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シナリオ詳細

ラクーンVSラクーンドッグ紛争・終決編

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●今でっち上げた因縁話
 昔々。ラサのある所には、ラクーン(あらいぐま)族とラクーンドッグ(たぬき)族という、二つの獣種の集団がおったそうな。二つの集団はとにかく仲が悪く、水場を巡って争い、夕飯の献立を巡って争い、どちらが先に学園のマドンナ、アーリア・スピリッツ (p3p004400)先生に告白するかで争い、後なんか争い、まあ争って負ったそうじゃ。
 二つの集団は、どちらも傭兵として生計を立てておったため、ちょいちょい仕事で衝突することもあり、まぁちょいちょい衝突しておったのじゃ。そういうわけだから、二つの集団の因縁は非常に根深く、ちょっとやそっとじゃ解決できんほどになっておった。
 そんな泥沼の争いが何年も何十年も続いた今日、両集団は、ついに決着をつけることにしたのじゃ。両集団から、腕利きの八人の傭兵を選出し、戦わせる。その結果、勝った方が負けた方の言う事を何でも聞く……間違えた、素でタイプし間違えた、負けた方が勝った方のいくことを何でも聞く、という事になったのだそうじゃ。
 かくして、両集団は精鋭を集めて、決戦の時を待っておったのじゃ。これに困ったのが、両集団の子供たちじゃった。
 子供たちは純粋で未来志向でダイバーシティでなんやかんやでまぁ仲が良かった。憎しみを継承する大人たちにはほとほと困っておったのじゃ。このままでは、両集団の未来に良いことは起こらない。困った子供たちは、近くにあったエルス・ティーネ (p3p007325)領のエルス領主にお願いしたのじゃ。
「エルス様、どうか喧嘩を止めてください!」
 エルスはこう言ったそうじゃ。
「どうして……」
 さておき、エルスは大変困惑した。こんな変な集団が領地の隣にいた事にも、こんな変なリクシナの賛同者に名前を連ねていることにもじゃ。
 こまったエルスは、タヌキとアライグマの話だから、スペシャリストに後をお願いして丸投げしよう、という事にしたのじゃ。
 エルスが呼んだスペシャリスト。
 それが、

 仙 狸 厄 狩   汰 磨 羈  ( p 3 p 0 0 2 8 3 1 )

 お前だ!!!!(怖い話演出)

