PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<泡渦カタラータ>誘う声

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●満たされない欲の名
 ──おいで。

 ──こちらへおいで。僕の仲間になって。

 その『呼び声』に、1隻の船が大渦へ引き寄せられていく。
 正気を失った船員達は謝った方向であることに気づけない。気づくことができないまま、ぽっかりと海にあいた穴へ落ちた。
 船が破砕し、船員たちの命が海に沈んでいく。
「……なんで、どうして仲間になってくれないの? ねえ、なんで?」
 甲高い、少年の声。それは悲しみから苛立ちへ色を変える。
「なんで、なんでなんでなんで!! 他の奴らには仲間がいるくせにっ、どうして!」
 妬ましい。羨ましい。
 少年には死体を操る能力はなかった。死んでしまっては仲間になってもらえなかった。
 いいや、例え仲間になったとしてもこの感情は消えなかっただろう。もっと、もっとと欲に際限はない。
 彼を苛むのは、決して満たされない欲──嫉妬。

●ローレット
「海洋に出現する魔種が活発化しているのです」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)の言葉にイレギュラーズ達は表情を険しくした。
 少し前から海洋では幻想楽団『シルク・ド・マントゥール』の大討伐から逃げのびたチェネレントラや、その他も魔種が確認されている。今回もその1人なのだろう。
「最近、海洋には謎の大渦が発生していたのです。これは誰かが何かの目的で発生させたもの……今回の魔種は、その渦の傍で海洋の船を引きずり込んでいるのです」
 現在、海洋の女王イザベラと寄贈代表のソルベ・ジェラート・コンテュールの双方から大渦への対処を依頼されているローレット。
 それらを調べる為にも、魔種やチェネレントラ達が操っているであろう屍骸を倒さねばならない。
「このまま魔種を放置していても、『原罪の呼び声』で海洋の人達が危ないのです。……もちろん、皆さんの中でもこの世界で生まれた人は影響を受けてしまいます。気をつけてくださいね」
 聞き手の中に純種と思しき顔も見えたのだろう。ユリーカの表情が僅かに曇る。
 仲間から──ローレットの一員からも反転してしまう可能性がある。それはできるだけ考えたくないし、実現してほしくもないことだろう。
「確認された魔種は、『仲間になって』と呼びかけてくるのだそうです。あと、振り切って逃げる最中に海の中から魔法のようなものが飛んできて、船を壊されかけたって人もいたのです」
 海の中に潜む魔種。水中適性があるのなら元は海種だろうか。
「あとは……あっ。その攻撃の時、床の一部が凍ったらしいのです。もしかしたら、そういった魔法を使ってくる相手なのかもです」
 情報は多くない。けれど、海の中に潜む危険な魔種であることを考えれば、必死にかき集められた情報なのだろう。
「戦うのは水中か」
 聞き手の誰かが言う。周囲がはっとした表情を浮かべた。
 イレギュラーズとはいっても、誰しもが水中で満足に戦えるわけではない。それこそ海種でもなければ。
「あ、そこは大丈夫なのです! 練達が特製装置を作ってくれたのです。その装置……『海中戦闘用スーツ・ナウス』を着れば、渦の中だって息ができてしまいます!」
 そこは準備ばっちりなのです、と得意げな表情を浮かべるユリーカ。
「できるだけ、いつもと変わらず戦えるようになってるはずなのです。……でも、相手は魔種。気をつけてくださいね」

GMコメント

●成功条件
 魔種『セーロ』の撃破

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

●魔種『セーロ』
 少年の姿をした魔種です。人間姿ですが四肢に鱗が点在していることから、元は海種だったのだと推測されます。
 大渦の傍におり、渦に近づいて来た者を呼び声によって仲間にしようと試みては死なれてしまっています。純種は原罪の呼び声に影響されるため、該当の皆様は注意してください。
 両腕に抱えられるほどの石板を持っており、それを媒介に神秘系攻撃を仕掛けてきます。単体・範囲攻撃共に行えるようですが、【氷漬】【崩れ】のBSが付与されることがわかっています。
 ステータスとしては命中、防御技術が高いことは判明しています。その他は不明です。

