PandoraPartyProject

ギルドスレッド

シンリョウジョ

【RP】シンサツシツ

使い込まれた机と、所々穴の空いたパーテーション。
観葉植物は茶色い葉を萎びかせ日の光を受けている。

お世辞にも綺麗とは言えない診察室。
ここは患者と医者の信頼を深める場所(※本来なら)

□医者と患者のロールプレイ専用スレです。
□この城(診療所)の主は基本的にここにいます。必要なら門を叩いてください

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おおよそ風邪とは無縁そうだけど、お大事にね。
ドクター、俺も帰った方がいいかな?
(そういえば自分は見学のつもりだった、と思い出す。しかしいちから説明するのを面倒くさがった)
……助手ってほど大層な事はできないと思うけど、まぁ……どうせ拾っちまった命だ。行くアテもないし、ここで暇つぶしさせてよ。
やだなぁ、ぼくはただ『変な人』なだけだよ。
(冗談のようにニヤニヤとわらって)
準備?んー、先ず健康な身体。それから差し支えなければ味覚が鈍くなった時の事を詳しく教えてくれるだけの勇気。
あ、あとこれね。あげる。
(忘れるところだった、と白衣から白く細長の封筒を取り出して手渡そうとする。
それを取ったなら重さからなんとなく封筒の中身がわかるだろうか。)

(もう一人の方に帰った方がいいかと聞かれれば)
好きにしていいよ。君が知らなきゃ不便だと感じるなら探検してもいいさ。
あ、でも備品を持ち出したり備品でぼくを殺そうとかしないでね。ぼく小心者なんだから。
たしかにアンタは変わってる。でも悪い意味じゃないな。
……ほんとにこんなに貰っていいのか?
(渡された封筒の分厚さに、意外そうな顔をした。ふっと口元を緩めて)
オーダー承った。次に来るまでに情報をまとめておこう。
(一礼してから診療所を後にした)
お疲れ様、ヴァン。……これは俺もお給料には期待していいのかな?(こんなに貰っていいのか、と問うたベルナルドの言葉をちゃっかり拾っていた)

そうだね、少し診療所内を見学させて貰おう。……って、そんな事して俺にメリットないでしょーよ。友達からの紹介だから、容疑もすぐにかかるだろうし。
(仕事が入って来た時に、どこに何があるか。助手なら場所を覚えて持って来るのは当然の事だ。近くの薬棚から順番にチェックしはじめる)
(ヒラヒラと手を振り見送ってから期待するような声に対して)
さぁねぇ、もしかすると今渡したのが僕の全財産かもしれないよ?(などと小粋なジョークを飛ばしてから)
……まぁ、冗談はさておいて労働には相応の報酬が支払われて然るべきだと思うんだ。
君の働きに対する対価は相応に支払うつもりさ。今のところね。

(薬品棚をチェックし始める相手をみて)
うんうん、勉強熱心なのはいいことだね。
じゃ、ぼくは向こうで寝てるからなんかあったらよろしくー?ついでに片付けお願いねー?
(雑務を押し付けて退室しようとしている。)
…………マジか。
(この人ならあり得そう。一瞬でもそう思って問い返してしまった)
相応ねぇ。めんどくさい事はしたくない主義だし、まー生活に困らないくらい貰えたらいいかな。
ローレットからの支給分で食費なりなんなりは多少削れるから、ボーダーも低いし。
(だるっと脱力して首の後ろを掻く。口元をゆるんと緩めて)
おーう、お疲れさんです。……片付け?

(相手が退室してから、はたと後ろを振り向く。飲んだまま放置された紅茶や食べかすのついたお皿が残っていた)
俺の初仕事、皿洗いかよ!?
(こびりついた油を浮かせ、落とす。
あれからどれほどの時間が過ぎ去っただろうかーー
一時間、いや一日。三年だったかもしれない……。
ひとつ洗えばまた別の食器の細かな汚れが気になっていく。
無限にも思えてくる洗い物。

その洗浄欲はとどまることを知らず、掃除、洗濯まで及び

いつしか匠の技によって診療所全体がピカピカになっていたーー……劇的である。)

ついに終わりを迎えたか。長きに渡る戦いも、最後は意外と呆気ないもんさね……。

(なお経過時間は十三の体感である)
(城の主は昼寝から帰還すると診療所の変わりように驚いた。)

すごいね、じゅーぞーくん。医者よりも掃除やさんやった方が稼げるんじゃない?
(冗談めかしていいながら、埃ひとつない机を指でつぅー、となぞった)
アンタが適当だからだろ!?清潔さは医学の初歩の初歩でしょーが。……まぁ、ある程度片付いていたし、俺が気にしちゃっただけですけどねー。
(指で机をなぞられると、埃が残ってないか心配になり身を緊張で固くする)
まぁまぁ。あんまり怒るとシワが増えるよ?
ぼくは美容整形はできないからね?
(へにゃりと笑って机に指を滑らせ続ける)
(つぅー、すぅー、つつぅー)(完全に遊んでいるように感じるかもしれない)

……さぁて、“真剣な話”をしようか、異世界のドクター。キミは何者だい?
(気を悪くしないで欲しい。『何者か』がわからない相手をこれから先信用していっていいのか、そんな意図をもっての問いだ)
怒りませんよぉ。出来れば平穏に生きてたい。怠けてだらだら、気楽にね。
(頭を押さえながら深いため息をつく。ちょっと老け込んだような疲労感を滲ませた)