●争いを止めろ
「あっはははははははははははははははは!!!!」
 ゼファー (p3p007625)が汰磨羈をめっちゃ指さして笑っている。汰磨羈の足元には、たぬきとあらいぐまの子供たちが沢山わーって群れていた。
 エルスの領地に存在する、ローレットの出張所の一室である。集められたたぬき問題のスペシャリスト汰磨羈達は、今ここで作戦を練っているのだ!
「いや」
 汰磨羈が声をあげた。
「どうして私が……?」
 泣きそうな顔でエルスを見つめる汰磨羈に、エルスは困惑した顔で、
「ええ……だってスペシャリストだって、過去の依頼の報告書で……」
 というので、汰磨羈も何も言い返せなかった。こういった騒動にはたびたび巻き込まれている。その都度解決もしている。つまりもう、それは専門家とスペシャリストと言われても何も文句は言えない。よかったね、汰磨羈。
「おねーちゃんは伝説の勇者アライグマなんでしょ!?」
 子アライグマが言った。
「御主どこでそれを」
「あっちのゼファーさんが言ってたんだ! あとたぬきの勇者? でもあるんでしょ!?」
 と、子たぬきがゼファーを指さす!
「あっはははははははははははははははは!!!!」
 ゼファーがめっちゃ笑ってる。汰磨羈は怒るに怒れなかった。相手は子供だ。ここでふてくされて大暴れ、とはいくまい。
「いや、汰磨羈ちゃんは、さておいて」
 アーリアが、おずおずと手をあげる。
「どうして、私がここに……?」
「さぁ……?」
 ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ (p3p001837)が答える。
「最近、なんかアライグマを誘惑したりしたんじゃありませんの……? シャイネンナハトとかに……」
「いや、そんなことは……してない、して、して……いや、あの日、お酒飲んでR.O.Oにログインしてたからよく覚えてない……」
 うう、と頭を抱えるアーリア。ヴァレーリヤがくぴくぴとお酒の瓶を空にしながらケタケタと笑った。
「しかし爆笑ものですわね、汰磨羈! これで名実ともにたぬきとアライグマの救世主……あらいぐまたぬきちと名乗るが良いですわ!」
「なのらねーよ! くそ、どうなってるんだぽん!!!」
 怒りのあまり地団駄を踏む汰磨羈。
「まぁ、あの、とりあえず子供たちのお話を……」
 エルスが苦笑しながら、子供たちに話を促す。
 さて、子供たちの話を要約すると。
 かねてから仲の悪い、アライグマとたぬきの傭兵たちが、この度武力行使で決着をつけることになった。
 ルールは、負けた方が勝った方の言う事を聞く。のみ。
 つまりこの武力行使に、話し合いか武力介入を行い、イレギュラーズ達が勝てば、全員イレギュラーズ達の言う事を聞くはずである。
 というわけで、何とかしてほしい。
「頭痛くなるな……」
 汰磨羈が頭を抑えるのへ、アーリアが苦笑する。
「でも、この子達も困ってるのよねぇ」
「それは確かよ」
 エルスが頷く。ゼファーとヴァレーリヤは汰磨羈を指さして笑っている。
「とにかく、何とか解決しないといけないわ。ふざけているように感じるかもしれないけれど、ラサに所属する傭兵同士のトラブルとなれば、ローレットが動く理由にもなるはずよ。
 ……こんなことで、あの人の手を少しでも煩わせたくはないし」
 少しばかり本音を出すエルスに、同情するように汰磨羈は頷いた。
「まぁ、そうだろうな……。
 仕方ない! この私が一肌脱いでやるか!」
『ほんとに!? ありがとう! 勇者妖精アライグマたぬきちさん!』
 異口同音に子供たちがそういうのへ、汰磨羈は叫んだ。
「お前ら次にそう言ったらマジで泣かすからな!!!!」
 ゼファーとヴァレーリヤが指さして笑った。
 さておき。
 子供たちの願いを叶えるため、いざ、出陣!

GMコメント

 お世話になっております。洗井落雲です。
 これはリクエストシナリオなので僕は悪くないです。

●成功条件
 ラクーン傭兵と、タヌキ傭兵を『理解(わか)らせる』。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●状況
 たぬきとアライグマが問題を起こしたぞ! そうなったら、この人の出番! そう!

 仙 狸 厄 狩   汰 磨 羈  ( p 3 p 0 0 2 8 3 1 )

 お前だ!!!!(怖い話演出)
 皆さんは、長年衝突を続ける、タヌキ傭兵とアライグマ傭兵を仲直りさせるため、両社が腕利きの傭兵同士を戦わせる遺跡に向かい、どうにかしてこの戦いを止めてうまい事解決してください。
 話し合ってもいいです。説得してもいいです。なだめすかしてもいいです。わいろを贈ってもいいです。どうせ最終的に暴力に訴えて全員ぼこぼこにすることになります。
 作戦決行タイミングは昼。周囲は砂漠遺跡になっています。特に戦闘ペナルティなどは発生しません。

●このシナリオの特殊ルール
 このシナリオにおいて、敵戦闘不能時の死亡判定は発生しません。どんだけぼこぼこにしても「ぬわー」って吹っ飛ぶだけで済みます。
 よって、全力でぼこぼこにして理解(わか)らせてやってください。

