シナリオ詳細
<総軍鏖殺>囚われた銀閃の乙女と砕けた故郷
オープニング
●
(……私は、どうなったんだったか)
暗がりに意識を起こした女が顔を動かした。
さらりと髪が流れ落ちて頬に触れる感覚。
身動ぎしようとしたところで、腕が後ろに引っ張られていることに気付く。
同様、足もまたつっかえたように動かず――どうやら椅子に縛り付けられているのだと理解した。
「ん――んん――」
思えば、どうやら口もまた布でも食まされているようだ。
ぼんやりとした意識が、急速に落ち着いて冷静に分析する。
(――――あぁ、そうだ。私は『出遅れた』のだったな)
今の状況、それが何なのかを、女――ユリアーナは急速に理解していく。
「おっ? 起きたかい、ユリアーナ『元』自警団長殿?」
聞き覚えのある声だ。
「く、くくく、くははは! お前も手足を縛られ目も口も開けられぬとあっては形無しだな!」
(よくしゃべる男だ。ほっといても全て喋ってくれそうだな)
冷静にぼんやりと思いながら、ユリアーナは自分に起きたことを振り返っていく。
――アーカーシュ事件が終息するのとほぼ同時に起こっていた帝都の帝位交代劇。
俗にいう『総軍鏖殺の命』なるものを発布した新皇帝により、ゼシュテルの警察機構は解体された。
今は使われていない城塞ザルパドナヤ・ベロゴルスク。
その都市圏を形成する周囲に点在する町の1つでユリアーナは自警団長をしてきた。
警察機構の解体により、『元』自警団長という呼ばれ方はなにもおかしくはない。
(……しかし随分とまぁ、迅速なことだ)
自らの立ち位置を整理し直したところで、なぜ拘束されているのかの推測へと移行していく。
「おい。手拭いとってやれ」
男がそう言えば、しゅるしゅると布が解け、目と口に合った圧迫感が薄れた。
「なぁ、元自警団長さんよ。これ、あんたが欲しかったもんだよなぁ?」
そっと目を開ける。
その視線の先、まず目がいったのは2つの首級。
「――コニー町長、エミール村長……」
それは、ユリアーナが2年近くをかけて、何とか悪行を暴こうと思っていた2人の首だ。
「……あぁ、どこかで聞いたことがあると思えば、君はリボリウス自警団長じゃないか。
君が、そこの2人を斬ったのか?」
「力もねぇ癖に俺に命令してきてうざかったからよ」
「なるほど、生き生きとしていることだ。それで、私に彼らを見せてなんとする」
「手を組まねぇかって話だよ」
「……ふむ、交渉と言うわけではなさそうだ。
それは脅しか……一応、話は聞こうか」
「話が早くて助かるぜ、ユリアーナ元自警団長。
俺達はあの勅令以降、皇帝陛下にお仕えすることにしたのさ。
つまり、『元自警団長』の肩書なしのアンタと違って、ちゃんとした軍人ってわけ。
そんな俺達が、アンタに『提案』してるってこと、ちゃんと理解してから返事しろよ?」
こちらを覗き込むようにしてガンを飛ばすリボリウスと真っすぐに視線を交えれば。
「俺の部下になれ、ユリアーナ。
てめえが部下になれば、ザルパドナヤ・ベロゴルスク全土が俺達のもんだ。
そうなりゃあ、あとは暴れまわるだけでいい。好き勝手暴れまわるのさ!」
そう言って笑みを刻むリボリウスに、言い知れぬ怒りを覚えつつ、それを振り払うように目を閉じた。
「おいおい、だんまりかよ! はは! 良いのか? アンタのとこの部下や、
アンタが匿ったあの流民どもを全員殺してやっていいんだぜ?」
嘲り笑う声を聴きながら、ユリアーナは意識を閉ざしていく。
(……受け入れるわけにはいかぬ。だが、このままでも拙い……少しでも時間を稼がねば)
ここではないどこかへと自分を置くように――意識を集中すれば、やがて感覚が解けていく。
●
「――――ローレットの皆。僕と一緒に来てほしい」
分裂をきたしたゼシュテル鉄帝国。
各軍閥からの依頼は加速度的にその数を増している。
そんなある日のことだ。イレギュラーズの前にラサを思わせる衣装の女が姿を見せた。
「僕の名前はイルザ。鉄帝生まれ鉄帝育ち、今はラサで傭兵をしてる。
――僕の姉貴分にあたる人が、多分、監禁されてる。
名前はユリアーナ。この国で今まで自警団の長をしてた人だ」
イルザは状況を一気に説明していく。
「アーカーシュの事件ってあったよね。姉さんはあの事件で軍務派からの要請で参加してた。
僕はちょうど、今回の動乱について、中央に様子を見に行っててね。
町に戻ったら……姉さんと会えないどころか、会ったことも無い連中が町を我が物顔で闊歩しててね。
僕も捕縛されかけたけど、取りあえずここまで逃げてきたんだ」
