PandoraPartyProject

シナリオ詳細

あけましておめでとうございます! あなたが素敵な新年会に招待されました!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●かかったなイレギュラーズ!! いつもの奴だ!!
「あ~~~~~~~ギャルにいっぱい甘やかされたいよぉ~~~~~~~~」
 と、ローレットの片隅で『井』みたいな形した生き物(旅人(ウォーカー)である)がじたばたしながら言った。
 彼は『井』。井という名前である。その名前の通り井みたいな形をしており、己の欲望のままにお金をためてローレットに色んな依頼をしている紳士なのだ!
「わかります」
 と、ローレットの片隅で、ぱんつを洗っているアライグマが言った。彼はアライグマ。名前はまだない。井が暴れる横でパンツを洗ったりする、紳士なのだ!
「分かってくれるかアライグマ君」
「はい。いいですよね、ギャル。まぁ僕は可愛ければ何でもいいと言えばイイのですが、ギャルは特にいい」
「わかる~~~~~~~~! いいよね、ギャル。明るくて社交的で誰とでも気軽に仲良くなるんだけど、そんな中で僕にだけ向けてくれる、他の人とは違った親密な視線っていいよね!」
「そう言う視線を受けたことがおありですか?」
「ないよ!」
 井はぐるぐる回った。
「今年は寅年だよ! いや、混沌世界に干支があるかどうかはわからないんだけど、どこぞの地球世界では寅年らしい!」
「なるほど、という事は虎柄ビキニを……?」
「ギャルに着てもらいてぇなぁ~~~~~~~~~! いや、この際わがままは言わないよ! ギャルに! 甘やかしてもらいながら新年会をする! それでいいんだよなぁ~~~~~」
 井がびたんびたんした。
「でも、そんな都合のいい展開が……」
 と、アライグマ君がそう言った瞬間、ばたん、とローレットの扉を開き、無数のアライグマたちが現れた。そしてこういった。
「あるよ」
「あるんだ!?」
 びょん、と井が飛んだ。アライグマ君も洗っていたパンツを桶の中に落とした。
「天義の奥の方の、ドッカ地方のソンナノアルノ村の近く、イヤユメミスギヤロ大森林に、一つの洋館があります。
 そこには、入ったが最後、ギャルの格好をして甘やかさないと倒せない悪霊が……!」
「いるんだ!」
 井が飛び跳ねた。
「います」
 謎のアライグマが言った。いるんだ。
「そこにローレットのイレギュラーズをおびき寄せます! あとはご随意に」
「うーん、テンション上がってきたーーーーッ!!」
 井がびょるんびょるん回転しながら、ローレットの掲示板に偽依頼の書かれた紙を張り付けた。アライグマ君もテンション上がった感じでバシャバシャパンツを洗った。
「よーし、今年はギャルと新年会だーーーッ!!」
『おーっ!』
 アライグマたちが、片手をあげて喜びの声をあげる――。