●エネミーデータ
 ラクーン傭兵 ×8
 アライグマ獣種の傭兵たちです。前衛4,後衛4の、バランスのいいオーソドックスな戦力を保持しています。
 前衛は、主に剣術。渾身の力で攻撃してきます。後衛は、弓をメインにした射撃系ユニットです。
 アーリア・スピリッツ (p3p004400)が特効を持ちます。あとアライグマに優しいギャルとか、そういうのに弱いです。

 ラクーンドッグ傭兵 ×8
 たぬき獣種の傭兵たちです。前衛3、後衛5の、後衛重視型の戦力配置です。
 前衛は、盾で耐えるタイプですが、背水の攻撃も行ってきます。後衛は、魔術師多めの神秘攻撃けいユニットです。
 エルス・ティーネ (p3p007325)が特効をもちます。あと、小悪魔リトルレディとか、そういうのに弱いです。

 以上となります。
 あとはよろしくお願いいたします。

  • ラクーンVSラクーンドッグ紛争・終決編完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年05月07日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
※参加確定済み※
マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)
黒鎖の傭兵
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
※参加確定済み※
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
※参加確定済み※
紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)
真打
エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
※参加確定済み※
ゼファー(p3p007625)
祝福の風
※参加確定済み※
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera

リプレイ

●たぬきち降臨
 さて、ラサの遺跡地帯。アライグマとたぬきの獣種傭兵がにらみ合いを続けていた。というのも、長年の因縁に、ここで決着をつけることになったのだ。勝った方が、『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)先生に告白できる……じゃなかった、『青鋭の刃』エルス・ティーネ(p3p007325)さまに嫌な顔しながら踏んでもらえる……でもなかった、とにかく、因縁に決着がつくのである。
『今の何?』
 異口同音、虚空に向って声をあげるアーリアとエルス。突如地の文でトロフィー扱いされたことに納得のいかない様子だがさておき。
「……っていうかっ。
 どうしてラサで終決編、みたいなことやってるの……しかも私の領地のすぐ隣で……?」
 エルスが眉をひそめて嫌そうな顔をする。まぁ嫌だろう。アーリアも肩を落としつつ、
「私なんて、教師になって数年のはずなのに、当然のように昔話に名前が出てたわよ……?」
「なんにしても。ええ、伝説は作ったもの勝ちですわ。というわけで私も伝説をでっちあげたい所」
 『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)が真剣な表情で言う。
「そうですわね、えーと……。
 『その者、編み笠を被り、徳利を手に雨の夜の酒屋に降り立つであろう』
 アーカーシュに伝わる予言の言葉ですの。予言が実現しないことを願っていたけれど、まさかこんな形で実現してしまうだなんて……」
 くっ、って顔をするヴァレーリヤ。アーリアも遠い目をしながら続ける。
「『あらいぐまとたぬきの諍いありし時、勇者妖精アライグマたぬきちそれを鎮めん』
 アーカーシュの遺跡の碑文だわ」
「アーリアさん、意外とノリがいいのね……慣れてるのかしら」
 エルスが小首をかしげる。
「ぜってーそんなもんはねーぽん!!」
 『タヌイグマプロフェッショナル』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)がばーって両手を広げた!
 その姿は――ああ、その身を包む衣装は、そう!
 \小悪魔ギャルリトルレディなゴスロリフリッフリキワドイドレス服を着た小麦色な体毛のたぬきぐるみを着用し、編み笠を被って徳利も持ったフルアーマーたまき/!
「……あっはははははははははははははははは!!!! 」
 『返の風』ゼファー(p3p007625)がこらえきれずに指さして笑った。もう凄い事になっている。わけがわからない。ゼファーでなくても、その格好には困惑と笑いを隠しきれないだろう……!
「どうしたの、たまきち! 大丈夫? 落ち着いて? これ以上はさすがの私も笑い死にます!」