そう言うとイルザは力なく首をふるふると振った。
「どうか、力を貸してほしい。
姉さんが心配なのもあるし、あの町は僕にとっても故郷だ。
あの町に何が起こってるのか、それを知るためにも……お願いだよ」
●
物々しい雰囲気に包まれた町を、遠巻きに見る集団がある。
小さな森林に隠れるようにして陣を敷き、彼らはずっとその場所に居た。
「副団長……団長、無事でしょうか」
「大丈夫よ。きっとね……それより問題は、どうやってあの人を救うのか。
団長を捕縛された時点で私たちは戦略的に負けている。
ここから、どうやって動けばいいかしら……」
副団長と呼ばれた女性は小さく呟いた。
「そういえば、イルザさんは……」
「さぁ……あの子も心配よね。
帝都に情報を探りに行くって言ってたけど……あの子なら逃げのびてはいるでしょうけど」
深く悩んだ様子で呟き、溜息をついた。
「や、やっぱり、俺達で団長を助けに行くべきじゃあ……!」
「駄目よ……今のまま行っても返り討ちに合うだけ。
そんなことになったら、本末転倒もいいところでしょう」
首を振って答えながら、副団長と言われた人物は顔を上げた。
(とはいえ、このままでいるわけにもいかない……どうすれば)
その視線は、近くて遠い物を望んで哀し気に揺れる。
- <総軍鏖殺>囚われた銀閃の乙女と砕けた故郷完了
- GM名春野紅葉
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年10月15日 22時25分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
リプレイ
●
「はぁい、こんにちは」
木々の間から顔を出した『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)に、槍がずらりと向けられる。
秩序だった武器の構え方と出方を窺うような位置であることを見るに、訓練の行き届いた集団であることは明白だ。
「あっと、ごめんなさいね。お話をしに来ただけなの」
「構えを解いていいわ」
手を上げて交戦の意思がないことを示すと、槍を向けてきた者達にそう指示が与えられ、槍が離れて行く。
「いきなりごめんなさい。こっちも少し気が立っていて」
そう言いながら姿を見せた女が申し訳なさそうにぺこりと頭を下げる。
「私はセリーネよ。臨時でここの責任者を務めているわ」
緑がかった若葉色の髪を揺らしてセリーネはそういうと、アーリアの隣に視線を送る。
「あっ、ども。家電っす」
バリバリに羽を回転させながら『ラド・バウB級闘士』アルヤン 不連続面(p3p009220)がきらりと眼光……眼光?が光る。
只者ではない雰囲気を漂わせる。
「……あぁ、旅人さんなのね。少し驚いてしまったわ」
ぽん、と手を叩いたセリーネは2人を案内してくれる。
木々を活用して作られたテントの1つに入るとそこは本営らしき場所のようだ。
「改めて、アーリア・スピリッツよ」
「アルヤン 不連続面っす」
席に座るように案内された2人が自己紹介をすると、セリーネが姿勢を正す。
「私はセリーネ。ザルパドナヤ・ベロゴルスク都市圏第六自警団の副団長をしてるわ」
「率直に聞くけど――貴方達は何故ここに? あの村は今危険よ?」
「いきなり詰め所に押し寄せてきた連中――他の町の自警団に包囲されて、団長が捕縛されたの。
私は団長に言われて何とか兵士達を纏めて町から退去することになったわ」
「なるほどねぇ……団長さん……ユリアーナさんよね?」
アーリアは相槌を打ちつつ念のために問いかける。
「ええ、それで撤退してきたのは良いけど、こんなところにくぎ付けにされてしまって……
町を取り替えそうにも、言ってしまえば私たちは団長を人質に取られたに等しいわ。
他の町への救援……と思っても、今はどこが敵でどこが味方か私たちじゃ分からなくてね」
「……それなら、私達が力を貸すわ!
こう見えて私、それなりに実績も、名声もあるの。
ローレットのアーリア・スピリッツよ。聞いたことはないかしら?」
「そう言われると、確かに聞き覚えがある名前かもしれないわね」
こくりとセリーネが頷く。
「ラド・バウの家電、聞いたことないっすか?」
アーリアにつなぐように、アルヤンもぶぅんと羽を大きくぶん回しながら言えば。
「ねえ、貴方知ってる?」
セリーネはちらりと近くに立つ兵士へ視線を向ける。
「ええ、休暇でラド・バウ見物にいかせてもらえた時に何度か」
「そう……。ごめんなさいね。ここって中央から遠いでしょ?
