シナリオ詳細
<グランドウォークライ>Do not forget
オープニング
●
――父親、というモノに対して良い思い出を抱いたことは無かった。
そもそも、『アタシ』はソレを必要としていなかったのではないか、というのは抜きにして。
かりそめの王座に腰掛けて下品に笑う男を父親だと認識することは酷く恐ろしい事のようにさえ思えていた。
強さばかりが栄誉であるこの国で、『最強の座』は心地よい空間だったのだろう。常識(ルール)だと理解はしていた。
それでも、その椅子にその身を委ねてから彼は堕落した。だらしがない、という言葉では言い表せられなかった。
子供心に積らせた寂しさが、何時の日か嫌悪へと変化する。
良く在ることだ。
親からの愛情の欠如。それによって、寂寞が嫌悪に化して、距離を作った。心が離れれば、身も離れる。良く在る親子の在り方だった。
けれど、殺したいなんて思ったことは無かった……筈だった。
それでも、たった一人の『お父さん』だったのだもの。
「ビッツ」
あなたが、呼んでくれるその時をアタシは今でも待っていた。
もう、無理なんでしょうけれどね。
唯、一時でも良かった。生きてきたこの道の片隅に、ひっそりとでもあなたとの思い出があれば。
それだけで『アタシが誰かを恨む事なんて』なかったのかも、と。そう思えたのはあなたが死んでからだった。
●
「現実世界ではビッツが『元・皇帝』の息子であったかどうかは分からない。
けれど、ええ、そうね……この世界でのビッツ・ビネガーが元・皇帝ブランドの息子であったのならば、明確な殺意が認められるかもしれない」
そう口にしたのはザミエラ(p3x000787)であった。その言葉を聞きながらシラス(p3x004421)は首を振る。何時ものアバター姿ではなく、『彼』の前では現実の姿を取っておきたかったのだ。
「やってない、らしい。まあ、ああ言うんだから信じてやれば良い。二人いるのも――確からしいし」
シラスが目を配ったのは九重ツルギ(p3x007105)と現場・ネイコ(p3x008689)からの情報であった。
曰く――『ダークウィッシュ状態のビッツ』と相対したと言うのだ。
「本当だったでしょう。アタシが見た真犯人の『アタシ』がいるって」
そう口を開いたビッツ・ビネガーの傍では、彼が可愛がって居る付き人の娘エクスマリアがこそりと隠れている。
「ねえ、ごめんなさいね。アタシ達は今のことがよくわからない。だから、説明、してもらえる? コレまでのこと」
ビッツは、自身の持っている情報を与える代わりにエクスマリアを守るための情報を欲した。
何せ、この地は『シャドーレギオン』に占拠されている。『聖頌姫』ディアナ・K・リリエンルージュの事を何も知らぬビッツにとっては恐ろしき存在が突然街を占拠し、機械兵士が攻めてきたようにしか思えないだろう。
そう見えるのにもワケがある。彼等はある意味で『中心』であり『部外者』だった。
シャドーレギオンによる攻防は、イレギュラーズ達の軍閥ヴェルス率いるゼシュテリオン軍閥が相対し対処してきていた。
ビッツにとってはブランド殺しの犯人として疑われたかと思えば、謎の『狂ったような人々』が街に大勢姿を現した状況だ。
ディアナ・K・リリエンルージュは『ディアナキャッスル』を想像し、此の地を我が物にしようと目論んだらしい。
その一つが、皇帝殺し。その役割に丁度よかったビッツ・ビネガーの『ダークウィッシュ』を『分離』させ、シャドーレギオンとしてディアナが駒にして居ると言う。
どうして――?