●というわけで、そういうわけです。
「キレそう」
 ギリギリとアライグマの頭にアイアンクローをかましながら、リア・クォーツ (p3p004937)が言った。
 そういうわけで、天義はドッカ地方のソンナノアルノ村の近く、イヤユメミスギヤロ大森林内にある洋館である。外見はさびれていたが、内部にはしっかり清掃が行き届いていて、食料や暖房などは行き届いている、素敵なお屋敷であった。
「なんか、アライグマと井がいる時点で嫌な予感はしてたよ!
 今回はボクのせいじゃないからね!? 見て!? こんなに綺麗な瞳! どう考えても今回はボクも被害者だよ!」
 と、きらきらした瞳で言うのは炎堂 焔 (p3p004727)である。どうも今回は本当に主犯ではないっぽい。
 さて、この屋敷にいるという事は、彼女たちは被害者である。というのも、彼女たちは井の出した偽依頼、「天義の洋館で幽霊をガッてして新年会を開こう!」に騙されて、洋館にやってきてしまったのだ!
「ククク……もうこの洋館に入ったからには最後だぞリア・クォーツ……もはや、「ギャルの格好をして我々を満足させねば、外に出ることはできない」……!」
「何でそんなの得意げなのよこいつ!」
 ギリギリと、アライグマの頭を締め付けるリア。割とご褒美な気もするがこれはこれで。
「本当に、焔ちゃんの仕業じゃないのね……?」
 アーリア・スピリッツ (p3p004400)が頭を抱えるのへ、焔はぶるんぶるん頭を振った。
「信じてよ! 今回に関しては本当に違うよ!!」
「ふむ、まぁ、この際、誰の仕業(リクエスト)かは問わないこととしよう」
 こほん、とブレンダ・スカーレット・アレクサンデル (p3p008017)が咳払い一つ。
「結局……こういう時は、郷に入ってはなんとやらというか。諦めて、相手の要求を呑むしかないだろうな。
 で、ええと? ギャルの格好をして、お前達を甘やかせばよいのか?」
「そうです!」
 井がデュルルルル、って回転しながら言った。
「衣装とかメイク道具とかはあっちの部屋にあります! あると言い張れば何でもありますので、お好きな格好をしてください!
 おすすめはセーラー服です! ギャルがフォーマルなセーラー服を着るのも良いですが、勿論スタンダードに改造や着こなしを変えて、ギャルっぽく、えっちっぽくしてくれるとなおのこと嬉しいです! あ、ここは暖房も行き届いているので、夏服みたいに露出度アップしても大丈夫ですし、魔法の魔法的なメイクで、数時間だけ褐色ギャルになったりも出来たりできなかったりします! なんでもありです! さぁ、思うがままにギャルになったら、後は僕たちを散々甘やかしてください! それでクリアです! これマスコメみたいなものなんで、よく読んでくださいね!」
「頭痛ァ……!」
 忌々し気に、コルネリア=フライフォーゲル (p3p009315)がこめかみに手をやった。
「で、アタシもこのセーラー服とか言うの? これを着ないといけないわけぇ……?」
「えっ、コルネリアさん、セーラー服着る気なんですか? キッツ」
 キッツ、と井が言った。キッツ。
「着ねぇと出れないんでしょうが!! 好きで着てんじゃねーわよ!!」
 地団太を踏むコルネリア。
「……でも、着ない事にはどうしよもないのよねぇ……まさかR.O.Oどころか、現実でまでこんなかっこするなんて……」
 アーリアがぼやくのへ、
「ん? いまR.O.Oって」
 とリアが反応したので、アーリアが思いっきり頭を振った。
「なんでもないなんでもない! なんでもないわよなんでもない!!」
「ふーん? まぁいいけど。
 ……ったく、しょうがないわね。さっさとやることやって、こいつらボコって帰りましょ」
 リアがそういうのへ、コルネリアが頷く。
「賛成。もうとっとと終わらせて忘れたいわ……」
 二人の言うとり、井と、アライグマたちに付き合わなければ、いつここから出られるかもわからない。
 ……仕事と割り切って、さっさと終わらせて帰るとしよう。
 かくて、イレギュラーズ達の新年会が始まろうとしていた――!

GMコメント

 井です!!! かかったな、イレギュラーズ!!

●成功条件
 ギャルの格好をして、井とアライグマを思いっきり甘やかした後、幽霊をガッってして帰る。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●状況
 井とアライグマに騙されてしまったあなた達。
 あなた達が連れてこられたのは、天義にある変な洋館。そこには『ギャルに甘やかされている人がいないと出てこない幽霊』が居て、この幽霊を倒さないと洋館の外に出られません。
 というわけですので、ギャルの格好をして、井とアライグマ君を甘やかす新年会を開いてください。
 ギャルの格好とは、「セーラー服女子高生」の格好になります。これが基本です。アレンジは歓迎します。ちなみに、年齢・性別が変わることはありません。ありのままのあなたのままで、セーラー服女子高生ギャルの格好になります。よかったですね。
 とにかくギャルの格好をして、井とアライグマ君を甘やかせれば勝ちです。幽霊との戦闘? プレイングに「ガッてします」とか書いておけば充分です。
 洋館は暖房が行き届いており、どんな格好をしていても、寒かったり暑かったりはしません。また、洋館内には色々なものが用意うされており、メタ的には「あるって言えば、大体あります」。
 というわけで、思うが儘、ギャルりましょう!