私みたいにあんまり遠出するわけにいかない立場だと最近のラド・バウのこともあまり知らないの。
流石に代表的なS級とかA級は分かるけれど、それ以上になると入る人が多すぎてね……」
兵士からの返答に頷いたセリーネはそう言って申し訳なさそうに頭を下げる。
たしかにここはラド・バウのあるスチールグラードからは遠い。
立地上は南部戦線のバーデンドルフラインやら帝政派の根拠地たるサングロウブルクの方が近い。
副団長まで行くとあまり外には出られない――というのも頷ける。
「団長は報告とか鉄帝軍に出向したりで帝都に昇るのはよくあるから、寧ろあの人の方が良く知ってそうね」
「セリーネさん、単刀直入に言うわね。
私はこの国で積み上げてきたものに誓って、嘘はつかない。
一緒に戦いましょ! この陣地に来たのは私達2人だけど、他にもあの町に来てる人がいるわ。
大丈夫、きっとユリアーナさんを助けましょう! ね、アルヤンくん」
「任せるっす!」
「……そうね、団長もローレットを何度も頼ってるし、その武名は聞いてるわ」
こくりと頷いたセリーネが勢いをつけて立ち上がり、兵士達へ向けて指示を出し始めた。
●
町の広さを鑑みて、イレギュラーズは二手に分かれる予定を立てていた。
「イルザはこの町に詳しいんでしょ。
通りから隠れて動くのに協力してくれそうな人や、
余所者が知らない入り組んだ道も知っているんじゃない?」
その前に『天空の勇者』ジェック・アーロン(p3p004755)はイルザへと声をかけていた。
「色々とあるけど……そうだね、いきなり言って直ぐに覚えられる範囲だと……」
そういうとイルザは地図へ幾つかの印をつける。
丸は協力者になりそうな人物、線は道筋だろう。
「このぐらいかな。これ以上はつけてもいきなりでどうこうするには入り組んでて無理だと思う。
下手すると僕でも迷うし」
ジェックはそれらの情報を合わせると他のメンバーにも共有していく。
「それじゃあ、そろそろ行こう。時間をかけるわけにもいかないだろうし」
「実感はそんなになかったのだけど本当にめちゃくちゃになってるのね。
何があったのか、どんな奴らなのか、知っておく必要はありそうね」
そう言ったのは『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)だ。
オデットは周囲の精霊たちに声をかける。
現場に入っていない今はまだ町の様子を軽く問うだけだ。
「……そう、上も警戒はされてるみたいだけど、地上よりはいないのね。ありがとう」
精霊たちからの情報に頷いて、オデットは羽を広げた。
(何もかもを叶えられない僕自身がもどかしいけど、
町の状況をできる限り把握して……ユリアーナさん、必ず助け出すから!)
話を聞きながら『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)は目的となる町へと視線を向けた。
その時だ。3人の前に軍勢が姿を見せる。
「動き出したっす。どうもこのまま町に向かうみたいっす」
軍勢の中から顔?を出したアルヤンと、アルヤンを抱えるアーリアの姿。
「それじゃあ、セリーネさん達は町の入り口から行ってくれるかしら?
みんなが注意を惹きつけてくれてる間にユリアーナさんを救い出してくるわ」
アーリアが振り返って言えば、セリーネが頷いた。
「自警団の人達も生き延びてんだね。良かった良かった。
僕もそろそろ行くよ、姉さんの事、よろしくね」
それだけ言い置いて、イルザが走り出した。
「合流できたことだし私達も行こう」
ジェックが言えば、それに5人は頷きあって町の中へと走り出した。
●
町の様子は物々しいという他ない。
力こそが全ての総軍鏖殺の世。力のない人々は息を潜めているようだ。
その様子を見つめる少女が一人。
銀色の髪を冬に向かいつつある冷たい風に躍らせながら、『華奢なる原石』フローラ・フローライト(p3p009875)は物思いに更けるように町を見ていた。
(暴力に支配されつつある町、ですか。
……。弱いものが淘汰されない、人の秩序があるから生きることを許される者もいるのです)
何よりもそれは、フローラと言う少女のことである。
防りがちな幼少期を経て、英雄への憧れを抱きながら、己の無力さを呪うばかりだった。
イメージして、作り出した『強い自分』を経て、フローラは少しずつ前を向こうとしていたのだ。
そんな少女にとって、『弱者の許されない』世界は、あまりにも重い。
(私のような人も生きていける国に……そのためにも)
「……急ぎましょう」
自然と最後の言葉は口をついて出ていた。
持ってきていたマントに身をくるめば、存在感が瞬く間に希薄になっていく。
物陰に隠れながら『駆け出し錬金術師』クロバ・フユツキ(p3p000145)は銃を何時でも構えられるようにして歩いている兵士達に視線を向ける。
動きの素早いクロバは他のメンバーよりもその行動範囲は広い。
(しかし数が多いな……それに)
ちらりと視線を上げる。町にたむろする連中の間には、明確にグループがある。
(……多分、組織が違うんだろうな)
きびきびと警護するグループもあれば、明らかに手抜きのグループもある。
その時だ。ふとクロバは視線を上へ向けた。
建物同士の間が狭く、やろうと思えば昇れそうだった。
(……上に敵はいなさそうだな)