その疑問は単純明快であった。王座(最強)の為に彼を殺したい者は居ても、私情で殺したがる存在は少ない。
ビッツ・ビネガーがブライドの実子でありその生育環境で恨みを募らせていたから『利用しやすかった』
ただ、それだけなのだ。
ならば本物のビッツは必要ない。故に、ディアナの手先である近衛隊達やシャドーレギオンが徒党を組んで襲い掛かってくるだろう。
それは調査で判明したことであった。神妙な面立ちで聞いていたビッツは「頼みたいことがあるわ」と口を開いた。
「まず、アタシは自分の身は自分で守る。けれど、多勢の中では困ったことがあるの。
マリアよ。エクスマリア、この子は戦えないわ。けれど、此処で置いていけばどうなるかは目に見えてる。
だから、エクスマリアを護って頂戴。アタシを護って欲しいのは勿論よ。アタシだって、か弱い乙女ですもの」
よく言う、とシラスはぼやいた。ビッツはにこりと笑ってから口を開く。
「それから、次よ。アタシをそいつらの所に連れて行って欲しいの。ソイツに一言言わなくちゃ気が済まないわ」
「おじさん、危ないよ」
くい、と袖を引いたエクスマリアにビッツは首を振った。危ない、等と言われても『ここで知らない振りをする』という選択肢は存在して居なかった。
「マリアは、お父さんとお母さんが殺されたらどう思う?」
「……怖い」
「そうね。アタシもよ。アタシね、お父さんが殺されたの。その犯人を知ってる。
だから、その人にね『どうしてお父さんを殺したの?』って聞きたいのよ。……駄目かしら」
エクスマリアはううんと悩んだ。ザミエラはエクスマリアに『困りごとがあったら何時でも呼んで』と告げていた。勿論、シラスもビッツに何かあれば気軽に声を掛けてくれと告げていたのだ。
「ねえ、おねえさんたち。……おじさんを、護って欲しいの。
マリアは戦えないけど、おじさんが大事だし……おじさんの言ってることは、理解出来るよ。
お父さんが、死んだら、マリアはこわいし、かなしいもん。だから……おじさんを『犯人さん』の所に、連れてってあげて」
懇願するエクスマリアに、ビッツは「さ、行きましょう」と暗器を手に迫り来るシャドーレギオンを睨め付けたのだ。
- <グランドウォークライ>Do not forget完了
- GM名夏あかね
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年09月26日 22時05分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
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参加者一覧(10人)
リプレイ
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饐えた硝煙の香りが漂っている。だが、視界に広がったピンクダイヤモンドの煌めきは花の馨しさをも届けるかのようにも感じられた。
様変わりしたフィールド風景にも目もくれずS級闘士と呼ばれたビッツ・ビネガーは輝かしい栄光など感じさせぬコソ泥を思わせる動きで隠し通路へと滑り込んだ。
「ここは?」
問うた『月下美人』沙月(p3x007273)へとビッツは「隠し通路よ。よく、父に会いに行くときに使ってたのよ」と囁いた。
彼にしがみついていた褐色肌の娘は鮮やかなサファイアの瞳に不安を浮かべている。戦にも慣れていない、まるで『■■■』とは死んでも似つかぬ少女は『硝子色の煌めき』ザミエラ(p3x000787)の姿を認めてからほっと胸を撫で下ろす。
「ザミエラ!」
「ああ、『マリア』。氏だったのね。うん、よかった。
大丈夫よ、『マリア』。あなたもおじさんも、絶対守ってあげる! あんまり柄じゃないけど、今日の私はあなたの騎士よ」
しゃがんで視線を合わせれば彼女の表情は花咲くように和らいだ。とても『■■■』が見せない微笑にザミエラは現実と架空の違いを思い知る。
