シナリオ詳細
<咬首六天>遺跡街のその奥へ
オープニング
●遺跡の街のその奥は
アーカーシュ遺跡街。アーカーシュの森を抜けた西側にある遺跡のことだ。
以前、天衝種がウロウロしていたその場所は、今では無人の遺跡となっている。
他の遺跡と比べても特筆する事のない遺跡だが……瓦礫に埋もれていた建物の、その瓦礫がどかされている。
いつからそうだったのかは分からない。しかし、明らかに人為的な何かであることは確かだ。
階段のようなものがある、その更に奥……どうやらそこには、更なる空間が広がっているようで。
しかし、そこに何かが動いている。
人? 違う。
ゴーレムのようだが……最近見慣れたゴーレムとは違うそれは、まさか。
セレストアームズ(天空機兵)……だろうか?
しかし、そんなものが何故此処に?
いや、違う。セレストアームズではない。その黒い色は天衝種「マッドアーマー」のそれだ。
ということは、どうやらマッドアーマーは破壊されたセレストアームズを見つけ、その機能を真似たということになる。
それはどうやら今、自分の機能を確認しているようだが……万が一こんなものが外に出ては、危険なことになりかねない。
しかし、幸いなことに『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)がこの街の再度の探索を提案しようとしていた……。
●アーカーシュ遺跡街へ
「前に行ったアーカーシュ遺跡街を再度探索してみようと思うの」
オデットは集まった仲間たちにそう切り出した。
アーカーシュ遺跡街と呼ばれるその場所では前回精霊式のカイロを見つけ出したが、他にも何か使えそうな設備の類が残っていないだろうかとオデットは考えていた。
その為に事前に軽い調査を行ったのだが……どうにも「荒らされた形跡」があり、地下へつながる階段のようなものが発見されていた。
それ以上は危険なので調査を打ち切ったオデットだったが、何かの駆動音のようなものがしたのも確認している。
生き残った設備か、あるいはゴーレムが動いている可能性は充分にあるだろう。
あくまで昔の資料だが、保存食作成のためのパッケージングの施設が近辺にあったという記録も残っている。
もしかすると、この遺跡街が……という可能性だってあるかもしれない。
しかし、そこで気になるのは……やはり遺跡街を荒らした何者かだ。
レリッカ村の人々では、当然ない。
レリッカ村付近で野営しているガストロリッターの面々でもないだろう。彼等は無駄にキッチリしている。
となると……可能性があるのは、やはり天衝種。
それも最近ゴーレムの姿を模し始めたマッドアーマーの変化体「マッドゴーレム」の可能性が高い。
「何が地下にあるかは分からないけど……気をつけないといけないわよね」
そう、オデットの言う通り地下に何が潜んでいるか分かったものではない。
天衝種がいれば当然戦闘になるし、場合によっては施設も壊れてしまうかもしれない。
細心の注意が必要な仕事になるだろうことは、恐らく間違いないと思われた。
![](https://img.rev1.reversion.jp/illust/scenario/scenario_icon/73699/8d24fd1f61bb1aa797b93a2f6529ad7b.png)
- <咬首六天>遺跡街のその奥へ完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年01月25日 22時20分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●アーカーシュ遺跡街のその奥へ
「いやー、探せば見つかるものね。相変わらず余計な天衝種も見つかるけど、マッドアーマーも進化しすぎだわ」
アーカーシュ遺跡街の階段の前で『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)はそう呟いた。
以前探索したこの遺跡街ではあるが、まさかの新ルート開拓だ。オデットの言う通りといったところではある。
「どこかで歯止めをかけたいところだけど今はそれよりも工場ね。サイズも来てくれたし壊れていたとしても修理してもらえるから安心」
「ふむ、オデットさんが危ないところにいくなら妖精道具のサイズの出番だな……完璧に守りきって見せるさ……あと空島の技術力は結構高いからね、俺の技術力は必ず役に立つはずだ……大破した空島を浮かせるエネルギーの発電するための半永久発電機を直せ……とかじゃなければ対応は可能だよ」
『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)も言うが、そう……此処には工場施設があることが分かっていた。