クロバは建物の壁を蹴り飛ばすようにして屋根の上へ走り抜けた。
(ここからならよく見えるはず……)
体を起こせば、周囲の様子が良く見えた。
「だ、だれ……?」
「悪い。ローレットだ。安心してくれ」
住民であろう怯えた様子の妙齢の女性はホッとした様子で家の中へと戻っていった。
(冠位魔種が国を取ろうとしたこともだが、それに追随する混沌の住人がいるとはな)
大きく視野を持つようにして移動しながら『陰陽鍛冶師』天目 錬(p3p008364)は驚きを隠せずにいた。
(様々な国で魔種絡みの事件が起きても目前に迫らなければ他人事、って者は少なくないのだろうなあ……)
そんなことを考えながら、こちらに近づいてくる兵士を見つけて立ち止まる。
(近くに隠れる場所は……ないな。仕方ないか……)
そっと式符を取り出してそれを鏡へと変えれば、そいつが向かってくる方へ構えた。
「なにも――の」
言い切られるよりも前、どろりと溢れだした虚像が兵士を呑みほした。
「悪いな、見つかるわけにはいかないんでね」
倒れた兵士を見下ろして、錬は静かに処理を済ませて行く。
「鉄帝がアホなのは周知の事実でスが…
最近は笑えないタイプのアホも増えてきましたね」
ぽつりと呟いたのは『合理的じゃない』佐藤 美咲(p3p009818)である。
住民の姿を装ったまま、周囲を見渡して、1人の兵士を確認すれば。
偶然を装って兵士とぶつかっていく。
「ひぇぇ、す、すみません!」
「……外を出歩くなんて良い度胸じゃないか」
「ど、どうか命ばかりはお助けを……! この街は皆様のものですからね!
私は逃げ出したユリアーナではなく皆様に従いますとも!」
「あぁ?」
そそくさと袖の下用のお金を差し出せば、それを見下ろした兵士が引っ手繰るように奪い取る。
「ふぅん……あんた」
スリを試みた美咲は、思わぬタイミングで呼びかけられた。
「ひぃっ!?」
大げさに驚き見れば、その男は数歩下がってから睨むように美咲を見る。
「……まぁ、いいか」
男が溜息を一つ。
(……『呆れられた』?)
「俺は見逃してやるが、気を付けな。
一枚岩じゃないとはいえ、嫌になるくらいリボリウスに忠誠を尽くしてる奴もいる」
それだけ言って、気付いたら手渡した金を突き返されていた。
(……どういうことです?)
そのままどこかへと立ち去っていく兵士を美咲は呆然と見ていた。
(彼らはどれ位この町に食い込んでいるでしょうか)
息を潜めながら兵士たちの様子を窺うのは『深き森の冒険者』ルカ・リアム・ロンズデール(p3p008462)もだ。
(ユリアーナさんは依頼があったので助けますが、こんなことが日常で行われているなら、この先に放置し続けることは出来ません)
物々しい雰囲気に包まれた町の中で人々は息を潜め、多くの家屋で門扉を閉ざしている。
我関せずとも、守りを固めるようにも見える彼ら。
「おい、あんたこんなところで何してる?」
そんな声がしてそちらを向けば、兵士が1人。
「幻想種? みねぇ顔だな」
その刹那、ルカは魔導書を開いて術式を励起させる。
放たれた閃光が苛烈に兵士を焼いて、痛撃を刻む。
「バレる前に眠ってもらいますね」
崩れ落ちた兵士を尻目に、ルカは現場から離れるように一気に走り出す。
そのまま手分けしているグループの元まで走り込むと、既に留置所の近くで待機していた。
「行ってきてください」
ルカはファミリアーとしてネズミを召喚すると、それを廃屋へとけしかける。
五感を共有しながら小さな隙間へと入り込んだネズミは配管を通り抜けて中へ。
中に人はいない。それこそもぬけの殻と言っていい。
(たしか囚人も解放されたんでしたね……留置所だったとしても人がいないのは不思議ではありません。
だからこそ、今の状況で人がいるのならそれはユリアーナさんである可能性は高いですが……)
走るネズミの視界に意識を集中させ、ルカは内部を見渡していく。
●
「この町を占領してからどれくらい経ったっけ?」
ジェックはふとそんな声を聞いた。
立ち止まって、気配を殺せば、兵士が2人。
「さてなぁ……なぁ、中尉はどうしてる?」
「まだあの女のとこだ」
「おいおい、まだかよ……ったく、俺達に町の事は任せきりで何してんだあの人」
「まぁ、仕方ねえよ。あの人、前からここの団長の事、気に入ってただろ?」
「まぁ、なぁ……そりゃあ、美人だけどよ。俺はあの切れ長の目が嫌いなんだよなぁ。睨まれると思うとイライラするぜ」
「わかるわかる、いっつもこっちを見下してる感じでさ!」
「あの女を殺せるなら、愉しいだろうになぁ!」
(ふぅん……)
「――てめえら、こんなとこで何してる!」
大声で叫ぶ声。そちらを向けば、新手が1人。
「ユリアーナを助けに自警団の連中が戻ってきたらしいぞ! 迎撃しねえと!」
「なんだよそれ!?」
驚いた様子で騒ぎ始めた3人は、そのままどこかへと走り去っていく。
「おい、聞いたか。この町の自警団が戻ってきたらしい」
ヨゾラが息を潜めていると、そんな声がしてきた。
「なんだって? それで、リボリウス様はなんと?」
「てめえらで片付けて来いとよ。あの方はあの女にご執心だ」
「けっ、あんな女1人、さっさと殺しちまえばいいのによ」
(……酷い会話、だけど)
下劣な会話にヨゾラが思わず目を細めると片方の男が着た方に視線をやった。
(さっきの会話はリボリウスと会わないとできないはずだね。
……あそこに、いるのかな?)
