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シナリオ詳細

<竜想エリタージュ>ドラゴンズ・ドリーム警備作戦

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●今ホットで幸せな場所
 竜宮城って知ってるかい? 
 今、一番ホットなスポットさ。
 深海に存在する海底の都で、一見すると『夜の繁華街』のようなイメージがあるんだ。
 暗い海底にネオンサインがにぎやかに光り輝いて、カジノやキャバクラやホストクラブのような『楽しく遊べる場所』が多く立ち並んでるんだ。
 おっと、夜の繁華街は危ないものじゃないかって? そんなことはないさ。 
 此処のお店は純真で優しい人たちによって運営されているから、竜宮の民によるボッタクリや詐欺店舗は存在しないんだ。
 ただし、竜宮が外に開放されたことに伴い、厄介な悪党や、竜宮の民を騙す悪いもの、店を乗っ取ってしまった悪党などは出てくるかもしれないらしいな。怖い話だぜ。
 で、だ。肝心のスポットについてだ。竜宮にはいくつかの通りが存在するんだ。
 例えば『中央通り』。ここは主だったサービス店が存在してる。
 例えば『CLUB RYUGU』は多くのバニー……竜宮嬢たちが在籍する最大手のクラブが存在してる。
 カジノ『ドラゴンズ・ドリーム』は巨大なカジノで、竜宮を代表するものともいえるだろうな。
 こういった遊興施設が中央通りに存在し、中央通りの奥には『竜宮城』、乙姫の住まう神殿が存在するんだってよ。
 『ケルネ通り』には飲食店が多く並んでるんだ。ちょっとお高めの飲食店から、手軽な食堂までなんでも並んでるんだぜ。
 『マイスター通り』は、少し特殊なお店が並んでるんだが……なんかこう、趣味的だな!
 『裏通り』は、メインの三つの通りから外れたエリアに存在するんだが、此処はバッティングセンターやカラオケ店、ダーツ場やちょっとした軽い酒場などが存在するエリアだ。

 ……さーて、じゃあ今日の俺のオススメだ。
 中央通りのカジノ『ドラゴンズ・ドリーム』。此処は1回は行ってみるべきだ。
 しかも最近、人手を募集してるって話もあってな。アンタなら、行けば面白い事になるかもしれねえ。

●ドラゴンズ・ドリーム警備員募集中!
 カジノ『ドラゴンズ・ドリーム』。竜宮を代表するカジノだが……ここ最近、色々と問題も発生している。
 たとえば外からやってきたイカサマをやらかす客の存在だ。
 流石にドラゴンズ・ドリームを乗っ取れるなどと考えてはいないだろうが、イカサマで違法に儲けようとはしているだろう。
 ただ、それは従業員でも見破れる。だが問題はイカサマがバレた後に暴れる客や、何かとクレームをつけて暴れる理由にする客などである。
 そういったものを客と呼びたくはないが、後者はあくまで「お客様」というていでくるからタチが悪い。
 だからこそ、そういった悪質な客に対応するために竜宮嬢の中には警備員……つまり給仕役兼ガード役といった役割を持つ者がいる。
 彼女たちこそがドラゴンズ・ドリームの平和と安全を守る砦なのだ!
「なんでー! なんでこうなるわけー!?」
「なんでー! なんででしてー!?」
 その竜宮嬢たる『深海の輝く魔砲使い』ロロミアと『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)がなんかバックヤードに転がされている気もするし、トンテンカンテンと綺麗に修繕作業が行われている気もするが……頑張れイレギュラーズ! いや、バニーズ!
 ドラゴンズ・ドリームの平和を守るのは君達だ!

GMコメント

と、いうわけでバニーになって給仕やったりしながら迷惑客をぶっ飛ばしましょう。
皆様のお仕事はイカサマがバレても往生際悪くディーラーに絡むイカサマ野郎をぶっ飛ばしたり、些細なクレームや悪質クレームをつけてカスハラをやらかす奴をぶっ飛ばしてお店の外に捨てることです。

なお、先輩兼隊長として『深海の輝く魔砲使い』ロロミアがいますし、一足早く『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)さんもバニってます。
なんか気の合う2人ですが、とりあえずロロミアさんは魔砲っぽいものをすぐ撃ちたがります。
撃たないという選択肢は恐らく存在しないので、頑張って止めたりする必要はありません。ほっといても死人は出ないので、ギャグ的なことになりますから一緒に悪ノリする選択肢も大いにありでしょう。

