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シナリオ詳細

<フイユモールの終>いつか消えた場所で

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●その場所は
 降り注いでいる。雷と雨が、滝のように降り注いでいる。
 薄暗い荒野と、その中にある神殿のようなもの。
 此処が何処のどんな場所であったのか、記憶する者はただ1人しかいない。
 『冠位暴食』ベルゼー・グラトニオス。
 この場所と人を喰らいつくしたかの魔種しか、此処を記憶してはいない。
 そう、かつて此処は暗殺教団と呼ばれた場所であった。色々とあってベルゼーに喰われたが、此処はその再現であるようだ。
「……くだらねえ感傷だ。ま、あの男らしいとは言えるか」
 そこに立つ1人の女は、勿論ただの女などではない。
 金の髪と目を持つ、まるでヤンキーのような雰囲気を持つ亜竜種の女のような姿をとっている女の名は、『雷鳴竜(らいめいりゅう)』アイロッド。
 将星種『レグルス』の一角であり、今はとある方法によりこの『飽くなき暴食』の中にいるのだ。
 では、何故わざわざこんな場所にいるのか?
 その答えは単純で、此処にやってくるであろうイレギュラーズを撃退するためだ。
「さあ、来てみろ。義理の分は相手をしてやるからよ」
 彼等は必ず此処に来る。そう確信するようにアイロッドは呟いていた。

●『飽くなき暴食』の中へ
「すでに話は聞いていると思うです」
【旅するグルメ辞典】チーサ・ナコック (p3n000201)は集まった面々を前にそう声をあげた。
 ラドネスチタによる『選別』をうけ、イレギュラーズが辿り着いたのは『ヘスペリデス』と竜種達の呼ぶ緑豊かな場所であった。
 その地に点在していたのは、女神の欠片というベルゼーの権能の『規模』を僅かに抑える事の出来る『巨竜フリアノン』の力の残滓である。
 ベルゼーの権能の暴走が近づく今、竜種達は再度の警告に出た。
 ――この地を立ち去れ、と。
 ある者は『ベルゼーに大切な者を傷付けさせたくはない』と願った。
 ある者は『竜の地を人が踏み込むことを許せない』と詰った。
 また、ある者は『イレギュラーズを食い止め、ベルゼーの権能の矛先を練達や海洋に向け彼を延命させたい』と告げた。
 様々な思惑が渦巻く中、男の権能は暴走を始め、ヘスペリデスは崩れゆく。
 遂に相対した男の権能は暴走していた。彼自身に求められぬ滅びの始まり。全てを喰らい尽くさねば納得もせぬ『腹』は底なしの欲求を伝えている。
 それがベルゼーの宿す権能――『飽くなき暴食』。
 数多を喰らうその力は、人も竜も大地も全て呑み込まんとするか。
 放っておけばヘスペリデスだけではない。覇竜領域も……外の世界も全ていずれは……。
 故に、ならば成し得るべきは一つ。冠位七罪ベルゼーを――止める。
 世界が食い尽くされる前に、彼を止めなくてはならないのだ。
 その命を、奪う事になろうとも。
 そして今、此処に集まった面々はそのために重要な1つの役割を果たさなければならない。
「『飽くなき暴食』の中へ向かい、『権能』を削るです」
 そう、幾つも存在するエリアの、その場を『攻略』することで権能が削られる形になる為、今同時に幾つもの攻略部隊が出ている。
 今から向かうのはそのうちの1つであり『雷鳴竜(らいめいりゅう)』アイロッドの担当する「暗殺教団」のエリアだ。
 かつてベルゼーが食らい尽くした「暗殺教団」を再現しており、この暗殺教団は恐らくはベルゼーにその身を捧げた者たちであろうと推測されている。
 その彼等もウィンクルムと呼ばれる存在として疑似的に再現されているようだが、『光暁竜』パラスラディエがベルゼーにその身を差し出した際に使用した『古竜語魔術(ドラゴン・ロア)』の禁術によって大幅に弱体化しているようであった。つまり、かつての彼等の絶技も色褪せている。
「暗殺教団の神殿の祭壇に安置された『ベルゼーの像』を手に入れることでエリアの所有権を宣言することができるようです」
 そのベルゼーの像が暗殺教団の象徴だから「そういう鍵」になっているのだろう。
 しかし神殿の前にはアイロッドが陣取り、その横を抜けられたとしても暗殺教団の暗殺者たちが待ち構えている。
 当然、楽な戦いにはならないだろう。しかし、やるしかない……!

