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シナリオ詳細

竜眼草を守って

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●覇竜領域にて
 覇竜領域デザストルは大陸南方の山脈に拠点を置く竜種の領域だ。
 国というよりは棲家といった方が適切でしょう。住民である人種『亜竜種』たちは領域(くに)と呼んでいる。
 竜種の住処であるという危険性から人類未踏の地ともされ、地理に関してはほとんど分かっていない。
 人間(人類)とは土台存在の異なる上位竜種の存在が多数観測されており、亜竜種と呼ばれる人種以外の混沌生命体は進んで此の山脈には近付きもしない。
 竜は自身の認めた勇者にのみ力を貸すとされているが、実際の所その観測例は殆どなかった。
 伝説や記録には極々稀に『竜を従えた勇者』の存在は記録されているのだが、実際の所それが可能であるかどうかは定かではなく夢物語であった。
 だが、絶望の青にて観測されイレギュラーズと敵対した『滅海竜』リヴァイアサン、練達で観測された『怪竜』ジャバーウォック等、その存在は夢物語ではない。
 そして……そのデザストルの亜竜集落フリアノンから少しだけ離れた山岳地帯の高台には、時折山菜を育てる為の広場があったりするのだが……「その場所」もまた、そうだった。
 ただしこの時期になると、とある問題が発生する。
 収穫の時期になったソレが発する……とても美味しそうな、匂いである。

●竜眼草というおつまみ
「竜眼草、という山菜があるんじゃがな」
 老齢の亜竜種の男は、集まったイレギュラーズを前に酒瓶を振ってみせる。
 此処で醸造している酒なのだろう、老人の周囲には幾つもの、酒の入った大きな甕(かめ)が置いてある。
 酒職人であると名乗っていたが、老人自身もかなりの酒豪であるようだ。すでに軽く酔っているようにも見える。
 確か黒鉄・相賀(くろがね・そうが)と名乗っていたはずだ。
「この山菜じゃが、ひじょーに……美味い!」
 美味い、の部分に力が入っているが、それだけ美味しいのだろう。
 ほう、とため息までついている。
「生で食うと味付け要らず。微かな塩味がついておって、シャキシャキと美味い」
 タマネギサラダといった風味じゃの、と相賀は語る。
 なるほど、実に酒に合いそうなつまみだ。
「干すと食感が変わり、塩味も強くなりジャーキーのようになる。これがまた……美味い!」
 ビーフジャーキー。なるほど確かに美味しいだろう。酒のつまみとして。
「まあ、もう分かっとると思うがの。酒のつまみに最適なんじゃ」
 子供も食べるが、大人向けではあるのうと。
 そう笑いながら相賀は酒をグビリと呑む。
「じゃが……1つ問題がある」
 丁度明日の明け方に収穫の時を迎える、この竜眼草。
 それを知らせるかのように強く香ばしい香りを放つのだ。
 それは美味しい時期を逃さず収穫できるサインなのだが……同時に、香りが良すぎて強大なモンスターをも引き寄せてしまう。
 だが相賀としては、モンスターに竜眼草の味を覚えさせるわけにはいかない。
 そんなことをすれば、何度でも来てしまうからだ。
「というわけで……上手く収穫してきてくれんかの?」

GMコメント

亜竜集落フリアノンに住む「黒鉄・相賀」からの依頼となります。
フリアノンから近い山岳地帯を進み、高台で育てられている「竜眼草」を収穫しましょう。
高台までの地図は相賀が貸してくれます。ルートをズレると死の危険があるので気をつけましょう。
強大なモンスター「グルメなネオサイクロプス」が高台へ登ってこようとしています。
上手く邪魔して諦めさせましょう。
しばらくすると「めんどくせえ」とあきらめるので、どう妨害するかが勝利の鍵です。
無事持って帰れば相賀と呑み会を楽しめます。
なお、干した竜眼草は相賀が分けてくれます。

