小芝居しないと進めないダンジョン～ドロドロ昼ドラ編～

オープニング

●小芝居しないと進めないダンジョン
　そこは幻想で最近発見されたダンジョンの系譜。
　世界各地にあるソレは今回もまた、鉄帝で発見されていた。
　奥には素晴らしい宝があるとされながらも、誰もクリアできないでいた。
　その理由は、そのダンジョンのギミックにあった。
　そして今……ダンジョンギミックをクリアできなかった敗者たちがダンジョンの外に射出されてくる。
「ぐあー！」
「うおおおお！」
　スパーン、とダンジョン外に怪我１つなく排出された男２人だが……悔しそうに地面を叩く。
「くそっ！　何がドロドロだ！」
「つーか『ヒルドラ』ってどんなドラゴンなんですか！」
　中々苦労しているようだが、ダンジョンギミックは冷徹だ。出来なければ追い出されるだけ情がある方だろう。
　再挑戦するか、帰るか。２人に出来るのはそれだけなのだ。
「おい、ジョン。さっきのテンションでもう１回いけるか……？」
「無理っす。そもそもヒルドラの謎が解けねえです」
「だよなあ……学者先生連れてきた方がよかったか？」
「こんなアホなダンジョンに来てくれねえでしょう」
「だよな」
　なら何故来たという話なのだが、さておいて。
　２人の男達は顔を見合わせると、溜息をついて立ち上がる。
「……帰るか」
「ええ。もっとマトモなダンジョン探しましょう」
「つーか、このパターン何度目だ？」
「なんでこんなのばっかり見つけるんです？」
「俺が聞きてえよ」

●ヒルドラの謎
　説明しよう。
　昼ドラとは練達の再現性東京のテレビでお昼時に放送されるドロリとした人間関係を前面に出した番組である！
　つい最近１７話が驚異の視聴率６５％を叩き出した「仁義なきママ友」は再現性東京に出入りする人ならば当然知っているだろう。
　主人公の旦那さんの浮気相手が浮気してる相手の浮気してる相手の浮気してる相手の浮気してる相手の浮気してる相手の（中略）浮気してる相手が主人公だった衝撃の展開はまさに手に汗握りましたよね！
「つまり昼ドラっていうのはね？」
「いえ、もういいです」
「ここからがいいとこなのよぉ？」
「えい」
「もぐもぐ」
　『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ（p3p004400）の口にサキイカを突っ込んで黙らせると、『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック（p3n000201）は集まった面々へと振り向く。
「えー……そんなわけでダンジョンです」
　チーサ・ナコックはそう言うとダンジョンの資料を取り出した。
　正式名称は不明。
　愛称は「小芝居しないと進めないダンジョン～ドロドロ昼ドラ編～」だ。
　なんなんだろうか、このダンジョンは。
　古代にも昼ドラはあったのだろうか？
　あまりにも謎だ。謎過ぎる。
　ちなみにこのダンジョンの情報を掴んできたのはアーリアだ。
「ルールは簡単で、部屋に入った後に「ドロドロ昼ドラ」をテーマにした小芝居をする。２人１組でも３人１組でもいいらしいです」
　必要なのは芝居にかける「熱」……つまり演技だ。
　それを部屋の古代機械が判定し、クリアすれば次に進めるという仕組みだ。
「必要な芝居数は不明ですが……ま、前回を考えるに芝居の熱量次第だと思うです」
　芝居自体も難しいものではなく、本当に小芝居で良いらしい。
　ドロドロ昼ドラをテーマにしてさえいればシリアスでも恋愛でもヒャッハーでもなんでもいい。
　というか本当に古代文明は何なのだろうか、こんなダンジョンが幾つも存在する辺りヤバげではある。
　そして、奥に進めば進むほど熱量の高い演技が必要になってくるだろう。
　恥ずかしがらずにそういう事を出来る度胸が大切ということだ。
　失敗したらダンジョンの外に射出されるが、再挑戦は可能だ。
　また熱量が足り無さそうだな……と思うなら演技の追加なども可能だ。
　これぞドロドロ昼ドラと一撃で分かるような、そういうのである。
　……なんだろう、幾らでもありそうな気もする。
　無論、それは最後の手段ではあるだろうが……そういう手もあるということだ。
「無事に奥にある宝を手に入れれば完遂です。ま、頑張ってくるですよ」