GMコメント

『飽くなき暴食』の中へ。
皆さんの向かうエリアは「暗殺教団の平野」です。
雨と雷が降り注ぐ外、そして迷路のような暗殺教団の神殿です。
最奥にある「ベルゼーの像」を手に入れることが出来れば、勝利です。
アイロッドも外に排出され暗殺教団も動きを停止するので、安心して脱出ができます。

●出てくる敵
・ウィンクルム「暗殺教団教主」×1
かつての暗殺教団のリーダーの再現。
超人的な身体能力と隠密技能、そして近距離攻撃の「アサシンスラッシュ」と遠距離攻撃の「シャドウスラッシュ」を使用します。
なお、あらゆる状態異常を無効化する「万異不侵」という特殊なパッシブスキルも所持しています。

・ウィンクルム「暗殺教団」×40
かつての暗殺教団のメンバーの再現。
超人的な身体能力と隠密技能、そして近距離攻撃の「アサシンスラッシュ」を使用します。

・『雷鳴竜(らいめいりゅう)』アイロッド
竜種。将星種『レグルス』の一角。竜の中でも天帝種同様に強大な存在達です。
金の髪と目を持つ、まるでヤンキーのような雰囲気を持つ亜竜種の女のような姿をとっています。実際の姿は不明です。性格は非常に気分屋のように見えます。
今回の場合、単体の敵に稲妻を落とす「落雷」と周囲の敵に強大な電撃を放つ「万雷」を使用して攻撃してくるでしょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はDです。
 多くの情報は断片的であるか、あてにならないものです。
 様々な情報を疑い、不測の事態に備えて下さい。

  • <フイユモールの終>いつか消えた場所で完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2023年07月24日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
ルナール・グリムゲルデ(p3p002562)
片翼の守護者
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
一条 夢心地(p3p008344)
殿
鏡禍・A・水月(p3p008354)
鏡花の盾
結月 沙耶(p3p009126)
怪盗乱麻
劉・紫琳(p3p010462)
未来を背負う者

