PandoraPartyProject

シナリオ詳細

おとなになりたくないので酒はだめです。

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●「うおー! 大人になりたくないであります!」エッダ・フロールリジ(p3p006270)はゴリラの格好でなぜかローレットのカウンターに飛び乗って暴れまわっており、其れに便乗する形でヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ (p3p001837)とアーリア・スピリッツ (p3p004400)までローレットで暴れまわっていた。酒が回っていたのだろうが目に余るモラトリアムアラサー共に業を煮やした情報屋に呼び出されたポテサラハーモニアはあれよあれよという間に三人をお酒で釣ってラサの遺跡に放り込み、ついでに便乗していた推定五人のイレギュラーズまで放り込んで帰っていった。そして
「なんでありますか!!! こんなところに閉じ込められる謂れはないのでありますよ!!」
「これはまごうことなき人権侵害ですわ! 弁護士を呼びなさい!」
「落ち着いて二人共。ここにはおおおおお酒お酒がえっ、さっきまで飲んでいたお酒の瓶が空じゃない! どういう事?!」
 激しく動揺を見せるエッダとヴァレーリヤを落ち着かせようとしたアーリアであったが、手にしていた一升瓶の中身がカラだと知った途端、全身の震えが止まらなくなってきた。見れば、どんどんと髪色が酒の色からもとの紫色に戻っていくではないか。
「ところで自分は間もなく大台に乗るのですが大人になりたくないであります。どうすればよいですか?」
「『大人』にはなれないんじゃないかしらぁ、その様子だと……」
「おっ言ってくれますねアラサー同士『決定戦』の時間か? お?」
「…………」
「そこのクマみたいな置物! あなたこの遺跡のボスみたいな立ち位置でしょう! ぶっ壊して脱出ですわー!!!!」
 言い争うアーリアとエッダをよそに、ヴァレーリヤはいつの間にか現れていたクマの置物めいたゴーレムに指を向けて叫んでいた。アレは敵だ、壊さねばならぬと。
 だが、それはおもむろに三名に向かってサムズダウンをかます。
『年齢判定マイナス。肉体年齢が後退します』
 何処からともなく流れてきた電子音声は、そのまま三人――大人げない態度をしていた他のメンバーがいればそれらも追加――にどう作用したのか、一気に全員の肉体年齢を下げてしまった。どころか、一同は思考が肉体年齢相応になり、今まさに食べたいもの、飲みたいものすらも変わった気がした。
「なんかおさけくさいであります。おさけくさいのきらいであります」
「オレンジジュースをよこせですわ!」
 一同は驚愕の眼差しで二人を見た。あきらかに未成年サイズまで小さくなっ……いや、片方あんまり変わってない気が……。
『この遺跡内で「ガキっぽい」と判断された場合、外見年齢とそれに伴う思考がダウングレードされます。なおこの状態は遺跡が破壊された後24時間維持されますが、深層心理に於いては本来の人格が維持されます』
「……つまりどういうこと?」
『その置物を壊しても幼児化した連中はしばらくそのままですし、お酒が飲みたくても体も表向きの嗜好も受け付けません。大人になりたくないとのことですので子供に成っていただきました。なりたい人がいるので』
 呆然と聞き返したイレギュラーズに、遺跡の謎音声はそう帰した。
 オラ、誕生日直前に大人にならんで済んだぞ喜べよ。

GMコメント

 大人じゃないなら大人の楽しみも酒もツマミも楽しめねえよなァ!?

●成功条件
 遺跡から脱出して幼児退行した連中をあやしつつそいつらの横で酒盛りし、元に戻ったら適当にあやす

●遺跡
 「脱出する」って一行書くと丁寧でフランクに喋ってきそうなクマの置物は爆散し遺跡から脱出できます。
 ですが、「リクエスト者三名(+任意)」は幼児退行ビームを浴びて24時間は戻りません(年齢は任意ですが間違いなく未成年で、酒の味やツマミの味に忌避感を覚えます)。