ドクターだなんて、やめてくださいよ。名乗る資格なんかない。……俺は、ただの『壊れた玩具』だ。
(相変わらず緩んだ口元でゆったりと話すも、目までは笑っていない。
俺に触れるな、と無言の威圧を滲ませつつも、言葉はつづける)
イレギュラーズで旅人。それ以外にこの世界での価値はない。なにをお話しすれば信用して貰えますかねぇ?
そっか、そりゃよかった。ぼくは怒られるのが嫌いなのさ。
(「それはみんな同じことだろう」というツッコミに似た何かが聞こえてきそうだがスルー。)

『“人”も“機械”も治すの飽きた(人生を諦めたともとれる発言をする)』『壊れた玩具(キミという存在)』が『特異運命座標(イレギュラーズ)』として喚ばれた。……ふぅん。
……ほんと、このセカイってわかんないよねぇ
(はー、と大きく重いため息を吐く。)

確かにセカイがキミに望む価値はそれくらいだろうねぇ……、それじゃあさ
(ずい、と身を乗り出すように相手の正面に立ち顔だけ近づけて)
見つけてあげよっか、それ以外の価値。信用するしないはもうどうでもいいからさ。
得意な奴はそう居ないでしょうよ。俺だって苦手だ。
……世の中には叱られて興奮する奴も居るらしいですがね。
(全く不可解だ、と肩をすくめた)

召喚された瞬間、これは神さまが与えてくれたバカンス期間だと思ったんですけどねぇー。まさか滅びの手前とは。
ドクターの言う通り、この世界はよく分からない。
あえて言うなら皮肉がたっぷり効いててサイコーですぜ。
(シニカルな笑いが溢れた。相手のため息と相まって、空気は重くなったかもしれない。
ーー嗚呼、次の行く宛を探さなきゃなぁ。
そんな事を考えていた矢先、間近に迫った顔に近づいてビクッと震えた。身を後ろに少し逸らしつつ、目を丸くして松庭を見つめる)

……驚いた。アンタは目の前の人間を片っ端から救うつもりかい?俺は……面倒くさい生き物ですよ、ドクター。
(するり、と両の掌を相手の頰へ伸ばす。輪郭を優しく撫でようとしながら)
支配されないと、生きた心地がしないんだ。
バカンスさせてあげられなくてごめーんね。
出来ることならぼくもバカンスしたいよ。永眠とかすればいいのかなー。
(なんて冗談か本気かわからないトーンで語る。)

特異運命座標を嫌ってる人間を特異運命座標にしちゃうんだから、ほんとよく分からないよね。
まぁ、ぼくの事なんだけどさ。

救うよ。助けられる可能性が少しでもあるならね。
(驚きの色の混ざった問いに、真っ直ぐ相手を見据えながら答えた。伸ばされた両手に自分の手を重ねる)
キミが面倒くさいならぼくはもっと面倒で強欲な人間さ。
救える命があるなら自分の命を売ってでもそれを救うんだ。
もう、たすけられないのは、いやだ。

……で、どう?ぼくと一緒に生きる価値探してみる?
いまなら寝床と三食食費と仕事量に応じてお給料もつくけど。
お医者さんがそれ言っちゃダメでしょーよ。
不思議な人だなぁ、ほんと。

(医者としての根っこの精神はしっかりしているのに、その過程で何処か歪んでしまったような違和感。
話を進めていくうちに、その理由が垣間見えて目を細める)

イレギュラーズに何かされちまったんですかい?
……俺も、その嫌いなイレギュラーズのうちの一人なんですけどね。

(重ねられた掌がほんのりと伝える熱。それは今ここに生きている証だ。
慰めるように優しい触れるだけの口付けを相手の額へそっと落とそう。
軽く肩を竦めてみせ)

先生の目を見てると、危ういほど真っ直ぐでドキドキしちゃいますよ。まるで恋い焦がれる生娘のような気分だ。
……あぁ、くそ。格好いいなぁ先生。
お世話になります。アンタのそのエゴにまみれた医者魂の行き着く先を見て見たくなっちまった。
えー、でもさ、僕らが必死に治した事は正しかったのかなって思うことない?
どう頑張っても人は死んでしまうでしょ?
そういう意味では興味があるかなぁ、死ぬ事に。
(歪んだ価値観かもしれない。それでも興味というものは人を生かすも殺すもするのだ。
この男には、興味しか生きていく支えがないのだ。)

何かされたって訳じゃないさ。多分ね。
どうしてもキミが聞きたいというなら語ろう。
(それは同時に『なにもないなら話したくない』と言っているのだが、これから長いこと付き合う相手なら話さねばならないのだろう。)

……んっ
(額へと落とされたキスに、擽ったそうに僅かに身をよじる)
まさか男にキスされる日が来ようとはね。しかも細かい事を言うと額へって目下の相手に対してやるものじゃなかった?
(いつまでたっても減らないその口で意義を唱えた。が、すぐに)
まぁいいや。どうせ観てくならその先の破滅まで、しっかりきっちり看てってよね御幣島先生。
その行動に意味はなくても、価値はあると思いますよ。……きっとね。
そう思わないとやってられないな、って昔思ってただけで、思い込みかもしれませんが。
……イレギュラーズの中には死後の世界から来た人もいるんじゃないですかねぇ。

俺もその嫌いなイレギュラーズのうちの一人ですから。
どういうところが嫌なのか知っておく必要性はあると思います。
(存在そのものが嫌悪対象な気もしたが、肩の力は張らずに気だるげに問う)