参加者 : 8 人

冒険が終了しました！　リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧（8人）

リプレイ

●連続（しない）小芝居ドラマ『運命と薔薇』
　～前奏（７秒）～
　いつか見た薔薇みたいな真っ赤な色は私の心が流す血の色かしら
　貴方はいつでも『イイカンジ』。私を踏みつけ笑ってるの
　どうでもいいけどいい感じ、で変換したらいい寛治が出てきたわ
　この昼ドラの脚本家の某A氏もだけど寛治に毒されすぎよ
　ああ寛治。ああ寛治。眼鏡が本体ファンドマネージャー
　運命？　まるで万華鏡ね。ホントの姿が分からないの
　貴方の差し出す薔薇の色。きっとそれが運命なのね
　運命と薔薇。万華鏡の中で咲き誇る、たった１枚の愛の花弁よ
　きっと貴方は気付かない（リフレイン）
　～タイトルコール『運命と薔薇』～
「私は新田家の母、アーリア。かわいいかわいいサラリーマン、寛治ちゃんの母よ。寛治ちゃんとは血が繋がってなくて、彼のパパとは私が勤めるスナックで出会ったの」
　スポットライトの下、朗々とした声を『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ（p3p004400）があげる。
「パパは最初お客さんだったんだけど――失礼、これは前シリーズをご覧くださいな。まあかくかくしかじかでパパは出て行ったんだけど寛治ちゃんとはずぅっと一緒でね。寛治ちゃんってばパパにそっくりでねうふふふふふ。初恋も知ってるし告白の文面もママが考えたし初めてのピーの時はピーでピーなのをを助ｋ」
　此処で本気でピー音が鳴りブラックアウト。アーリアが四方八方から棒で突かれている。棒持ち達が捌け、再びスポットライト。
「そんな寛治ちゃんが結婚したのはいいけど、この嫁が本当にどうしようもない女で掃除もできないし味噌汁は煮干の出汁じゃないしはーあ！」
（スポットライトが『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ（p3p006270）に）
「みなまで言わないで下さい。なにも言わなくても、分かっています。ごめんなさい。ろくでもない妻だと笑ってください。ししゃも」
　ちなみにエッダの脳裏（舞台としては後ろの方）をよぎるのは『ファンドマネージャ』新田 寛治（p3p005073）の姿。
「何を言ってるんだいエッダ。君は私の妻だよ、愛しているに決まってるじゃないか」
　そう、寛治は四月の嘘日記を手にそう言っていた。小芝居に荒唐無稽過ぎる大嘘を信じさせる類の小道具持ち込んだぞこのメガネ。さておいて。
「エッダさん、こんなの食べられないわ！　塩分が強くて私を殺す気なのかしら！　え、ていうかなんでししゃもが味噌汁から!?　え、もしかしてししゃもで出汁とったの!?」
　エッダの皿にたわしを置くアーリアだが、中々にファンキーだ。
「とにかくいびっていびっていびりまくる。息子のオイタは見て見ないフリ。だって最後に寛治ちゃんが頼るのはママだもの！」
　そんなアーリアの脳裏（背後）には、やはり寛治の姿。
「継母（かあ）さん、もう死んだ父の事は忘れて、一人の女に戻ってもいいんですよ」
　ちなみにこの寛治は小芝居上の寛治であって実際の寛治とは関係ありません。
「寛治ちゃんが今日は会社の同僚を呼んでホームパーティーをするって言うの！　お洒落して髪も巻いて、ちょっとエッダさんこんなのお客さんに出す気なの？　ってお料理を捨ててデバ地下総菜をさも私が作ったかのように盛るわ。お客さんには愛想よく……なんだか女が多くない？　あら？？」
　此処でアーリアがブラックアウト。アーリアとエッダが捌けて、寛治にスポットライト。
「私は新田寛治。どこにでもいる、ちょっと仕事ができるサラリーマン。傍目には仕事・家庭とも充実した環境で過ごしているが…