●ロケーション
 海洋近海に発生した大渦の傍です。天候、視界等は悪くありません。
 基本的に海中での戦闘となるかと思いますが、皆様には練達の作った『海中戦闘用スーツ・ナウス』が配布されます。これを身に着けることで渦の中でも息をすることができます。海種の方はつける必要はありません。
 また、海中戦闘のため、炎を扱う攻撃は与えられるダメージが3分の2になります。(当シナリオ限定ルール)

 民間の船は可能な限り海域に出ないようになっています。
 被害に遭った船は引きあげようとして、呼び声に囚われてしまったものだと思われます。

●ご挨拶
 愁と申します。
 危険な魔種撃破の依頼となります。渦の調査シナリオではない為、戦闘へプレイング文字数を割く方が被害はやや軽減される……かもしれません。皆様のプレイングを楽しみにしております。
 ご縁がございましたら、よろしくお願い致します。

  • <泡渦カタラータ>誘う声Lv:7以上完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2018年10月23日 21時55分
  • 参加人数10/10人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
祝呪反魂
アリシス・シーアルジア(p3p000397)
黒のミスティリオン
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
アレフ(p3p000794)
純なる気配
メートヒェン・メヒャーニク(p3p000917)
メイドロボ騎士
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
アリソン・アーデント・ミッドフォード(p3p002351)
不死鳥の娘
エスラ・イリエ(p3p002722)
牙付きの魔女
Briga=Crocuta(p3p002861)
戦好きのハイエナ
四杜 要(p3p006465)