●行動指針的なもの
 幼児退行した側は、表向き完全にガキになってるので小さい子供として振る舞います。酒の匂いだけで逃げ出します。
 しかし、その様子を傍観している本来の人格が深層心理におり、飲めない食えない状態を延々見せられることになります。葛藤しろ。
 退行しなかった方は好き勝手やんちゃするけど下手すると事故に巻き込まれたりしてパンドラすり減らしそうな面々をあやしながら、酒が好きなら目の前で酒盛りとかして見せつけてもいい。お前オレンジジュースな!
 元に戻ったら流石に可哀想だから甘やかしてあげようね。

●そんなんでプレイング600文字も埋まるわけねーじゃん!
 「オムライスおいしいですわー!(貝紐噛みてえ)」「塩辛はちょっと……(莫〇来が恋しい)」「ウワッ酒臭っ(飲みたいのに体が受け付けない)」みたいな葛藤とそれを開放して「子供なんてこりごり! 大人になりたい! なる! ゆるして!」とかで延々葛藤すると600文字行くと思うし、あやす側はうまいことなんとか頑張ってほしい。
 なお幼児退行して外見がガチで子供になってるから未成年飲酒としてPPP倫的にマジアウトだから戻るまで飲ませないのでごめんだけどそのつもりで。

●情報精度
 この依頼の情報精度はA(lcohol)です。
 飲めたらよかったのにね。

  • おとなになりたくないので酒はだめです。完了
  • GM名ふみの
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年10月28日 22時30分
  • 参加人数10/10人
  • 相談11日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)
愛娘
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
※参加確定済み※
アルテミア・フィルティス(p3p001981)
銀青の戦乙女
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
Lily Aileen Lane(p3p002187)
100点満点
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
※参加確定済み※
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
※参加確定済み※
プラック・クラケーン(p3p006804)
昔日の青年
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者

リプレイ

●Q.こんな状況に誰がした? A.なかば自業自得
「これはひどい状況ですね」
(──過去の俺よ、お前の勘は正しかったぞ)
 『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)は目の前の状況に一言、あろうことか敬語でそう漏らした。そうなってしまうのも仕方ない程度に、現状がカオスで壊れきっているのだ。狂いもしよう。『救海の灯火』プラック・クラケーン(p3p006804)は和気藹々とした依頼(オブラート表現)に集まったら碌でもない彼女らを知っているので、こういう形でダンジョンに放り込まれたらそりゃまあ大変なことになると予期していたのである。だが逃げ出せるとは言っていないのだ。それもこれも、
「変わっとるわ!! さすがに見た目!! ……はっ、空中につっこみをしてしまいました。いけませんね。貴族たるものれいせいに。れいせいに……ぜんぶころしてうばいとる」
 『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)は100cmの身長で空中に突っ込みをいれ、打ち寄せる波の如く精神が退行した。外見相応の幼さになったからか、普段より思考が冷静に、なっていなかった。より鉄帝軍人みたいな物言い始めやがった。暴力こそ正義みたいな。
「りりーおねえさんが持ってるぶどうジュースほし、ヴォエエくさい! なにこれ!」
「あっあっ、それは私のですのよ! 勝手に飲むだなんて泥棒ですのよ! お尻ぺんぺんの刑ですのよ! それでも止めないというのなら、私が先に……変゛な゛匂゛い゛が゛致゛し゛ま゛す゛わ゛」
「ブドウジュース……これワイン……戻ったらあげるですよ」
 幼い『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)と『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)は我先にとワインに飛び付こうとしたが、子供の嗅覚にアルコール臭は劇物であったらしく、はね飛ぶように仰け反ってしまう。『人魔の間で揺れる魂』Lily Aileen Lane(p3p002187)はとっても可愛くなった(主観)二人にまとわりつかれてまんざらでもないようだが、さりとてワインは渡せないと固辞する。代わりに、といってプラックに水を向けるの、本当に可哀想。どさくさに紛れて財布奪われそうになってるじゃん。「そこ(の鞄の底)に落ちてましたのよ!」とかいう詭弁が通用してたまるか。
「はいはい、ジュース!? ジュースが欲しいんだな! 今用意するから! ゴリョウさん! ブレンダさん! ジュース一丁頼んだ!」
「とりあえず飲もう……エールとかワインとか……え? ジュース? 私がか?」
「あっあっなんだか美味しそ変゛な゛匂゛い゛が゛致゛し゛ま゛す゛わ゛」
「この歳の頃から学習しないのかヴァレーリヤ殿は?!」
 何故かプラックに誘導された『導きの戦乙女』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)は手酌でエールを注いで干そうとしたらヴァレーリヤが近付いてきた。そして去っていった。泣きっ面で。ここまで華麗で豪快な天丼は観たことがない。
「ジュースか、そうかそうかこっちだぞジュースは!」
 ゴリョウがジュースを差し出すと、競い合うように奪いに来る。このあたりの闘争本能というか略奪本能じみたところは、三者三様なれど兼ね備えているということか。醜い争いである。
「さっきも騒がしかったけれど、幼児化してから更に騒がしさが増したわね……」
「おとなになりたくない、か。10年以上遅い気がする、が……」
「いやあ、目の前で知った顔が突然子どもになるとは、驚きだね」
 そうしてゴリョウがある種の人身御供になっている間、一連の騒ぎから切り離されていた『銀青の戦乙女』アルテミア・フィルティス(p3p001981)、『金色凛然』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)、『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)の三名は凄い感じで我関せず感を醸し出していた。アルテミアあたり真っ先に巻き込まれてそうなのに、マジで……?
「ひとまず、あのヘンテコな像は破壊しておくとして」
「まずは脱出をす」