視線の先には目的地の詰め所がある。
(ここから見る限りだと、あんまり人もいないみたいだね。
自警団の人達が頑張ってくれてるんだ)
一歩、前に出る。
「――誰だ、あんた」
声がした。
刹那、ヨゾラはほとんど反射的に術式を起動すると、そちらに向けて斬撃を払った。
「――君は何も見てないよね?」
一気に肉薄して視線を交えれば、魔眼が起こる。
詰め所として扱われていたその場所は意外にも手薄だった。
アーリア、アルヤンの説得を受けて動き出した自警団が町の入り口から堂々と攻め込んだことにより、そちらへと戦力が割かれたのである。
空からその様子を確かめたオデットは精霊達へと問いかける。
(お願い、中の様子を見てきてもらえるかしら?)
オデットの願いに頷くように空を駆けた精霊達が詰め所の中へと消えていく。
『椅子に縛り付けられた銀髪の女の人がいたよ』
『よく分からないけど、ぼんやりしてた』
『でも、虐められてた。体中、痛そう』
少ししてから、精霊たちの姿が戻ってくるとそう告げる。
「詰所の中の様子が分かったわ。
人の数は少ないけど、警備が厚いところがあって、調べたら、ユリアーナと特徴が一緒の人が縛られてるみたい」
暫くしてからオデットは声をあげる。
「無事……とは言いづらいわね。
傷だらけよ。生きてはいるみたい」
ほっとしつつも安心するわけにはいかない状況を近くの仲間に伝えてから、オデットは精霊達へお礼を告げる。
●
「……よし、開いた」
ヨゾラは詰め所の扉へと近づいていくと、掌を翳す。
ややあって、微かな音と共にドアノブが回る。
「なんだ!?」
中にいる敵が声をあげた。
「て、敵襲!」
「静かにしてもらうよ」
ヨゾラは速攻で術式を起動すると、部屋の奥へと走り出そうとした1人へ刃を走らせた。
不可視の刃は戦場を走ってそいつの腱を斬り裂いた。
武器を構える敵兵を見て、オデットは願うように手を組んだ。
「皆、お願い……力を貸して」
精霊達へと思いを告げれば、それに応えて光が室内を走り抜けた。
それら一つ一つが小さな精霊たち。
小さな、温かい光の子らが兵士達の周囲へと揺蕩い、その全身を以って瞬いた。
それは激しき瞬く輝きは邪悪を砕き、兵士を怯ませるには十分すぎる。
怯んだような動きを繋ぐは閃光。
鎖状の雷光が蛇のように踊りながら兵士達を絡めとる。
「本命に気付かれる前に仕留めます」
ルカは静かに意識を集中しながら手繰るように魔力を籠めた。
「さっさと眠ってください」
雷光がひときわ強く輝き、出力が上がって兵士達の精神力を削り落とす。
「支援は私に任せてください……頑張りますので!」
フローラの周囲にタロットカードが浮かび上がる。
一枚一枚が魔術の触媒足りうるそれが、籠められた魔力に反応して鮮やかな光を放つ。
美しき光は仲間達へと最適解を導き出し、後押しとなる術式を起こす。
「有象無象は片付けてあげる」
ジェックが静かにそう告げる頃には、既に凶弾は巻かれていた。
重厚なる鉛のしらべ。咲き誇るは美しき赤の花。
どうしようもない劇場が幕を開け、あっという間に降りて行く。
悲鳴という名の囀りさえも奏でられることはなく、即興劇は沈んでいった。
●
部屋を前にしてイレギュラーズがまず感じたのは嫌な空気感だった。
どんよりとした、重い空気。
どことなく、身に覚えのある気もする嫌な空気が満ちている。
扉が開く直前、アルヤンは出力を強から静に。
「逆式風水──吉兆返し」
怪しく輝く魔眼を思わせる破滅の衝動をその身に抱き、一気に攻めかかる。
「あん?」
刹那の間合い、アルヤンの姿はリボリウスの背後にある。
気づいた男がこちらを見れば、アルヤンは再びその背後へ。
「あ、これは『提案』なんすけど、今すぐ降伏とかしないっすか?」
「寝ぼけたこといいやがって。っていうか、何処にいやがる――まさか」
その視線がアルヤンを見た。
家電たるアルヤンの姿を敵と認識できなかったか。
「しないっすよね。そう来なくっちゃ」
うぃーんと羽を動かしながら、アルヤンはそういって目の前の敵に狙いを定めた。
アルヤンの挑発にリボリウスが笑う。
「俺様は鉄帝国軍の中尉だせ?