リプレイ

●羨望する少年
 『牙付きの魔女』エスラ・イリエ(p3p002722)の放ったファミリアーにより、イレギュラーズ達は不意打ちを受けることなく接敵に成功した。
(水中戦闘って初めてかも。いつも通りじゃないこともありそうだし注意しないといけないわね)
 水に包まれているという感覚に、エスラはそっと視線を辺りへ滑らせる。
 孤独を埋めるその願いは、本来どこにでもあるようなものだろう。
(でも、この力は誰かを守るために使うと決めているんだ。だから……)
 誰かを破滅へと導く魔種の仲間にはならない。
 自らの意思を強く持ち、『メイドロボ騎士』メートヒェン・メヒャーニク(p3p000917)が目を開ける。やや見下ろす形で視界に入るのは、四肢に鱗を残している人間型の海種──魔種『セーロ』。
(なるほど、あれがこの世界の『厄』か)
 四杜 要(p3p006465)は水中でもセーロより浅い場所から少年を見下ろした。
 セーロは子供に似つかわしくない静かな表情でイレギュラーズ達を見渡す。その視界をメートヒェンの揺れるスカートが邪魔をしているが、今のところは特に何とも思っていないように見えた。
「イレギュラーズ……知ってるよ。『仲間』と一緒に僕らを邪魔してくる羨ましい人たち。ねぇ、なんで僕らとは、僕とは仲間になってくれないの?」
「……何処でお前は間違っちまったンだろうなァ」
 『死を呼ぶドクター』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)はセーロに過去の自分を重ねる。
 心を赦せる誰かが欲しかった。友を、仲間を欲する少年にはどこか似たものを感じていて──けれど、レイチェルと少年の進んだ道は異なっている。
「間違い? ……違う、間違いじゃないよ。僕は間違ってなんか、」
「間違ってンだよ。しかも取り返しがつかねェときた」
 セーロの言葉を遮って『戦好きのハイエナ』Briga=Crocuta(p3p002861) が飛び出していく。しかし当てた拳から伝わるのは子供らしい柔な感触ではなく、セーロも大したダメージを負ったようには見えない。
 防具か。それとも魔種となったことによるものか。
 レイチェルの放った深い闇を躱したセーロは、水中での視界に慣れた『『幻狼』灰色狼』ジェイク・太刀川(p3p001103)の射撃によって動きを鈍らせられた。
 《獣の嗅覚》が危険をこれほどかと感じさせる。けれど手に持った拳銃を強く握れば、贈ってくれた恋人の姿が瞼の裏に浮かぶようで。
「てめえのエゴに付き合ってられるか。俺には俺の帰りを待つ人がいるんだ」
「帰りを待つ人……家族かな? それとも仲間かなぁ」
 いいなぁ、と顔を歪めるセーロ。『饗宴の悪魔』マルベート・トゥールーズ(p3p000736) が身の内の獣性を呼び覚ますような声で囁く。
「慰み物の死骸となって海に沈むのは、御免被るけれど……折角だ。遊び相手くらいにはなってあげよう。一緒に殺しあって遊ぼうじゃないか」
 水を震わせてセーロの耳に届く声。しかしセーロは頭を振った。
「死んだら遊べない。ずっと……ずっと一緒に遊んでくれなきゃヤダ!」
(……こいつらは仲間を何だと思ってるのかしら)
 『不死鳥の娘』アリソン・アーデント・ミッドフォード(p3p002351)は目を眇めた。
 死体を操る魔種、強制的に言う事を聞かせようとする魔種。その執着は、魔種になる以前のことがあったからこそだろう。
 だが、哀れむことはあっても許すことはない。彼らの行為は理不尽なものだ。
 要がセーロの頭上から黒鴉を放つと、はっと見上げたセーロが咄嗟に半身を捻って躱す。その横っ面にメートヒェンの蹴りが入り、同時に彼女の言葉もセーロの耳へ届いた。
「君はきっと私よりも強いんだろう、だけど……私達には一緒に戦う仲間がいる。たった1人の君に負ける気はしないね」
「……っそう、僕は1人だ。強くたって仲間はいない! どうして弱い君達には仲間がいるの? なんでなんでなんでなんで……!」
「『仲間が居る』のが羨ましい、妬ましい――この少年も『羨望』ですか」
 『仲間』の存在を強調された言葉にセーロは容易く煽られ、ほぼ同時に放たれた見えない糸がセーロの動きを封じるべく絡みつく。放った主である『黒のミスティリオン』アリシス・シーアルジア(p3p000397)は静かにセーロを見つめた。
 原罪の呼び声は特定の感情が鍵になっており、同調する感情を強く持つと影響を受けやすく、反転もし易い……というところだろうか。
 だが、それだけがわかっても倒せるわけではない。
(油断なく、最後を見届けるまでは気を抜かぬようにせねばな)
 通常と異なる戦場にも気を払わねばならない。『堕ちた光』アレフ(p3p000794)は注意深く相手の回避行動が鈍る時を待つ。
「皆ずるい! ずるいずるいずるい! 仲間になってくれないなら──沈んじゃえ!」
 セーロの抱きしめた石板が淡く光り、無数の氷が結晶となって要以外の全員へ飛来する。水中行動に有利であるレイチェルとアリソン、そして範囲攻撃を危惧して散開していたアリシスは攻撃から逃れた。鋭くなった結晶の切っ先は他のイレギュラーズの肌を切り裂き、また何人かの四肢を凍らせ始める。
「皆、気をつけて!」
 最後方からの声にイレギュラーズ達が射線をあけ、同時にエスラが一条の雷撃を放つ。しかし凍った体に集中力が削がれ、攻撃はセーロの脇腹を掠めるに止まった。アレフの放った簡易封印もセーロは間一髪で逃れる。
 要は仲間のいる位置まで泳いで移動すると、超分析によって前衛の仲間を氷から救い出した。その様子にセーロが歯噛みする。
「そう簡単に、思い通りになる訳ないだろ?」
 セーロを見てそう告げる要。他のイレギュラーズ達も彼を倒すべく動き始めた。


●少年のココロの中
 誰だっていい。1人は孤独で、寂しい。仲間と呼べる存在が欲しい。それはイレギュラーズだって構わないし、それこそ人間じゃなくたっていいのだ。
 けれど向けられるのは敵意ばかり。──今だってそう。
 目の前のイレギュラーズ達はセーロを倒そうと武器を持ち、誘いに乗らないようにと気持ちを強く持っていることが分かる。それはきっと、大小の差はあれど『仲間』がいるからなのだ。
 そう思えば思うほど、羨ましくて妬ましくて仕方がない。
 ああ、ほら。今だって皆で助け合って、僕への攻撃を重ねていく。
 繰り返される攻撃に回避する動きも鈍くなって、なんだか不調が酷くなっていく。きっとイレギュラーズたちの考えた作戦のせい。皆できっと考えたんだろうな。
 妬ましくて妬ましくて妬ましくて──。