何なら足でも舐めましょうか?
(挑発するように上唇を舐める。艶っぽくふうわりと柔らかく笑み)
服従。隷属。縛られてこそ俺はようやく生を実感できる。
貴方がそう望むなら、従いましょう松庭先生。
意味はなくても価値はある、か。
でも価値っていうのは意味や理由があって初めて出来るものじゃないか。
意味や理由がない価値なんて、チョコの入ってないガトーショコラ、蜜柑の使われていないマーマレード、患者を治さない医者とおなじさ。

(相手から知りたいという意思を伝えられると、がしがしと頭をかきながら椅子に腰を下ろした。)
いいけど、長くなるよ?
……ぼくは昔、ある資産家の家で住み込みで働いてたんだ。旦那と、奥さんと、坊っちゃんの三人家族。
奥さんは実家が資産家で、その財産他の兄弟よりいくらか多く貰ってたらしい。
それが気に入らなかったのか、奥さんの弟は旦那と、奥さんを外部発注で殺害した。
当然一家は崩壊したわけだから住み込みで働いてたぼくはお払い箱さ。まぁそれはいい。
旦那と奥さんを救えなかったのも当時のぼくの力不足だしね。

でも不思議なのは坊っちゃんを彼らが殺さず引き取ったこと。
いつか復讐されるかも知れないのに
ぼくは確信があった。
『近いうちに坊っちゃんは奥さん達の死の真相に気づく。』そしてその先に何を考えて、何をするか。
だから坊っちゃんが実行する前にぼくがやろうとしたんだ。大切な坊っちゃんの手を汚させる訳にはいかないからね。
でも、ぼくだけの力じゃどうすることもできなかった。だから特異運命座標に依頼をした。けれど見向きもされなかった。
その結果は……、
(閉じたチョキを真っ直ぐ付くようなジェスチャーをした。相手に伝わっても、伝わらなくてもどちらでもいい。)
……ま、ただの八つ当たりさ。全員が全てそういう人ではないって事くらい分かってる。
それでもぼくは彼らが……苦手だ。
(嫌い、といいかけて言い換えた。断言は容易いけれど、そうしてしまったら目の前の彼を傷付けてしまう気がした。)

舐める?なんで?
(無垢な少年のような目で尋ねた)
言っとくけど基本的にぼくとキミの関係は対等だよ?
その方が気兼ねなく彼是できるでしよ?
医療は直す事だけじゃない。心を癒す側面もある。……先刻のヴァンへのカウンセリングは、下手に味音痴を治すより意味のあるものだったと思いますよ。

(相手がイレギュラーズを嫌悪する理由を話し出せば、壁にもたれてじっと聞く。視線をうつ向かせ、前髪を弄り)
……ドクター。貴方は……。
(少年がその時して欲しかったのは、本当に報復の身代わりだったのか。
口をつきそうになった言葉を飲み込む。全ては後の祭りなのだから。)
医者としては歪な心を持ちながら、とても真っ直ぐですねぇ。

……言ったでしょう、俺は面倒くさい男なんだって。
(純粋な瞳に困ったように笑う)
絶対的な支配。隷属。その中で虐げられながら管理されてきた。そういう文化しか知らなかった人間なんです。対等だなんて言われたら、落ち着きません。
『癒す』も『治す』ことじゃないか。医者を名乗るなら癒すも治すもどちらも出来なきゃ。
……できて、然るべきだ。そう思うのは変なことかな。

いびつ。歪んでる。……そうかもね。
解ってたよ、ぼくがしようとしたことは坊っちゃんの為にはならないことだって。
でも、だって、それがぼくだからさ。

価値観の違いかな。ぼくからしたらそれは面倒というよりも……あー、何て言ったら良いのかな。
……いとおしい?かも?(丁度いい言葉が見つからず、よくわからない単語を発して首を捻った)
(相手の言葉に驚いたように目を丸くしていた。然るべきだ、とまで強く言われると深く考え込むように腕を組む)
変、ではないと思いますよ……この世界においては。俺にとっては盲点でしたけどね。

……医療は『直す』か『治す』。
その過程には最短の効率が求められ、心の問題へ対処を叫ぶ者はいない。
「カウンセリング」なんて単語はとっくに風化していました。
何故なら俺のいた世界は機械主義。こことは機械と人間の主従が逆転した世の中だったんです。

(心さえなければ。そんな事を何度も考えた事があった。
医者として当たり前の事を、治療の腕が立つだけでのし上がってきた自分は気づきもしなかったのだ。
首筋に刻印された管理番号を隠すように掌でさする)

愛おしい?……はは。男色は興味がなかったんじゃないですか?松庭先生。
ま、俺はいいですけどね――…この世界は命の数を増やすも減らすも自由だから。
……なーんてね、ぼくは一番大切な人たちを癒すことも治すこともできなかったから、そう言う風に考えてるだけさ。
そうやって考えてないとやってけないよ、ほんと。
(至って明るく努めて笑った)

機械が人の主たる世界?へぇ、それななんというか……うん、想像つかないな。
けど、さぞかし生き辛い世の中だっただろうね。
(想像は出来ないが察することはある程度出来るだろう。彼が元の世界でどのような扱いを受けていたのか。
それを考えるとそんな慰めにもならない言葉が溢れた。)

男色どころか今は女性にも肉体関係にも興味ないね。
そんなことに現を抜かしてる暇があったら新しい医学のふたつみっつ覚えてた方が余程有意義だ。
ぼくがきみに対して抱く感情は多分、恋とかじゃなくて愛だ。
それも、どっちかというと親が子供を慈しむ意味合いの方のね。