知りもしねえ雑魚10匹相手に降伏? はっ、冗談にしても面白くもねえよなぁ!」
扉を蹴り飛ばして飛び込むように現場へ姿を見せたクロバは男へと走り抜けた。
「初めましてお嬢さん。死にかけかもしれないが、もう少し待っててくれ」
飛び込みながらユリアーナの手足を縛る物を切り刻んで、クロバは剣を薙いだ。
合わせるように動いた男――リボリウスの剣がそれに合わせて動く。
振り下ろすは黎明の一振り。
本命の一太刀は強かにリボリウスを切り裂いた。
「誰だか知らねえが、邪魔するとはいい度胸じゃねえか」
炎を抱き、剣が振り抜かれた。
痛烈な痛みがクロバの身体を刻む。
文字通りの焼ける痛みと嫌な臭いがクロバを襲う。
「んで、新皇帝派の実力ってそんなもん? なら、新皇帝もお前の軍勢も大したことないんだろうなぁ!」
けれど、クロバは。いや、だからこそ、挑発をひとつ。
「てめえ、良い度胸だ。
俺らに喧嘩売るんだ、ただじゃおかねえ!
あんたらも知ってるよなぁ、今のこの国は――強者こそが正義だってよ!」
「なるほど、ご立派な名分だ
新皇帝派を名乗るなら──勅命通り、『弱肉強食』だよね?
虎の威を借りたいだけの狐か、真に虎か……見せて貰うよ」
合わせ、ジェックは引き金を引いた。
連続して2発、放たれた弾丸は逃れることを許さぬ死神の凶弾。
壮絶なコントロールセンスより放たれた魔弾がリボリウスの身体に食らいつく。
「自らの欲がため呼び声でもなく魔種の側に立つ。
そんな考えなしに尉官は務まらないのは明らかだろうな?」
錬は術符を構えると薙ぎ払うように打ち出した。
刹那、術符は無数の木槍へと姿を変え、真っすぐに走り抜ける。
弾丸の如く走り抜けた槍は山の如く連続してリボリウスの身体を貫いた。
刹那、リボリウスの身体へと干渉していく。
「何の話だか知らねえが、よええ奴がイキる世界よか百倍マシだぁな!」
貫かれた無数の木々が一気にボロボロに焼け落ちて行く。
「無事……じゃないよね」
ヨゾラはユリアーナへと近づいてその様子を確かめる。
魔術紋が強い光を放つ。
それは星の祝福、星々が歌う頌歌。
眩く、温かく、魔術紋は歌う。
ミッドナイトブルーの光が輝いて、5つの翼が羽ばたきを思わせるように瞬いた。
不完全なる願望器『が』願えば、ユリアーナや周囲に星の息吹を放つ。
「んん……」
ユリアーナが身じろぎして、ゆっくりと目が閉じて、数度瞬いた。
「よく耐えたわねぇユリアーナさん、やっぱり女の子って強いわ!」
アーリアはユリアーナへとそう声をかけつつその視線をリボリウスへ。
「貴方は女の子の扱いを分かってないわ!」
戦場をゆらり、くるくるくるりと糸が巡る。
手繰る想いは静かに、リボリウスを絡めとる。
強く、きつく、激しく絡まる糸は、それだけで刃にも等しく、その身を傷つける。
「私は……ぐぅ……手酷くやられたようか。
……君達、は。――あぁ、ローレットか」
視線を巡らせたユリアーナが悟ったように頷いた。
「これ以上はさせないわよ!」
オデットは一気にリボリウスへと肉薄する。
その手に抱くは温かなる陽光。
連撃に不快さを滲ませるリボリウスの懐で、日輪の輝きが内包した壮絶な質量を抱く魔力を炸裂する。
確かに芯を取った一撃は、人のみではあまりに重い――はずだった。
オデットを鷲掴むのは男の腕。
「い、痛ってぇなぁ!」
激昂と共に、斬撃がオデットを大きく切り開く。
「……負けません!」
フローラはタロットに魔力を籠める。