リプレイ

●アイロッドを食い止めろ
 雨と雷が降り注ぐ。いっそ災害のようだと言っていいそれはしかし現実ではなく「再現」されたものだ。
 つまるところ、かのベルゼーの中でこの光景は印象深いものだったのかもしれない。
 そして此処は、過去にベルゼーが食らいつくした「暗殺教団」のものだ。
 その始まりも経緯も終わりも、今となっては想像するしかない。
 だが、やるべきことだけはハッキリとしていると『殿』一条 夢心地(p3p008344)は思う。
「麿の役割は雷鳴竜アイロッドを足止めし、仲間を先に進ませることになる。ベルゼーの像を入手すれば仕舞いという状況、可能ならば全員で突入したいとこじゃが……流石に眼前のスケバン竜がそれを許しはせぬじゃろ。挟撃されるのは得策では無いの」
 そう、夢心地たちの視線の先にいるのは『雷鳴竜(らいめいりゅう)』アイロッド。
 今は亜竜種の女のような姿をしているが、強大な竜種であり……夢心地たちとその先の神殿の間に立っているのだ。
「あー……来やがったか。まあ、来たんなら仕方ねえ。死ぬか?」
「うむ、遠慮しよう。じゃが……殿的存在である麿、およびその愉快な仲間たちがお相手仕ろう」
 響くのは夢心地の名乗り口上。潔いとも言えるソレにアイロッドはハッと笑う。
「いいだろう。命かけてかかってこいや。名乗り通りに愉快か楽しませてもらうぜ!」
名乗り口上により殿的存在である麿、およびその愉快な仲間たちが相手することを告げよう。
 この瞬間アイロッド対応班は「愉快な仲間たち」として認識されたがまあ……些細なことだ。
「情があって喰うのが嫌だと言いながら自害はしないんだよねぇ。まあ出来ないのかもしれないけど? さてわざわざ腹の中まで来た以上問答は不要だ。全力で対峙するとしましょうかね、竜相手はしんどいなー! ルナール先生ー! ダンスの時間!」
「喰うも喰わないもそっちの勝手だが……どうせ喰わないのなら静かに引き篭もって餓死でも何でもすれば良いだけなはずなんだがな? やれやれ、まさかこんな所でルーキスとダンスをすることになろうとは。せいぜい派手に夫婦そろって踊るとするか」
  『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)に『片翼の守護者』ルナール・グリムゲルデ(p3p002562)もそう応えながら準備を整える。
「さーてーとー。スキル使用ローテーションでばしばし行きましょう!
 雷鳴竜という称号からして、雷撃無効を持ってる可能性も踏まえてはいる。その辺りは臨機応変だ。
「ちょっと遊んでいかないかい? 将星種様!」
「遊び、ね。まあお前らは遊んだだけで死ぬかもしれねえがなあ!」
「面倒な攻撃が無ければいいなんて甘い考えだったな、流石にこの情報量じゃ仕仕方ないか」
 伝わってくる強大な敬拝にルナールもそう呟くが……やるべきことは変わらない。
 ルーキスの歪曲銀鍵に合わせ、ルナールも壁役になれるように動いていく。
 そんな中、『奪うは人心までも』結月 沙耶(p3p009126)は超視力と広域俯瞰で戦場を把握しながらアイロッドを見つめる。
「暗殺教団とかまた変な名前の教団もあったものだな……ベルゼーに身を捧げた者達なら、ベルゼーに食べられて満足だっただろうか。……そんなことないだろうな、きっと。捧げられ方にもきっと拘りとかあるだろうし、意図せずして喰われることで欲を満たすなんて、そんなことないだろうからな……いやあるのか? 最早わからんか」
 沙耶の言う通り、それについてはもう分かりはしない。分かったところで何かの救いになるのかといえば……「ならない」が答えになってしまう。
「しかしここにいるのがアイロッドとは。前に「のっぽの木」の依頼で見た時はぐっすり寝ていたのだよな……今度はしっかり起きているようだが、たはー。あの時の縁がここにきて繋がったのか?」
 縁とは分からないものだ。まあ、悪感情を抱かれていないのは救いだろうか? ともかく、沙耶の役目はアイロッドを抑えることだ。
 アッパーユアハートからのアブソリュート・ワンを発動させ、他の仲間と協力しながら突入班の仲間が巻き込まれない位置に誘引していくのを狙っていけば……すでに突入班の仲間たちは神殿へ向けて走っている。あとは此処で時間稼ぎをするだけだ。
「ベルゼーの像さえ仲間が確保すれば状況はクリアなんだ、何もかも惜しんでたまるものか! アイロッド、君にも矜持があるのだろうが、この場所は解放させてもらうぞ……!」
「うむ。やるべきことは時間稼ぎになるじゃろが、見た目から察するアイロッドの気質はそれを望むまい。何より麿自身が許さぬ。ベルゼーは止めねばならぬ、それを分かっておりながら、邪魔をするこの将星種を。こちらは端から命懸け。義理じゃかなんじゃか知らぬが、全身全霊で向かって来ないのでれば、その喉笛、かき切ってくれようぞ」
 夢心地もシン・東村山と長介を振りながらそう宣言する。
 力の差など分かり切っている。しかし、夢心地には地廻竜の吐息もある。
「最後の最後にアイロッドに膝をつかせることさえ出来ればそれで良い。あくまで真っ向から押し切る、人も、竜も、世界も救うにはそれしかない以上、この歩みは止めぬ──」
「そうかい。なら受けてみな。一撃で死ぬんじゃねえぞ?」
 降り注ぐは万雷。雨のように、拍手のように。響き渡り降り注ぐ雷を受け、ルーキスとルナールは仲間を回復させるべく動く。
「本職じゃないからな、回復の質に関しては目を瞑ってくれると助かる」
「うーん流石ルナール、考えてることが一緒」
「はは、夫婦揃って考えが一緒って言うのは嬉しいね、戦闘中に言うような事じゃないが……!」
 だとしても、そうやって互いに鼓舞しあうのも、この状況では大切だろう。あとは仲間たちを信じるだけだ……!