……君の元の世界は、人の数も決められていたのかい?
(相手の笑顔を痛々しく感じて唇を柔く噛む。応えるように微笑む事しか出来なかった)
これからでも、大切な人は増えていくんじゃないですかね。
その時に繰り返さなければ、救えなかった命にも意味がある。

……。(拒絶の空気が薄らぐ。首をさする手を下ろし、リラックスしようと肩の力を抜いた)
やれやれ、真面目な先生だ。そういうところ、嫌いじゃないですよ。
(救えなかった少年と重ねているのだろうか。そんな不謹慎な疑問が脳裏を過ぎり、ため息をひとつ)

えぇ。決まっていましたよ。
目の前で苦しむ人間も『保管期限』が切れれば助ける事すら許されない。
生まれた時から医者になる事を義務付けられていました。
俺の主人は地区でも噂になるくらいの『壊し屋』だったもんで、うっかりした時に対応できる歯車が欲しかったんだそうで。
だから先生の魂までも医者らしい医療魂は眩しくて。……そういう意味では、俺も先生が愛おしい。
増えないよ。増やさない。
仕事上『大事な人』は出来ても、大切な人はもう作らない。
(そのほうが、心穏やかに過ごせるから。続いた言葉を小さく呟けば相手のなんとも言えない微笑みが見えた)
……なぁに、もしかして心配してくれたり?
(相手の頭を撫でようと手を伸ばそうとして)
優しいね、御幣島先生。……だから疲れちゃうんだよ。

わぁい、嫌いじゃないって言われたやったー。
……あ、でも御幣島先生いわく、真っ直ぐに歪んでるんでしょ。ぼく。
(誉められたような、褒められてないような。なんだか複雑そうな顔をした。)
(が、多分そこまで深く考えていない。)

うーん、なんというか。
逆の立場じゃなくてよかった。って感想しかでてこないや。
(もし自分が彼の世界に召喚されたら、と思うと悪寒がした。絶対モノの数秒で自殺を選ぶだろう。)
……あれ、ある意味ぼくら両思いだね?わー。
(やる気のない拍手が響いた)
未来の事なんて分かりゃしねーですよ。
特に心は。
……過去は過去です。今からじゃ取り返せない。
だからこそ、その先に救いがあって欲しいと思うのは
性善的な人間なら当たり前の事じゃないですかね。
(性根の腐っている自分が性善説を振りかざすなんて、皮肉にもほどがある。
伸ばされた手の柔らかな温もりに頰をすり寄せて)
人間らしさを消す魔法があったら、楽なんですけどねぇ。
(触れた掌には人肌の温もりと、義眼まわりの金属の冷たさが伝わるかもしれない)

真っ直ぐに歪んで、捩くれちまってるでしょうよ。
人間臭くて好きですよ。そういうところも、揚げ足取りなのもね。
(慣れれば可愛いモンです、とへらへら笑った。締まりのない笑顔である)

命にふさわしいかは全てデータの上で決まる。
あの世界に比べて、混沌は自由でいいですね。最初は少し戸惑いましたが。
(合わせて気のぬけた音の拍手を返し)
あはは。嫌われなくて良かったですよ、ホントに。
そりゃそうなんだけどね。
……そうだな、君の言葉を借りるなら『飽きちゃった』のさ。
自分の事で、望みを抱くのを。救いを求めるのを。
(手を伸ばせば相手もそれを受け入れてくれたようで心の中で安堵のため息をつく)
本当だねぇ。どうせなら本当に、とことん最下まで壊れてしまったら、あるいは……いやいやいや。
(ある人物の顔が頭を過った。その残影を払うように頭を降った)

そうそう。どんなに最低な境遇でも、人間性がひねくれすぎててトリプルアクセルでも生きる権利はあるんだ。
(などとよくわからない例えをして)
ぼくは他人(ひと)を嫌わないよ?そんな矮小な考えで患者を救える筈がないからね。

さぁて、随分話し込んだけど。
どうする?ここで一旦休んどく?
それなら君に使ってもらう部屋へご案内するけど。
(白衣の外ポケットを漁り鍵をちらつかせて見せる。小さなキーホルダー付きの銀がちりりと鳴った
なお断れば相手の話を更に聞こうとしている)
それって人生つまらなくないですか?
あーでも、見つけちゃったからいいや。
(当面の生きる目標を。猫口気味の口角がほんの少しつり上がった)
松庭先生が壊れたら、ひたすら医療の鬼になりそうじゃあないですか?
心の病を治さなきゃいけないのに、医者の不養生すぎますけどね。

トリプルアクセルからのトリプルトーループかまして人生の金賞取りにいきましょう。
評価者は自分自身。人生の飽きを俺が解消させてみます。

(目の前にぶら下げられた鍵へ手を伸ばそうとして、半ばで止まる)
……先生。ひとつ、重要な事を忘れてました。
俺……不治の病にかかってるんです。診療所にとっては、ある意味致命的かもしれない。

(珍しくシリアスな表情で告げると、胸元を押さえて俯く)
……拾っちゃうんです。捨て猫。
ぼく以外の誰かが幸せなら、ぼくの人生なんてどうなったっていいんだよ。
言っただろ?『少しでも救える可能性があるなら、自分の命を売ってでもそれを救うんだ』って
(医療の鬼、という単語を聞いて苦笑いをしながら頬を掻く。)
……もうなりかけてるフシがあるけどね。

まぁ、『自分への評価は最下位(そんなわけ)』だから金賞とか難しいと思うんだよねぇ……って、え?
(深刻そうな声色。不治の病という言葉。相手の表情にごくり、と息を飲む。
彼はウォーカーだ。この世界の医療をもって対処できない病ならば……
一瞬のうちにあれこれ考えている内に告げられた『病名』に)
……それは、大変な病だね。
(至って真面目にそう返した)
先生がよくても俺が困ります。生きる価値を見つけてもらう前に死ぬなんて、主治医を失って露頭に迷う患者みたいな気分ですからねぇ。
まぁ、でも俺たち、イレギュラーズになった時点でバケモノですよ。なんせ蘇るらしいですから。
(実際に体感した事はないですけどね、なんて肩を竦めてみせた)
確かにすでになりかけですね。他にご趣味は?