●モンスター
・グルメなネオサイクロプス
覇竜領域デザストルを闊歩する強大なモンスターのうちの1体。
1つ目の巨人ですが、今回は高台へ登ってこようとしているので武器を持っていません。
ただし、高台に辿り着くと巨体を活かした大暴れで皆さんを叩き落としてしまうでしょう。
完全に倒そうとすると周囲の強大なモンスターの興味を引いてしまうので、なんとか向こうには諦めて頂きましょう。

●黒鉄・相賀(くろがね・そうが)
亜竜集落フリアノンで酒職人を営む亜竜種の老人。
それなりに戦えるらしいのですが、今回はついてきてくれません。
気の良い酔っ払いに見えますが、概ねその通りです。
義理には相応の友好を、不義理には相応の冷徹さを返してきます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 地図通りのルートに沿っている限り、想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 竜眼草を守って完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年01月29日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)
天義の聖女
シラス(p3p004421)
超える者
エマ・ウィートラント(p3p005065)
Enigma
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
ディアナ・クラッセン(p3p007179)
お父様には内緒
マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)
想光を紡ぐ
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星

リプレイ

●竜眼草の畑へ
「竜眼草、か。そいつを守ればいいんだな」
『“侠”の一念』亘理 義弘(p3p000398)はゴツゴツした道を歩きながら、そう呟く。
 竜眼草。酒のつまみに最適だという、その山菜を守りに向かっているわけだが……『お父様には内緒』ディアナ・クラッセン(p3p007179)は未成年なので、その魅力は完全には分からない。
 分からないが、なんとなく凄いのだろうということは分かっていた。
「おつまみに最適……なるほどね。それを聞いたら酒飲みは食べてみたくなるに決まってるわよね」
「そのままでも十分美味しいというのであれば、料理してみたくなるのですよ! きっとさらに美味しくなるのでして!」
 同じ未成年組の『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)もそんな風にウキウキとした様子を隠さない。
 ならば大人は……?
 ディアナが視線を向けた先には、『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)。
 スーツをビシッときめた頼れる大人の象徴のような大人だ。
「酒飲みには理想的な肴ですね、竜眼草……覇竜領域、もしかして酒飲みの楽園なのでは?」
 おっと、もう呑むことを考えているようだ。
「覇竜領域や集落に来たのは初めてだが、やる事には変わりねぇ。仕事して、酒とうまいつまみをいただくとしようか」
 いや、義弘を見るに酒を嗜む大人としてはごく普通の思考のようだ。
「あとは恐ろしい竜や怪物が徘徊する土地でなければ、ね。はい、スティアさん荷物持ちます、はい」
「うん、ありがとう」
『純白の聖乙女』スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)の持ち込んだ大量の荷物を寛治が代わりに持っているが……まあ、そんな紳士エピソードはさておこう。
 新田さん持ちきれないからお願い、とか言われる前に寛治は持っていた。いいね。
「こういう話を聞く度に、早く大人になりたいって思うわ。あと数年がもどかしいったらありゃしない」
「急がずともすぐなのでして!」
「ま、そうよね」
 ルシアと仲良く笑うディアナを見ながら、『永久の新婚されど母』マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)は呟く。
「亜竜種といえども人の営みとは然程変わらぬのかも知れませんね」
 あるいは、そうかもしれない。
 色々と違う部分は当然ある。それは当然だ。亜竜種でなくとも、色々と違っている。けれども。
「お酒を嗜む事も、食べるものを育てる事も、そして収穫に悩まされる事も。グルメなサイクロプスはなかなかお目に掛れないかも知れませんが、困っている人の助けになるのもまた万国共通でしょうか」
 お任せ下さいませ、と。マグタレーナは、この場には居ない相賀へと語り掛ける。
 無論、返答はあるはずもないが……本人が聞けば人のよさそうな顔で笑うだろう。
「デザストルには食いしん坊なモンスターもいるんだねぇ。美味しい物を食べると元気になれるし、根本的な所は一緒なのかな?」
 スティアは山道を登りながらそう呟く。
「とはいえ、竜眼草をあげる訳にはいかないよ。それはそれ! これはこれ! の精神で諦めて貰おうね」
「そうだな。今回はそういう仕事だしな」
『竜剣』シラス(p3p004421)も頷くが、そう。今回は倒すのではなく諦めさせるのが仕事だ。
 場所柄、登ってくるネオサイクロプス相手に戦えば他のモンスターを刺激して結局山菜畑がダメになってしまうというのもあるのだろう。
 言ってみれば、この仕事は。
「野郎の食い意地と根気比べってわけだ」
 そんなシラスの言葉に、『Enigma』エマ・ウィートラント(p3p005065)も楽しそうに微笑む。
「おんやまあ、力試し? 素直にわっちらを受け入れてもらえる心算はごぜーませんがまさか命がけとは思いはしいせんでしたなあ?」
 仕事自体は山菜畑を害獣から守るだけなのに、それだけでも命がけ。
 言ってみれば、これはデザストルがどういう場所かを知らせる意味もあるのかもしれない。
 そこに、ちょっとしたおまけをつけている。そんなイメージすらある。
「それが竜眼草なるものなら……悪くはないでごぜーます。くっふふ、美味しい美味しいお酒のアテが楽しみでありんす」
「お、そろそろみたいだな」
 シラスの言う通り、美味しそうな香りが漂ってくる。
 竜眼草を育てる為の山菜畑は……もう、すぐそこだ。