「うっせーぽんゼファー! たぬきちは自棄になってるぽん! こんなわけのわからない仕事にプロフェッショナルとして呼ばれ! こんなわけのわからない性癖を持つたぬきとアライグマに頼られ!
 やってやろーじゃねーかよ、って気持ちにはなってるぽん!」
「おお、たまきち……」
 たまきちの親友『戦神護剣』紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)が、辛いものを見るような目でたまきちを見やる。
「オレも、面白生物にはつくづく縁がある方だったが……たまきちには負けるよ。
 辛かったな。オレはここから見守ってるから、全力で戦って――」
「うっせーぽん! おめーも着るんだぽん!!!」
 ぶわー、とたまきちがアレンツァーに襲い掛かる! 巨大なたぬきの着ぐるみが、ぶわーとアレンツァーをつつみ、あれよあれよという間にその服を着替えさせた!
「なっ……!?
 瞬く間に、オレが『小悪魔ギャルリトルレディなゴスロリフリッフリセーラー服with日焼け』装備に……!?」
 手鏡なんぞを覗きながら、うわー、って顔をするアレンツァー。
「おめーもにがさねーぽん! ここまで来たら一蓮托生!
 おめーもだよ、『黒鎖の傭兵』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)!!!」
「くっ、このまま双方の傭兵を武力で黙らせた後帰ろうと思っていたのに……っ!」
 マカライトがぐぬぬ、って顔をした。もはやこの場にいるものは、たまきちの圧から逃れられないのだ!
「おめーは小悪魔フリフリゴスロリ地雷ガールになれぽん! そんでデジタルタトゥーを刻め! そこで一人だけ『俺は平気だよ』みたいな顔してんじゃねーぽん!!! 皆不幸になろうよぉ」
 ずずず、ってオーラを出しながら、たまきちがマカライトに迫る。そんな様子(マカライトが念入りに悪魔フリフリゴスロリ地雷ガールにされる様子)を眺めながら、『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)が嘆息した。
「一応私も黒豹(Pantera Nera)を称号にしている、つまり。
 私 が こ の 場 で 最 強 なんだけどなぁ……」
「いや、それもどうなのかしら……。
 所で、モカさんのその格好は……再現性東京から流れてきた古い漫画で見たことあるわ。
 スケバン……?」
 エルスが突っ込む。モカの格好は、一昔前のJK……スケバンである! ちなみに、エルスはふりっふりのゴスロリ服を着ている。小悪魔。そのままくすくす笑いながら踏んでほしい。
「これでアライグマもたぬきも一網打尽だよ。誰だ今きついって言った奴」
「きっとたぬきかアライグマね」
 ゼファーが言う。ゼファーの格好は……格好は……エナメルのボンテージ、角と翼……いうなれば、女王様系大悪魔……!
「誰今キッツ、って言ったの」
 じろり、とゼファーがアライグマとたぬきの方を見やる。傭兵たちはイレギュラーズ達を認識し、
「ま、まて! あれはアーリア先生では!?」
「あっちには小悪魔エルス様も!」
 と、アライグマとたぬきがそれぞれどよめきをあげる。一気に視線が集まるのへ、死ぬほど嫌そうな顔をするアーリアとエルスである。
「……これも領主の務め、あの方のため……」
 エルスはこほん、と咳払い一つ。
「こんにちは。隣の領地のエルス・ティーネよ。この度は、傭兵同士の衝突の仲裁に――」
『そんなことは良いので踏んでください!!!!!!』
 と、たぬきとアライグマが言うので、エルスはすごく嫌そうな顔をした。
「……これ、交渉決裂って事いいのかしら?」
「いいと思うわよぉ」
 アーリアも嫌そうな顔をする。アライグマからの視線が辛いのだ。
「ま、元から武力で何とかする予定ではありましたわ。
 予定通り、と言えるでしょう!」
 と、胸を張るヴァレーリヤ。
「それより! アライグマに優しいギャル二号である私に! 何か言いたいことは――」
「ないです……」
「おかえりください……」
「百合の間に挟まると殺されるし……」
 すん、とした反応に、ヴァレーリヤは「えっ」て顔をした。
「こ……これは、何事……!?」
「ヴァリューシャ、無理なものは無理だぽん」
 たぬきちが肩をポン、ってした。ヴァレーリヤがぐぬぬ、という顔をする。
「くっ……別にアライグマにもてたいわけではありませんが、それはそれとして無視されるとムカつきますわね!
 あ、実は私、スイカ割がしたかったのですわ! ここにちょうどいいスイカが!」
「アーーーーッ!!!」
 ぎりぎりとアライグマ傭兵の頭にアイアンクローするヴァレーリヤ! アライグマの悲鳴が響く!
「な、なんだこいつら! やべー奴らだぞ!」
 困惑する傭兵たちに、
「お前らには言われたくないんだよな……」
 アレンツァーが嘆息する。兎に角、このままの流れで――戦闘開始だ!