ダメなんです。俺……雨の日とかにダンボールに入ってる子とか見つけちゃうと、もう脊髄反射で拾っちまって(頭を抱えて絶望感の滲む声で話す)
松庭先生は猫、大丈夫です?っつーか食べたりしません?猛禽類ですし……。
あはは、だーいじょーぶ。
果てるなら君が一人で生きていけるようになってから、こっそりひっそり誰にも気づかれないようにするからさ。
(冗談か本気か、一見ではわからないような語り口で話して)
へぇ、殺してもただでは死なないんだ。へぇー。
……今度試してみよっと。
(『興味』しか生きている理由がない男はなにやら危ない計画をたて始めた)

他の趣味?んー……(暫く考えて)……ないね。(きっぱり言い切った。)

あー、重症だこれ。
(相手の様子を見ながら、内心笑いを堪えるようにお手上げのポーズを取り)
んー?猫?大丈夫だよ。
近づいても逃げられちゃうんだけどね。
あと、フクロウだからって猫は食べないよさすがに。
じゃー長生きしないとですねぇ。
とりあえず禁煙はじめよっかなぁー?
(口だけでまた吸っちゃいそうですけどねー、なんて肩を竦めた)
ちょっ、あくまで聞いた話なんですから迂闊な事しないでくださいよ!?
……薬の実験とかなら付き合います。俺のギフト、研究者向けですから。

……そんな気はしました。(断言されると目を細めて呟いた。頭を軽く掻き)
猫趣味にしませんか?なんて。
先生と一緒に外歩いたら、俺も無駄ににゃんこを拾わなくて済むし丁度よさそうですねぇ。
猫アレルギーだとか、医療施設に動物を持ち込むなーとか言われないでよかった。これで安心して12匹を連れて来れます。
無理に長生きしなくてもいいんじゃなーい?
まぁ、君がその気ならあれなんだけど。とりあえず禁煙できるように手術する?
(どこから取り出したか、キャップを被せたメスをくるくると弄びながらそんな風に訊ねて『ギフト』という言葉を聞き目を細めた)
そういえばそんなものもあったっけね。
贈り物だかなんだか知らないけど押し付けられるこっちの身にもなれっつーの。
(今まで誰にも見せなかった顔かもしれない。見せた覚えは記憶の限りない。
まさか悪態をつくような言葉がまだ自分から出てくるとは思わず自分でも驚いた。それをごまかすようにして)
……ちなみにどんなのを持ってるのかな、御幣島先生は。

アニマルセラピーっていう癒し方も存在するらしいからね。別にぼくは構わない……ん、だけど……
(ごにょごにょとした言葉尻になる。)
多くない?12匹。診療所じゃなくて猫屋敷になりそうだよ?
無理しない範囲で、ですよぉ。
喫煙の依存症は薬剤投与で治るから、手術するほどじゃなくないです?
(医療知識があるため正論をさらっとぶつけてみる)
まぁ、してもいーんですけどね……手術。
俺は前の世界で無意識のうちに望んでいた事がギフトになったってとこでしょうか。どんな実験を施されても好きなタイミングで元に戻せるんですよ。
(相手が誤魔化そうとしても、悪態はばっちり聞こえていた。目をまんまるくして相手を眺め)
意外ですね、松庭先生がそんな口をきくなんて。そんなに微妙なギフトなんです?

すみません。なるべく自分の部屋から出さないようにしますから……。
あぁでも、好奇心旺盛な「弥七」は俺にひっついて色々見たがるかもしれません。
はいはい、無理シナイ範囲デネー
……どう見積もっても先に逝くのはぼくのほうな気がするけど。
(真面目に返されいつも以上に真顔になり)
じゅーぞーくん、冗談は受け流さないとモテないよ?

『望んでいたこと』……ふぅん。
(それは自分が受けたことか、自分が行ったことか。興味から訊ねてみたかったが、ぐっと耐えて)
(一度口から出た言葉はしっかりと相手に聞かれていたようでバツが悪そうに頭をかき)
……ごめんね。自分でも驚いてる。多分最近再会した昔馴染みの影響かな。
(等と責任転嫁。自身が持つギフトを聞かれれば)
うん、ビミョー。ぼくのはね、痛かったり苦しかったりする場所を撫でると其所が楽になる『気がする』ってやつ。
気がするだけだから傷や症状を抑えられる訳じゃないんだよねぇ。

いーよ、別に。癒されるじゃん、ねこ。触ったことないけど。
(というか近づくと逃げられまくった人生なので、あまり身近な存在ではなかった。)
んー、もしかしてじゅーぞーくん、猫に1から12の数字を入れたりしてる?
俺はほら、錬金術師ですから。うっかり不死の妙薬なんか作って松庭先生に
スナック感覚でサクッと永遠の命をプレゼントしちゃうかもよ?
(ゆるるんと頬を緩めて笑う)
あっはっは……先生の場合、冗談が冗談じゃないパターンもあるじゃあないですか。

