シナリオ詳細
あなたの姿で私を呪うな
オープニング
●魂の所在、記憶の鮮度
ラサには多数の遺跡が存在する。ファルベライズ遺跡群然り、冗談めかした遺跡然り。
古代文明の息づくそれらの数は枚挙に暇なく、また、日々新たに見つかることも少なくはない。大抵は墓荒らしや盗掘家によって荒らされたケースが大半であるが、当然ながらそんな輩にすら見つからない、見つかったとしても旨味がない。……もしくは見つけた者が全て命を落としている、というケースであれば公になることもないだろう。
「……だから、『そういう』遺跡もあるんじゃないかと思ったのよ」
「まあ、そうですね……」
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)はそう熱弁し、『ナーバス・フィルムズ』日高 三弦(p3n000097はなんとも気のない返事を返した。
イーリン曰く、果ての迷宮、その26、27層で過去を追体験するものや世界から取り残された魂との物理接触を経験したことを踏まえ、ラサの遺跡にそういった類のものがひとつふたつあってもおかしくはないだろう――というのだ。探せばあるかも知れないが、探すのが困難である、というのも事実。なにしろ、そのようなとりわけ奇っ怪な現象の媒介になっていたファルベライズ遺跡群も今や平凡なトラップが少しあるだけの「普通」の遺跡になってしまった。探すことは決して簡単ではない。
「……ああ、でも確か」
ふと、三弦は依頼書を引っ張り出し目を通す。それから、その依頼書をイーリンに渡した。
「気がかりな失踪事件なら、ここ暫く起きているようなので。その原因を探って来てほしいんですよね」
●死者は還らず
『死んだはずの人間が、自分を呼んでいた』
ラサに広がる砂漠地帯、交易路のひとつに当たる場所で、そう言って姿を消すものがとみに増えている――という。
奇妙なのは、行方不明者が告げた『相手』と当人達の関係性がまちまちであること。そして、この事件には生存者もいるということ。
行方不明となって還らぬ者達が口にした『死者』は、彼らとは比較的疎遠、ないし赤の他人(例えば、有名な某かであるとか)だったという。
が、一件だけ例外がある。
とあるキャラバンの女性2人が同時に同じ男を見たと証言し、一時行方を眩ませた。それは年老いた老婆の息子であり、うら若き女性の恋人である男。
2人が消えて、1人が戻った。戻ったのは……。
「女性の方だった、って話なのよね。だから血筋や縁故の繋がりというよりは、対象に向けた想いや絆の強さが生き残る条件になっているんじゃないかと思うわ」
イーリンは手持ちの資料をもとに砂漠地帯に踏み入れると、遠巻きにとても見覚えのある――青い――人影を見た。
見た『気がした』のだ。
彼女は二の句も告げず走り出した。続く仲間も、彼方此方に蜃気楼のように見え隠れする人影に目を奪われた。
もう、言い訳する余地もなく。それは彼らの知る誰か、嘗て目にした今は亡き某かの姿。
だが、分かっている。あれらには本人とは似ても似つかぬ特徴があるのだ。
顔立ち、目の色髪の色。それらの類似性を吹き飛ばす、追う者達の喉へ伸び上がった鋭い刃。
確実に命を刈り取ろうとしてきたそれらを前に、やや離れた位置まで進んだイーリンを見る。
愛馬・ラムレイの馬上から砂の中を見下ろす彼女の顔は見えない。ただ、激しい敵意が渦巻いていることだけは誰の目にも明らかであった。
- あなたの姿で私を呪うな完了
- GM名ふみの
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年01月27日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●
ラサの遺跡は、ときに碌でもないきっかけ、碌でもない事態、そして碌でもない結果を導き出す。
ローレットの勇士達は、その理不尽には――本拠である幻想の迷宮と同じくらい――煮え湯を飲まされてきたわけだ。
「──あァ、なるほどねぇ。確かに我(アタシ)にはキミの記憶が『ある』ものね。それを読み取っているのであれば、キミの姿を取ってもおかしくないわけだ」
「……だが、だがこりゃねぇだろ」
『闇之雲』武器商人(p3p001107)は飄々とした様子で笑った。『帰ってきた放浪者』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)は愕然とした表情で眼前の状況と向き合った。
