介状』を失いました。

「神使殿、どうぞいらっしゃいました。『神咒曙光』の転移陣『此岸ノ辺』でございます」
「神使、よく来たわね。『航海』からの紹介状は知っているわ。霞帝はあなたを歓迎しています」
 ワープポータルより一歩踏み入れたその地は2.0で新規に追加されたフィールドマップ『神咒曙光』である。
 イレギュラーズを出迎えたのはこの地の巫女である双子の少女であった。その名をつづりとそそぎ。
 現実世界の神威神楽と大きく変化はない――ように思えるが安定した治世により『けがれ巫女』の責務を全うできているのか幾許か雰囲気が変わっても見える。つづりは堅苦しくも堂々とした口調で巫女の職務を全うし、ツンとした雰囲気を出していたそそぎは『霞帝』に信を置いて居る様にも思える。
「「こちらに中務卿がお待ちです。どうぞいらしてくださいませ」」
 二人が案内を行うように振り返る。国家の案内(チュートリアル)がクエスト開始を意味しているのだろうか。
 彼女たちの差す先には『中務卿』建葉・晴明が立っていた。彼もそれ程の変化を感じないが『神咒曙光』と『神威神楽』には大きな違いがあった。

 さて、『神咒曙光』はどのような状況であるか。『神威神楽』での歴史と照らし合わせるのも悪くはない。
『神咒曙光』には二種の種族が存在している。自身らを神の眷属と称する八百万、そして地を蹲る奴隷たる獄人。
 隷属の存在として迫害されてきた獄人。その不合理なまでの支配・被支配階級のルールに明確に異を唱えた男は異世界よりやって来た『神の遣い』であったらしい。
 守護神霊たちの加護を受けし、神の遣いの意見に対して国家の重鎮たる天香長胤ははじめは消極的ではあったが、幾度もの対話を重ねたのちに和解した。
 その一員には『中務卿』に坐する晴明が長胤が懇意にする白妙・蛍への『獄人による八百万への報復』をいち早く察知し対策したことも大きかったのだろう。――青年は父を『八百万による迫害』によって殺されていようとも、救いの手を伸ばす事を厭わなかったのだ。
 それは儚くも、薄れゆく遠き蛍火の輝きを失わずに済んだが故に生まれ落ちた幸福な『あり得なかった世界』か。
 霞帝は眠りの呪いに侵される事無く、信の置ける忠臣と共に『神咒曙光』を治めているという。

「我らが『神咒曙光』へとよくぞ参った。神使殿。
 コンテュールの姫君より紹介状は賜っている。我らが同盟者の『良き友人』であるならば、歓迎しよう」
 あの日――『魔に魅入られた長胤を倒して欲しい』『迫害された鬼人種なのだ』と口にした男はそんな素振りは見せやしない。
「この地の転移陣は自由に使って呉れ。必要とあればつづりがサポートを行う事が可能だ」
「はい。神使殿。気軽に申し付けてください。転移場所への調整も承ります」
 頷いたつづりも俯くばかりではない。忌むべき双子巫女と呼ばれ、『けがれ落としの儀』さえ満足に行えぬ落ち零れではないのだ。
「はるあき、あの噂は教えておくの?」
「……ああ、長胤殿よりもその様に言付かっている」
 晴明(はるあき)と呼びかけたそそぎは小さく頷いた。神使に対して『新規のクエスト発生』を伝えるのは彼女たちの役目なのだろう。

「実は、白妙家の――いや、長胤殿の妻となった蛍殿の弟御に『遮那』と云う子供が居る。
 我らとも高天御所で良く交友を行っていた彼だが、近頃姿が見えなくなった。賀澄殿……霞帝も遮那を探す様に隠密にも指示を出しているが行方は知れぬ儘。
 使用人共は『若様は『魔』に魅入られてしまった』などと不謹慎にも物を言うが心配しているのは確かだ。
 我らもその姿を探している。見かけたならば、教えては呉れまいか。長胤殿や蛍殿の事を見て居られんのだ……あれ程可愛がっていた弟御が行方知らずとなろうとは……」
 それが『神咒曙光』における不和の気配か。
 ゆっくりと進行する『クエスト』なのだろう。暫くは『神咒曙光』での通常クエストを受注しながら新規エリアに慣れて見るのが良いだろう。
「さて……高天京へと案内しようか。神使殿。
 願わくば貴殿殿の無事を祈って……黄泉津の国は 言霊の 佑はふ国ぞ ま福くありこそ」

これまでのリーグルの唄(幻想編) / 再現性東京 / R.O.O

トピックス

PAGETOPPAGEBOTTOM