はい、ご理解いただけたと思います。
本シナリオはギャグ系『ドラゴンズ・ドリーム』満喫シナリオでございます。
思いっきり皆様の全力プレイングをぶつけてきてくださいませ。

●特殊ルール『竜宮の波紋・改』
 この海域では乙姫メーア・ディーネ―の力をうけ、PCは戦闘力を向上させることができ、水中では呼吸が可能になります。水中行動スキルを持っている場合更に有利になります。
 竜宮城の聖防具に近い水着姿にのみ適用していましたが、竜宮幣が一定数集まったことでどんな服装でも加護を得ることができるようになりました。

●制服
バニーです。大丈夫、最近は男バニーも需要あるらしいです。罪深ぇなあ。

●特殊ドロップ『竜宮幣』
 当シナリオでは参加者全員にアイテム『竜宮幣』がドロップします。
 竜宮幣を使用すると当シリーズ内で使える携行品アイテムと交換できます。
 https://rev1.reversion.jp/page/dragtip_yasasigyaru

●名声に関する備考
<竜想エリタージュ> では成功時に獲得できる名声が『海洋』と『豊穣』の二つに分割されて取得されます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <竜想エリタージュ>ドラゴンズ・ドリーム警備作戦完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年09月03日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
志屍 志(p3p000416)
天下無双のくノ一
八田 悠(p3p000687)
あなたの世界
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
札切 九郎(p3p004384)
純粋なクロ
ロロン・ラプス(p3p007992)
見守る
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星
セレナ・夜月(p3p010688)
夜守の魔女

リプレイ

●ドラゴンズ・ドリームへ
 カジノ『ドラゴンズ・ドリーム』。
 竜宮を代表する巨大なカジノだ。カジノ……というとダーティな雰囲気が付きまとうが、ドラゴンズ・ドリームについてはクリーンそのもの。イカサマなどあるはずもなく、それ故に誰でも適度に常識の範囲内で楽しめる、そんな素敵な場所なのだ。
 しかし、しかしだ。竜宮の解放により外から人が来るようになったことで、海洋でならしたイカサマ師の類も来るようになってしまったのである。
「はあ……正直賭博って良い事じゃないと思うの。ギャンブルなんて胴元が勝つように出来てるんだから、それで稼ごうなんてする方が間違いなのよ」
 『夜守の魔女』セレナ・夜月(p3p010688)の言う事は正しい。しかし……まあ、このドラゴンズ・ドリームにおいては非常にクリーンだ。それ故に、イカサマ師がやってくるとも言えるのだが。
「それにしても、迷惑客はどこにでも居るものね。そういう輩は外へつまみ出されるべきよ。多少その手段が……手荒な方法であってもね? ……それにしても、本当にバニー衣装着なきゃいけないの? 制服? 怪しまれないため? んんん……そうよね……はあ」
 そう、ドラゴンズ・ドリームではバニーが制服だ。
「なるほど、場を荒らす不届き者を退場させる仕事ですか。あの手の輩は存在するだけで遊戯場の価値を低下させますからとっとと追い出すことには賛成です。……二度と暴れる気が起きないよう、脅さなくていいんですか?」
 そう物騒なことを言う『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)も、勿論バニーだ。
「始まる前から嫌な予感しかしない。こう、なんというか、爆発しそうな……とりあえず給仕に混ざって巡回からスタートかな」
 不吉なことを言っている『あなたの世界』八田 悠(p3p000687)も、当然バニーだ。
 そして『侠骨の拳』亘理 義弘(p3p000398)は……。
「今回の仕事は、カジノの警備か。カジノや賭場にはマフィアやヤクザがつきものだからな、俺にとっちゃあ、うってつけの仕事だぜ……と思っていた時期が俺にもあったんだぜ。なあ、なんだこの制服は。俺もバニーにならなけりゃダメか? 目も当てられない事になるぞ、事案だぞ? ……さすがにバニーの耳だけで勘弁してくれ」
 流石に義弘のバニーはマニアックが過ぎるということでバニー耳だけになったが……まあ、それだってバニーである。
「ふむ、バニーガールか。その格好になる事自体は構わんのだが、如何せん自前の耳と尻尾が邪魔でな。申し訳ないが、キャットガールとして働いても良いだろうか? なぁに、どうせ際どい衣装の方が本体だろう?」
 エア眼鏡くいくいしているのは『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)だが、勿論OKである。
「この手のセクシー路線はお手のものだ。任せるといい。猫撫で声だって得意だぞ。なんせ、本物のねこだからな! 欲に溺れる心弱きイカサマ犯&カスハラ連中など、私のセクシー衣装でさくっとめろめろにしてくれるわ☆」
「他の賭博場で働くというのも色々と新しい学びがあって良いですね……こんな格好じゃなければもっと良かったのですが、元々ウサギだからマシとはいえやはり恥ずかしいです……」
 やる気も満々で、実に頼もしい汰磨羈と比べると『純粋なクロ』札切 九郎(p3p004384)には少し照れが見えるが……汰磨羈同様にうさ耳が不要仲間だ。
「ふむふむ、厄介なお客様を見かけたら帰ってもらえばいいのかな? バニースーツっぽいデザインも用意できたし、ひとつがんばってみるとしよう」
 『頂点捕食者』ロロン・ラプス(p3p007992)もスライムバニーの準備はバッチリだ。
 そして先程から退場とか警備とかいう単語が響いているが、今回のロロンたちはいわゆる警備バニーである。
 『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)と『深海の輝く魔砲使い』ロロミアが隅っこに縛られ転がされているのが見えるが、お店を壊したから縛られてるのであって不届きものをやっつけたから縛られてるわけではないところがポイントだ。
「ここは竜宮城なのです。最近は自由に来れるようになってみんなで楽しめるのでして! でも、残念なことに世の中いい人ばかりじゃないのです。特にここは「夜の繁華街」で「みんないい人」ですよ。それでそんな噂を聞きつけちゃって~? そう! 悪い人がいっぱい来ちゃうのです! だから、だから……!! 早くこれ解いてほしいのでしてーー!! 締め方きついのですよ痛いのですよーー!!」
「そもそもアタシは悪くないしー!」
 何やら2人で陸に打ち上げられた魚のようにビッタンビッタンしているが……ともかく、警備のお仕事なのである。
「皆さんが快適にゲームを行える環境が作れるように頑張りますね! ……僕は見た目が幼いのでお客さんに心配されてしまうかもしれませんね。もう成人しているのでお気になさらず、といったところですけど」
 そんな九郎の言葉も響き、出動開始である。