タロットカードが鮮やかな光を放ち、温かな音色は静かに鳴り響く。
心を落ち着かせ、傷ついた身体に活力を呼び起こす。
深呼吸と共に、魔力を注ぎ込む。
英雄譚の登場人物のように。
迫る連撃、ルカはそれに続くように術式を起動する。
「貴方がリボリウス……この町をこんなふうにした人……」
魔導書がスパークしながら白雷を描いて増幅されていく。
それは災厄の白――雷鳴。
美しき深緑を出た少年が抱く覚悟の一端であろうか。
暴発せんばかりに溢れる稲妻が、一気に集束したかと思うと、一条の光となってリボリウス目掛けて走り抜けた。
炸裂した光は、内包した魔力を爆発させ、戦場を白く塗り替える。
「私もお手伝いしまスよ」
美咲がコマンダーガードを入力した瞬間、手が勝手に動いて小銃の引き金を引いた。
放たれた魔弾は一斉にばらまかれ、リボリウスの身体へと炸裂していく。
「総軍鏖殺以降アンタみたいの見飽きてるんスよ! とっとと死ね!」
引き金を握る指に力が籠る。
炸裂する魔弾が心なしか勢いを増していく。
「てめえが、な!」
リボリウスが笑って答える。
●
リボリウスを討伐するつもりでいたイレギュラーズの戦いは激戦になっていた。
苛烈に攻め立てる男の炎の剣は凄まじく、癒し手が少ないわけでもない面々を明確に押している。。
美咲は再び術式を行使する。
「流石にこれ以上は難しいスよ」
00機関式情報統合端末が仲間達の様子を照らしている。
痛撃は与えているはずだ。
だが――
「撤退するべきです……なんだか、嫌な予感もしますし」
美咲の結論は、それに他ならない。
術式を起動して、熾天使を思わせる光輪が姿を見せる。
美しき光は戦場を照らして前線へと降り注ぐ。
「おいおい、寂しい事言うなって、なぁ!」
そう言ってせせら笑うリボリウスが馴れ馴れしい声でそう言って、一歩前に踏み出した。
握られた剣の出力が際限なく上がっていく。
「了解っすよー」
アルヤンの顔?羽?が淡い輝きを抱く。
黄金の輝きを抱き、放つは旋風。
嫉妬深く、執拗に攻め立てる金色夜叉。
三度にわたって叩きつける風は斬撃となってリボリウスの身体を切り刻み、その動きを抑えつける。
「さっきから、ちまちまと――鬱陶しいな、てめえの風は!」
「いやーそう言ってもらえると扇風機冥利に尽きるっすね」
涼しく答えるアルヤンの羽が出力を増していく。
完全に身動きを封じられたところで、そこへと飛び込む影。
「一手でも多く食らいついて、隙を作る!」
漆黒の如く、クロバは剣を走らせる。
邪道の極み、連続する全ては死を巡らす壮絶なる太刀筋。
未完成なれど確殺自在たる剣舞が苛烈に追い立てる。
ここで討つ。その意思を籠めた熾烈なる連撃は鮮やかな軌跡を描いていく。
「うぜえ……うざってぇったらありゃあしねぇ……」
苛立ちを怒りを露わに、リボリウスの目が据わる。
「俺に命令しやがるやつ、俺の言う事を聞かねえ奴、逆らう奴、どいつも、こいつもッ、うざってぇなぁ!!」
刹那、それまでの空気の理由をイレギュラーズは悟る。
「くそが……遊びで付き合ってやろうと思ったが、思いのほかうざってぇ……」
(原罪の呼び声が聞こえるわけでもない。
魔種ってことはないだろうけど……)
ジェックは静かに銃口を向けたまま推測を続けている。
溢れるばかりの感情の爆発は、どこか通常の範疇を越えている。
(もしも、狂気に侵されているのなら……近くに魔種がいる――もしくは、いた?)
