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異世界歴史学研究調査事務所

応接室の日常

 外面を整えまくっている異世界歴史学研究調査事務所だが、その実その取り繕った立派さを発揮する事は滅多にない。何故ならそれを利用する立場にある男が非常に面倒臭がりであり投げ遣りだからだ。
 例えば、己の伝記を書かせるのに大枚をはたきそうな金持ちの上客であれば、男は部屋を改めて整え、不精髭を剃り、髪の毛をキッチリ撫でつけて出迎えるだろう。
 だがそう言った上物の依頼客は事前の予約が必須としている。『忙しい≒凄い繁盛してますよ』アピールをする為にもそこは徹底しているし、そもそもそう言う類の客は普通事前に連絡か人を寄越すのでどの道飛び込みはほぼあり得ない。

 よって、平時の応接室はつまり、男にとってはのんべんだらりだらけるための休憩スペースに他ならないのである。

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理解してもらえるかはわからないが、わかるような言葉で話すよう心がけよう。
星空を見たことがあるだろうか。この世界の星空がどうなっているか、わたしはまだ浅薄にして知識がないのだが、そこに星々がつらなり、川と呼ばれる、実際は銀河中心に向けて密度の増す星々の光を反映したものなのだが、星空に見える星が集まった川、そう川。大体思い出してもらえただろうか。わたしは、その端から端までくらいの大きさをした、生き物だった。

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