彼女は涙を浮かべて様変わりしたスチール・グラードの姿に怯えている。一般的な少女らしい反応。竦んで身を屈めた様子は当たり前の光景でありながら、そのかんばせをしているだけで異質にも思えた。ザミエラは「やっぱり■■■と『マリア』は、同じだけど、違うのね」と呟いた。誰にも聞こえぬ声音で、考えを昇華するように唇に音を乗せる。
安心した。『マリア』は『マリア』だった。■■■は■■■で。私は私。それはどこでだってそうだった。不安になる事がおかしいとでもいうような。
「さて、帝都の事に関してはあんまり詳しくないが……子供……エクスマリアを護衛すればいいんでしょ?」
どうして桃色に染まったのだと『妖精粒子』シフルハンマ(p3x000319)が困惑したように問いかけた、。子供一人くらいなら守り切れると自信満々に告げるシルフハンマにビッツは「お願いするわね」と傍らの少女――エクスマリアの背を撫でる。
「この子は戦慣れしてないのよ。アタシみたいな『闘士』とは違ってね」
「……まあ、子供にとってはこんな場所怖いよね」
分かるよとシルフハンマは頷いた。小さな少女一人守れないで妖精たちを守り切る事が出来ないという気持ちは揺らぐ事はない。確固たる意志を担えば、あの冬の王とそれらを奪い去った『フユツキ』と名乗った男とて打倒できようか。
「あら。エクスマリアさんを『護る』だけではないのでしょう? 私達がすることは……。
っと、先日の事件ぶりねビッツさんにエクスマリアさん。ビッツさんは色々と言いたい事もあるでしょうし、無事にもう一人のビッツさんの所まで送り届けてあげるわ」
穏やかに微笑んで見せた『氷神』吹雪(p3x004727)の言葉にビッツは渋い表情を見せた。
――アタシ、見たのよ。
そんな荒唐無稽な話を彼らは信じてくれたのか。もう一人自分がいたなどという有り得ない事象を。
だが、それを否定することが出来ない事を吹雪は知っている。R.O.OにおいてNPCとは確定的に一人ではない。バグで彼が増えたとしてもそれは許容の範囲内である。
「自分の親、それも皇帝を殺害したって疑われたのは大変だよな。
犯人に言いたいことがあるなら言ってくるといいぜ。言うまでの状況はおれっちたちが作り上げるからな!
しかしシャドーレギオン? ブラックデザイア? ひでーことをするもんだな……」
拗ねたように呟く『マスカレイド・ナイト』リック(p3x007033)に 『半魔眼の姫』オルタニア(p3x008202)も頷く。
難しい事情など分からない。彼が二人いて、一方が悪事を働いて彼の父を殺した等という特有の事情を理解する事も出来ない。
「けど、親殺されて黙ってられないってのよーく分かるわ。
キッチリ顔みてガツンと物言ってやらないとね! その道中はの護衛、引き受けたわ!」
それは簡単な事だとオルタニアが笑みを零せば、『ダンサー』花楓院萌火(p3x006098)は「その為ならマリアちゃんも守らなくっちゃね」と微笑んだ。
彼女を連れて征くのはビッツ・ビネガーが『可愛がった』からだという事情がある。ビッツ・ビネガーにとっての弱点になり得るならば同行させて守った方が手間が少なくていい。エクスマリアは「よろしく、ね」と不安げに萌火を見上げ――ビッツはイレギュラーズにゆっくりと頷いた。
「……ええ、まあ。そうね。アタシも決着を付けなきゃ……」
声音が潜む。その調子に『竜空』シラス(p3x004421)は僅からな苛立ちを滲ませた。
「親父の仇に会って何を話そうってんだ」
複雑でしかならない。彼は『Sクラス』だ。それは現実のシラスが自身で目指す場所と定めた最高峰である。何時の日か到達し、彼と戦う。
子犬ちゃんと揶揄って笑う彼に打ち勝って遂には栄光の頂に至るのだ。そんな夢を壊すかの如くビッツ・ビネガーは家族だなんだと葛藤している。そんな『小さなこと』で迷う様子を見たくて彼の許にやって来たわけじゃない。