●わるいやつらをぶっとばせ
「もー! 縛った跡が残ったらどうしてくれるのですよー? でもこれでやっとお仕事再開出来るのです!」
「まったくもー、ちゃんとお仕事してただけなのに有り得ないしー!」
 ルシアとロロミアが不安になることを言っているが、とにかく人数も増やしてお仕事開始だ。
 広いドラゴンズ・ドリームの店内には様々なゲームがあり、楽しんでいる人たちがたくさんいるが……なるほど、ちらほらと怪しげな者たちがいる。しかし怪しげというだけでは排除できない。確たる排除理由を見つけなければならないが、そこは各自作戦がある。
 たとえば、義弘だ。ハイセンスを活かしてカジノ内を巡回し、客の監視をしていた。
「姿はあれだが、仕事はしっかりこなさねぇとな」
 視線がバレないようにサングラスをかけているが……義弘がやると強面度が爆上がりするから不思議だ。
 視力を活かして不審な行動を監視、聴力を活かして不穏な話をしている奴を特定、嗅覚を活かしてやばいクスリやアルコールを感知するつもりだ。
 幸いにもやばいクスリの匂いはしないが……アルコールの反応はある。まあ、そこはカジノであれば仕方ない。問題は酒量だ。
「……と、早速か」
 どうにも酔った勢いかディーラーに絡んでいる男が1人。アニキカゼを吹かせながらも初めは下手に義弘は声をかけていく。
「お客様、当店はそういった行為はご遠慮いただいております」
「な、なんだてめえ……うおっ!?」
「他のお客様へのご迷惑にもなりますので、お控えください」
 強面で筋肉質、うさ耳サングラスの義弘に酔客はビクッと酔いのさめたような顔になる。
(これで大人しくなればよし、それでもまだイキッて暴れるようならばこちらも加減はしねぇ。言う事を聞かねえ輩には拳骨をお見舞いしてパンツ一丁で外に放り出すとしよう)
 さて、どうなるか。サングラスを僅かにずらしギロリと睨めば酔客は「す、すいませんでした……」と小さな声で呟き逃げていく。
「……全部こうなら楽なんだがな」
 しかし、そうはいかないだろう。義弘はいつでも他のメンバーを手伝えるように気を配り……深酒をしている客の方へと歩いていく。
 そして瑠璃は、なんと事前に自前の情報網で組織がらみの要注意な『お客様』についてリストアップし念のため仲間やドラゴンズ・ドリームとも共有していた。
「あらお客様、順調ですね?」
「うおっ……チッ」
 今、瑠璃が腕に抱き着いたのもカードのイカサマを妨害する為だ。
 腕を掴んでしまえばカードのすり替えは出来ない……まさに最小限の動きで出来る妨害だ。
 作ったリストの客は当然頭に叩き込んでいるし、その対象が来店した際は人懐っこい店員の演技をし、今のようにさりげなく後ろや横を付いてまわり後ろから覗いたり腕に抱きついたりして誘惑しつつイカサマの妨害をするのだ。
(可能であればスリでイカサマの仕掛けを気づかれないうちに抜き取ることにも挑戦するつもりでしたが……その隙は無さそうですね)
 必要に応じシェイプシフトで外見を、インスタントキャリアで新米ディーラーに役割を変え、瑠璃自身がディーラーを努めるゲームに呼ぶ事も厭わない。イカサマにはイカサマを……まあ、そういうつもりなのだが。
 それ以前にドラゴンズ・ドリームのディーラーはイカサマを上手く妨害している。その自然な手際は瑠璃も僅かに感心するほどであった。これなら、強硬手段に出る相手でなければ大丈夫なはずだ。
 そして普段はディーラーを務めている九郎だが……今回は気分変えも兼ねて給仕に回っていた。
 他所のディーラーのやり方を給仕という立場から見るのも、中々に勉強になるものだ。