「──僕の目の前から、消えて!!」


●短期決戦から、長期戦へ
 セーロを起点にして、冷たい波動がイレギュラーズを襲った。後衛まで届く事は無かったが、体にまとわりつく氷は集中力を、ひいては命中力や回避の動きを悪くする。
「チッ…うざってェなクソガキがァ!!!」
 Brigaは血意変換を使っても逃れられない氷に舌打ちし、そのままセーロへ向かって行く。当たりは良くないが、体勢の乱れた相手には先ほどより手ごたえを感じた。
 エスラの雷撃で痺れているセーロには今だと言わんばかりに攻撃が加えられる。
「……暗澹は吸血鬼たる俺のテリトリーだ」
 レイチェルが深い闇にセーロを閉じ込め、マルベートも戯れるようにナイフとフォークを模した双槍を振るう。
 封印によってスキルの使えなくなったセーロに光の蝶がまとわりついて──絶叫が当たりに響き渡った。
「触れれば呪いが命を蝕む死蝶の幻舞……効いているようですね」
 アリシスが水中でのたうち回るセーロを見る。離れている距離はまだ少年を警戒対象としていることを感じさせた。
「──悪ィが、あとは通常攻撃と回復しか余裕がねェ」
 苦々し気にレイチェルが告げる。その現状はレイチェルだけでなく、おおよそ全員が同様であった。
 相手に不調──バッドステータスを与えるほどの攻撃はそう何発も打てるものではない。そしてそのためのリソースにも余裕があるとは言い難かった。回復のことも考えれば、尚更だ。
 アリシスの攻撃に倒れてくれれば上々。──だが。
「羨ましいなぁ……仲間と戦えるの、いいなぁ」
 しぶとい魔種は石板を媒介に通常攻撃を仕掛けてくる。体力の消耗が激しい仲間をメートヒェンやアリソンが庇い、よろめいたメートヒェンを先にレイチェルが回復する。
「仲間ってのはね、私には『大事』な暖かいものなのよ。それをアンタに奪わせやしないし、私も絶対に倒れてやるつもりはない!」
 既に再生の力も守りの力も失われ、再付与することも敵わない。それでもアリソンは仲間を信じ守り続けるのだ。
 それは親であった不死鳥──その消えない炎に誓った思い。
「なにそれ……僕にもくれたっていいじゃないか!」
 徐々にバッドステータスから解除されるセーロ。その怒りにも似た苛烈な瞳がアリソンを射抜く。それを邪魔するかのようにエスラの遠術がセーロを襲った。
「ここにいる皆、あなたの仲間にはなれないの。私にだってやるべきことがある。そのために長い年月の孤独にも耐え忍んできたわ」
「孤独だったならわかるでしょ? わかってよ……っ、」
「──氷の礼だ。呪詛の味を教えてやる!」
 要の式符がセーロへ襲い掛かる。続いたジェイクの射撃を躱すと、セーロは大きな氷の柱を瞬間的に構築し、前衛の頭上から振り落とした。
「メートヒェン! マルベート!」
 接近しようとしていたメートヒェンとマルベートが攻撃を受け意識を失い、マルベートの魔術によってセーロは反撃をくらう。要が2人の名を呼ぶが意識の戻る様子はなく、その体は揺蕩いながらゆっくりと浮上していた。
 近くの岩場に隠れていた要の式神が、離脱させようと泳いでいく。だが、式神の力では人間ほどの重さを持つことができない。それを見たアレフが代わりにメートヒェン達の方へと向かっていった。
「いいなぁ、心配してくれる仲間がいていいなぁ……!」
 羨望の声と共に飛んでくる氷の矢。アレフがはっと振り返ると同時、大柄な影が間に立つ。
「っ、させるかよ」
 アレフを庇ったジェイクは、痛みを感じながらも不敵に笑って見せる。
「とっても仲間思いで……妬ましい」
「仲間仲間って言ってるけどよ、海中に引きずり込んだら仲間になる前に人は死んじまうんだぜ。そんな事も理解できねえのか?」
 ジェイクの言葉にセーロは「はは」と笑みを漏らした。
「知ってる、知ってるよ! 誰だっていいし、すぐそこに来るから呼ぶだけだもん」