 以上です。
 じゃあ、思いっきり甘やかしてくださいね!!!!!!

  • あけましておめでとうございます! あなたが素敵な新年会に招待されました!完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年01月25日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
※参加確定済み※
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
※参加確定済み※
華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)
嫉妬の後遺症
リア・クォーツ(p3p004937)
玲瓏の旋律
※参加確定済み※
紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)
戦神護剣
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
導きの戦乙女
※参加確定済み※
諏訪・まりあ(p3p009068)
特異運命座標
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤
※参加確定済み※

リプレイ

●たのしいしんねんかい
 今年の犠牲者は以下の方々です。
 『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)。
 『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)。
 『嫉妬の後遺症』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)。
 『願いの先』リア・クォーツ(p3p004937)。
 『戦神護剣』紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)。
 『導きの戦乙女』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)。
 『特異運命座標』諏訪・まりあ(p3p009068)。
 『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)。
 以上、宜しくお願い致します。

「……っ、はぁ~~~~」
 リアが思いっきり深いため息をついた。控室のメンバーの空気は氷結地獄のそれレベルに冷え切っていた。
 じろり、とリアが、テーブルの上に置かれた衣装に目をやる。セーラー服。以上。再現性東京の方で見かけた気がする格好だが、それを自分がやるのか? ここで? これってもしかしてピンとか全身図とか作ってほしいなぁみたいな圧かかってる? 洗井落雲から?
「はぁ~~~~」
 もう一回ため息をついた。この部屋にいるみんな、具体的には今年の犠牲者だが、その誰もが似たような顔を食う気を纏っている。
「焔ァ~~~~?」
 じろり、とリアが焔を見た。焔はびくっ、と肩を震わせてから、
「ち、違うよ! 今回はボクはせいじゃないんだよリアちゃん!
 あっ違った! 今回もボクのせいじゃないんだよ!」
 ぴょぴょぴょ、と耳をピコピコさせて言い訳する焔。「んっ?」とリアが小首をかしげた。
「その様子だと、ほんとに焔のせいじゃないみたいね……。
 あれ? じゃあ、この依頼持ってきたの誰なの?」
「さぁ……今となっては分からない事だが……」
 ブレンダがこほん、と咳払い。
「しかし……その、これは、きつくないか……!
 やっぱり!!! 丈が! 足りないじゃないか!!!」
 ブレンダが持ち上げたセーラー服は、ブレンダが着るにはいささか丈が足りない。具体的に言うとおへそが丸見えでとてもえっちですね。
「ギャルってそういうものなのか……?」
 紫電が素数を数えつつ相槌を打った。落ち着くためである。
「ふぁっきゅーアライグマ。ふぁっきゅー井。
 焔は後でお仕置き……いや、焔のせいじゃなかったな。
 しかし、なんだ。年上の三人はきつく無いか?
 いや、オレも年齢不詳ではあるんだが……」
「セーフとかアウトとかの基準を探るんじゃない……やめろ、やめて……」
 ブレンダが頭を抱えた。
「ンアァァァァァァ!」
 コルネリアがガンガンとテーブルに額を打ち付けた。
「セーラー服って……アタシが着て良いもんじゃないっしょ……」
 そうだぞ。
「なんか天の声がアタシにだけ辛辣な気がする!」
「どうしたのコルネリア、被害妄想?」
 まりあの瞳は髪の毛に隠れていて見えなかったが、きっとその下の眼は胡乱気なそれを見せていたのだろう。
「けど……気持ちは分かる……キッツ……いやちっと前まで着てたハズなんだけどなぁ!」
 まりあも流石にしんどい。確かに年齢的に、少し前まで着ていたわけだが、数年の経過は、ここまで制服をキツイものにしてしまうのか。
「華蓮ちゃんと焔ちゃん、あと紫電ちゃんはまだ「卒業してちょっと経ったけど思い出作りに制服遊園地☆」で済むのよたぶん」
 アーリアが死んだ魚みたいな目をして言う。その琥珀色に輝いていた。酒が入っているのです。飲まないとやっていられないのだ。
「まりあちゃんは年齢セーフだけど体型アウト。あっすごい褒めてるからね。
 リアもなんだかんだ黒髪で清楚な感じになるんじゃないのかしらねその身体はアウトだけどぉ!」
 そして、ぎぎ、と音をたてるような動きで首を動かし、ブレンダを、コルネリアを、そして自分を、見た。
「……私とブレンダちゃんとコルネリアちゃんは。
 ええ。
 この話はやめましょう」
「う、ううっ……」
 コルネリアが呻いた。ブレンダも無言で佇んでいる。
「アライグマちゃんも井ちゃんもマジかわたん、秒で甘やかすのだわ……」
 なんか虚ろな目でぶつぶつ呟いている華蓮ちゃん。わずかに、かく、かく、と首が動いている。
「……とりま、りょ」
 なんか納得したのか吹っ切れたのか。華蓮ちゃんがこくり、と頷いた。
「セーラー服は学ぶ為の服装なのだわよ?だからスカートの丈は膝下……。
 違うのだわ……もっと踏み込みなさい、華蓮!
 これからは何だって勝ちに行くのでしょう……!」
 ばぁっ、とセーラー服を着こむ華蓮ちゃん! その動きにもはや躊躇は無い! スカートは膝上、いや、もっと上! ギリギリのラインをせめる!
「ちょっとお化粧を濃くして!
 ゆるふわパーマかけて!
 ノンホールピアスをして!
 シャツのボタンも何個か緩めて!
 スカートも膝上に!
 そしてクラスは【JK/ママ】!
 皆より地味かもだけど……今の私の全力のギャルなのだわ!」
 ばぁん! と効果音が、皆の脳内に鳴り響く。そこにいたのは、ああ、間違いなくJKギャルママ華蓮ちゃん……!
 華蓮ちゃんが覚悟を決めたのだ! もうこうなっては、他の皆もやるしかない。
「……はい、各々言いたい事があるでしょうが、切り替えていきましょう。
 迅速に、効率よく依頼をクリアする。
 それをやってのけてのプロよ」
 ギリギリと憤怒の表情を浮かべつつ、リアが言う。皆もこくりと頷いた。
 なんにせよ。
 やらねばならぬ。
 あとで覚えておけよ。
 そんな気持ちを抱きながら、いざ、イレギュラーズギャルズ、出陣――!