弾丸を撃ち込みながら、ジェックは思考する。
再び寸分の狂いもなく放たれた弾丸は、美しい軌跡を描いてリボリウスの肺辺りを貫いていく。
「うぜえんで、全員殺してやるよ」
激情を剣に籠めたリボリウスが激昂と同時に剣を振るう。
紅蓮の炎が燃え上がり、室内に焼き焦げる臭いが充満していく。
振り抜かれた一閃が炎を呼び、扇状に燃え広がって走る。
激烈な重さの一撃を受けきった時、錬の持っていた盾が燃え尽きた。
(自棄に重いな……だが)
錬は再び式符を取り出す。
それを盾へと錬成すれば、絡繰儀杖の先端に添えた。
「錬成――五行相克」
変質と共に斧へと姿を変えたそれを構え、一気に飛び込んだ。
服の一部を焼く炎など知った事かとばかりに飛び込んで、思いっきり薙ぎ払う。
斧の刃は五行、循環し続ける魔力は炸裂の瞬間にバランスを崩し――暴発を引き起こす。
「よそ見は駄目よ」
アーリアはふ、と吐息を漏らす。
生まれるは無数の銀の娥。
遊びというには強引に、絡めとるその吐息。
けしかけられた蛾たちが一斉にリボリウスの身体へと纏わりついていく。
「許さない――絶対、許さない」
ヨゾラの全身から迸る魔力が感情を示すように揺らめいていた。
手を伸ばせば、魔法陣が幾つも浮かび上がる。
それらは1つ1つが瞬く星のようで。
幾重にも重なり続けて行く。
「貴様の願いは叶えないし、叶わない!」
「いうじゃねえか、兄ちゃんよぉ!」
ヨゾラは一気に飛び込んだ。
零距離へと肉薄と同時、リボリウスへと術式を叩きつける。
それはさながらヨゾラそのものが流星のように瞬くが如き閃光と軌跡を描いて、リボリウスへと叩きつけられた。
壮絶な一撃がリボリウスの身体をぐらりとへしゃげさせて、吹き飛ばす。
「がはっ!? ははっ、今のはいてぇぞ!」
強烈な一撃を受けたリボリウスがたたらを踏み、忌々し気に視線を向けてくる。
フローラは、そんな彼が自分を見ていないことに気付いていた。
(――これは、『弱いもの』が剥いた牙。私のように、弱い者も牙を持つのです)
張り巡らされたタロットカードが、一斉に魔力を抱く。
一斉に放たれたカードが鮮やかな光を放ち、リボリウス目掛けて殺到する。
「くそがっ……身体が――」
「――次は、必ず貴方に届いてみせましょう」
「あぁ!?」
激情を目に映して、フローラはリボリウスへと啖呵を切った。
身動きの取れない男の悍ましいほどの怒り。
竦みそうになる身体と逸らしそうになる顔を、前に向けて。
そんなフローラの封印術を皮切りに、一気に走り出す。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
大変お待たせしました、イレギュラーズ。
GMコメント
こんばんは、春野紅葉です。
早速参りましょう
●オーダー
【1】ユリアーナの奪還。
【2】町の状況を把握する。
●フィールドデータ
ザルパドナヤ・ベロゴルスク都市圏を構成する町の1つ。
ユリアーナ、イルザにとっての故郷であり、ユリアーナが自警団長として務めていた場所です。
現在は所属不明の兵士達が闊歩し、物々しい雰囲気に包まれています。
拘禁場所の候補としては2ヶ所あります。
【1】元々自警団の詰め所として使われていた場所
【2】かつて留置所として扱われていた廃屋
●エネミーデータ
・『焔劔』リボリウス・リンデマン
新皇帝派の鉄帝軍人です。
元はユリアーナと同じくザルパドナヤ・ベロゴルスク都市圏を構成する町の1つで自警団長をしていた人物です。
今回の動乱発生に伴い、新皇帝派と思しき何者かと通じて鉄帝軍中尉の職を与えられました。
馴れ馴れしく自信家であり、また同時に残忍な性格です。
ザルパドナヤ・ベロゴルスク都市圏に存在するほとんどの戦力を指揮下に収めつつあります。
遭遇するかは皆様次第です。
現在はユリアーナの近くで彼女へと尋問ないし拷問を繰り返しています。
なお、遭遇時にリボリウスを討伐しようとすると難易度が上がります。
・リボリウス麾下兵団×???
町中を歩き回っているリボリウスの兵士達です。
イルザ曰く見覚えのない余所者であり、少なくともこの町にいた自警団の兵士ではありません。
彼らは皆さんの姿を察知すると妨害を試みると共にリボリウスへ情報を伝達するべく動きます。
●NPCデータ
・『銀閃の乙女』ユリアーナ
町の中で拘禁されている人物です。
姉御肌な涼し気な風貌をした女性です。
これまでもイレギュラーズとは何度か共に戦ったりしてきました。
元は戦場となる町の自警団長を務めていましたが、今回の動乱に伴い任を解かれています。
現在は自らの精神世界へと意識を落とすことでリボリウスから受ける拷問を受け流していますが、
いつまでも続くわけではありません。早急な救出が必要です。
・『壊穿の黒鎗』イルザ
依頼人でもある鉄帝生まれ鉄帝育ちのラサの傭兵です。
本来はあまり表立って活動するわけにもいかない立場ですが、
今は故郷と姉貴分にあたるユリアーナのことを心配して積極的に動いています。
リプレイでも友軍として参加します。
皆さんの意見を受けて行動します。
陽動に使うにも、遊撃に使うにも、ご自由にどうぞ。
何もなければ適度に騒ぎを起こす役を務めます。
・???×20
戦場となる町からやや離れた位置に存在する小さな森に陣を敷く謎の勢力です。
敵か味方かは不明であり、その動向はリボリウス側からも警戒されているようです。
事前に交渉することは可能です。
●特殊ドロップ『闘争信望』
当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
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