高みに至ったのならば、家族だと何だのと、自身を取り巻く周辺の環境による心の変化など消えてなくなるべきだった。家族という枷など必要のない場所に居る筈の男の葛藤が――現実の自分の目標まで曇らすような。
「ケジメよ。仇討ちなんか生温いもんじゃないわよ」
「……はあ?」
シラスの唇から何とも言えない声が零れ落ちた。その意図を測りかねたシラスへとビッツは揶揄うように笑って。
「家族なんてものは影のようなものよ。何時までもべっとりとついてくる。気持ち悪いでしょ、親も兄弟もそんなものなのよ。
……だからね、これまでを清算しなくっちゃならないの。分からなくたって構わないわ。
此の儘、サヨナラしたってアタシの影は生涯張り付いて剥がれないんですもの」
●
「詰まる所、ビッツを辿り着かせなければ話にならねぇって事だろ?」
隠し通路の中で身を屈めていた『Lightning-Magus』Teth=Steiner(p3x002831)は『St.Elmo'sFire』と名付けた神器に魔力を流し込む。ハンドガンスキル発動器『Castor』はじん、と小さな音を立て僅かな光を帯びた。
「なら、意地でも辿り着かせてやるよ。勿論、五体満足でな!」
唇を釣り上げ笑ったTethは前方を伺い見る。『Recon_Drone』は小規模なプロペラ音を立てながら隠し通路の中を進み往く。
隠し通路と銘打たれるだけの事は合って整備された道ではない。足元には気を付けてと微笑む『航空海賊虎』夢見・マリ家(p3x006685)は「大丈夫でありますか?」とエクスマリアに手を貸した。
「あ、ありがとう。その……あの、おじさんのお願いをね」
「勿論ですとも! うおおお! 任せて下さい! 拙者達が必ずお二人を目的地へ連れて行きますとも!」
やる気を漲らせたマリ家はこれまでの『相方』の悪行をすべて敵へと擦り付けることと決めていた。それ以上にも、必ず成功させてやりたいという気持ちも存在している。
まるでキュウリに塩を揉みこんでいくように悪行を擦り込んでおく『ついで』も忘れてはいけないのである。
「しかし狭いですね……挙句に雪解け水がしみ込んで水溜まりまで存在している……。
多少強引な突破をせざるを得ないでしょうね! でも負けませんよ! お任せあれ!」
マリ家に小さく頷く沙月はエクスマリアの周辺を取り囲むように布陣することを気をつけた。前列、後列と人を先中央にはエクスマリアを。ビッツは流石に『S級闘士』だ。中央やや後ろ――エクスマリアが安心できる範囲で追っ手を牽制して欲しいと提案する。
「今のアタシはアンタ達の指示に従うわよ」
「有り難いです。それでは、お任せしますね」
頷く沙月は前線へ。その傍らには闇にも適した瞳を持ったリックが周囲を見回している。シャドーレギオンを警戒しているリックは「どこから来るかな」と周囲を澪回した。
「――居たわ!」
オルタニアは鋭く睨め付ける。夜闇に目を慣すという意志で動き回る者を知覚しやすい瞳を持っていたオルタニアはその瞬間に集中力が途切れたことを感じたが関係はない――その儘、狙いを定める。重量をある弾丸を撃ち出すのはRail Gun。
「邪魔はさせないわ、退きなさい!」
魔眼はソレを捕えて放さない。狙い澄ませた猛禽の如き狙撃はオルタニアの『目』が捕えたモノを逃しやしない。見る側ではなく、狙う側に集中力を裂けば、キィンと何処からか音が聞こえた。
ターゲット・アイが捕えたシャドーレギオン。オルタにあの言葉に頷いたのは前線へと走るマリ家。
「邪魔ですよ! 道を開けなさい!!!」
露払いを担ったならば、マリ家は容赦はしない。猛虎魂に火を灯し、がおー! と勢いよく飛び込み放つTHTB(ツインハイパータイガーバルカン)。
連続攻撃を放つマリ家の露払いを目にしたエクスマリアの足が竦む。「大丈夫か」と問うたシルフハンマはひょいと彼女の体を抱き上げた。
「え、え、」
「目的地までは少し時間がかかるだろうから。大丈夫、落ちないように捕まってて」