●たのしいしんねんかい
「いや~~~~最高だねぇ~~~~!」
 井がぎゅるんぎゅるん回転している。その隣ではアライグマがべったりとギャルのお膝にべったりと寄り添っていた。
「いい子いい子、ゆっくり休んで癒されろしなのだわよ」
 天使のような笑みを浮かべるギャルママ華蓮ちゃん。ギャルでママ。もう最強の存在だと思う。
「ここが天国ですか……素晴らしいですね……」
 至福の表情でアライグマが涙を流した。ありがとう。ありがとう。生きていてよかった。
「もー、おおげさだってなのだわ? ほら、よしよし、なのだわよ?」
 もうギャルなのかままなのかよくわからなくなってきたが、絵を想像するだけで五回は至福で死ねるのでもうどうでも良かった。ありがとう、今まで生きてきたこれまでのすべてに。
 さて、情景描写を忘れていたが、ここはいわゆる学校の教室のような情景の部屋である。なんでそういう内装をしているのかと言えば。
「お前、オタクに優しいギャルに甘えさせてもらえるんだぞ、まずは教室だろうが(半ギレ)!」
 井がぎゅるんぎゅるん回転しながら虚空に向けて叫んだ。そう、まずは教室である。まずはって言うか教室で完結してもいい。本来なら接点などないはずの、陰キャと陽キャ。それに唯一接点があるとしたら、それは教室だ。そこでひょんなことから、2人は会話を始める。そう、オタクに優しいギャルといったら教室なのだ。異論はあってもいい。
「もー、アラ井っち、どこに向かって叫んでんの?」
 と、焔ちゃんがにこにこ笑いながら言った。夏服のセーラーに、カーディガンを羽織った可愛らしいスタイルだ。
「焔ちゃん! 机の上にそんな恰好で乗ってたら危ないよ! 色々と!」
 井がレインボー色になってぎゅるんぎゅるん回転した。焔ちゃんたら、無防備な様子で机の上であぐらをかいている。もちろんワザとであるし、見せる気などは毛頭ない。
「えへへ、アラ井っちになら見られてもいいかもね」
「もう! 焔ちゃんったら!」
 井がぎゅるんぎゅるん回転した。
「あ、アラ井っち、さっきセンセーに当てられた時、答え教えてくれてありがとね。マヂ助かった!」
 にっこりと笑う焔ちゃん。井がぎゅるんぎゅるん回転……こいつずっと回転してるな。以降、特に指定が無ければこいつはずっと七色に光って回転してます。
「焔ちゃんのためなら何でもするよ!!!!」
「ありがと! 今度お礼するね!」
「あ、お礼なら、今度オレ……あ、いや、お姉さんもしたいなー♪」
 と、紫電ちゃんである。その格好は、だぼだぼのルーズソックスに左右違う靴……などなど、些か魔改造されている様だ。
(たしか、ナウでヤングなイケてるギャルは……)
 胸中でギャルのイメージを模索する紫電ちゃん。ギャル像が何世代か前のような気がしないでもない。
「お姉さんと一緒にデートしに行かない?」
「行きます!」
 がばっ、とアライグマも起き上がった。
「キャハッ、ありがとう♪ お礼にメチャウマなクレープにレッツラゴーよ♪」
「クレープ……ギャルの定番ですね……!