●言わせねえよ
「「「びええええええええ!!」」」
 アルテミアとエクスマリアは、この状況を打開してから世話を焼こうと考えていた。実際俺も最初にそれを想定していました。
 だが、(元)酒クズ三姉妹は本能的に何かを悟ったのだろう、このまま出ていってなるものかとばかりに泣き叫び始めた。もしかしたら深層心理に眠る彼女らの本来の人格が、この姿を外に晒すことを恐れた……の、かもしれない。
「ねえ、私、美味しいお肉が食べたいですわ! 新鮮な豚肉で作ったカツレツ!」
「ヴァレーリヤさぁ、喋る豚相手にその肉喰いたいから腹掻っ捌けは流石に幼児の発想じゃねぇんだ!?」
「そこのVDM! せんそうです! 先においしいぶたをてにいれたほうのかち! シュニッツェルです!」
「あぁ、はいはいエッダは豚……もといシュニッツェルね、子供舌でも美味しいコルドン・ブルー作ったるからゆっくりお食べなさいな」
 ヴァレーリヤは泣きながら五両にすがりついて豚肉を所望する。「殺して奪い取る前に『せんせんふこく』をしないと」とズレた思い直しをしたエッダは同じくゴリョウに近づき狩り倒す宣言。ゴリョウはそんな二人を的確にあやしながら料理の準備をつづけているわけで。手が幾つあっても足りない。
「やだー! おーく! こわい! やだー!! びえええ……っていうかばれーりやちゃん、これは多分食べ物じゃないよ! たぶん……!」
「『これ』扱い?! アーリアは怖いのは分かるけど食べ物に罪はないんだが……」
 加えてこの扱いである。彼が何をしたと言うんだ、アーリア。外見だけで判断しちゃいけないとあれほど。
「ほらほら料理の邪魔をしちゃダメよ? それに、跳ねた油で火傷しちゃうかもだから、危ないわよ? さ、向こうで他の人達と美味しいジュースを飲みながら待ちましょうね?」
「じゅーす! ください!!」
 アルテミアがすかさずフォローに入ると、三人は誘蛾灯に引き寄せられるかの如くふらふらとアルテミアについていく。咄嗟の機転はやはり上手い。対応する面々が大変だろうが仕方あるまい。
「んー、しかしいつもは飄々としているアーリア殿やカッコつけてるエッダがちっちゃくなると可愛いものだな。やってることは凄まじいが。取り敢えず酒飲んで待つか……」
「え? 酒? ああ、俺も飲む !カクテル系を頼む! 幼児の手が届かない場所に置いといてくれ!」
「さっきの態度を見る限り、酒には軽率に近づかないと思いたい……いや、信じたいね、私は」
 ブレンダはあちらこちらに動き回る三人を見て、どこか微笑ましい気持ちになった。なったんだけど危険性は熟知しているので軽率には近づこうとしなかった。プラックは飲酒に興じるその姿にすかさず俺も、と告げるが三人の存在が怖い。ゼフィラは先程までのやり取りを見ていたので、多分大丈夫だろうと考えているが……さっき彼女ら財布を強奪してましたよ……?
「今日はたまたま、グリンガレットも連れている。良い子にしていたら、背中に乗せてやろう」
「ばさし? ですの?」
「違う」
 エクスマリアは連れてきたグリンガレットの手綱を引き、ヴァレーリヤ達をあやすべく誘いをかける。いい子にすれば空飛ぶ馬に乗れるのだから悪い話ではない。ないのだが、ヴァレーリヤはなにか大きく勘違いしている。
「いやあ懐かしいね。子どもの相手をするのは何年ぶりかな。元の世界……日本に居た頃だからえーと、五年以上前か」
「経験者なのね、頼りになりs」
「まあ、当時はベッドに寝たきりだから旦那が殆ど相手をしてくれていたんだが」
「……なんでもないわ。ごめんなさい」
 アルテミアはゼフィラの意外な一面(本人は隠してないが)に思わず希望の光を観たのだが、しかし雲行きが怪しくなってきた。子供がいたからと言って、世話をできていたとはイコールではないのだ、と……。
「おねーさん、だっこー」
「アーリア殿? 抱っこ? わかったわかった、よしよし……」
「おさけくさい><。」
「自分から来て酷くないか!?」
 ブレンダのもとに駆け寄ってきたアーリアはそのまま膝の上にとびのると、上目遣いでブレンダに強請(オネダリ)だ。その所作に面白みを感じつつも、あんまりの対応におもわず腰砕けになり口元が緩みかけた。
「ねーねーなんでそんな苦いお薬飲んだ時みたいな顔したりすんごく笑いそうなの?」
「だ、だめだ、その質問……は……!」
「大変そう……だね……」
「飲んでる暇がねえなあ……!」
 ブレンダが思わず吹き出す傍ら、Lilyとプラックはおっかなびっくり子供達を構いつつ様子を観ていた。見ていたんだけどまあ素行が悪い。
「そこぉ! ヴァレーリヤさん! エッダさん! 人の物を取るんじゃねぇ! 俺のは良いからせめて他の人の物は返しなさ」
「ぜっったいに嫌でございますわ! だって落ちていたのを拾ったんですもの! これはもう、私のものでしてよ!!」
「鞄のなかにだろ……痛っでぇー!!」
「ヴァレーリヤさん、勝手に荷物を漁ったらダメでしょう? ほら、取った物はちゃんと元に戻して?」
 プラックほか、財布を(鞄の中から)拾ったことで拾得物として権利を主張するヴァレーリヤは、恐らく革命の火がこの年にして根付いている。富の再分配を所望しているので暴力も辞さない。が、アルテミアは一枚上手だった。
「嫌ですわ! これでお菓子食べ放題ですのよー!」
「ずるいのであります! おさけなんておろかな大人たちがのんでいるアレよりもお菓子とご飯のためにおかねであります!」
「……ふーん? ちゃんと戻さないと、これはお預けね?」
「「えっえっ」」
「お・あ・づ・け・ね?」
「(中身はともかくガワは)返しますわ!」
(アルテミアさんが天使にみえる……! Lilyさんもおもりに回ってくれてるからなおさらに天使だ……!)
 プラック、この混乱の渦中にあって女神二人の尽力に心からのありがたみを感じるのであった。