●バトル・オブ・ラクーンとたぬき
「……ふぁっきゅーーーーーーーーーー!!」
 たまきち……いや! 汰磨羈は突然キレた! いや、もう正直限界くらいにキレていたのだ! これまでたぬきちを演じていたのも、全てはこの時のため――そう! うちにため込んだ怒りを、今ここで爆発させんがため!!!!
「いい加減にしろよ御主等!! 良い年して何がオタクに優しいギャルと小悪魔リトルレディだ!
 それで他人様に! 特に! 私に! いらん迷惑をかけるなーーっ!!」
「うわー! なんだあのたぬ……たぬきか!?」
「いや、アライグマだ!」
「どっちでもいい、にげろーっ!」
 そのあまりの剣幕に、傭兵たちがマジビビりする! そう、たまりにたまった怒りは、歴戦の傭兵すらビビらせるほどの気迫を伴い爆発していた!
「うわー、たすけてアーリア先生!!!」
 アライグマたちが、アーリアに殺到する――そう、アライグマはアーリアさんに弱いのだ! だが、そこにいたのは優しいアーリア先生ではなかった!
「ねーラクーンっち喧嘩とかダサくない? 今時ラブ&ピースっしょ」
 ああ、そこにいたのは……ああ、オタクに優しいギャル、アーリア・スピリッツ(p3p004400)だ!!!
「お、オタクに優しいギャル! オタクに優しいギャルだ!」
「実在したんだ! しかもアーリアさんがオタクに優しいギャルを!?」
 アライグマたちの間に衝撃が走る! オタクに優しいアーリアさんは、ギャル特有の人懐こい笑みを浮かべながら、アライグマたちに迫る! これがオタクに優しいギャルに詳しいアーリアさんの必殺技、「ギャルは一気に距離縮めてきていい匂いがしてボクは……ボクは!」アタックだ!!
「そんな後ろいないでさ、もっとこっち来ればよくない? 」
 顔を近づけて、そういうアーリアさん。ふわりと風に乗ってとてもいい匂いがする……なんだろう、香水なのかな制汗スプレーかもしれない。なんにしても、女の子のとても素敵なかおりがして、僕は、僕はもう……!
「食らえブーザァ・ブーザァ!」
「ぬわーっ!!」
 と、油断を誘った所で呼び出された『( ・◡・*) 』みたいな顔をした精霊たちが、アライグマを囲んで棒で叩く!
「なるほど、ああやればいいのですわね……」
 ごくり、とヴァレーリヤがつばを飲み込み、ゆっくりとアライグマに迫る!
「ラクーンっち、ケンカとかしないでさー」
「ヴァレーリヤさん、無理しないで良いですよ」
 と、アライグマが真顔で言うので、ヴァレーリヤはにこやかに笑った。
「まぁ、こんな所に潰しやすいスイカが」
「あががががが!」
 スイカにアイアンクローをかますヴァレーリヤ! 涙拭こうな。
 一方、キツイと言えばゼファーさんも相当だ! 大悪魔ゼファー、確かにその衣装は妖艶。年齢を感じさせぬ大人の雰囲気は、流石ゼファーさんであり、もしここに集まったアライグマやたぬきでなければ一発で篭絡されていたし、洗井落雲は割と踏まれてぇな、と思っていた所だが、ここにいたアライグマやたぬきの性癖には合致しなかったのだ!
「さっきしれっとした顔の連中は覚えてますからね?
 どうせ純種は獣種の顔の見分けなんてつかないだろうと思ってた子~! 手を挙げて~!
 食らえオラッ!! 」
 ひゅごう、とすさまじい風切り音とともに、たぬきの顔面にゼファーさんの膝がめり込む。
「さぁて、たぬきち! おちついて! どんぐりをあげますからね。
 此れはたぬデの王になるための試練。
 たぬきとアライグマを統べる為に超えるべき苦難……んっふふふふふふふやっぱ無理!」
 おなかを抱えて笑いだすゼファーに、汰磨羈が絶叫した!
「後で覚えてろよ! 次は御主がメインのリクシナとかするからなッ!?」
 逃げ惑うアライグマとたぬきを追い掛け回す汰磨羈。
