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ギルドスレッド

異世界歴史学研究調査事務所

応接室の日常

 外面を整えまくっている異世界歴史学研究調査事務所だが、その実その取り繕った立派さを発揮する事は滅多にない。何故ならそれを利用する立場にある男が非常に面倒臭がりであり投げ遣りだからだ。
 例えば、己の伝記を書かせるのに大枚をはたきそうな金持ちの上客であれば、男は部屋を改めて整え、不精髭を剃り、髪の毛をキッチリ撫でつけて出迎えるだろう。
 だがそう言った上物の依頼客は事前の予約が必須としている。『忙しい≒凄い繁盛してますよ』アピールをする為にもそこは徹底しているし、そもそもそう言う類の客は普通事前に連絡か人を寄越すのでどの道飛び込みはほぼあり得ない。

 よって、平時の応接室はつまり、男にとってはのんべんだらりだらけるための休憩スペースに他ならないのである。

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あ゛ー(上等なソファをベッド代わりに、ダラーっと仰向けに寝転がっている、口にはシケモク。これはまた上等な大理石のテーブルの上に無造作に置かれた安物の灰皿の上には大量の煙草。シケモクの補充は充分らしい……) くっそ、暇だな。なんかねえかな。仕事が入ったら入ったで面倒だが、全くないのもなあ……前の仕事、もうちょっと引っ張って後指一本分くらい分厚くすればよかったか……
(入り口のドアをノックして、間髪入れず開く。ドアの向こうには、胸を張って立つ少女)
もし、良いだろうか。こちらに旅人の過去を記述してくれる者がいると聞いたのだ。ひとつ、わたしについて書いてくれるだろうか。
(口にした煙草と、なにやら呟く声を聞いて)
ああ、礼拝の類の最中であったか?ならば出直そう。
(開いた扉にガバっと起き上がり)……ふむ(取り敢えず金持ちの類で無さそうな事を確認して顎の不精髭を撫でつつ息を吐く)……よっこらせ、と(年寄り臭い掛け声とともに起き上がり、トントンと腰を叩きながら入り口に近づいて)
ま、ともかくいらっしゃいませだお嬢ちゃん。
お前さんはウォーカーなのか?
だとしたらその認識は間違ってねえし、俺は腹痛と財布を落とした時以外は無宗派なんでね。礼拝なんてしてないから気にしないでくれ。
(灰皿を机の隅に押しやり、前の席を指さす)
ま、ま、お客さんなら先ずは座ってくれ。
流石の俺も、レディを立たせてのうのうと喋る様な趣味は持って無いんでね。
(滑るように移動して、椅子の前に)
お嬢ちゃんではない。わたしはラクタという名前を名乗っている。
そして察しの通り、私は旅人、ウォーカーだ。
宗教的行為ではないのか?では、遠慮なく。
(椅子に座り、背もたれに背を傾けて)
(ラクタが座ったのを確認してから、自分も正面の席に座り)
ラクタだな。じゃあラクタ、俺の事はジャンクとでも呼んでくれ。
あんたらウォーカーの生い立ちやら偉業やらを聞き取りして、文章に書き出して、本にする担当だ。ただ、どんなウォーカーでも本にする訳じゃない。一口に旅人って言ったって色んな奴がいる……あー、こう言っちゃなんだが、物凄い普通……つまりこの世界の一般的な住人と全然変わらない人生を歩んできていて、いまいち本にするにはパンチに欠ける旅人だっている。まあ、書き方次第だったりもするが……

まあ、つまりだな。
先ずはラクタ、君がどういう人でどんな人生を送って来たかを知りたい。
そこが分からないと判断が出来ないんでね。
わたしは、汝が言いたいことは大体理解したものと思う。
一方で、わたしにとっての普通はこちらの者にとっての普通ではないだろうという懸念もある。
とにかく、簡単に自己紹介をすれば解決するであろうか?ふむん?(足を組んで、口元に手を当てて)
理解してもらえるかはわからないが、わかるような言葉で話すよう心がけよう。
星空を見たことがあるだろうか。この世界の星空がどうなっているか、わたしはまだ浅薄にして知識がないのだが、そこに星々がつらなり、川と呼ばれる、実際は銀河中心に向けて密度の増す星々の光を反映したものなのだが、星空に見える星が集まった川、そう川。大体思い出してもらえただろうか。わたしは、その端から端までくらいの大きさをした、生き物だった。
世界が変われば常識も普通の定義も変わる。まあ、道理だな。
だが、それらをすり合わせる事で、また新しい音楽が生まれる。
俺の書く本がその一助になれば尚良し。
異世界歴史学研究調査事務所は世の発展と人々の融和の為に活動しています、ってものさ。
(笑って肩を竦め、膝の上で腕を組んで話を聞く体勢に)

……ふむ。
(話の一区切りが来るまで聞いて、一息吐き。咥えたままだったシケモクを指に挟んで取り、灰皿に押し付け直す)
うーん……
(腕組みをして少し黙考)
…………ううむ
(やにわ立ち上がり、少し逡巡してから座り直す)
うん。
(テーブルに両肘をついて組んだ手の間に顎を置くポーズを取って、絞り出すように)
……それはその、既に生き物の括りを超えてないか……?
なるほど、分からない。分からないが、わたしは汝のような物言いを詩的ということをなんとなく知っているぞ。
この箱の名からもう少し学究の徒かと思っていたが、なかなかよい言葉を話す。
旅人の記録を書き上げるときは、その才が役に立つのであろうな。

(しばし悩む姿を眺めて、出た結論を聞いて、両手を大きく広げる)
そう、言われてもな。わたしは、わたしであり、前のわたしは、大きなわたしで、それでも自意識があり知性を宿していた。それを「生き物」と呼ばずしてなんと呼ぼうか?この世界への召喚に伴い、わたしの肉体はいわゆる人間と同じサイズまで縮んでしまったが、大本は同じだ。まさか見目だけで生命体の可否を判断するほど浅薄ではあるまい。既に複数のウォーカー、旅人に出会っているのならばなおさらだ。
……ああ、まあ、ねえ。
(少し気まずそうに不精髭を摘み、ブチリと抜いて)
詩的って言うか、語りに関しちゃ上手だって褒められた事があるしな。
素質ってのが多少はあるんだろうさ。

しかし……うーん。そうか。そうだなあ……
確かに旅人は色々だ。オールドワンをぶっちぎって鉄の塊だったりする奴もいれば、逆に霧か霞見たいなやつもいる。て言うか自分は死人だ亡霊だなんて言う奴もいる。実際半透明だったりするし。…それに比べれば、突き抜けてデカいって事程度は或いは寧ろ些事なのかも……知れない。か?

ただ、すまん。流石にナチュラルにこの世界自体よりも遙かに大きいサイズだった旅人は初めてでね。戸惑った。と言うか正直未だ戸惑っている。今現在の君の姿がその可愛らしい少女だって事のギャップも込みでな。

(眉間に手をやり少し考えて)
……んー、しかし。なるほど。伝記の題材としては良いな。突き抜けて個性的だし。

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