「──ダチは欲しがって作れるモンじゃねぇ。気付けば心を通わせて、ダチになってるモンなンだ」
 セーロの足元で緋色の光が魔術式を展開する。次の瞬間、セーロは吹き出した闇に体を切り裂かれた。
 しかし噴出する闇を突き破ってきたセーロは、その勢いを保ったままレイチェルへ突進した。形成された氷の太刀が袈裟懸けに振り下ろされる。
 寸前、滑り込んだのは緋色の軌跡。──緋色の髪をした、少女。
 レイチェルを庇ったアリソンはぐらり、と体勢を崩す。
「こっちにもいるんだ、よそ見すんじゃねェ!!」
 Brigaがセーロの背後から襲い掛かる。はっと振り返ったセーロは咄嗟に石板で攻撃を受け止め、微かに割れるような音をBrigaは聞いた。
 Brigaの背後から要が式符を飛ばすが、セーロが水を蹴って避ける。その先をエスラが遠術で狙い撃ち、次いでレイチェルの魔術式がセーロを襲う。
「仲間と協力して攻撃してくるの、羨ましいなぁ……痛いけど、羨ましい。すごくすごく羨ましいなぁ!!」
 自身を起点に、ぶわりと氷のつぶてを飛ばすセーロ。Brigaとジェイクが巻き込まれ、範囲内に入っていた要とアリシスも四肢を凍らされていく。レイチェルは歯噛みした。
 自分の前で仲間を死なせまいと思っていたのに、これだ。
 しかし彼女の広い視野が、セーロが次に狙う人物まで捉える。
「アリシス! 気をつけろ!」
 その言葉にアリシスがはっと槍を構え、向かっている氷の矢をなんとか目の前で弾き落とした。
「助かりました」
「まだ気を抜くンじャねェ」
 レイチェルがアリシスに回復をかけ、要もまた超分析によってアリシスと自分の氷を壊す。同時にアレフが最後の力を振り絞って魔力を破壊の力へ変換し、セーロにぶつけた。エスラもまた、充填により溜まった魔力で殺傷の霧を放つ。
 けれど、まだセーロは止まらない。鋭くレイチェルの体に氷の剣が突き刺さる。
「レイチェル様!」
 アリシスが呼びかけるが、応えの声はない。
「仲間を心配するのも……心配されるのも。羨ましい」
 はっと顔を上げるも僅か遅く、セーロの放った氷の矢がアリシスを襲った。
「危険な攻撃に呼び声……魔種ってほんとに厄介ね」
 エスラが小さく呟き、まだ動けるアレフと要に目配せした。──これ以上の戦闘は不可能だ、と。
 時間が経って水面へ浮かんでいった仲間もいるが、まだ周囲を揺蕩う者もいる。3人は戦闘不能者を抱えながら、戦線を離脱した。

 その背中を見てセーロは──追撃しなかった。
 何を思ったかはわからない。けれど、水を伝わってイレギュラーズにも届いたかもしれない。
 ──やっぱり羨ましい、と。

成否

失敗

MVP

なし

状態異常

ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)[重傷]
祝呪反魂
アリシス・シーアルジア(p3p000397)[重傷]
黒のミスティリオン
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)[重傷]
饗宴の悪魔
メートヒェン・メヒャーニク(p3p000917)[重傷]
メイドロボ騎士
ジェイク・夜乃(p3p001103)[重傷]
『幻狼』灰色狼
アリソン・アーデント・ミッドフォード(p3p002351)[重傷]
不死鳥の娘
Briga=Crocuta(p3p002861)[重傷]
戦好きのハイエナ

あとがき

 お疲れさまでした。
 こういった戦法もなしではありませんが、結果はリプレイの通りです。
 ちなみに、セーロの持っていた石板は皆様が予想されていた通り『武器』となります。微かな傷ができてはいますが、未だ武器として使用可能となっています。

 再戦の機会がございましたら、どうぞよろしくお願い致します。

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