嗚呼……今聞きたそうだった事、当ててみせましょうか。
隠し事は一切なし、なんてのは絶対無理なんで断言しませんけど、問われれば答えられる範囲で答えます。
だから先生も、気にしないで自分の常識を壊しちゃってください。俺の前限定でいいですから。
(相手のギフトを聞くと、嬉しそうに目を細めた)
先生の優しさそのものみたいだ。俺は好きだな、そのギフト。
まぁ……「ギフト」っていう名前の通り、所詮は押し付けられた贈り物です。そのプレゼントが喜ばれるかどうかは人次第ってのがまた、らしいっちゃらしいですよねぇ。

触ったらきっと病みつきになるんじゃあないですかね。
……?えぇ。管理番号としてそういう名づけ方をしてますけど。そういやぁこの世界の人達はあんまり数字の入った名前じゃないですね?
(数で管理をされていたから、当然の如く名づけの概念が固定化していた。不思議そうに腕を組みながら)
松庭先生はなんで"黄瀬"ってお名前なんです?
作っても要らないから持ってこないでーね。
ぼくはね、『最期まで人でありたい』のさ。自分勝手なのは重々承知だけども。
(承知していても、それは自分がずっと抱えている唯一の望みなのだ。)
……あー、じゃー、まずはぼくの冗談と本気を見分けられるようになって貰わなきゃかな?

(相手に飲み込んだ疑問を見抜かれて乾いた笑いが零れた)
バレバレかー、そっかー。
隠し事は得意な方だと思ってたんだけど、そもそも側に人が居なかったから嘘を吐きなれてないだけだったみたいだ。
ま、それもまたいずれ、慣れてきたらね。
(ギフトの感想を聞けば恥ずかしそうに目を伏せた)
……あー、ありがとう?

(触ったら、という言葉を聞けば眉尻を下げて)
うーん、警戒されないか心配だなぁ。今までがそうだったし
……なにせ猛禽類だし?
(なるほど、自分が13だから猫らはそれ以下の数字でナンバリングしているのか。納得した。)
名前の由来?わかんない。
なんかむかーし、この世界に喚ばれた旅人の家の近くを流れてた川の名前とかだって。
不死は恐ろしい事ですからね。
機械化が進んだ世界では、擬似的な不死を持ってる奴がいっぱいでしたよ。
(トン、と人差し指で自分のこめかみを指し)
脳の情報を全てスキャンして新しい体に移すんです。クレイジーでしょ。

隠し事は不得意な方がいいと思いますよ、俺ァね。
だって嘘なんてろくな事がないもんですから。
俺が怪我したら、先生の手術より先にギフトが欲しーなぁ。

(ふと診療所の窓をカリカリ引っ掻く音に気づく。
近づいてみれば、白い靴下の黒猫だ)
弥七!?おまえ、よく俺の居場所が分かったねー……賢い子だわ。
(窓を開けて、よいしょと噂のにゃんこを肩に乗せる)
ちゃんと知ってるじゃないスか、名前。川かぁ……いいですね。ゆったりと何物をも受け入れてくれそうで。
(スキャンだの、新しいからだだのという話を聞いてきゅっと眉間にシワが寄る。)
なにそれ。そんなの冒涜以外の何者でもないじゃないか。
……まー、世界が違えば?常識も?違うのかも知れないけどさ?
ところでまさかキミも「そうだ」って訳じゃないよね?
(一抹の不安を抱いてそんなことを訊ねた)

でも正直者が一番被害を被るんだよこの世の中は。
あーぁ。どっかに嘘を上手くつく術を知ってる人いないかな。
(怪我をしたらー、なんてもしもの話をする相手に)
うん、わかった。もれなくツバをつけて治してあげるね。

実は名前に関しては読み方が同じの違う名前だったりしてね。おや?
(突然の来訪者、もとい来訪猫に驚きながらも十三の様子をみて)
んー?あぁ、それが噂のにゃんこ?
何に対しての冒涜ですか?
死に至る病気を薬で治す。そういうのだって本来のその人の運命を変えてしまう……医者は命を冒涜して命を助ける仕事じゃあないですかね。
……僕の身体は生身8割、機械2割ってとこでしょうか。
(そろ、と自分の機械の左目に触れる)
これは主人の好奇心で潰されたのが、俺の世界の医療技術では治らなかったから施した処置です。

治せるなら手段は問わない。生きたいという意思があれば、それを尊重する。
……軽蔑しましたか?松庭先生。
(肩にのせた弥七の喉を撫でる。気持ちよさそうにごろごろ喉を鳴らす彼を穏やかな顔で見下ろした)

……。(身近な人を思い出して眉がハの字になった)
嘘はつきすぎても困りものですよ。本当の自分が分からなくなっちまいますから。
(ツバ。数百年前の民間療法に半眼になる)
マジかよ。手術してくれないんですかー?