 メチャウマなのですね……!?」
 アライグマが言った。そうなのだろうか。そうなのかもしれない。
「うんうん、イケてる♪ チョベリグではじけちゃうわ♪」
 紫電ちゃんの頬がひきつっている。ぼちぼち限界そうだった。
「てゆかアライも井もなんか臭くない?」
 紫電ちゃんが限界に近かったので、アーリアちゃんが助け舟を出す。アーリアちゃんは、なぜかしっくりくる気がしたのでツインテールの褐色で、白と紺の丈短めのセーラー服を着ていた。アクセも山盛り。そんな見るからにギャルの彼女が、助け舟を……助け舟?
『えっ』
 井の回転が止まった。アライグマがこの世の終わりみたいな顔をした。慌ててアーリアちゃんがフォローを入れる!
「あっごめん泣かないで、いやそゆプレイなんだけど、うわ鼻水キm……」
 こほん、と咳払い一つ。
「あー違うって、こんだけ暑いと汗かくじゃん?
 男子もさー、ちゃんと身だしなみしないとダメだってゆこと。
 しゃーない、ちょっとこっち来てみ?」
 と、死にそうな顔をしていた二人(?)を、さりげなく手(?)を繋いで引っ張る。教室の椅子の上に座らせて、そのまま手に、優しい香りの清潔スプレーをかけてやった。
「うわ、肌すべすべ(?)。男子ってスキンケアしないくせにこれマジずるじゃん~」
 にっ、ってわらうアーリアちゃん。その笑顔とさりげないボディタッチに、全オタクが勘違いして死ぬ!
「う、うおおおお!」
 また井がぎゅるんぎゅるん回転しだした。
「なるほど、そういう事なら私も……」
 呟くブレンダちゃん。ブレンダちゃんは、おろした髪にへそ出しセーラー。腰巻のカーディガンの正統はギャルスタイルだ。正統派?
 とにかく、シュシュの巻かれた手で、アライグマの手を優しく触ると、
「あ、肉球ぷにぷにしてる。かわい。
 ここ気持ちいいの? ふーん」
 にっこりと笑って、アライグマの肉球をぷにぷにする。これはもう天国であろう。アライグマがあまりの心地よさにのけぞるのへ、その顎のあたりを、ブレンダちゃんがこしょこしょ、とくすぐってやった。獣には大変なご褒美であった。多分人間にやっても喜ばれるから今度やってほしい。
「おお……おお……」
 恍惚の表情でアライグマが手を伸ばす。それを優しく握ってやってから、
「ん? あーしの方を触りたいの? 別にいいけど……なんか楽しい?」
 少し勝気なように笑うブレンダちゃん。そのまま、ぷにぷにとアライグマの肉球を触ってやる。アライグマはもうメロメロだった!
「うおおおお……!」
 もだえるアライグマ! 正直傍から見たらだいぶキモいが、そこは黙っていよう。
「ほら、これで終わり」
 アーリアちゃんが、ふふっ、と笑って、井から手を離した。
「ん、ばっちり。ちなみにこれアタシのだから同じ匂いだね」
「ンアアアアアアアアア!!!」
 井が爆発した。いや、してない。爆発しそうなくらいにテンションがあがっていた! もうこれ結婚だろう! 結婚だよこれ! 結婚してるよ俺とアーリアちゃん……結婚……結婚した……。