抱き上げれば少女の華奢な体から体重が委ねられる。もたれ掛ったその体を落さぬように抱き上げたシルフハンマは護衛役として彼女を支えていた。135cmといった小柄な身長であれど、まだ幼いエクスマリアであれば悠々と抱き上げられる。
「マリアをよろしくね?」
微笑んだザミエラはシルフハンマへとエクスマリアを任せてから宣言通り『彼女の騎士』となるべく前線へと踊りだした。
ザミエラが所有する三番目のスキルは周囲へと攻撃を振り撒き続ける。それでも彼女は傷付くことは厭わなかった。硝子の靴を履くのはまだ早い。それでも、履いて踊れば王子様だって赦してくれるほどのダンスを踊ってみせられる。
踊り、微笑むザミエラは「『マリア』、怖がることはないわ。素敵な騎士(ナイト)がこんなにも沢山いるんだもの」とウィンクを一つ。
「で、でも、マリアの為に皆が傷付くんでしょう?」
不安げに呟いたその声音に「大丈夫だ」とTethは苦笑を浮かべた。Malignant Cyber Singularity Countermeasure Enforcer(悪性電脳特異点対策執行官)が着いているのだと堂々と宣言するには『説明時間』が足りないが、噛み砕いて伝えるならば「必ず守る」の一言に限るのだ。
「シャドーレギオンが前から、それで『防衛システム』が後ろからやってくるか。
何とも愉快な場所だな? スチールグラードってのは。それとも『父親』の趣味か?」
「さあ。でもあの玉座(ばしょ)に座ったなら、立ち上がって戦うのも億劫でしょうね。負けたらあの場所を手放さなくっちゃならないもの」
後方を一瞥し、仕込み暗器を投げ付けたビッツはがしゃんと音を立てて落ちて往く防衛システムに嘆息した。
彼と、その父親出会ったという『元皇帝』の間には交流はなかった。故に、どの様な関係かを考えるしかないのだろう。
モノクルスコープで周囲のチェックを行いながら、ハンドマイトで潜伏を行うシラスはそんなビッツにも複雑な気持ちを抱えていた。
(……家族だとかそういうことで思い悩まれるのも複雑だぜ)
溜息を吐く。敵の待ち伏せは自身の役目だ。するりと滑り込むようにシャドーレギオンの元へと飛び込んだシラスに「気をつけてね」と吹雪は声を掛ける。
「俺のアバターは頑丈さには自信があるんだ」
「ええ、『竜域(あっち)』でもそうだったから任せているわ。前方は任せるから、後方は私に任せてね」
神の使いは小さな氷で模した鼠であった。すんすんと鼻を鳴らして走る鼠がシラスと共に偵察に向かい続ける。敵を排除したいが戦闘音を聞きつけられる可能性もある。現に、後方から起動した防衛システムがコチラを狙い迫り来るのだ。
吹雪は嘆息し、雪と氷を纏わせる。全てを凍らせ砕く、そんな氷雪の神の如き力を『降ろした』吹雪は凍て付く寒さに小さなくしゃみを漏らした萌火に「御免なさいね」と囁いた。
「だ、大丈夫だよ。……けど、ちょっと寒いよね」
肩を竦める萌火は愛と勇気の力を纏った踊りを踊り続ける。観客に魅せる事に適したダンスは仲間を強化するワルツも踊ることが出来た。
吹雪の氷の気配を感じ取ってから、クリスタルの欠片を其方へと飛ばしてゆく。優美なダンスによって生み出されたクリスタルは光の矢と化して防衛システムを穿った。
「何処までも着いてくるって厭だよね!」
「本当ね。……生憎だけれど、ストーカーはお断りしているのよ」
吹雪が微笑めば、Tethは「前からもわらわらやってきた」と溜息を吐く。
「いたいけなおじさんと可愛い女の子を寄ってたかって虐める気か? 大人げねぇにも程があんぞ」
そう言えども――『相手が容赦するわけもない』
ならば戦うしか道はない。シルフハンマはエクスマリアを宥めるように背を撫でた。この狂気染みた桃色の街で『クエストクリア』をし、安心を与えてやりたいものである。
●
萌火はこう思考する。追っ手となる防衛システムに迫り来るシャドーレギオン。その何方のことを考えれども、継続的に連戦を強いられることは間違いない。