「よーし、料理は一通りできたぞ! 食え、食え!」
「まずは作ってくれたゴリョウにお礼を言おう、な。一品一品、皆のためにと丁寧に作られた料理、だ。よく味わって、食べよう」
 ゴリョウの合図に耳ざとく駆け寄っていった三人に、エクスマリアはしっかりとお礼をする大切さを説いて回る。多分、ありがたみを一番わかっていそうなのがエッダで、施されることになれていないのがヴァレーリヤ、感謝に一番慣れているのがアーリアだと思われるが割愛。
「だいたい頭が高いのですよ。なんですか! エッダって! あだなでよぶなんてふけいですよ! しゅくせーします!」
「渾名ではないんだが……説明も面倒だな……」
「うまになりなさい! うまに! さからうやつはぜんいんコルホーズおくりです!」
「仕方ない、馬になろう……こら髪を引っ張るな! 財布を奪おうとするな!」
 エッダという名前はいちおう略称ではあるのだが、ローレットにおける正式な名乗りになっている。が、当時の彼女がそんなことを知る由もなく……そしてそれを説明するバイタリティはブレンダにはない。馬になるしか。
「おさけなんてもの、のむひとのきもちなんてわかりません。いきつくさきはプロレタリアートです。ええ、私はおとなになってもおさけなんてのみませんとも!!」
 言質とれましたね?
「豚トロ串とアスパラ巻お待ち! プラック、預かってる間に食べていいぞ!」
「わぁい」←プラック
「わぁい」←アーリア(幼)
「「……ん?」」
「食べ物によりつくすがたも、遊んでる姿も可愛いです……」
 Lilyはプラックが覚えた違和感をよそに、その幼さゆえの姿に陶酔にも似たものを覚えていた。可愛いのはわかるけども。わかるけども!
「……よし、躾が必要だな。終いには銃を突きつけるぞキミ達。昔と違って今の私は鉄拳制裁も辞さないぞコラ」
「こらこら、あまり、暴力に頼るものではない。子供が、相手だ」
「あの子達も食事をすれば少しは大人しくなるわ。今は我慢しましょう?」
 色々と限界がきていたゼフィラは思わず暴力に走ろうとするが、エクスマリアとアルテミアが即座に止めに入った。ろくに子供の世話をしてやれなかった反動がこんなところに生まれるなぞ、当時のゼフィラも思いもよらなんだろう。
 それはそれとしてこの三名があまりにもバイタリティに溢れすぎているからであり。
(……して、ころして……)
(それいけ! しれっと財布を奪って戻ったあとがっぽがっぽであります!)
(おさけがのめないのですわ)
 という内心であるという事実は伏せておこうね。