「……おねーちゃん本当にすごいなぁ、まるで何処かで既に経験しているみたい」
 リアが感心した様子で声をあげる。
「ね! まるでどこかで経験してるみたいだよね!」
 焔がにこにこと笑ってそう言った。リアが小首をかしげる。
「なんなの焔、なんか含みがあるみたいに……」
「あ、それより、そろそろリアちゃんも準備してね。今は、コルネリアちゃんと、まりあちゃんの番だから!」
「くっ……わ、わかったわよ……」
 ぎり、と奥歯をかみしめ、リアは眉をひそめた……。

 一方、コルネリアちゃんは、不思議パワーで肌を小麦色に焼き、スカート丈も短く、セーラー服を着崩している。
「うわキッツ」
「なんでアタシにだけそんなあたりが強いんだよ!!!!」
 叫ぶコルネリアちゃん。
「いや、ごめんなさい……好きな子ほど虐めたくなるって言うでしょ?」
 井がくるくる回りながら言うので、
「アンタたちに好かれても嬉しくはないけど……さておき」
 コホンと咳払い。
「アンタたちが課題終わらせるまでアタシたちも帰れないんだからね」
 そう、これは居残りシチュだ……ギャルとの居残りシチュ! それは値千金のシチュであろう!
「あんま情けねーツラしてっと舐められんぞ。皆がみんな、お前の事分かってるワケじゃねーんだからな」
 隣にはまりあもいて、少し姉御肌のような印象を見せていた。ブラウス前は全開、虎柄の見せブラを惜しげもなくさらし、胸の下あたりでブラウスを縛っている。ミニスカにはベルトをあしらい、アクセも大量に……これが新成人の姿だ……。
「まりあちゃん……」
 井が感動したように呟く。つまり、まりあちゃんは俺達の事を理解してくれているって事……!
「まったく、どんな罰ゲームよ。
 罰ゲームだから……アタシからアンタにちょっとくらい何かしても罰はないでしょうねぇ?」
 コルネリアは、些か意地悪気に笑んだ。ギャルの意地悪そうな笑みって良くない? そのままテスト用紙を井とアライグマの机にのせる。
「間違えたらおしおきね……? 教えてあげるから頑張りなさい」
 耳元で囁くようにそう言うコルネリア。まりあもそれに合わせて、
「……お前、課題終わったら、何シて欲しい? 今ならそこそこ何でもさせてやるけど?」
 吐息を吹きかけるように、そういう。
『がんばります!!!』
 そう叫ぶや、井とアライグマがよくわからん課題に取り掛かる――。

