PandoraPartyProject

特設イベント

空中神殿パート

●突然、召喚されました

 運命は急な坂道を転がり落ちる真っ赤な林檎のようなものである。
 追いかける程に遠ざかり、遠ざかっては近くに見える――それはまるで逃げ水だ。
 全くどうしようもない位に魅力的な<彼女(ファム・ファタル)>は全く容赦無く、時に残酷なまでに気まぐれで、時に天佑のように誰かに加護をもたらす事もあるだろう。

 例えば、特別な白兎を追いかけて、少女が不思議の国に迷い込んだように。
 例えば、不慮の事故に出会った男子高校生が、見知らぬ世界で目覚めた時のように。
 例えば、黄泉比良坂を駆け上がり、不可逆の結末を変えたと思った時に。
 例えば、終わりゆく世界で涙を流した聖女の願いを叶えるように。

 一見、何の統一性も無い経緯の全ては、無遠慮な運命の一言に塗り潰されるのだろう。
 それは確かに、唐突で、好悪問わず絶対的に強制――全くもって悪い冗談そのものだった。

 ――自分は、気付いたら見知らぬ場所に迷い込んでいた――

 物語の世界では古典時代から嫌という程に使い古された良くある話だが、そんな王道も自身を主人公に据えれば途端にそうではなくなってしまうものだ。

 ――前後の経緯は全く不明。だが、それだけは事実で、周囲には同じ事情の者も多い。

 貴方の世界がどんな世界であるか――この混沌に生まれ落ちた純種なのか、無数に存在する何処かの世界からの旅人なのか。この物語は、それを確定しないが。
 もし、貴方がこの混沌世界の『純種』ならば『特異運命座標』の話を思い出すかも知れない。
 もし、貴方が『旅人』であるならば、現状は全くの不明だろう。
 何れにせよ、貴方の周りには、貴方の常識からはかけ離れた多くの人々(?)が居る。
 その内の幾らかは――確かに混乱と困惑の顔を見せている。
 彼等の様子から類推するに、状況は自分と似たものであるという事はすぐに分かる。
 然程の努力をしなくとも、そこまでの把握は簡単で、同時に自己で把握出来る全てとも言える。不明の世界では見えるものと、夢では無い事だけが確実だったという事だ。

 ……どうするか?

 そう、現実が「突然見知らぬ空中庭園に立っていた」ならば、それは受け入れるしか無い。多少の混乱や恐慌が入るのは当然だが、最終的には受け入れなければ進めない。
 見晴らしは余りにも良すぎる。眼窩に見える地上世界からこの場所は一体何メートル隔絶されているのだろうか? 重力に逆らって空に浮かぶ島は、大抵の世界常識における神秘そのものだ。苔むした石畳の続く先――庭園の中心部には一際造りのしっかりした建物があるようだった。
 一見してのイメージは何かを祀るような厳かなる神殿。
 実際の所、そこがどんな場所なのかは――想像以上では語れないが、貴方はやがてその場所に足を運ぶ事になるだろう。

 この瞬間が――混沌世界の紡ぐ物語、その流転の始まりの時。
 即ち、The First Day。

●詳細

 オープニング執筆:YAMIDEITEI
 リプレイ執筆:YAMIDEITEI

『神託の少女』ざんげ(p3n000001)の居る空中庭園(神殿)に召喚された直後の特異運命座標の姿を描くパートです。神殿に呼ばれた直後というシチュエーションでプレイングをかけて下さい。
 NPCに関しては、ざんげ、月原・亮(p3n000006)、アルテナ・フォルテ(p3n000007)のみ描写される可能性があります。

 参考はこちら

空中庭園パート・リプレイ

掲載形式につきまして

 グランドオープニング『The First Day(空中庭園パート)』は一定量ずつ返却をいたします。
 本パート、空中庭園パートにつきましては合計四章で編成され、順次返却いたします。


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