妻エッダと同居の継母アーリアの嫁姑戦争に嫌気が差し、家に寄り付かなくなり、行きつけの夜のお店で働くブレンダを、恋人の然音から寝取って不倫関係に。パパ活と称してJDの咲良にも手を出すも、相手の方が本気になる、と多方面に複雑化した（＝ドロドロした）関係を築いている」
　名前が出る度にエッダ、アーリア、『導きの戦乙女』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル（p3p008017）、『旧世代型暗殺者』水無比 然音（p3p010637）、『正義の味方』皿倉 咲良（p3p009816）とスポットライトが当たっていく。
「確かに私は定義上は不倫かもしれませんが、人の心は鎖で繋げない。しかし私くらい甲斐性があると、それを一人の女性が受け止めるには重すぎる、複数に分散して丁度良い」
　自己弁護（屁理屈）を交えながら、自身の女性関係を同僚のジンにペラペラと語る寛治だが……観客向けに登場人物の設定と関係性を説明すると同時に、ジンがこの情報をうっかりエッダ達に漏らすという脚本に繋げるための伏線であるようだ。
　なお、この寛治は小芝居の上でのキャラとしての寛治であって実際の寛治とは関係ない。
　そして寛治がブラックアウトして……ブレンダにスポットライトが当たる。
「私は夜の女。ただのお客であった新田殿……寛治さんに惹かれ愛し合う仲に。というわけで性的魅力のエキスパートな私。どこからどう見ても夜の女！」
　スポットライトがちょっとピンク色に変わり、エキスパートっぷりが強調される。
「然音と付き合っていたけれどやっぱり甲斐性は大事でしょう？　今も別れてはいないが私の心は寛治さんのモノ。結婚しているらしいけどそんなことは知らない。女として上の自負はあるし冷めきった関係の嫁に負ける気などないわ。女なんて男の人を喜ばせるためにいるのでしょう？　結婚なんて言う紙一枚の契約はどうでもいいけど寛治さんの隣は私の物よ」
　此処でスポットライトが通常の色に戻りブレンダを照らす。これまでの不穏な空気はなかったかのようだ。
　そんなブレンダの脳裏（背後）には、やはり寛治の姿。
「かわいいよ、ブレンダ。家には私の居場所は無いんだ。君と居る時間だけが、私の癒やしだ」
　勿論この寛治は舞台上の演出であり実際の寛治とは関係ありません。
「ふふ、今日は寛治さんから連絡があって自宅でパーティー。今まで嫁や親がいるからって呼んでくれなかったけどどういう風の吹き回しかしら？文面もいつもより素っ気なかった気が……そんなことを気にするより呼んでくれたことを喜ばないと！　お店で着ているものより少し落ち着いたドレスを着て教えてもらった住所へ行きましょう。お土産はいつも飲んでる赤ワインを持っていくわ」
　スキップしていくブレンダからスポットライトが『自然を想う心』エルシア・クレンオータ（p3p008209）へと移る。
　ちなみにこのエルシア、「また出ましたね小芝居ダンジョン！　今となってはもう恥ずかしいものなどありません……もう、散々私に優しくして気を持たせておきながら全然男女の関係になろうとしてくれない幻介さんへの当てつけも兼ねて、男に粉かける演技をしてやります！！」と言っていた。だそうですよ咲々宮 幻介さん。さておいて。
「そう……私は軽率な女。会社でも、プライベートでも、男を見つければ猫撫で声で甘え、一人称はあざとく自分の愛称の「える」ですぅ。「やですよぉ、これくらいスキンシップですよぉ」って言いながらべたべたと体を押し付けてゆくんですぅ」
　こういう女性を何系と呼ぶべきか。ぶりっ子系？　肉食系かもしれない。
「窘められたら「やーん、える、怖い～＞＜」って言いながら助けてくれそうな人にひっついて、えるが粉かけた相手に近寄る女には持ち物を盗んだり悪評を流したりして嫌がらせしてやりますぅ。勿論、イケメンでお金持ちな寛治さんも、えるの密かなターゲット…あの人の財産はえるのものなのにぃ」