管理番号よかマシじゃないですかねぇ。
俺もそういうネーミングセンス欲しかったなー。
(弥七を両手で抱き上げて、松庭の方へ向けてみる。初対面の猫は興味深そうにじーっと松庭を見ていた)
モンスターにまで懐いちまうおバカですが、松庭先生にも懐きやすいかもしれませんね。
撫でてみます?
知ってるかい?人は昔、不死だったんだってさ。
原初のヒトは禁忌を犯して神様に不死性を取り上げられたんだそうだ。
医者は治したっていずれ死ぬ運命を変えることはできない。
……まー、つまり不死に手をかけることは許されないけど、いずれ死ぬなら好き勝手やってもいいと思うんだよねぇ。
(ケラリと笑う。超☆暴論なのは否定しないがそんな冗談位言えない人生なんて退屈ではないか。)
べっつに、軽蔑なんてしないよ。
さっきも言った通り、人は『禁忌に再び手を触れないのならば好きに生きていい』って言われてるんだと思ってるからね。
『生きたい』と願うのはごく普通のことじゃないか。君のその目も、生きたかったから足掻いた証じゃないか。
ぼくはその願いはとても尊いものだと思う。だから軽蔑なんてしない。おーけー?
(相手に確認と同意を求めるように訊ねると相手から『手術』なんて言葉が聞こえてきて)
なぁに?手術していいの?

いいじゃん、キミのネーミングセンスは嫌いじゃないよ?
(撫でてみるか、と問われれば少しかんがえて)
……じゃー、せっかくだから、少しだけ?
(ゆっくりと手を伸ばしてみた)
つまり現役のどっか別の神さまに許可貰えればオッケーですね?
……なんて。実際のところ、僕の世界でもボディを2回以上入れ替える人は少なかったです。
自分の今の人生を維持しつづけて幸せなのかとか、色々考えちゃうみたいで。

……よかった。松庭先生に嫌われちゃうのはなかなか堪えますからねぇ。
おーけーですよ、勿論。説明も、手術も。
(ワイシャツの襟を掴んで胸元を少し広げ、挑発的に笑う)
話した通りのギフトです。きっと…医療の発展や技術向上のお役にたてる。経過を見た後、ものによっては無かったことにしますが、何でも手術してみてください。

(弥七は暫く相手の手に鼻をくっつけてフンフン匂いを嗅いでいたが、すぐに懐いたように甘い声で頭を擦り寄せはじめた。温もりのあるふわふわな黒毛が擦り付けられる)
よかった。結局あっさり懐きましたねぇ。
(三回目は滅多にない、と聞いて)
……まー、そりゃー、ねぇ。
生まれ変わりなんて信じてないけどもしあるならばそっちに願いをかけたい気持ちはわかる気がするよ。

そもそも嫌われちゃったらどうするつもりさ?
さっきぼくが『提案』をする直前の顔。なんだか行くとこがない、あっても上等な場所じゃないって言ってるようだったよ?
そんなコを寒空のしたに追い出すほどぼくは非道じゃないよぉ。
(手をヒラヒラとしながら冗談のように笑う。
挑発的な相手の態度を余裕をもってかわして)
ん、じゃー、その時が来たらね。
(逆に言えば『時が来なければ行わない』と言っている。彼の体は大切だ。『被検体候補』としてではなく。)
……ぼくも大概に依存体質だったのかもしれない。
(ぽつり、そんな言葉が漏れた)

(猫がすり寄ってきたなら撫でるように指先だけを動かして)
……わー、なんか……
ふわふわでぐにゃぐにゃで壊れちゃいそうだ。
生まれ変わったところで今以上に底辺の生活を強いられるかもしれないのに、人間も機械も……意思あるものは欲張りだ。

あはは、成り行きで生きてる適当男ですから。
そーですねぇ……支配欲の強い主人でも探してお仕えしたかもしれません。パンドラが枯れるまで。
(響きは穏やかだが、この男の趣向と絡めれば悪名をとるような人間に寄り付きそうだ。
引き止めた理由を聞くと、照れくさそうに笑う)
なんだ……俺が猫拾うのと同じ理由じゃないですか。

今しなくていつするんです?出来るなら'この身体を魔改造して欲しーなぁ……餌がなくてもにゃんこが寄付く身体に。
(はぁはぁ。想像しただけで動悸がする。動機が不純なだけに)

……か弱く見える小さな命。
でも確かにそこに温もりがあって、彼らは一生懸命生きている。
とても愛おしく感じませんか、全然。
……あれ?
(弥七がするんと相手の手をすり抜けたかと思えば、地面に飛び降り松庭の足元にちょこんと立つ)
や、弥七ー?ご主人様は俺だよ?
「ニャーン」
いやニャーンじゃなくて…
そだね。強欲は罪だ。でも罪を背負って罰を受けているからこそ僕らはこの世界で存在できる。
……『罪は罰によって贖われず。
 罰は罪によらず報われるだろう。』ってね。
(ぺらり、胸元からミニノートを取り出してそんな一節を説く。
庭園に一度は喚ばれたなら記憶の片隅にでも残っているだろう言葉だ。)
だいじょーぶ、カミサマとやらは乗り越えられる試練しかヒトに与えないらしいから。
(まぁぼくカミサマなんて信じてないんだけどねー)

わぁ、ありえーる。笑えなーい
(ケラケラと笑う。ふと首をかしげて)
ん?つまりじゅーぞーくんは捨て犬?