それをよみがえらせる為、そして邪魔する天衝種を倒すためにオデットたちは此処に居た。
そして工場は……どうやらパッケージング工場であることも分かっていた。
パッケージングといっても色々あるが、このパッケージング工場は保存食を作るタイプの、いわゆる真空パッケージを行う工場のようであった。練達ではよくあるものだが、古代文明でも同様のものがあったということなのだろう。
これを使えば、新しいタイプの保存食を作ることも出来るのだ。缶詰よりも耐久性は低いが軽いので、様々な場面で役立つことだろう。
「パッケージか……本当にこの島の遺跡は何でもアリだね。食料保存技術は文明の発展には欠かせないが……いや、学者の端くれとしてアーカーシュの歴史研究は是非ともおこないたいが、その前に安全の確保が先かな」
『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)もそう言いながら、階段の安全を確かめる。
「では遺跡調査のためにも、まずは仕事をこなすとしようか!」
ゼフィラがそう言えば全員が頷き階段を降りていく。
「レトルトを作る工場みたいなものなのかしら……? 折角来たのだから戦いがてらに工場見学を少々なのだわ」
『蒼剣の秘書』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)が言いながら周囲を見回すが、無数のコンテナが積んであり、ちょっとした迷路のようになっているのが見える。
「まあパック詰めできるのは便利だよな……いや本当に、なんでこの島にそんなのあんの? 何してたん魔王軍……」
『紅矢の守護者』天之空・ミーナ(p3p005003)もそんなことを言うが、どちらかといえば魔王軍ではなく古代人のものなのだろう。
「パッケージング工場……わくわくするね。でもマッドアーマー、さらに化ける先を増やしたんだね……倒さないと」
今までにない姿をしているという情報を得ていた『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)はそう呟くが、マッドアーマーは時折へんてこなものに化けたりもするものの、洒落にならないものに化けたりもする。決して油断できる相手ではない。
「マッドアーマーって島の外からラースホーネットに運ばれてやって来てるのよね。じゃあ島の外のどこかにマッドアーマーを生み出す何かが存在するはず。もしかしたら、私達が戦っている個体はやられる度にその情報を本体に送って、それを学習した本体が新たにマッドアーマーを生み出して使役しているのかもしれない。一度マッドアーマーがどこで、どのようにして生まれるのか徹底的に調べてみる必要がありそうね」
独り言のように『雪花の燐光』ノア=サス=ネクリム(p3p009625)が呟くが、事実マッドアーマーたちが何処から来るのかは解明されてはいない。それも解決しなければならないのかもしれないが……今は、そういうものがあるという可能性を覚えておくだけでもかなり違うはずだ。
「しかしアーカーシュは何でもありますね……保存食の技術がある、ということは。ここの原住民は長期遠征を考えていた……? ともあれ、あるなら利用できるようにせねばなりませんね」
『つまさきに光芒』綾辻・愛奈(p3p010320)もそう呟く。
古代人が何処に消えたかは分からないが、あるいは愛奈の言うように遠征を考えていて、その結果いなくなった……という可能性だってあるかもしれない。
「よし、皆気を付けて進もう」
ゼフィラの言葉に全員が気を引き締め直し、進んでいく。
●パッケージング工場再稼働
「マッドゴーレ……ゴーレムじゃない!? セレストアームズまで真似するようになったの……許さない!」
襲って来たセレストアームズにそっくりなそれを見て、祝音が叫びながら糸切傀儡を発動させる。
セレストアームズ。アーカーシュに関わった者であれば誰もが知っている、アーカーシュの戦闘ゴーレムのその姿。
しかし、そうではないのはその独特の色で分かる。あれもまた、マッドアーマーの変化した姿なのだ。
(このまま天衝種が進化し続ければ……施設自体を模倣する!? 下手すると、アーカーシュまで……)
祝音のそれは、恐るべき想像ではある。しかし、ないとは言い切れない。
「施設を乗っ取ったケースはあったし、やっぱり天衝種は敵だ……!」
「うーん……久しぶりにマッドアーマーを見たと思ったら、マッドゴーレムからさらに進化してマッドセレストアームズ、それも槍持ちと銃持ちになってたのは流石に成長速度が早過ぎると実感せざるを得ないわね。倒されたことで怒りを再燃させて、より強大になる性質でもあるのかしら。でないと堂々巡りで消耗するばかりだから考えないと……」