　表情は（＞＜）って感じである。顎の下辺りで手をきゅっと握る動作も忘れない。
「……そんな時、ジンさんが寛治さんの女性関係をうっかり周囲に撒き散らしてくれるなら……寛治さんにたかる女達がどんなに破廉恥なのか、地域にいられないくらいに噂を広めてやれば、えるのライバルを蹴落とすには持って来いですぅ。寛治さんが離婚して、不倫相手もいなくなったら、後はえるが後釜に収まるだけですぅ、っていう計画を密かに立ててますぅ。それが、結局のところ自分への手痛いしっぺ返しになるのだとしても……」
　ブラックアウトする中で「ほら見てますか幻介さん！　私を邪険にしすぎると本当にこうなってしまいますよ！」というエルシアの声が響いているが、さておこう。次にスポットライトが当たるのは咲良。
　小芝居前には純粋無垢な笑顔で「小芝居しないといけない、かぁ……こういう昼ドラっていうの？　存在は知ってるけど見たことないんだよね。ま、アタシにできる精いっぱいのお芝居をやっていくよ。えーと、希望が浜の大学の友達が、パパ活（？）っていうのをやってるからそれを真似てみようかな！　何事も経験だよね！」と言っていた。ヤバい。
　ちなみにローレットはパパ活を推奨しておりません。念のため。
「最初は新田さんのこと、「良いカモ」くらいに考えてたのに。どうしよう。アタシの方が好きになっちゃった。あの人はアタシのこと可愛いって言ってくれる。話も聞いてくれる。だから、こうなっちゃったのかな……あの人、奥さんもいるのに。でも……でも愛してるんだもん、仕方ないじゃん。最近あまり会えなくてさみしいよ。アタシのこと愛してくれてないの？　あぁ、そっか。アタシを一番に見てくれないなら……アタシが一番になればいいんだ。うふふ……あはははは……ずっと見てるね？　寛治さん？？」
　ちなみにそんな咲良の服装はシンプルに、それでいて小奇麗なものだ。ミニスカでちょっと太ももを見せつける感じがポイントらしい。
　そんな咲良の脳裏（背後）には、やはり寛治。
「咲良、私はね、純粋に君を応援したい気持ちなんだよ。分かってくれるよね」
　勿論この寛治はフィクションです。
「お姉さま方よりぱっと見10歳ほど若いんだから、そのあたりは全力で武器にしていくよ。まさか、若くて可愛くて、こんなにも相手のことを思ってるような女の子のこと、一人にしないよね……するわけないよね？」
　真似ているという友人の今後が非常に心配ながらも、ホームパーティはついに始まってしまう。
　寛治の家の外、そこには然音の姿がある。
「まさか、自分がこのような芝居をすることになるとは……特異点というものは本当に不思議ですね……演技用の疑似人格を用意しておいてよかったです……どうにも嫌な予感がするんですけどね」とは本人の台詞だが。
　その演技用の疑似人格も絶好調のようである。
「何で何で何で！！！　僕はあんなに愛したんだ！　仕事中でも、プライベートでも！　それなのに……それなのに！　全部アイツのせいだ……新田 寛治！　殺す……殺してやる！　ブレンダに言い寄り、挙句に誑かして！」
　ガクリと倒れこむように座り込み……然音は立ち上がる。
「あぁ……ブレンダ……何で僕には振り向いてくれないんだ……。もうそれならいっそ君のことを……」
　ナイフを忍ばせながらブレンダを尾行しているとブレンダが見知らぬ家に入っていく。表札には新田の文字。
「へぇ……ここがアイツの家なんだ……」
　ナイフの感触を確かめながら笑う然音だが……家の中もまた、地獄であったのだ。そのきっかけは、あるいはジン（p3p010382）であったのだろうか？
　そんなジンの独白が、これから始まるアクションシーン（婉曲表現）の始まりであった。