細い体躯に生意気そうな視線、射干玉の髪は整った艶めきを伴い腰まで伸びている。いかにも、という貴族令嬢がそこにはいた。
中肉中背の平凡な男。片手剣を構えたその姿は盾を持たぬ異様さを覆して余りある威圧感に満ちている。
何れも、其々に思い入れの深い相手だ。大凡戦闘能力というものと無縁であろう少女はしかし、ただ立っているだけで強敵であることを窺わせた。
「……ふざけんなよ。てめえのその姿……あいつの姿……ふざけんな!」
『好機一閃』エレンシア=ウォルハリア=レスティーユ(p3p004881)にとって、視線の先にある相手は記憶の底に刻まれた、しかし二度と会いたくなかった相手。死んでしまった相手は、偲ぶだけで事足りた。隣を並んで歩けないなら、思いの隅にあればいい。そんな男の姿がそこにはあった。
「……また、お母様なのですね」
「お……母、様?」
『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)は諦観の光を目に宿し、『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)は愕然とした表情で前を見る。両者の母が――死別した血縁がそこにいる。或いは『生き別れて、死に別れた』相手が。愚にもつかない悪い冗談を見せられて平常心を保てというのは、無理を強いているようでもある。
一方で、事情は知りこそすれ、他者との関係において十分な構築が無い者達にとって、『記憶の写し身』たるかの敵はときに厄介極まりない特性をもつことがざらにある。
「縁ある人の偽物とやりあうのはROOでもやったが、これならROOの方がまだ動揺できたぜ。こっちはどうあがいても死んだものは生き返らないからね……」
『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)は厭味ったらしく冗談を飛ばすが、その実、眼前で変化しようとする人形の姿は異様ともいえた。嘗て鮮烈に命を散らしたイレギュラーズと、そも『生きていない』イレギュラーズの姿。それらが入れ替わりつつ混在する様子は、悪趣味という尺度をとうに通り越している。翻って、サイズが関わりあいやその背景への知識が薄い相手は、知識がない分、変貌にブレーキが存在しない。
「えっ、……な、なんでルシアのだけ変化がないのですよ……? じゃあ、じゃあ! ルシアって一体何でして……!?」
『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)の動転ぶりはサイズの比ではない。なにせ、眼前にある『幻想の徒』は、体表の刻印を怪しく光らせはするものの全く姿を変えること無く立っているのだ。明滅する刻印は、周囲の意識を汲み取るようであり……なら、彼女のそれを汲み取れない理由はなんなのか。
内心に閃いた予感は、ひとりの少女を動揺させるに十分すぎた。
「たとえ偽物でも、私の波濤――心臓にあの子は生きている。クレマァダにも、あの海から帰った人にも、あの子の歌は生きてるのよ」
されどこの場で、最も激しい感情のゆらぎに身を置くのが誰かと聞かれれば、『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)の姿を置いて他にあるまい。目の前に立つ姿は、『海淵の呼び声』カタラァナ=コン=モスカ(p3p004390)以外のなにものでもないのだから。髪から迸る燐光は激しさを増し、瞳から漏れる光は偽物が現れたという事実も、それが此方を向いているという冗句も焼き焦がしてしまいそうな威圧感を放っている。
「アレは不躾に我(わたし)の姿を取っている。アレは無作法に、我(アタシ)のモノに触れている」
「なあダチ公、てめぇのガワを被った紛いモンだと? 許せるワケねぇな」
「だから……違う、お前はアイツじゃ……兄ぃじゃない!!」
武器商人とバクルドは、己の内側に溢れた感情に折り合いをつけようとした。激しい怒りも遣る瀬無い想いも、己のものと飲み込んだ。エレンシアは、その怒りを戦いの原動力とした。
「ああ、優柔不断さからお母様の呼び声を断ってしまった時…私はどれ程苦しんだ事でしょう!」
「なにか罷り間違って本物であれば……我以上の遣い手であろう。なればこそだ」