 さて、新年会も終わりに近づいていた。教室にはさわやかな風が吹いている。
 机に座る、リアちゃん。その隣に、井。リアちゃんはセーラー服に、ぎりぎりまで詰めたスカートとルーズソックス。その耳から伸びるイヤホンのもう片方は、井の耳(?)にぶっ刺さっている。
「ほら、これ。アンタにも聞かせたかった曲……Fate BreakerS!って言うのよ!
 これ聞いたときさ、もしかしたらアンタも好きかなって思っていつか聞かせてやりたかったの」
 触れ合う位に近くに。あなたがいる。それだけで――。
「あ、あ」
 陰キャなので言葉がでなくなる。
「えっと、あのさ、ちょっと言うのが恥ずかしいんだけどさ。
 ほら、アンタ最近頑張ってんじゃん?
 ……アンタの(書く物語の)事(だけは)、好きなの。
 だからさ、その……(しっかり働いて色々書くの)待ってるから、ね?」
 少しだけはかなげに――リアちゃんは笑った。僕は陰キャなので何も言えずに、なんか「あ、うん」としか返せなかった。
 さわやかな風が、リアちゃんの匂いを運んでくれた。柔らかな、せっけんみたいな香りだった。リアちゃんの香水なのだろう。
「あ、香水。あんまりきついのはアンタ苦手かなって思ったから、柔らかい石鹸系のにしたんだけど……どうかな?」
 そうやって笑うリアちゃんに、僕は何も言えなくて(陰キャだから)――。

「うらやましいなぁ」
 と。
 なんか声がした。
 ふわふわと漂う、透明な人影だった。
「幽霊?」
 リアが尋ねた。
「あ、はい。羨ましくて出てきました」
 幽霊が言った。
「それで、せっかくですので、僕にも皆さん優しく」
『死ねーーーッ!!!』
 その場にいた全員が、一斉に飛び掛かった! 思い思いの攻撃でガッってする! 断末魔の声をあげる暇もなく幽霊が消滅!
 そしてすべてが終わった――。

 ぐつぐつ。
 ぐつぐつ。
 鍋が煮える。
 大きな土鍋の真中に、アライグマが逆さに突き刺さっていた。鍋敷きになっているのは『井』で、多分ぼこぼこにされたのだろう、ピクリとも動かない。
「いやぁ、冬はやっぱり鍋だよね!」
 焔がにこにこ笑いながらそう言った。
 皆、いつも通りの服を着ていた。
「まったく、酷い依頼だったな……」
 まりあはあきれた様子でそう告げる。
「来年は騙されないようにしたいわねぇ」
 アーリアも困ったような顔を浮かべている。
「そうだな! 誰が持ってきた依頼か知らないが、依頼の内容は精査しないとな! うん!」
 ブレンダがわはは、と笑った。
「ったく、新年早々疲れたわね……」
 リアがうんざりした様子で言うのへ、
「まったく、最悪の新年会だった……」
 紫電が深く嘆息する。
「まぁ、変なお仕事もこれでお終い!
 しごおわ~。皆おつー&おつあり~なのだわ!」
 華蓮が笑いながら、クラスを掲げる。
『かんぱーい!』
 みんなが、思い思いの飲み物を手に、乾杯した。
 ここから、ちゃんとした新年会が……鍋パが始まるのであった――!

 ちなみにコルネリアは羞恥のあまり、脱いで畳んだセーラー服を前にして気絶していた。

 おわり。 

成否

成功

MVP

なし

状態異常

コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)[重傷]
慈悪の天秤

あとがき

 来年もよろしくお願いいたします!!!!!!!

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