PandoraPartyProject

ギルドスレッド

待ち惚けの館

アルヴァの個人部屋

アルヴァが普段過ごしている部屋。
窓からは森の木々が見え、いつも湿っぽい。

本が詰まった本棚や寝るためのベッドなど、特に珍しいものは置いていない。

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でも、いろいろと融通してくれたり方向性を見たりしたですよ。
その手ほどきが無ければ、そもそも何もできないですよ。

ローレットには召喚されてないですよ……もし出てきたら、いろいろと聞いてみたいですよ。

さて、今日は夜も更けてきたし、この辺で失礼しますですよ!
ま、見つかった時は見つかった時……か。
おう、お疲れさん。しっかり充電しろよ?(軽く手を振って見送った)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
手酷くやられたな、全く……命あっての物種とは言うが、ありゃ反則だろ。
(服の下に目立たないように巻いていた包帯を巻き直しながら、血塗れの包帯をゴミ箱に入れて)

軽くて動きやすい服に拘ってたけど、そうもいかない場面が増えてきたな。
飛行戦闘が必要なシナリオは結構熟したけど、それ以外でお荷物になるのはまっぴら御免だ。
(先の竜のブレスを受けて修復不能な程ボロボロになったジャケットを供養しながら)
しっかし、借り物のコレ壊れなくて良かったぁ……
ただでさえ航空猟兵の資金使い込んじまってるのに、壊れたら弁償できねぇよ……
(借り物のレイピアを手に取って軽く磨き、痛んでないのをよく確認しながら)

死ぬのは回避できたけど財布の中身が死んでてヤベーよ
あの魔女っ娘に借りを作ったままってのも気持ち悪くて仕方ねぇ……
(数ヶ月前までイーリンから巻き上げた資金でパンパンになっていた布袋は既に在り得ない軽さになっている。彼がそれを机に向けて投げると、重みが足りず手前でひらひら地面に落ちた)
空から大金降って来ねぇかなぁ……
航空猟兵を動かす資金繰り以前に俺自身の装備すら整ってなくてつれぇ……
(そもそも自身の装備が高額なものが多く、現在までで恐らく数十万ゴールドと溶かしていることはさておき、貸出できる飛行付き装備も単価が安くないので考えものである)

……イーリンってどうやって資金繰りしてんの? これ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「痛……」
 鋭利な刃物で肉を抉られたような傷のある右腕に包帯を巻いている。
 傷を負って暫く時間が経っていたらしく、また適切な処置を行っていなかった為か傷口は薄い黄色に変色し、状態はお世辞にも芳しいとは言えない。
「あの野郎、盗賊の肩なんて持ちやがって」
 痛みを我慢して包帯を固く巻きながら、ため息交じりにあの男を思い出していた。
 サンディ・カルタ。彼の顔は依頼で少し見たことがあっただけ――とはいえ自分の領地に山賊が襲撃に来た時に同席していた為、若干自分の方が認知していたくらいだろう。
 彼のことは今まであまり知らなかった。知らなかったがつい先日、一瞬だけとはいえお互い本気で武器を交えることになってしまった。
「ちっ、これじゃ狙撃銃をまともに持てやしねぇ……」
 一瞬でも同じイレギュラーズでぶつかれば自分も相手も無事では済まない。
 相手に怪我を負わせたかはわからないが、自分は壊れかけの狙撃銃で攻撃を防いだ為に愛用していた狙撃銃は修復不能な全損。そのまま刃は右腕を抉り、手痛い傷を負ってしまった。不幸中の幸いといえば傷が神経まで貫いておらず、完治すれば再び銃を持つことができるということだ。
 隻腕の自分にとって、短期間でも右腕が使えなくなるのはそれだけで致命傷である。
「……」
 傷の処置を終えてもアルヴァは浮かない顔をしていた。
 義賊として動いていたことを1人のイレギュラーズに見られてしまった。
 秘密を知られてしまった。

「アイツを――」
――――――――――――――――――――――――――――――
「包帯はもう必要無さそうだな」
 右腕に巻かれた包帯を口で外しながら傷の具合を確かめる。
 パンドラによる強靭な生命力の賜物か、黄色く膿んでいた傷口はすっかり塞がり、傷跡こそ残ってしまったものの、ほぼ完治に近い具合だった。
 以前ピンク髪の少女――カルウェット・コーラスが来た時、ズキズキ痛む右腕を誤魔化すのは苦労した。彼女に非は無いにしろ、貴族が隠れ家に利用していたこの館へ突然の来訪があるとは思わなかったのだ。

