PandoraPartyProject

シナリオ詳細

赤服のニンジャ三太!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●初雪
 伝承の街に、雪が降る。
 それはR.O.Oの伝承としては初の雪だろうか?
 世界3分前仮説とかそういう類の情緒のないアレをさておけば、「今年初」の雪と言った方が良いだろう。
 さて、そんな最中。
 伝承の街の建物の間に、真っ赤な何者かが立っている。
 血染めの何かかと思いきや……それは着物と覆面の類……だろうか?
「ニンジャ……」
 アバターの誰かがそんなことを思わず呟くと、真っ赤なニンジャがそれに反論する。
「あいやしばらく! 拙者はニンジャなどでは決してござらん!」
 なら何なんだ。
 誰もが言いたくなるそんな台詞を呑み込めば、真っ赤なニンジャは咳払いなどしてみせる。
「拙者、12月の夜に良き子供の枕元にこっそりプレゼントを置くことを癖(へき)とする、つまらぬ者……黒須・三太と申す!」
 余所以上に怪しい上にやってることはサンタだ。
 でもなんかサンタへの激しい冒涜のような気がする。
 サンタにブレーンバスターとか喰らえばいいのに。
「ともかく拙者、困ってござる。どなたか、拙者を手伝ってくださればよいのだが……」
 こんな怪しげな人物を手伝っては、何が起こるか分からない。
 集まったアバターたちがサッと何処かに消えていく中……一部の物好きだけが残ったのであった。

●三太からの頼み
「実は早く来すぎてしまったので帰ろうと思ったのでござるが……拙者のニンジャ道……げふん!」
 今ニンジャって言った。
「……拙者の秘密道具の1つ、不思議な袋が何処かに行ってしまったのでござる」
 袋とは勝手に何処かに行くような代物だっただろうか?
 誰もが首を傾げる中、三太は大きく溜息をつく。
「アレは良き子供にプレゼントを届けるには必須のもの。開ければ美味しいお菓子や楽しい玩具が飛び出すが、防犯用に恐ろしげな怪物も飛び出すでござる。疾く回収せねば」
 なんというものを逃がしてくれているのか。
 誰もがそう言いたいが、三太も困っているようではある。
「拙者も回収しようとはしたでござるが奴め、何処で習得したか分身の術を会得していたでござる。やはりゴーストゼリリンを叩いて伸ばして袋にしたのはまず……げふんごふん!」
 また何か危なそうなことを言った。
 しかしもう誰も反応しない。
「ともかく、拙者の袋を回収してきてほしいのでござるよ。お礼といってはなんでござるが、袋から美味しいケーキを出して進ぜよう!」

GMコメント

クエスト名:赤服のニンジャ三太!
成功条件:不思議な袋(真)を三太に渡す
報酬:美味しいイチゴショートケーキ、経験値
対象フィールド:街のすぐ外のフィールド
最寄りのサクラメント:街中

対象モンスター
・暴走する袋
分身体の不思議な白い大きな袋。
フィールドを常に複数がピョンピョン跳ねています。
倒すと以下のリストからランダムでドロップします。

・ぼそぼそクッキー
ボソッとおいしくないクッキー。
・からーいキャンディ
舐めると口の中で一瞬で溶ける。カレー味。
・超炭酸ジュース
ジュワッと激痛。最強炭酸。
・激辛シュークリーム
 からしクリームたっぷり。
・怨みのゴーストゼリリン人形
こっちを恨めしい顔で見ているゴーストゼリリン人形。
ドロップ後、即座に大爆発を起こします。
ダメージは低いですがクエスト終了まで髪型がアフロに固定されます。
・不思議な袋(偽)
本物と見分けがつきません。触れると、触れた人を呑み込んで拘束します。
しばらくすると袋は消え、解放されます。
・シロクマさん
怖いシロクマさんモンスター。全長3M。力が強くてタフ。
思いっきりぶん殴ってきます。
・ブリキングエックス
全長10Mの巨大なロボットのモンスター。
周囲に地震を起こしたり、ビームを乱射します。
滅茶苦茶強いです。逃げましょう。
10ターン後に何処かに飛び去ります。エーックス!
・不思議な袋(真)
逃げる気力を失った本物。三太に届けてあげましょう。

●三太
なんか鉄帝あたりに元になった奴が居るとか居ないとか。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 赤服のニンジャ三太!完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年11月13日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

梨尾(p3x000561)
不転の境界
エクシル(p3x000649)
ツナ缶海賊団見習い
樹里(p3x000692)
ようじょ整備士
アンジェラ・クレオマトラ(p3x007241)
女王候補
カノン(p3x008357)
仮想世界の冒険者
エーミール(p3x009344)
夕焼けを穿つヒト
いりす(p3x009869)
優帝
フィオーレ(p3x010147)
青い瞳の少女