エルシアは再会と死別を通し、悲しみに身を窶した。幻影に手を伸ばした。その報いだとは、思いたくない。
クレマァダは自らの写し身(カタラァナ)が立っていること、そして母である先代(カンパリ)が立っていることに強い懸念を覚えた。そして自らを殺すがごとく息を吐く。
「ルシアって一体何でして……!? もしかして昔のことは『何も覚えていない』のではなく『何もない』のですよ……!?」
ルシアはこの事件のことを知って、何か自分の出自のヒントになるのではと思っていた。が、現実として眼前にあるのは『空っぽな自分』。深層心理にすら死別や看取った過去がなかった、という頑然たる事実。それは並の人間なら発狂していてもおかしくないそれだ。
「心の迷いがこんな風に現れるなんてな……これは、ちょっと骨が折れそうだ」
サイズは『死』に対し迷いがあった。関わりがあろうとなかろうと、死を想う相手がすぐに出てこないのは、或いはサイズが、混沌で幸せな日々を送ってきた証左であろう。……だからこそ、仲間の動揺が理解できない。
そして。
カタラァナという少女は、いつでも幸せそうに歌っていた。うみのうたを。心向くままに。その声を聞かせずして何が偽物か。クレマァダのそれを超え、イーリンの感情はより激しく燃え盛る。
「貴方にはできないでしょう、だから私が歌うわ。聴け――!」
「だというなら、アレは燃やされても仕方あるまいて? そう」
「それをキミ(あなた)が望むなら」
「私がそれを望むから!」
武器商人とイーリンの声がユニゾンして砂漠の乾いた空気を揺らす。内なる声を想う両者は、屹度この紛い物を許せはすまい。
●
「ぶち殺す、てめぇは……ぶち殺す!」
『来い』
あいつの声で、構えで技で向かってくる。神経を逆撫でするその技倆は、己の記憶から生まれたものだ。わかっている。エレンシアはわかっていてなお、許せない。
逃さじの殺人剣、その邪険の角度は数度は避けられようといつか捕まる。だが、『兄』は避けず、正面から全撃叩き落とした。刃の打ち合う甲高い音にまじり、胴目掛け全身を仰け反らせてからのスラスト。腹部を掠めた刃が直角に持ち上がり、エレンシアの肩に縦に傷を生む。バランスを崩した彼女はしかし、刀を盾にして間合いを取る。
一筋縄ではいかぬ相手だ。だからこそ倒さねばならない。今の一合、やはり『浅い』と彼女は感じたのだから。
「俺はてめぇを名で呼ばん。てめぇはアイツじゃねえからだ」
バクルドの言葉に、友の姿を騙ったそれは悲しそうに目を伏せた。そんな顔を見せるな。アイツはそんなことはしない。
傭兵団の隊長同士、先を競った相手はそんな感傷にとらわれない。
バクルドの打ち込んだ銃弾は僅かに上に逸れ、相手の頭部へ吸い込まれる。受け流そうとしたその構えはしかし、下方から伸び上がる魔刀の一閃を避けられない。獣の顎の如き一撃は、片手剣士を大きく弾いた。……それでも向けられる眼光は鋭いままだ。
「なんとか加勢してやりてぇが、どうやらそっちに気を回す余裕はねぇみたいだ」
「大丈夫、なんとか……する……!」
深く息を吐いたバクルドの声に、サイズは必死に鎌を振るって応じる。対峙する外装はラルフの姿をとり、銃で牽制しつつ距離を詰めてくる――異常極まるスピードで。触れられたサイズの肉体に違和感が生まれ、著しく『強度』が下がった錯覚に陥る。即座に生み出した氷の球体がサイズを包み、内側から噛み砕くように振るわれた一撃は成程、外装に着実に手傷を負わせている。だが、ラルフの持つ凶暴性をトレースしたそれが、果たしてただの一発で倒れるか、と聞かれれば断じて否。加えて『もうひとり』の影を見るとなれば……この戦い、苦戦は必至だ。
「ルシアに出来るのは魔砲で倒すことだけでし……えっ……?!」
ルシアは魔砲によるヒットアンドアウェイにより、極力相手のフィールドで戦わないことを選択する。異常な威力と精度を持ったそれは、如何に特殊な存在でも唯では済まぬ。普通ならば。だが、踏み込んできた幻想の徒は片手を翳しただけで魔砲を正面から打ち払った。一瞬だけ身を包んだ燐光は、神秘攻撃に耐性をつける外装術式か。死の概念を読み取り損ねた代わりに、ルシアに対する耐性を――刹那の間だが――つけたというのか。
(ルシアにできることが出来ない、なにもないルシアに襲いかかってくる……違う、違うのでして……)
(落ち着くんだよ、アップルトンの方。キミ(あなた)は記憶に頼って生きてきたのかい?)