●竜眼草を求めて
「グルメなモンスターとやらを追い払えばいいんでしょ? ささっと諦めて貰いましょ」
 ディアナの視線の先。巨大なネオサイクロプスが、まさにこの高台目掛けて登ってこようとしている。
「あ、あれがネオサイクロプス……。武器を持たないなんて、本当に竜眼草を取りに来ただけなのね」
 よく見ると、ちょっとした山のような巨大な石剣が地面に刺してあるのが見える。
 崖登りには邪魔だと置いてあるのは明白だった。
 あれを諦めさせるというのは、少しばかり難題に思えるが……やらなければならない。
「んん。簡単なのは近づいてきた時に吹き飛ばして下に落としちゃうことなんだけれど」
(でもその前に。足を取られそうな落とし穴だとか、罠だとか。そういうのを作れたらよかったんだけど……)
 しかしルートを外れてしまうので、それは出来なかった。
 この場所の恐ろしさを再確認しつつ、ディアナは近づくネオサイクロプスを眼下に覚悟を決める。
(……穴掘りに慣れた貴族令嬢ってどうなの? と頭をよぎったけど、考えたら負けな気がするわ)
 まだネオサイクロプスが登り始めるまでには時間がある。
 この時間を利用して様々な準備が行われているが……その中でも異色な空気を放つのはスティアだ。
 なんと料理を……カレーを作っている。
 いや、実はカレーではないのかもしれない。
「今日はカレーを作るよ!」
 カレーだった。ガチでカレーである。
「いい匂いもするし、お腹も膨れるしで満足して貰える一品になるはず!」
 野菜を切って、バターを入れてから炒めてその後に煮込むという手順を踏む本格仕様だが……煮込み終わるまでにはネオサイクロプスは登り始めるだろう。完成にはもう少しかかる。
「押してダメなら引いてみよう! ってことでお腹いっぱいにさせて帰って貰う作戦で。満足したらどうでも良くなりそうだよね?」
「そうですね。良いアイデアだと思います」
「サイクロプスがどれだけ食べるかわからないし、いっぱい作らないとね。スティアスペシャル(とても量が多い料理)の出番だー!」
 此処まで荷物持ちであった寛治が太鼓持ちになりながら狙撃位置を確認していく。
 義弘も竜眼草の位置を確認し、使えそうな岩などの位置を確認して動かし始める。
「こいつは使えそうだな」
 岩を移動させながら、義弘も眼下のネオサイクロプスを見る。
「警戒するまでもなく、目立ってやがるな。あの大きさじゃ仕方ねえのかもしれねえが」
 此処に来るまでの間、仕掛けに使う岩やら木材やらを仕入れて馬車で途中まで運んできていた。
 そこから先は義弘や他のメンバーで頑張って運んできたが……「そうしてよかった」と思える。
 この場で集められる資材だけでやるとなると、多少岩山を掘らなければどうしようもなかったかもしれないからだ。
 とはいえ、それは此処で何も用意しなくて良いという意味ではない。
 義弘はシラスと協力しながら使えそうな木を切ったり岩を運んで来たりしていた。
 しかし、しかしだ。
 この場に漂う香りの素晴らしさたるや、なんともお腹がすいてしまう。
「普段香ばしい系はあんまり好んで食べないけども……そんなルシアでもいい匂いだな、って思えるからすごいのですよ! ……そりゃ、まぁ色んなの寄せちゃうはずでして」
 ルシアのそんな言葉に、全員が……義弘やマグタレーナですら頷く。
 これほどの強烈な良い香りが漂ってくるのであれば、それはネオサイクロプスもわざわざやってくるというものだ。