(……さて、皆さんが快適にゲームを行うには秩序を乱す方たちには出ていってもらわないといけません。特にイカサマをする人には…ホント、なんでイカサマなんてするんですかね? 僕はそういう人が一番嫌いです。しっかりあぶり出してこらしめましょう)
 九郎は自らのディーラー経験から、おそらくイカサマしてる人は見れば分かるだろうと考えていた。
 そしてドラゴンズ・ドリームのディーラーも的確にイカサマを見抜き、ごく自然に妨害を仕掛けていた。
「なるほど、ああいうやり方も……」
 無理にイカサマをすればディーラーに指摘されるが、妨害で諦めれば「お客様」で終わる。見事な仕組みだった。
 ドラゴンズ・ドリームの繁盛の秘密の1つなのかもしれないと、そんな風に九郎は思う。
 ……が、勿論イカサマを強行するチンピラも存在し、九郎は即座にノーギルティを叩き込む。
「……ここが安全なカジノなのに感謝してくださいね、うちの賭博場じゃこの程度ではすみませんから」
 ドラゴンズ・ドリームほど健全で「優しい」カジノもそう存在しないだろう。九郎はそんなことを考えながら……ちょっと過激仲間たちにチラリと視線を向ける。
 そこでは丁度、ロロンがケイオスタイドと同じ理屈の『ぬるるんまいあー』で生みだしたボクの分身入りスライム☆ドリンク……とやらを振舞ってチンピラを死なない程度に撃退していたところだった。
「ところでカジノで最も忌み嫌われる能力ってなんだと思うかな。ツキに見放される漆黒の運命、FB50を積み上げる破滅の汚泥、そう、ケイオスタイドだね」
 そんなことを言いながら空のグラスを回収するロロンだが……なんかこう、いっそ飲まされたチンピラが哀れであった。
「大声で怒鳴ったりクレームをつけたり、賭け事に熱中したら汗もよくかいて喉がカラカラだっただろう? なに、ものすごく運が悪くなるだけでお腹の中から健康になるから遠慮することはないよ。普通のカジノにも失敗し、イカサマにも失敗し、逃走にも、言い逃れにも失敗するといい……ま、ボクが一服盛ったわけだけれど。イカサマを見抜くよりは仕掛ける方が手っ取り早いってものさ」
 そんなことを言うロロンを、他の警備バニーたちがそっと捕獲して運んでいく。
「え? あれ? 何か間違った? 異物混入はダメ? そんなー」
 飲み物に仕込むのはダメだったらしい。ロロンが運ばれていくのをセレナは見送り、ふと磨かれた壁に映る自分の姿を見る。
「なんていうか、ほんと、色々心許ないけど……恥ずかしいのを抑えて頑張るわよ! セクハラされたらノータイムで魔光閃熱波なんだから」
 フリルのスカートのついたバニー服はジャケットとも意外なほどによくマッチしており、中々に周囲の視線を集めている。
 此処がバニーだらけの場所でなければもっと注目を集めていたかもしれない。
 そんなセレナは接客のアルバイト経験を活かし給仕をしていくが、そうしていくとおかしな客も結構出てくる。
 すでに何人目かも分からない迷惑客相手に、セレナの説教が響く。
「いい? お客様って言うのはね、お店のルールを守って、迷惑をかけずに利用する人の事を言うの。それをイカサマだの、重箱の隅をつつくようなクレーム付けるだの……その上でお客様を名乗るなんて恥ずかしいと思わない? ああ、恥ずかしくないからそう言う事するのよね。本当、おつむの足りてない人の相手って大変だわ! ともかく! この店にあなた達の居場所は無いの。とっとと出て行かないと、ほら、今にも魔砲を撃ちそうな子が……ところで、本当にお店壊して大丈夫? 弁償とか、いいの……?」