「カルウェット・コーラス。秘宝種だったのか」
 ああは接したものの、義賊に身を窶したアルヴァは人間不信にも近い用心深さでいた。
 ローレット・ギルドから取り寄せた数枚の洋紙には、先日来訪したカルウェット・コーラスの情報が載っており、彼女のプロフィールから活躍まで事細かに記載されていた。
 例え少女の姿をしていたとしても、この前の奴みたいに対立し戦闘になり得る可能性があるのならば、もし敵に回った際の自分との戦力差、対処法を考えておく必要があるからだ。

 ――既に穢れた手前、『信じる』なんて綺麗ごとは言ってられない。

「よかった、可能性は限りなく低いタイプだ――」
 資料を全て見て、アルヴァは一先ず安堵にも思える溜息と共にそう呟いた。
 結論、カルウェット・コーラスはイレギュラーズの秘宝種であることを除けばごく普通の少女だった。種族の関係上それを少女と呼ぶかはわからないが、目覚めてそう経たない、よく言えば純粋な、悪く言えば世間知らずな女の子だ。
 直後、自分が安堵していることに気付いたアルヴァは、首を横にブンブン振る。
「何安心してんだ、俺……」
 未だに無駄な争いは避けたいと思う気持ち、今は薄れつつあるその感情に複雑な表情を浮かべる。
 過去との親近感。義理の妹であるリトル・ドゥを想えば、二の轍を踏まぬ様、彼女とは適切な距離を置こうと考えるのが至極当然なのだ。

「見られちまうわけにはいかないから、な――」
 もし本当の自分を見られて、怖がらせてしまわないように。
 或いは、己の決意が揺らぐような事態を起こさないように……。


【番外『血塗れの右腕を隠して』】
――――――――――――――――――――――――――――――
(コンコンとノックをしてハンナが入室してくる)
こんにちは、アルヴァさんいらっしゃいますか?
……。
…………。
…………ああ、すまない、少しボーっとしていた。
(知らぬ間にまた色々買い込んだらしく、恐ろしいほど散らかった部屋の中央。愛銃のメンテナンスを行っていたアルヴァは、だいぶ反応が遅れてハンナの方へ返事を返した)
そういえば、装備とかの手解きをする約束だったな。
取り敢えず中に……って、これじゃ足の踏み場がねぇか。
(そう言って立ち上がると、パーツの多くを段ボールの中へ無造作に突っ込み、広げていたものを片っ端から部屋の隅へ追いやり布団のシーツで隠した)
いえ、お気になさらず。かなり集中されていたみたいですので。
やはりメンテナンスをしていると色々と広げがちですね。(少し昔を思い出しながら)
ああ、どうしても使用環境は悪くなりがちだからな。
イザって時に発射不良なんてことが起きたら、同行してる奴に迷惑かけちまう。
(そう言って、とりあえず自分とハンナが座れる程度のスペースは作り)

で、装備とか今後の戦術の相談だったよな。
既にいくつか候補はあるんだが、この前渡した銃はまだ手元にあるか?
ああ、Dr.CrunkIですね。
ええ、ちゃんと持っていますよ。(よっこらしょと座りながら)
俺の方にあと3本ある。
1本やるから、二刀流を習得してアルテマ・ルナティックと持ち替えるんだ。
それだけでまず技の威力は相当上がるだろう。
(ガラクタ置き場のような箱から、Dr.Crunkを出して見せて)
私がいただいた分も含めて四本も…
なるほど、単純に数が多ければ威力は上がりますね。道理です。
んにゃぁ、持てるのは2本までだけどな。
アルテマ・ルナティックは大きい割に性能は控えめだから、馬火力と命中率の観点でいえばDr.Crunkの方が高い。
その分、耐久性に難は出てくるが、アタッカーやるならその話は後だ。
なるほど、確かにまずは火力を出せなければ話が始まりませんものね。
ハンナにはスナイパーを務めて欲しいから尚更な。
……そういや、装備の予算はどの程度のつもりでいる?
(銃の埃を丁寧に取り除きながら、ハンナの懐具合について尋ねる)
ああ…いえ…その…(なんだか歯切れが悪く、目を泳がせ)
少々ムキになって闇市で使いすぎまして…(珍しくばつが悪そうに)
……そうか、災難だったな。
(結果は聞かず、片手で算盤を取り出して、何か打ち始めて――)
……まぁ、俺が武器を渡しても追加で5~6万は覚悟した方がいいな。
もう少し詰めるなら2~3倍跳ね上がるが、取り合えず5万程をめあすに貯金するように。
(算盤を見せて、とりあえずこれくらいだと言いながら狙撃銃を放り投げて)
おっと…(放り投げられた銃をキャッチ)
そうですね…これからはしっかり財布のひもを締めねば…
ま、そいつを二丁持ちすりゃ、当面は火力でごり押しできるだろうさ。
とりあえず渡した装備で騙し騙し頑張りな、まだこっちの世界来て浅いんだから。
(ひらひらと黒い服を脱いで)
了解しました。
ではしばらくこの銃をお借りします。(ぺこり)
ああ、何かまた迷ったら来てくれ。
出来る限りのサポートなら惜しまないからよ。
かしこまりました。
また、頼りにさせていただきますね。それでは失礼いたします。(一礼して退室)
――――――――――――――――――――――――――――――――
うーん……。
これがこうで……いや、こっちか?
(カチャカチャ。右目に拡大レンズを付けて、小さな機械を弄っている)
(控えめなノック音が三回、部屋に響く)
もし…失礼します。アルヴァ=ラドスラフさんのお住まいは此方でよろしいでしょうか?
おや? この声は……
(ちょっと首を傾げつつ手元の作業を中断して)