リプレイ

●袋を探せ
「あの赤服。12月夜に子供の枕元にプレゼントと言ってましたが、冷静に考えるとクリスマスとは言ってないからサンタより早く配ってる可能性が……本当にヤバい癖の人なんでしょうか?」
 フィールドをポンポンと跳ねる白い袋というシュールな光景を見ながら、『ここにいます』梨尾(p3x000561)は呟く。
 ……あまり深く考えてはいけない気もする。
「まあプレゼントで笑顔になる人が多くなるのならいい事ですよね」
「それにしても子どもたちにプレゼントを配るっていうのはいいと思うけど防犯用のシステムが厳重過ぎないかな……ニャ」
「まあ、その通りではありますね」
『ツナ缶海賊団見習い』エクシル(p3x000649)はそんな疑問を抱いてしまうが……梨尾の同意を受けて、更に考え込んでしまう。
「あとオイラもサンタやクリスマスという概念……こっちで言うとにシャイネンナハトはそこまで知らないけどあのヒトはなにかがおかしいよね? ね!? ……現実側の鉄帝に元になったヒトがいるの? あの格好の……?」
 エクシルたちが視線を逸らした隙に「忍!」とか言っていた三太のことを思い出しながら、エクシルは考え込んでしまう。
 フリーダム気質の強い鉄帝ではあるが、流石に袋は持っていないにしても「元になった人物」がいる。
 それはある意味で、とても恐るべきことであるように思えた。
「もういくつねるとシャイネンナハト……さんたさん、さんたさん。わたし、けいけんちがほしーです」
「そういえばこっちの世界にもあったわねこんなイベント」
『シュレディンガーのようじょ』樹里(p3x000692)の呟きに、『女王候補』アンジェラ・クレオマトラ(p3x007241)がそんな台詞を返す。
「R.O.Oがなかった去年までは働き人として淡々と仕事するだけだったから、すっかり存在を忘れてたわ!」
 そんなアンジェラの台詞はとても物悲しいものがあるが、まああまり触れないのが正解だろう。
「最近、折角死んでログアウトしないように防御系ステ上げまくったのに普通に殺されることばかりだったから、偶には自分へのご褒美として美味しいケーキにありつきましょ」
 そう、これをクリアすれば美味しいケーキが手に入る。
 R.O.Oで「美味しい」とつくものは本当に美味しい。その辺りは信用できるし、バグったようなレベルの美味しさなこともある。
 その辺りに関してはアンジェラも信用していた。ちなみに三太を「ろーらく」しようとした樹里に関しては三太が「拙者、情には絆されんでござる!」とか言っていた。
 やはりアレはニンジャな気がする。
「まさかNINJげふんげふん、サンタとこんな場所で会えるとは思ってもみませんでしたね……」
 やはり『仮想世界の冒険者』カノン(p3x008357)もアレはニンジャだと思っているらしいがさておこう。
「ともあれ、大切な袋を失くしてしまったとあれば大変です。迂闊に無関係の人が触っても大変ですし、放ってはおけませんね。頑張って捕まえるしかないでしょうっ」
「あー、確かにサンタさんってニンジャっぽいですよね。わかる」
 誤魔化したカノンの台詞を耳聡く拾うのは『夕焼けを穿つヒト』エーミール(p3x009344)だ。
「私も伝聞で「サンタって実はニンジャ」みたいな話聞いたことありますもん。なので隠さなくってもいいと思うんですけどねぇ」
「あはは……」
 たぶん本人に聞いたら「違うでござる」と言うんだろうなあと思いながらカノンはエーミールに笑って返す。
「サンタサン……? 初めて見ましたの! フィオの世界にはいらっしゃらない方でしたので、お会いできて光栄ですの! でも、お話しで聞いていたサンタサンよりも随分と身軽でいらっしゃいますの。サンタサンにも色々な方がいらっしゃるのです?」
『青い瞳の少女』フィオーレ(p3x010147)にエーミールがニンジャと言いかけたのをカノンが止める。
 あれはニンジャではない。フィオーレの純粋さにかけて、あれはサンタでいいのだ。
「今の時代は多様化がどうとか聞くような気がしますし、多分あんな感じのサンタさんでも何もおかしくはないように……なるの? うーん……」
 フォローするように『優帝』いりす(p3x009869)が言うが、フォローしきれずに口ごもってしまう。
 仕方ない。だってやっぱりアレ、ニンジャだもの。
「と、とにかく! ちょっと……いやかなり怪しいけども困ってるのは本当のようですから! それに放っておいても袋が悪さしそうですし助けましょう!」
「ではさっそく……当たるもはっけ、当たらぬもはっけ!」
 そんないりすの言葉に全員が頷き、早速樹里とエーミールが目の前を跳ねている袋を攻撃すると……へにゃっと力を失った袋から何かが飛び出してくる。
 それは輝きと共に姿を成して……バリトンボイスで叫ぶ。
「エーーーーーックス!」
「ぜんりょくダッシュです!」
「ここでも出ますかっ!」
「わたしわるくないもん。かってにでてきただけだもん」
 そして全長10Mの巨大ロボモンスター「ブリキングエックス」が出現し、全員がバラバラに逃げていく。
 すでに見た事のあるカノンはアレがどれだけヤバいモンスターか知っているが……初めて見る面々は天変地異の如き地震攻撃に驚愕の表情を浮かべていた。
「あれ絶対にもっと違う目的で使った方がいいと思うんですがあの……!?」
 違う目的というか、どう考えても戦略兵器的な何かである気がするが……そうして袋狩りは始まったのである。