 その客は義弘が追い出したが、セレナの不安そうな視線の先にいるのは……いや、先に別の危険を発揮している悠に視点を向けてみよう。
「オイタをするお馬鹿さんをしばいていくということだけど、とりあえず脱がせば大人しくなるかなあ。肌面積が広いスタッフが大好きなみたいだし、似たような状況になればきっと満足してくれるでしょ。他にはあれだね、頭を冷やすってやつ。物理的に水とかに類するものを頭からかけてあげれば効くでしょ」
 言いながらチンピラを脱がしていく悠は、ちょっと事案っぽい。
「しかしまあ、僕がこの場にいて良かったなあって割と思う。相手をボコすことしか頭に無さそうな仲間たちだし、回復能力がある僕がストッパーしないとやばいことになりかね……え? 何? 風紀? え? ボコるのはいいのに? ええー……」
 ちょっと見た目が倫理的にマズかったらしく悠が運ばれていくが……まあ、仕方なかったかもしれない。バックヤードで説教を受けて戻ってくるが、飄々としているのは流石だ。
「――はい、現行犯だ。こう見えても一端の剣士でね。その程度の動きなら視えるぞ」
 そんな中で汰磨羈は真面目にイカサマを現行犯で捕まえていたが……カスハラ男を色気で捕まえることも忘れない。
「申し訳御座いませんお客様♡ お詫びをするので、是非ともこちらへどうぞ♡」
 相手の腕にぎゅっと胸を押し付けているが、連れていく場所は地獄だ。
 そう、今日の一番の問題児コンビ……ルシアとロロミアである。
「こっちが撃てなくなるまでお仕置きする、ですよ!! 全力全開フルパワーできっつーいお灸を据えて反省させるのでしてーー!!」
「だよねー! それこそ警備のやるべきことって感じだしー!?」
「そう、つまり! 片っ端から殱光砲魔神で悪い人をずどーんでして!」
「やっちゃうかー!」
 あ、アレはダメだ。汰磨羈がそっと斜線にカスハラ野郎を誘導していく。
 此処がオチともいえる部分だろう、と悠は煽る準備を始めていく。
 大きな声で促して、手を上げて大きく叩いて。
「カウントダウンは10から! 9! 8! 7! 6! 5! 4! 3! 2! 1!」
 ずどーん、と。2つの砲撃がドラゴンズ・ドリームに大穴を開けて。
「ふぅー、いい仕事したのです! やっぱり魔砲が人々のためになるって素晴らしいのですよ!」
「だね! いやー、これはもうボーナスものっしょ!」
 勿論、そんなはずもない。
「えっ待っていやでして!? 何でまた捕まえ……「向こう見てみろ」って……? ……あっ」
 随分と風通しのよくなった……というか凄い事になったドラゴンズ・ドリーム。ロロミアは逃げようとして捕まっている。
「えっと、その……か、風通しが良くなったのです! じゃなくて……水通しですよ?」
 そんなもの、通じるはずもない。
 運ばれていく2人を、仲間たちは「だろうな……」という顔で見送る。
「うわーん! 頑張ってお仕事した人にこの仕打ちはあんまりでしてー!!」
 そうかなあ。あんまりかなあ?
「ちなみに今日の僕は着てると思う? いつもみたいに、水とかでそれっぽくしてるだけだと思う?」
「どっちだろうな……」
 悠と汰磨羈がすでに他人のフリをしていたが……「君ら止めなかったし煽ったよね?」と警備バニーに肩を叩かれるのは……この後、すぐであった。

成否

成功

MVP

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式

状態異常

なし

あとがき

よい魔砲でした。
ご参加ありがとうございました!

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