(呼吸……というか鼻息荒くしている相手をみて若干ヒきながら)
悪いけど猫が寄ってくるようになる改造なんて出来ないからね、ぼく。

(彼の語る“愛おしさ”にどこかほっこりとした気持ちになり、自然と笑みがこぼれた。)
そーだね。……ん?
どーしたのよ、えぇと、やしちくん?
(足元に近づき鳴き声をあげる猫を抱き上げようとし)
不思議ですね、どこかで聞いたことのある言葉だ。
(それが何なのか思い出そうとすると、頭にもやがかかる。
庭に召ばれる直前、自分はなにをしていただろうか?)
……。
(考えるのをやめ、首を振った)
難易度調整された試練って、なんだかゲームっぽいですよねぇ。それ本当に人間全員に適用されてます?たまにクソゲーのパターンあるじゃないですか。

もしも俺が拾われた犬なら、忠犬を目指さなきゃですよねぇ。……怠惰にひたっすら甘えるワンコでいーなら喜んで怠惰に徹しますが。
(なんて話しながらも、床に落ちていた髪の毛を拾ってゴミ箱に捨てる神経質さだった。きっと猫の抜け毛が落ちるようになっても診療所は綺麗に保たれるだろう)

まぁ、人体にあるべきものを治すのが医者であって、付加するのは科学の分野ですもんねぇ。
……それじゃこーいうのはどうです?俺が自分自身に改造を施す。それを先生が人間に治すんです。
っていうのも最近、『人工イレギュラーズ』なんてモンに食いついて、怪しい改造を施されて死にかける一般人がいるらしいんですよね。

(ふとした時の自然な笑顔が愛らしい。可愛いなぁと笑い皺を寄せて目を細めた)
その子、松庭先生に懐いちゃったみたいですねぇ。
こら弥七、仕事の邪魔になっちゃうからこっちにおーいで。
(抱き上げられればゴロゴロと機嫌よく喉を鳴らして松庭の胸に頭をすり寄せる弥七。十三が弥七に手を伸ばすと「ニャ」と短く鳴いて肉球ビンタを喰らわせた。
ショックのあまり部屋の隅に体育座りになってガチで凹む)
先生の猫たらしー……俺という存在がありながら、まさかそんなに懐くなんて。
だよね。なんかいつまでーも記憶に残ってたから書き起こしたんだけどなんのことだかさっぱりさ。
(ぽい、とノートを机に放ってお手上げのポーズ。)
んー、一応全員対象なんじゃなーい?
それを活かすか殺すかは当人次第じゃないか。ぼくの知ったことではないさー。

なにそれ。“人工イレギュラーズ”?(食いついた)
なるほど、それは……治し甲斐がありそうだけど。やりすぎて死ぬのは嫌だからね?

(どうやらなつかれた様子なにゃんこと十三とのショートコントをみて苦笑いを浮かべながら、慰めるように肩を叩いて)
だいじょーぶ。きみに向ける感情が変わることはないさ。
そんなに人でなしじゃないよ、ぼくは。きみの言うように猫たらしかもしれないけどさ。
松庭先生もですか?……もしかして、イレギュラーズ全体への刷り込みですかねぇ。
何だかんだで俺達という存在はもてはやされていますが、パンドラを溜める事でどう世界を救うかが明示されていない。
ローレットのギルドの人達はどうか知りませんが、少なくとも俺は空中庭園の奴らを信用しちゃいません。

パンドラによる不死性や不思議なギフト。おまけにローレットの名の元にある程度の悪行は許される……美味すぎる話でしょう。前に酒場で会った人工イレギュラーズは、腕にギフト風のギミックを仕込んだ結果、金属アレルギーで壊死しちまってましたけどねぇ。
八つ当たられたんで、倍額の治療費で治してやりましたよ。とびっきり痛みを与える方法で。

……死にませんよ。先生に治して貰うんですから(そこは万全の信頼を置いていると言わんばかりに、けろっとした様子で言い切る)

まぁ、猫をたらし込むくらいは甘んじて許しましょう。患者以外の変な男とか女とか連れ込んで来ようモンなら、俺ァぬこカフェに3日は引きこもりますよ。くすん。(最後には冗談じみた泣きまねをして立ち上がる。弥七もようやく気が済んだのか名残惜しそうにしながらも、十三の肩にのぼる)
それで、すっかり忘れてましたが俺の部屋を用意してもらえるんでしたっけ。
あはは。信用するとかしないとか以前にぼくは特異運命座標が嫌いだからねぇ。
世界が滅亡するとかぼくには興味ないな。あぁ、でも滅亡したら人を治せなくなるのかー、それはそれで……
(むうむうと考え込む……ふりをした。)

わーぉ。じゅーぞーくん凶悪ぅ。
だいじょーぶ?その人ちゃんと終わったあと息してた?

本当にィ?信じていい?蒸発とかもダメだからね?
(一々注文が多いと思われるかもしれないが確認せずには居られなかった。
「あ、猫を連れ込むのはいいのか。まぁ猫好きみたいだから当然かー」と考えながら)
あ、うん、部屋ね。日当たり良好、角部屋でシャワーとトイレは別。簡易キッチンもあるよ。
嫌いでもなってしまったからには、もうしょうがない事ですよね。……イレギュラーズとして喚ばれなければ、俺は先生に会えなかった筈ですし、イレギュラーズに感謝くらいはしています。
……って考えるところ、そこなんですか。
(考える相手の横顔を、へらりと笑って見つめた。
愛おしいなぁ、と慈愛に目を細める)

勿論、加減はしましたよ。命に別状がないくらいにはね。自分の勝手で自分の体を弄ったんだから、これくらいは自己責任ってやつです。

……えぇ。
(仮にもし、イレギュラーズが使命を終えたら……果たして旅人は何処へ行くのだろうか?
元の世界を思い出し、尽きない不安感を振り切って肯定を返した。
部屋の話を聞くと目を丸くする)
良物件ですねぇ。普通に宿泊施設にも使えるんじゃないですか?この診療所。

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