あってるぜ、入ってきて構わないよ
(ゆっくりと、ドアを開けて)
ああよかった。お邪魔します。詳しい場所まで訊いていなかったのであまり自信がなかったのですが…

おや、作業中でしたか?
ああ、やっぱり。この前はどうも。
ここは木々で囲まれてて分かりにくいからね、言えば迎えに行ったのに。
(そんなことを言いつつ、右手で拡大レンズを上に上げて)

機械いじりが趣味でね――といっても素人作業だけど。
(軽く会釈をしながら)
いえいえ。こちらこそ先日のお仕事ではお世話になりました。
ワイバーンのお散歩も兼ねて自主的に飛行訓練してましたら、丁度下に館が見えたのでもしや、と思いまして。

ほほう。器用なのですね…「自分でできることは」の精神は大事だと思います。
今弄っていたのは椅子とか棚とかですか?
飛行に興味を持ってくれたなら、あれくらい容易いもんさ。

器用かどうかはさておき、ちょっと前に武器が壊れちゃってね。
狙撃銃……銃身がぽっきり逝っちまったんだ。
(ドアを閉めて中に)
ええ。ああして自由に飛び回れるのは本当によいものですね。
空の脅威への対処が必要だとも思いましたが…

あら…それは…直せるものなのですか?
いや、無理かな……多分。
結構騙し騙し使ってたんだけど、この前交戦したとき見事に破壊されちゃったや。
(狙撃銃は原型を留めていない。見たところ、修理を諦めてパーツを取り出しているようだ)
ああ…成程…
少しでも使えるものが残っているなら…といった感じですか。
命あっての物種とはよく言いますが、それでもなんだか忍びないというか…申し訳ない気持ちになりますね…
ま、コイツもよくやってくれたさ。
乱雑な使い方を考えたら当然の事、寿命って奴だよ。
(そう言いながら再び右の拡大レンズを下ろして、壊れた銃にドライバーを押し込んで)

幸い、新しい武器は届いてるから、俺の下ではお役目ご苦労かな。
寿命…寿命、ですか…(少しだけ悲しそうな顔をしながら)

アルヴァさんご自身の活動には問題ないのですね。
それならまあ、うん。良かったです。
おや、少し浮かない顔してる?
装備ってのは消耗品だから、いつか壊れちまうのは仕方ない話だと思うけどね。
(なんて言いつつ、使えるパーツを外し終えたのか一息ついて)

そういえば、愛奈は何か予備の武器とか持っているのかい?
ああいえ。すみません。
消耗品なのは理屈では判ってはいるのですが…どうにも、「何かがその役目を終える」ことに妙な感傷を抱いてしまうようで。悪い癖です。(苦笑しながら)

予備、ですか…
まともに扱える武具は先日の…『縄』ぐらい、ですか。そういえば気にしたことがありませんでした…
そっか、じゃあ……この部品にはもう少し役目を与えてみよっか。
(愛奈の言葉を聞くと、三度拡大レンズを下げてパーツを弄り始めた)

両手があった頃ならもう少しスムーズに作業が進んだんだけどさ。
今は片腕しかないもんだから、武器のメンテナンス一つに結構手間がかかるんだ。
(両足で機器を固定して、ドライバーのようなもので弄りながらそんな愚痴を漏らす)

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