「うわー! やべーやつだ!」
 逃げるたぬきが、ぽふん、とした何かにぶつかる。それは、ふわふわの洋服の生地だった。たぬきが顔をあげると、そこには『ゴスロリを着た小悪魔リトルレディ』エルス・ティーネ(p3p007325)の姿が!
「え、エルス様だ! しかも小悪魔だ!
 くすくすって感じで笑って踏んでほしい」
「ええ……」
 エルスが心底困惑した様子を見せるが、こほん、と咳払い。
「え、えーと、練習したとおりに……。
 あらぁ〜? あなたたぬきさんですかぁ?
 私、あなたのような楽しい方、とーっても興味あるんです。
 私の相手、して下さりません、か?」
 くすくすと挑発するように笑うエルス。割と棒読みというか、たどたどしい所はあったが、もうがんばるエルスが可愛いので、たぬきは嬉しかったし洗井落雲も嬉しい。
「はい! 踏んでください!」
「あはは! 面白い人!
 ますます……あなたの事が知りたくなっちゃいました。
 ね、もっと一緒に…楽しい事、して下さらない? ……なんて。
 私、あなた方のじ、邪魔になっちゃうでしょうか?」
 たどたどしくそういうエルスさんは可愛い。本当に可愛い。たぬきも爆発しそうな感じになった。
「はい! 踏んでください!」
「踏んでくださいしか言えないくらいに……ええと、これは成功ね?
 ……はぁ、あの方も、こんな風に、あっさり……いや、想像したらかなり嫌だわ……」
 肩を落とすエルスの足元で、たぬきたちがひっくり返って踏んでほしそうな顔をしている。そんなたぬきたちを、一つ一つ蹴り飛ばすスケバンの姿がここにあり。
「うーん、やっぱり特効キャラがいると楽だなぁ」
 モカがニコニコと笑う。
「あ、私の店Stella Biancaよりケータリングがあるから、終わったら皆で休憩しよう」
「お、いいな!」
 と、たぬきを踏み踏みする『小悪魔ギャルリトルレディなゴスロリフリッフリセーラー服with日焼け』紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)。たぬきが、あふん、みたいな声をあげたから、すごく嫌そうな顔をした。
「……なんで、オレ、こういうのに縁があるんだろうな……嫌な縁だな……」
「才能があるのでは?」
 たぬきが踏まれながら言うので、アレンツァーはもっと嫌そうな顔をした。
「嫌な才能だな……いらない……」
 アレンツァーちゃんは才能あると思うよ。もっとデジタルタトゥー刻んでいこうな。
「嫌な天の声が聞こえた気がする」
 アレンツァーが天を仰いだ。そこには嫌になるくらいの青空が広がっている。
「おらおらぁ! どうしたどうした、私の怒りはまだ収まらんぞーっ!?」
 アライグマとたぬきを追い掛け回す、もはや鬼神と化した汰磨羈! 逃げ惑うアライグマとたぬき!
「うわー! 鬼神だ!」
「鬼神……鬼神!? あらいぐまたぬき鬼神……!?」
「これ以上変なあだ名を増やすなーッ!!!」
 叫ぶ汰磨羈。そんな様子を見ながら、『小悪魔フリフリゴスロリ地雷ガール』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)は嘆息する。
「どうしてこんなことになってしまったんだろう」
 空を見上げた。傭兵同士の小競り合いをどうにかする依頼――と聞いていた。それがなぜか、こうして小悪魔フリフリゴスロリ地雷ガールの格好をしている。
 どうして。なぜ。何があって――答えを探そうとしても、なにも出てこない。マカライトははぁ、と息を吐いた。青空は何も答えてくれなかった。
 ふ、と、マカライトのスカートのすそを、何かが引っ張った。たぬきだった。たぬきはマカライトを見上げると、こう言った。
「踏んでください」
「………………」
 無言でたぬきを踏んだ。