動揺で心が凍りつこうとしていたルシアに、武器商人の言葉が飛ぶ。どこか、少女じみたトーンが一瞬だけ混じった……様な気がした。
武器商人と『エイリス』の戦いは静かで、異様な立ち上がりだった。いたずらっぽく笑い、相手を見据えるエイリスと。早々に敵を見捨て、エルシアやエイリスを守りに走る武器商人。自らを生み出した記憶にさえ逃げられる屈辱を、それはどうやって晴らせばいいのか……?
「お母様の幻影と、私は随分と戦いすぎました」
『足りないわ、とても足りない……苦しまなければ、いけないでしょう?』
「いいえ、お母様。私はお母様という真実の光に目を焼かれるよりも素敵なものを見つけたのです」
武器商人が受け止めたイルシアの火線は、エルシアが模倣したそれよりも太い光軸、重い質量感を伴っていた。……いたが、それはあくまで記憶の範疇。平然と立っていられる武器商人を見ればよくわかる。エルシアはイルシアを求めすぎた過去よりも、それを打ち据える罪悪感よりも、心に宿った恋の炎のゆらめきがなお眩い。
「未来の正妻がいる方ですけど、側室でいいので傍に居させてほしいと願う恋……自然の摂理を歪めてまで自覚させて下さった『あなた』に、この祈りを」
エルシアは祈る。自然であれ、真っ当であれ、不自然であることに、嘆きと悲しみを――。
『――――!!』
「『バーラエナ』の模倣にしては随分と粗末ね。そう思わない、クレマァダ?」
「全くだ。我(カタラァナ)ならその様な下卑た色にはならんじゃろうが。お母様もそうだ。モスカの御子が並び立ち、その程度、その為体。下らぬ三文芝居を見せてくれる」
『カタラァナ』の口から放たれた声ともつかぬそれは、可聴域をも超える波濤魔術がひとつであり、ローレットに名の通る技でもあった。だが著しく劣る。それを知る2人にとって、知ったればこそ落胆するほどの差。『カンパリ』が叩きつけてきた波濤魔術もまた、海を動かす嘗ての伝承を微塵も感じさせぬ、弱々しい波。魔眼によって揺さぶられた程度の感情は、海嘯の如く押し寄せる神威を受け止められはすまい。強力かもしれない。強敵なのだろう。……だからなんだ。
「むくろのかわをかぶっても、うみかぜ、すなかぜ、きたかぜふいて。あっとおちるよキューティクル。ひらひらいらいらするよりも、きみもうたってみたらどう♪ それともほっぺも落ちちゃった?」
イーリンの歌声が砂漠に響く。勝てぬ相手などではないと、歌えぬ模倣はつまらない、と。
「ぶち殺す、いや……ぶち殺し『た』ッ!」
エレンシアは刀を振るい、兄の姿をしたものを切り伏せる。即座に姿を変え、攻めかかってくる相手に放つは雷光すら断つ一閃。
「もっかい眠れ、偽もんでもあんたの面を思い出せて良かった……そして覚悟しろよ木偶人形。全部砕いてやる」
バクルドは嘗ての仲間に、一瞬だけ弱みを見せた。それで十分だとばかりに、それを模倣した愚者を叩き潰しにかかる。飄々として掴みどころのない男の、それこそがこの日最大の暴威でもある。
「あれは……ルシアなの、ですの? なんでルシアの格好に」
ルシアと対峙していた幻想の徒は、半壊まで追い詰められ(そしてルシアを打倒寸前まで追い詰め)そこで漸く変化を見せた。『死んだ相手』。ルシアの姿をしたルシアではない誰かの笑顔。それを見せて、直後、それは砕け散った。その意味を彼女が知ることは、無いのかもしれない。忘れた、失ったからこそ生まれた某かの片鱗だったのだろうか?