●袋を捕まえろ
「ほ、ほんとにおいしくないよぉ……でも一応は食べ物だから最後まで食べなきゃ……」
 ドロップした「ぼそぼそクッキー」を食べながっら、いりすはそう呟く。
 食べているだけで口の中の水分を奪われ、甘いわけでもしょっぱいわけでもない、ただひたすらにぼそっとしたクッキー。
 非常に美味しくない。
「……ドロップアイテムが罰ゲーム風味なのですが、あの袋反抗期だったりするんですかね……?」
 その様子を見ながらカノンも呟くが、まさに罰ゲーム風味なのである。
 前に似たようなモンスターを狩った時には美味しそうなものがたくさん出たというのに、一体何なのか。
 全部外れ枠と言ってもいいくらいだ。
「むむ。じゅりセンサーに感あり。そこですね?」
 樹里が袋をべしっとやっつければ、今度はキャンディがドロップする。
 これも辛いだけで美味しくない外れ枠だ。
「すとーむだんす! で跳ねてる袋をまとめて攻撃だよ! おとなしくするニャー!」
 エクシルの高速の連続攻撃が炸裂して2つの袋を倒すと、シュークリームとキャンディが飛び出してくる。
 勿論、どっちも罰ゲーム風味なので無視だ。
 食べても幸せになれないし、持っていてもせつないだけだ。
 今回の基本戦術はアンジェラが壁となり、その隙に範囲攻撃で袋を倒していくというものである。
 アンジェラの高い防御力を活かした結果のものだが……これが、実に上手く機能していた。
「こういうのは集まったところで一気にぶん殴るのが一番ですからね」
「ええ、そうね」
 エーミールに、アンジェラは自信満々に頷く。
「範囲攻撃で一緒に攻撃されても私なら大丈夫だし、万が一やばいのが出てきた時には盾にもなれる……って何で私また自分から苦労背負い込んでるのかしら?」
 ふと首を傾げてしまうアンジェラだが、まあその辺りは適材適所というものだろうか?
 そうしていると……倒した袋とそっくりな袋がドロップする。
 これが本物であればクエストクリアだが……梨尾の騒霊やフィオーレの骸骨兵がつついても反応しないので、アンジェラが試しにつついてみると……袋が襲い掛かってきてアンジェラを袋詰めにしてしまう。
「もがー!?」
 本人の大きさピッタリに収縮しているそのアンジェラの袋詰めは……なんというか、非常に憐憫を誘う光景でもある。
 ちなみにだが、エクシルが突いても再度フィオーレの骸骨兵がつついても反応はなく、そこから何かあるわけでもなかった上に、袋を破ることもできやしない。
 どうやら、そういうイベントの類であるようだった。こうなると、もう待つしかない。
 そして同時に、次に袋が出たら誰かがそうなるぞという宣告でもあった。
 しばらく待っていると袋は消え、荒い息を吐くアンジェラが残される。
 動けないアンジェラをそのままにブリキングエックスが出てきたら怖いので、当然の措置ではあるが……。
「女王候補なのに袋詰めとか、流石にみじめすぎて泣けてくるんだけど……!?」
 女王候補の袋詰め。なんかそういうアイテムが何処かにありそうである。
「……でも、働き人やってるよりは幾分マシだし、役に立てば今よりもっとR.O.Oの仕事にも誘われるようになってこっちにいられる時間が増えるかもしれないから、いっそのこと全部楽しむくらいに切り替えていきましょ」
 ちょっと前向きなことを言うアンジェラだが、その精神は非常に大切なものだろう。
 ちなみに待っている間全員でキャンディを食べてみたのだが、慣れてみると美味しい気がしないでもない。それはさておき。
「ところでわたしのなかのちてきこーきしんがもういったい召喚してダブルエックスというロマンをついきゅうしたがっていますが……わたしたちどころかまちの危機になりますしね。がまんです」
「手に負えなさがとんでもないことになりそうだよ……ニャ」
 何やらとんでもないことを呟く樹里にエクシルが呟く。
 ブリキングダブルエックスとか、もう誰も止められない感が凄い。
 ビームの威力が馬鹿みたいに上がっていそうである。今でも馬鹿みたいなのに、本当に街が蒸発するのではなかろうか?