ノアの魔砲がマッドセレストアームズに突き刺さり、反撃のようにマッドセレストアームズの機銃がノアを狙う。
「工場荒れたら大変だから短期決戦だ!」
「サイズが引き付けてくれてるんだもの、また無理される前にさっさと片付けちゃいましょ!」
サイズが名乗り口上をあげてマッドセレストアームズを引き付けようとすれば、そこにオデットが陽光の恵みでトドメを刺す。
マッドセレストアームズはいつものように泥のような何かとなって溶けていくが、なんとか問題なく仕留められたことに全員が安堵する。
「あんまり怪我して帰っちゃダメなのだわよ?悲しむ人が複数居るのでしょう?」
華蓮がクスクスと笑いながらサイズにそんなことを言うが、そうからかえるくらいには余裕のある戦いが出来ていた。
「さて、進みましょうか」
言いながら華蓮はファミリアを先行させて状況を確認させていく。
この地下1階はコンテナが山のように積まれ迷路のようになっている。
その全てをどかして回るというのは……不可能ではないが、今やるののは少しばかり実行性に欠ける。
だからこそ、ファミリアを先行させるというのは良い案であった。
「鴉のファミリアで、「ヒメ」っていう名前の子なのだわよ」
愛奈も頷きながら、飛行しコンテナを避けるようにして周囲を確認している。
こうすることで全て……ではないが、少なくとも付近の視点を確保可能だ。
「こうも視界が悪いと気を使うことも多いわね」
ノアもバイザーを通した透視でマッドセレストアームズの位置を確認できるようにしながら、物質透過でコンテナをすり抜けながら行動していく。
空中の愛奈との連携行動となっているが、空中と地上で分担することによるスキのない監視体制を構築しているわけだ。
それだけではない。オデットも飛行でコンテナの間から先が見えるか暗視も併用して確認していた。
これは愛奈との連携により、四角のない監視をする為の役にたっている。
……そしてついでとばかりにサイズが鑑定眼でコンテナの中身の物の質を鑑定したり、なにか使えそうな機械パーツを確保していた。
「コンテナの中身やコンテナに書かれた表記で色々と把握しておこう、工場のスペックとか規模とかね」
「大事なことだな」
ミーナも言いながら道を塞ぐコンテナを物質透過ですり抜ける。
コンテナの向こう側から不意打ちを受けないように、透視や温度視覚を使い視界を確保しているが、仲間たちとの連携で大分余裕のある動きが出来ている。
そうして周囲を見回すと……どうやら、何かの材料のようなものが大量に保管されているコンテナのようだった。
「パッケージ剤……?」
どうやら事前情報の通りパッケージング工場であるということは間違いなく、これはその材料なのだろうということはミーナには分かった。
その先を通り抜けると、どうやら行き止まりのようで……強行突破する意味もないとミーナは引き返す。
「地上からでは行き止まりのようだ」
「こっちから見ても同じよ!」
「よし、なら別の道を探そう」
オデットと情報交換しあうことで、次のルート探索に移行できる。なんとも効率の良い方法だ。
「コンテナが沢山……何が入ってるか気になるね」
祝音も別のコンテナを透視して中に何があるか確認しながら中身を全員に報告していた。
こうすることで工場の再稼働にも役立つし、勿論敵が隠れていないかの確認の意味もある。
結果としてはどうやら機械の予備部品やパッケージングの為の材料など……この工場を円滑に稼働させるための部材が保管されていることが分かってくる。
「色々とあるのね。修理の役にたちそうだわ!」
「壊れているゴーレムの場所もメモしてある。出来るだけ早く修理してあげたいな」
ゼフィラとオデットのそんな言葉にサイズも頷く。
すでにサイズの中では工場の規模などを頭に入れ始め、修理計画を立て始めていた。
「次が来ます! 機関銃1,槍1!」
愛奈の警告に全員が戦闘態勢を整えていく。
「手早く終わらせよう。時間を掛けて遺跡に被害が出ても困るからね」
「まったくね。あんまり自由に動き回らないで欲しいのだわ、工場が壊れてしまうでしょ!」
勿論保護結界も準備してきてはいるが、それで完璧というわけでもない。
ゼフィラと華蓮に愛奈も頷き、先制攻撃を仕掛けていく。
マッドセレストアームズに迅速に接近し、桜花破天からのスターバースト・エスカレーションを只管に叩き込んでいく。
(手数が増えれば相手の動きを強制させ……具体的に言えば回避ペナルティを累積させて……ノアさんの重い一撃につなげられるでしょう。私自身も自分の力を生かすためには出来る限り殴るのが肝ですから)
「――我が連続魔からは逃れられぬ。お覚悟を」
そうして激戦の後に辿り着いた地下2階。其処は地下1階と違い、整然と機械の立ち並ぶ場所だった。
ところどころに倒れているゴーレムをサイズがまず1体直すと、ゴーレムは起き上がり他のゴーレムの修理へと向かっていく。