●紛争終結
「いいか。お前達大人がそんなだから、子供達に迷惑をかけるんだ」
 と、地雷ガール・マカライトが、たぬきとアライグマを正座させて説教する。
 戦いは終わった。特効キャラと特効衣装の暴力の前には、アライグマもたぬきもあらがえなかったのだ。あと汰磨羈が本気で怖かった。
「そもそも想像通りと思ったら一度頭冷やせよ、十中八九美人局かハニートラップだって分かるだろ?」
 地雷ガールの言葉に、たぬきとアライグマは頭を振った。
『でもワンチャンあるんじゃないかなって』
「ないよ」
 異口同音にそう言った傭兵たちに、マカライトは冷たく言い放った。
「あんた達、いつまでも意地張ってないで仲良くしなさいよ。
 たぬきもアライグマもアナグマも皆同じ穴の貉。
 此処にたぬきでアライグマな、あんた達の架け橋みたいな子がいるんですから。
 此の顔に免じて! ね! 」
 ゼファーがそういうのへ、依頼主である子供たちが、その足元から顔をのぞかせる。その表情に、傭兵たちはハッとなった。
「我々は……間違えていました……」
「そうね、色々とね。性癖とか」
 ゼファーがそういう。まったくである。しかし間違いに気づけたのだ。これからいい関係を気づいていけばいい。ここで終わればめでたしめでたし。
「……」
「……」
 だったのだが、一方、遠くを見て呆けているのはヴァレーリヤとアーリアである。手には酒瓶。戦い終わってとりあえず、全てを忘れようと酒瓶を取り出して、無言でのみだしたのだ。
「……ほうっておいてやろう……」
 アレンツァーがそう言った。それもまた優しさである。
「ええと、これで解決、という事でいいかしら……?」
 心底疲れた表情で、エルスが言った。何だったんだろうこの仕事。どうしてこんなことに巻き込まれたんだろう。答えは出ない。フリフリゴスロリで挑発的な笑みを浮かべてたぬきを踏んでるイラストをお待ちしています。
「うむ! これで私がネコということが証明されてしまったな!」
 と、汰磨羈がやけっぱちの表情で言った。エルスは「それはないのでは」と思ったが、曖昧な笑顔を浮かべて黙っていた。
「ひとまず、うちのケータリングをみんなで食べようか」
 モカがそういうので、皆が頷いた。
 ひとまず、皆仲良くなれたので、めでたしめでたし、なのかもしれなかった。

成否

成功

MVP

エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)

状態異常

ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)[重傷]
願いの星
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)[重傷]
陰陽式
アーリア・スピリッツ(p3p004400)[重傷]
キールで乾杯

あとがき

 めでたしめでたし。

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