「破壊! 脱出!!」
 飛び起きたアーリアがクマの置物に強烈な一撃を放つ! 「やあ、ずいぶんと乱暴だね……」みたいな声が聞こえたがしるものか!
「元気がないときこそ、お酒を飲みましょう!Lily、そのお酒分けて頂いてもよろしくて?」
「いい、けど……あ、攻撃された熊の置物にヒビが入って、中から光が周囲に……拡がって」
 ヴァレーリヤはなんだかいつも通りに戻っているが、その変化にLilyは目ざとく気付いていた。……幼児化の光が逆流する……!

「…………」
 ふと目が覚めたゴリョウは、完全にジト目のんびりダウナー系褐色ショタハーフエルフ概念として降臨していた。これが大人に戻ったアーリアの前に降臨していたらと思うと怖気が走る。だが。
「ころして」
 アーリアはまさかの「意識だけ大人のまま幼児の肉体に退行していたのだ」。
「どうして」
 巻き添えをくったプラークもこれである。これって、まあいい感じに生意気系ショタ。
「わたしも?」
 そうだ、ブレンダもゼフィラも……Lilyとエクスマリアは外見が幼女だしそのままでいいんじゃないかな……。
「なんだよ。その目は」
「こんなの間違ってますわ!」
 エッダとヴァレーリヤも肉体が幼児に真っ逆さま。お酒なんて飲ませられねえな! ヨシ!
「何一つヨシじゃないのよ! こんな格好じゃ外を出歩けないじゃない!!」
 アルテミアは奇跡的に鎧も縮んだのでハプニングにはなっていないが、成長途上の胸ではその胸部装甲とは不釣り合いなのでぽろりチャンスになってしまうわけだ。尤も犯罪だが。犯罪だが!(大事なことなので2回書いておく)
「マリアは見た目はこうでも、年はずっと上だ。なので、飲酒も問題、ない。大人だから、な」
「ダウト」
「まあ駄目だよな」
「そうは問屋が卸しませんわね」
 エクスマリアは大人詐欺を働こうとしたが、ビームを浴びたので体型が変わってなくても子供になっています。なれ。
 ……かくして、その場に居た全員が幼児退行したことでアーリアは千載一遇の旨味を味わえないのでした。めでたしめでたくもなし。

成否

成功

MVP

アルテミア・フィルティス(p3p001981)
銀青の戦乙女

状態異常

エッダ・フロールリジ(p3p006270)[重傷]
フロイライン・ファウスト

あとがき

 これはひどい……。

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