「俺はジン……いや、亜竜野・仁。少しばかり、いやかなり女性関係が派手な同僚を持つ、しがないサラリーマンだ。件の同僚である新田とは仕事が終わった後によく飲みに行く仲で、少なくとも毎話１回、事あるごとに出てくるいつものバー（とか料亭）に通い、彼の武勇伝を聞いている。かなりの聞き上手で、鬱憤の溜まっている彼のスキャンダラスな話を頻繁に聞いており、その女性関係も大まかには全容を把握している（流石に相手の顔は知らないが）」
　そう、スキャンダラス……実にスキャンダラスだ。寛治を御神輿に練り歩けそうなくらいだ。
「押しにかなり弱く、新田の女性関係は正直改めた方がいいのでは……と思う所はありつつも、いつも口先で上手く丸め込まれて言うべきことを言えずに終わってしまっている。実はお酒の許容値はそんなに高くなく、飲みすぎないよう外ではセーブしていたため問題なかったが……ホームパーティーという環境で気が緩み、かつ酌を断れずに特別純米大吟醸をカパカパ飲みまくってしまい、そのまま寝落ちする直前に酔った勢いで新田の秘密を漏らしてしまったんだ。それが、こんなことになるなんてな」
　そうして場面はホームパーティに切り替わる。
「新田ぁ！　お前という奴は、こんな出来た嫁さんがいながら！　外で二人も……！　ふたりも……むにゃ」
　実際には２人どころではないのだが……乱入してきた女性たちによるにらみ合いは一瞬。
　女の勘とは凄まじく、爆発までは数秒であった。ちなみにこの間にジンはしっかりとフェードアウトしている。
「キエエエエッ寛治ちゃんなんなのこの雌豚！　雌猫！　泥棒猫！　私が女の顔……？　そんなわけないじゃない！　でもパパがいない今私には寛治ちゃんしか……キエエエッ！　その辺の女には雑巾絞り汁粗茶でも出すわ、ほら帰りなさい！　私と寛治ちゃんの愛の巣に何するのよ！！！」
「は？　誰よこいつら。今日は2人きりじゃなかったの？　ガキ（咲良）にババア（アーリア）にちんちくちん（エッダ）が何をしているのかしら？　継母？　どう見ても女の顔をしているわ！　私にはわかるもの！　然音！？　あんた何してるのよ！　邪魔よ！！！　ま、まさかパーティーっていうのは嘘……？　私騙されたの……？　ふん、ちょうどいいじゃない。今日ここで決着をつけてやるわ！　私が狙うのは目障りなあの女（エッダ）よ！　って無手は向こうの得意分野じゃない！このままだと私が不利……
あ！　あったわ！　赤ワイン！　でかした私！　これでキャットファイト（残虐ファイト）を勝ち抜いてやるわ！　寛治さんの隣にいるのは私だけでいいのよー！」
「アタシは寛治さんのこと愛してるのに寛治さんは愛してくれない！　ならここで死んでやる！」
　そしてそこに然音が乱入し、更に混沌は加速する。
「やぁ、ブレンダ！　そんな奴と何を話しているんだい!?　あはははははははは！！！　ねぇ！　見ててよブレンダ！　今、こいつ殺すから！　そしたらやり直してくれるよねぇ！　ねぇ！！！」
　その渦中……原因の寛治は、ヴォードリエ・ワインを一気飲みしていた。
「もうさ、皆一緒に仲良くやろうよ！ほら乾杯乾杯！」
　勿論、そんな理屈など通るはずもない。
「今ここで贖えッ！　ブレンダに手を出した罪をッ！」
　然音が寛治に襲い掛かり、修羅場が始まるが……寛治のたっての希望により、リアリティを増す為ガチバトルである。
　そして頃合いでジンがアーリアの用意した爆破装置を起動させて全員吹っ飛べば……扉は一斉に開いていき、ダンジョンのクリアを告げていく。
　そうして全員が動かなくなった中、ジンはダンジョンの奥の「宝物」である水晶板を回収するが……「毎回これじゃ身がもたないんじゃないか……？」などと呟いたのは、まさにその通りである。

成否

成功

ＭＶＰ

状態異常

あとがき

プレイングの全力っぷりに笑いました。悲しみの先とか向こう側とかに行く感じですかね？
なので全力で応えました


‐□‐□　（これはオマケの精一杯の眼鏡表現です）