●暗殺教団の神殿
 薄暗い神殿の中を、『劉の書架守』劉・紫琳(p3p010462)たちは走る。
 明かりなどほぼ存在しない神殿はしかし、雷の輝きでその内部が映し出されていく。
 とれない血の香りと、かび臭さ。そんなものが漂うこの場所は、間違いなく何かしらの薄暗い事情を抱えたモノのそれであった。
「ベルゼー様に身を捧げた暗殺教団……? 単なるベルゼー様の信奉者だったのかそれとも……。いえ、考えるのは後。今は少しの時間も惜しい。速攻で突破して少しでも権能を削る。やるべきことはそれだけです」
 『劉の書架守』劉・紫琳(p3p010462)はそう呟きながらもハイセンスと透視、暗視を併用することで隠れている敵や罠を探知しながら移動していく。
 曲がり角や視界の悪い箇所ではファミリアーを先行させ索敵しているが、それでも油断はできない。
(敵は練度の高い暗殺者の集団。クリアリングをしても油断せず周辺警戒しませんと)
 その言葉通り、先程から散発的に暗殺教団員が襲ってきている。
 暗殺者の集団とは、そういう風に厄介な相手なのだと紫琳は知っている。
 敵を撃破した瞬間こそ最も気が抜ける最大の奇襲の好機であり、油断せず後方、頭上の警戒を怠らないように注意もしていた。
 だからこそ、現時点で突入班に致命的な油断もなければ油断ゆえの奇襲もない。
 しかし、だからといって暗殺教団の襲撃が無くなるわけでもない。ここは彼等の本拠地なのだ。
 今この瞬間も暗殺教団員が音もなく現れ、『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)へとアサシンスラッシュを放つ。
「容赦なく、徹底的に、確実に御主等を砕く。それが私の役目だ。疾く、滅ぶがいい!」
 絶照・勦牙無極で道をこじ開けようとする汰磨羈だが、ここはまさに暗殺教団のホームということなのだろう。
 先程から的確に足止めを受けているが、それを突破して進まねばならないのだ。
「ベルゼーが喰らった暗殺教団、か。誰かを救う為に喰らったのか、それとも――いや、そんな事を考えている暇は無いか。かの竜がいる状態で長期化するのは非常に拙い。かなり強引に行くしかないな、これは」
 汰磨羈もエコーロケーションと超聴力を活用し、内部構造と敵の移動……具体的には足音・武装や服が発する音・呼吸音等の感知を把握しながら移動してはいるが、相手は暗殺教団。その辺りの隠密スキルも持っているようでまさに探り合いと騙し合いの構図になっている。
「像を取ればいい、倒せずともそれまで耐えるぐらいなら僕にだってできますから」
「うむ、頼りにしているぞ」
「このままいきましょう」
 『君の盾』水月・鏡禍(p3p008354)も汰磨羈、そして『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)とそう頷きあいながらルーンシールドを展開していく。
 ちなみに鏡禍も神殿内では暗視と透視を組み合わせ、暗がりを警戒しながら索敵を行いながら動いている。
 分かったことは仲間と共有し、敵の回避もしくは戦闘を有利に運ぶために利用するためのものだが……今回のキーアイテムである「ベルゼーの像」を探すのが最優先だ。
「さあ、このままベルゼー様の像までの直線上にいる敵を蹴散らして像の確保に向かいましょう」
「ええ、皆もお願い!」
 紫琳のそんな声にフルールも精霊たちに声をかけながら進んでいく。