 問題は、何故こんなにも強烈に美味しそうな香りを放つかだが。
「食べてもらうことで種を運んでもらって、とか……? あっ、考えるのは後でして。もうすぐ来そうだったから準備ですよ」
 言いながらルシアはギフト「簡易箱庭、空飛ぶお茶会」を使用する。
 出てきたものは、お茶会以外の用途には使用不可だが、お茶を馳走するのであれば問題はない。
「ギフトで使えそうなの出してみるのです。香りが強めなお茶だったり香ばしいお茶だったり……どんなお茶でもいいから手元や登る先を湿らせて滑り落させるのもいいかもですよ」
 言ってることが結構えげつないが……まあ、さておこう。
「皆様、来るでありんすよ!」
 エマが全員に声をかけると同時、ついにネオサイクロプスが崖に手をかけて登り始める。
「ではグルメなサイクロプスに諦めさせるように頑張ってみましょう」
 飛行するマグタレーナがリリカルスターを放ち、香りの強いチーズや漬物を仕込んだ自分に注意を引こうとするが……その巨大な1つ目をマグタレーナに向ける……が、それでも高台をまだ諦めそうにはない。
 続けてエマがシムーンケイジを放つが、動きを封じ込めるにはまだ足りない。だが妨害されているということは分かるようで、なんとも微妙な表情をしているのが分かる。
「よし、効いてる! このまま嫌がらせ続行だ!」
「はは、了解!」
「諦めて、帰って頂戴!」
 義弘とシラス、そしてディアナがネオサイクロプスに向けて集めてきた岩やら木やらを転がすと、その頭部にゴンゴンと命中し……ネオサイクロプスは物凄く嫌そうな顔になる。
「覇竜領域の巨人相手にどこまで通用するか分からねぇが、この嫌がらせで是非ともお帰りいただかねえとな!」
「そこで戦いにしない破式魔砲でしてー!」
 更にルシアが破式魔砲クラッカーで派手な光や音を立てれば、物凄く迷惑そうな顔になる。
 目がデカいから光が眩しかったのだろうか。それとも煩い音が嫌だったのだろうか。
 それでも登ろうとするネオサイクロプスが手をかけた岩や足場の岩に対し、寛治が古びた.45口径を構えラフィングピリオドを放つ。
 登攀を確実に妨害しようとするその攻撃に、ネオサイクロプスは考えるような様子を見せるが……まだ、分からない。
「これでやる気を失ってくれてたら良いんだけど……」
 呟くディアナの、その背後。
「出来たよ!」
 いい具合に煮込んだカレーの鍋を1つ持って、スティアが走ってくる。
 そのまま、ロープでカレーを下のほうへと降ろしていき……ロープの限界まで降ろすと、そのまま手を離す。
「食べてくれるのかなー?」
 じーっと様子を伺うスティアに倣い、全員が妨害を中止してネオサイクロプスを見守る。
 鼻をヒクつかせたネオサイクロプスは、カレーに手が届く場所まで登ると、鍋の中身を口の中に流し込む。
「おかわりはいっぱいあるから遠慮なく食べてね!」
 その言葉の意味を理解したわけではないだろうが、何か言っているのは分かったのだろう。
 ネオサイクロプスは鍋をその場に置くと、地上に降りてそのまま何処かに歩き去っていく。
 地面に刺していた剣を抜いて歩き去る様は、此処にもう用はないと言っているかのようで。
「ああ、つっかれたー……!」
 高台に大の字になって転がるシラスだが、あとはもう呑み会だと思い出すと竜眼草の採取を開始する。
「ふむ、これが竜眼草。個人用に少し多めに採取しておきんしょう。いい匂いでありんすな」