「我(わたし)のマネをしたキミ(あなた)は、本当につまらない相手だったんだねぇ」
仲間達の克服を待って現れた骨子、そして己の内を雑に触ってきた偽物を、武器商人は容赦しない。する必要を感じていない――ともいう。
その身にとって新しく得た感情の発露を、下らぬ細工で踏み躙られた苛立ちは想像に難くない。
「同じ偽物でも、我が“かたわれ”の方がよほど気合いが入っておるぞ。……まるで、心の入らぬ贋物より己の偽物のほうがほんものなのだと言わんばかりではないか」
「よーほーよーほー、くらっぷくらっぷくらっぷ。なみまにのまれるとっぴんしゃん♪」
クレマァダのどこか落胆したような声とともに、音を置き去りにする一打が放たれる。それはイーリンの魔眼にあわせ、相互に威力を高め合い、偽者の御子達を消し飛ばした。
そして……それは今にも止めをさそうと振り上げられた『ラルフ』の片腕をも。
「助かった……下手な一撃だと何度叩き込んでも平然と立ち上がられるのは、正直堪えた」
サイズは断つのすら億劫な様子で吐き捨て、砂漠の風景に混じって逃げる骨子を視認した。その時には既に、イーリン、武器商人、クレマァダの三者がそれぞれの相棒とともに後を追っていた。
「おうちのチーズにとけたバター、おなかがへったらそそぎましょ♪」
骨子の最後の一体は、みっともなく逃げた。あたかも、そうやって逃げた犠牲者がいたかのように。
転がり落ちるように砂丘を蹴り飛ばしたそれは、全身に砂をまといながら落下し――そして消えた。
「ふん、消えた『フリ』とは最後まで真似事が得意な奴じゃな。貴様の波は消せておらぬぞ」
クレマァダは、それが偽装術の類であることを即座に看破し、波濤魔術を放つ。
放った拳、その先に……蟻地獄の如く伸びる、逆円錐の螺旋階段が待っている。
……今は時期尚早だ。
ここまで情報を得られただけ、十分な戦果だ。
「ここまでコケにされたんだ、いつか報復してやるぜ」
「……ぶっ殺す」
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
大変お疲れさまでした。
皆さんの『縁』に対する強い思いが伝わってきて大変楽しいプレイングを拝見できました。
また何れ、宜しくおねがいします。
GMコメント
2階層も連続でやったことで情緒がグチャるバリエーションがたまっていました。アフターアクションを足したものです。
●成功条件
・幻想の徒(外装)過半数の撃破
・(オプション)幻想の徒(骨子)の可能な限りの撃破
・(オプション)幻想の徒(骨子)の出処を探る
●幻想の徒(外装)×8
依頼のあった砂漠地帯の事件の主犯です。骨子部分に貼り付けられた魔術布を経由して、砂漠地帯に迷い込んだ人物の記憶からランダムで故人を再現していると見られます。
無論、魂の投影やまして反魂の類とは無縁です。死者は決して蘇りません。
これらの強さはOPにある通り「対象との繋がりの強さ」で戦闘力の増減に激しい幅が発生します。
この「繋がりの強さ」はGM判断に依拠するところが大きいですが、極端なことをいうとプレイングのウェイトが最も高く、且つ有意な関係性だという妥当性がなければ敵の大幅強化を許す可能性が高いということです。
OPでは刃のようなものでの刺突を使っていましたが、当然ながら一例でしかありません。投影された相手の戦法を模倣「することがあります」。情報が少なければその限りではありません。
なお、ベースとしての戦闘力はPC一人ひとりが対峙してなんとか倒せるかな、というバランスであり、上記の通り能力が上振れすると数的劣勢も覚悟する必要があります。
なお、イーリンさんが参加した場合「相手」は確定しています。
●幻想の徒(骨子)×5~13(最大)
幻想の徒(外装)を倒した後にこちらに変化します。この際ダメージ、BSを『引き継ぎません』。
それとは別に5体ほどが伏兵としておりますが、これは皆さんが「外装」を1体でも撃破し「骨子」に替えた際に増援として現れます。
そのため「外装→骨子になる8体」と「増援5体」で最大13体です。
基本的には砂を巻き上げる範囲系攻撃、砂礫による遠距離物理攻撃、関節部の高速回転による【防無】攻撃など多岐にわたります。
これらの出現位置や、不利とみて撤退しようとする個体を尾行してこれらの出処を探ることができます。
●戦場
ラサ領内・砂漠地帯。重要度は「それなり」の交易路上です。
最低でも成功条件を満たさないと、交易路が封鎖される可能性があります(この「封鎖」が大きな問題にはなりません、ですが不便は不便でしょう)。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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