「とにかく、逃げたした袋を捕まえますの!」
 気を取り直すようにフィオーレが袋を遠距離から倒すと、クッキーがポンッと飛び出てくる。
「しかし、こちらではサンタサンの袋は逃げたしてしまうのです? サンタサンも大変ですの……でも、フィオたちローレットがいるから心配ないですの! 必ず本物の袋を見つけて見せますの!」
 普通はサンタの袋は逃げ出さないと思うのだが……どうだろう。
 練達の謎技術とかで作った袋なら逃げ出すかもしれない。
 ちょっと考えて梨尾は、現実世界にいるらしい三太のことを思い浮かべすぐに頭から振り払う。
「あっ……ゼリリンさんがこっちを見ていますのっ! ひゃぁーっ!」
 恨めしそうな眼をしたゴーストゼリリン人形が大爆発を起こすが……なんとも外れ枠が多すぎる。
「……ブリキングエックスよりはマシかな……あんな大きいのが飛び去るってどこに飛んでいくんだろう?」
 エクシルがそう溜息をつくが、迷惑度でいえば同じくらいな気がしないでもない。
 しかし、中々本物が見つからない。
 どうするべきかと梨尾は考え……今回のクエストについて思い返す。
「……三太の話だと本物と分身が逃げ回ってるみたいですから、ドロップさせまくる以外にも本物が逃げるのを諦めるよう追い回すのも有効かも?」
 どれが分身か本物か不明ではあるが、空蝉の術的なもので逃げ回っていると考えれば……いやもうそれは完全にニンジャだが、ひとまずそこはさておこう。
「見分けがつかないなら付くようにすればいいですし……出てきたシュークリームやジュースを逃げる袋にぶつけて匂いを付けて、リポップして匂いが残ってるのが本物とかだったり……試してみますか」
「いい考えなのでは? ちょうど此処に、炭酸抜いたら美味しいかもってとっておいたジュースが何本かあります」
 いりすが炭酸ジュースを取り出すと、梨尾は早速その中身を袋にかけて倒す。
 すると……そこには、ジュースの匂いのついた、なんかグッタリしている袋が倒れている。
 つついてみても、何も反応しない。どうやら本物であるらしい。
「ジュースをかけるのが鍵だったとか……?」
 まさかそんな。梨尾は思わず考え込んでしまうが……そこは考えても仕方がない。
「聖句より一説。『担い手はここに孤り』。はやくさんたさんのもとにかえってあげないと、さびしがってますよ……たぶん。ふくろもきっと、わんこみたいに逃げたふりでかまってほしいだけな気がしてます。きっと」
 そんな樹里の言葉通りに三太の元に持って行って引き渡すと三太は「何かジュースの匂いがするでござるな……」と呟いていたが、すぐに笑顔になる。
「いやあ、感謝でござる! まさかこんなに早く持ってきてくださるとは! では早速……忍!」
「また忍って言いました……」
「やはりNINJA……」
 いりすとエーミールがボソッと呟くが……とにかく出てきたのはお皿に乗った、美味しそうなイチゴのショートケーキ。
「さあ、遠慮なく召し上がれでござる!」
「この袋から出てくるお菓子、どれもこれも酷すぎたんですけど!? これじゃ、報酬のケーキもどうせ期待できないわ……でも、毒を喰らわば皿までって言うし、ここまできたら毒見役もやってやろうじゃないの! せいぜい悶絶する私を笑ってね……って嘘!? この味は……!」
「これ、あの袋から出たんだよね……? 念のためちょっと味見……」
 言いながら味見してみるアンジェラといりすだったが、口の中でシュッと溶けるクリームとスポンジは甘くて美味しい。
「美味しい……」
 誰もがそう呟く。
 それほどまでに報酬のケーキは美味しくて。
 今日の苦労がちょっとだけ報われたような……そんな気が、したのだ。

成否

成功

MVP

樹里(p3x000692)
ようじょ整備士

状態異常

エーミール(p3x009344)[死亡]
夕焼けを穿つヒト

あとがき

コングラチュレーション!
三太の袋を取り戻しました!

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