 そんなエマの言葉を聞きながら回収して持ち帰って。
 黒鉄・相賀に事の顛末を聞かせれば、腹を抱えて笑い出す。
「ハハハ! カレーで満足して帰った!? 面白いことするのう!」
「衣食満ちてなんとやら……だったか。ん、美味えな」
 相賀の仕込んだ酒をグビリと呑みながら、義弘はそんな事を言う。
 まあ、美味しそうな香りに惹かれてきたなら美味しいものを食べさせればいい。
 それだけでは解決しなかっただろうが、最後の一押しとしては完璧であった。
「カレーって、お酒のあてに……なるのかな? 一晩寝かせても良いし、カレー味のおつまみにしてみても良いからなくなるよね?」
「え。カレー? うん。たしかにとても美味しそうな香りはしてるんだけど……これ、何人前なの? 村の人に振る舞う炊き出しか何か? ちがう? 皆で食べるの? あの。私お皿一杯分頂ければ十分なのだけれど……」
 戦慄したディアナの肩を、余裕のある大人の笑みで寛治が叩く。
 この案件は私にお任せください。そう言わんばかりだ。
(これから関係を気づこうという亜竜種の方々に、我々が食べ物を粗末にする連中という印象を与えては、今後の関係に差し障ります。気持ちよく平らげて、少なくとも酒と飯の関係は良好である事を保たねばならない。温存したパンドラはここで使用。命を燃やしてでも、完食するのが我々の使命です)
 そんな決意を固める感じだが、すでに鍋1つは相賀が抱えて食べているのでまあ、見事完食の運びになりそうな感じではある。
 ともかく安心したディアナは、相賀に竜眼草の調理方法を教えてもらいに行く。
 貴族令嬢らしく理由をひけらかすことはないが、覚えておきたい理由というものがあるのだ。
「働いた分だけ食ってやるぞう!」
 お酒を呑めない年齢なシラスもカレーを食べて、干した竜眼草もかじってみる。
 なんで草がこんなジューシーな味になるのかは不明だが……悪くはない気がする。
「あっちも料理を手伝いんしょうか。ある程度ならわっちも料理できんすゆえ……お酒、残しておいてくだせーよ?」
 マグタレーナやルシアと共にエマも料理を始めてみるが……この山菜、中々に奥深そうではある。
「酔っ払い共は理性のタガが外れておりんすからねえ。もし全部飲み干していたなどとあれば……くっふふ……」
 怖い笑みを浮かべるエマだが……まあ、大丈夫だろう。
「わぁー! これが竜眼草、の干したものですよ? 本来の用途であればやっぱりおつまみでして? 大人が好きな味になるかは不安だけど挑戦は大事なのです!」
 そしてルシアも、初めて見る食材に目を輝かせていた。
「干したお肉風ならば……油を引いて唐辛子と山椒で味付けしてさっと炒めて……出来たのですよ! 名前をつけるなら「火竜炒め」なんてどうでして?」
 そうして出来た料理は義弘や相賀には好評だったが、作った本人曰く。
「や、やっぱりルシアには無理でしてー! お水欲しいのですよー!」だったらしい。
 そしてフードファイター寛治が誕生したり呑み勝負が始まったりと色々あったが……楽しい宴会は、そのまま朝まで続くのであった。

成否

成功

MVP

ディアナ・クラッセン(p3p007179)
お父様には内緒

状態異常

なし

あとがき

黒鉄・相賀からの好感度がちょっとだけ上がりました!

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