 暗く狭い通路の続く迷宮と、襲ってくる暗殺教団。しかしそれは、足を止める理由になりはしないのだ。
 切り込み役の汰磨羈を先頭に走り、走り抜けて。ついに辿り着いたのは、その最奥と思われる場所だ。
「あれが……ベルゼーの像……か」
 なるほど、汰磨羈にもよく分かる。アレは確かにベルゼーの像だ。神々しく作られてはいるが、一目で「ベルゼーだ」と理解できるような、そんな造りになっている。
 これがベルゼーの記憶の再現のようなものであるとするのであれば、なるほど確かにこの暗殺教団はベルゼーを信仰していたのだろう。もっとも、そこにどんな事情があったかはやはり分からないのだが……目の前に音もなく現れた暗殺教団教主も答えはしないだろう。
 彼はあくまでかつての暗殺教団のリーダーの再現であるウィンクルムであり、教主本人ではないのだから。
 そして周囲に現れるのは同じウィンクルムである暗殺教団員たち。ここが正念場ということか。しかし怯む者など誰もいない。
「散られると面倒なのでね。文字通りのお手玉で纏めさせて貰うぞ!」
 そんな汰磨羈の声に全員が武器を構え直す。倒す必要はない。ただ、あの像を手に入れればいいのだから。
 すでに紫琳が『バロール』からのダニッシュ・ギャンビットを発動させている。
 狙うは一瞬。
(ベルゼー様の像までの直線上にいる敵を蹴散らして像の確保に向かいましょう。それで此方の勝利が確定するのですから……!)
 壊す必要すらない。もはやアイコンタクトの必要すらない。汰磨羈が飛びだし、鏡禍がブレイズハート・ヒートソウルを、フルールが紅蓮天威を発動させる。
 そうして出来た隙を……紫琳が駆け抜ける。邪魔はさせない、勝負の結果は、この一瞬に。
 そして……紫琳はベルゼーの像をその手の中に、確かに抱え込む。
「このエリアは……私たちのものです!」
 瞬間、教主を含む暗殺教団の動きがピタリと停止する。
 それはエリアの所有宣言が正常に働いたことの証で。それは外でも同じであるようだった。
「ぬ!?」
 夢心地が声を上げる中で、アイロッドが「あー……」と面倒くさそうな声を上げる。
「取られたか。ここまでだな」
「どうやら麿たちの勝ちのようじゃな」
「だな。そういうこった」
 意外にもアッサリとそう言うアイロッドだが、夢心地たちの顔をじっと見回していく。
「覚えとくぜ。てめえが麿で、他が愉快な仲間たちだったか」
「あっ、そういえばチーム名で名乗りを上げたから個人名を名乗ってないのじゃ!」
「うるせえテメエは麿だ。それ以外では覚えねえからな」
 そう言い残してアイロッドは消えていき……ルーキスはルナールに覆いかぶさる。
「いやはや疲れた疲れた。精神的には何ら問題ないけど体力的に。ルナール先生に背負ってもらおうよいしょ」
「竜相手ってのは色々疲れるからな、仕方ない」
 ルナールも苦笑しながらおぶさられるままになっていた。
「愉快な仲間、かあ……」
 まあいいか、と沙耶は苦笑する。そういう覚え方もまあ……悪くはない。
 とにかくこのエリアの所有権を得て、ベルゼーの権能を削ることができた。
 あとは……仲間たちの健闘を祈るばかりだ。

成否

成功

MVP

一条 夢心地(p3p008344)
殿

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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