そうなれば、段々と作業が早くなっていく。
ダブルワーク、エキスパート、クラス鍛治屋の全ての前提スキルに職人魂、サイエンスとクラスによる職補正がサイズを助け、サイズ自身練ってきた修理計画を元にテキパキと動いていく。
「完璧に工場を甦らせるよ…妖精オデットさんのオーダーなら全力は当然ですね」
「機械や修理に関してはサイズがすごく得意なのいつも頼りにしてるのよね」
オデットもそう言いながら周囲を見回す。祝音が掃除をしているのが見えるが、それとは別に探すものがある。
「それはそれとしてここが工場なら管理や動力を作ってる精霊とかはいないのかしら?」
念のためオデットは精霊疎通で気配を探ってみるが、どうやら風の精霊が様子を探っている様子が見受けられた。
「にしても……「オデットの林檎蜂蜜漬け」とか美味しそうね。可愛くパッケージされてたら需要ありそうじゃない?」
そんな話をオデットがすれば華蓮も「そうかもしれないのだわ」と微笑む。
実際、そうしたブランディングも大切なことだろう。
「新品未使用のゴーレムの修復マニュアル付きキットとかあればよかったんだけど……そういうのはこの子たちの頭の中ってことかしら」
一通り修繕作業が終わって待機状態になったゴーレムを軽く撫でながらノアはそう呟くが、事実動けば「こう」なのだから、必要なかったのかもしれない。
「やれやれ、毎度のことだがどこから来るのかねぇ天衝種どもは」
サイズやゴーレムたちによる修理が終わり試験稼働を始めたパッケージング工場を見守りながら、ミーナはそう呟く。
「だんだんと厄介な能力持ちになってきているし、根本的に対処しないと同じことの繰り返しになりそうなんだよなぁ」
「うん、それに……天衝種はどこまで進化するんだろう。いずれ発生元を絶やさないといけないけど発生元って何なんだろう……やっぱりバルバナス? せめて発生を抑えられると良いんだけど、今は発見次第倒すしかないかも」
「確かにな」
ミーナと祝音は溜息をつきあい……そして気分を切り替える。
「僕のギフトでシュネーバル(揚げ菓子)出たらパッケージングできるかな……パック機械に丸いシュネーバル通るかな……」などと言っていた祝音ではあるが、しっかりとパッケージングされてその手にある。どんなものでもパッケージングできるらしく、かなり汎用性のある工場のようだ。
「色んな食べ物のパックができそう。パックした食べ物を各地に輸送……は難しくても保存したり、非常食として持って行くとかはできそうだよね。パッケージング工場も、アーカーシュの皆の役に立ちますように。みゃー」
余談にはなるが、かのエリザベスアンガス正純の缶詰も色んなルートで地上に運ばれていたりもする。
此処で作られたものもいずれは……ということもあるだろう。今日の成果は、そうした素晴らしいものであることを……全員が噛みしめたのだった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
オデットの林檎蜂蜜漬けパックを始めとするパック入り保存食品を作れるようになりました!
●運営による追記
本シナリオの結果により、<六天覇道>独立島アーカーシュの技術力が+10されました!
GMコメント
アーカーシュ遺跡街の地下に行き、パッケージング工場を確保しましょう。
パッケージング工場はお店で売ってる携帯食みたいに綺麗にパッケージして運びやすく出来る場所です。
たとえば「オデットの林檎蜂蜜漬け」が「オデットの林檎蜂蜜漬け(パック)」とかになります。
地下施設は結構広めとなっており、全部で2階層です。
地下1階が倉庫、地下2階がパッケージング工場です。
1階にはコンテナがたくさん置いてあり、視界は確保し辛そうです。
2階は工場の機械がありますが、どうやら現在は稼働していないようです。
あちこちに整備用のゴーレムが故障した状態で倒れています。
●出てくる敵
・マッドセレストアームズ(天空機兵)(機関銃)×3
天衝種「マッドアーマー」がほぼ完璧にセレストアームズの機能を模したもの。
遠距離闘全般に長け、恐ろしい銃撃を行います。
恐らく本物のセレストアームズとほぼ変わらない実力を有するでしょう。
・マッドセレストアームズ(天空機兵)(槍)×3
天衝種「マッドアーマー」がほぼ完璧にセレストアームズの機能を模したもの。
近接戦闘全般に長け、素早い突撃を行います。
恐らく本物のセレストアームズとほぼ変わらない実力を有するでしょう。
●特殊ドロップ『闘争信望』
当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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