出来るだけ仲間達を支えることこそが自分に求められる第一である、と。護衛任務と言えどもビッツは自身一人でも悠々と進める事だろう。どちらかと言えば『無傷』で送り届けられれば本懐を果たせる可能性があがる筈だ。
「ビッツさんは強いね」
萌火の言葉にビッツは「まァね」と軽い声音で返した。S級闘士としての彼ではない。まるで街で出会っただけの気安い友人のような返答である。
リックは「幾ら強くても一人じゃ怪我もするだろうしな。こんな状況じゃ精彩を欠く。思わぬピンチになるかも知れないし気をつけなくちゃな!」と奮起した。
アクティブスキルを駆使して前線を押し返し、ラストスパートに向けて走り続ける。玉座に辿り着けば『彼と彼』が対面することが叶うのだ。
「なあ、ビッツには言いたい事があるのか?」
「言いたい事、と素直に言われるとちょっと変な感じがするわね。平和的に解決なんてアタシ達には出来ないでしょうし」
肩を竦めたビッツにオルタニアは「まあ、ぶん殴ってやる位で普通よね」とさらりと返す。ビッツとエクスマリアを護る為にスマートに行動を続けて居るが、まだまだ先は見通せぬ闇だ。一寸先に存在する闇の気配を拭うように、狙いを見定めているオルタニアはううんと唇を尖らせた。
「親を殺された奴の顔をキッチリ見て……あ、いや、でも『殺したのはビッツ』なんだっけ?」
難しいわねとオルタニアは呟いた。そう、ソレこそがミステリー小説では本来は有り得ては行けない犯人像だ。
この世界は特段ミステリーに仕立てられているのではない。ノックスの十戒なども必要ない。ただ、ビッツ・ビネガーの『シャドーレギオン』が発生したことによって全てのパースが狂ってしまっている状態なのだ。
「そうよ、アタシだけどアタシじゃないのよ。難しい事情は分からないって言っていたわよね。
アタシでよければ簡単に『敵をぶん殴りながら』解説するわ。勿論、アンタが望むなら――だけれど」
囁いたビッツの仕込み暗器が翻る。オルタニアへと迫ろうとした天井に張り付いていた防衛システムがばちりと音を立てた。
システムエラーを告げたメッセージ。次いで響いたのは破裂音。それより逃れるようにオルタニアは離れる。後方をちら、と見遣った萌火はリズミカルに踊るかの如く激しいダンスで防衛システムの行く手を阻む。
「聞いても良いのか?」
「ええ。本来ならば語られる――いえ、アンタ達が真実を突き止めてくれる程度であれば物語は完成したんでしょうけれどね」
「ん、敵が待ってくれないのは当たり前の事でありますし」
ねえ、と首を傾いだマリ家にビッツはそうねと小さく笑った。猛る虎の勢いで走り続けるマリ家を追いかけてリックが前線へと飛び込んだ。
優美な動きながらも姿勢は正しい。かと思えば仕込み暗器がするりと飛び出した。素手であるような、武装などしていない――細い指先にはネイルが施されている。気付けば付けられていた指環はどうやら毒を仕込んで武器にも使うつもりなのだろう。
ビッツをまじまじと観察していた沙月は余裕さえあれば彼の動きを盗んで仕舞いたいと考えていた。シラスならば真っ正面から手合わせを乞うたことだろうが沙月はこの様な状況だ。目で見ることで学ぶ事を意識する。
シルフハンマが抱えるエクスマリアもビッツを視認することで安心しているかのようだった。最初の内は敵の殲滅を中心に行っては来ていたが、数が増えてきたならば、進路上に存在する敵の排除を優先するべきだろうか。
「ええ。シャドーレギオンである『闇ビッツ』さんが犯人であるならば……そうですね、この地を桃色に染め上げた『黒幕』の動きに合わせたのではと」
「その通りね。だって、名乗り出なければ周りは周りで勝手に自滅する。当たり前の事だけど……そうして強者が淘汰されていけば皇帝の座は空席の儘で波乱を極めるわ。
『もしも』アタシだったら、あの男が作り上げた国なんて消えてなくなっちゃえ、なんて願うわ。本当よ? 本当に――」
――アンタって、国ばかり見てるのね。母さんのことも、アタシのことも何も見やしない。
僅かに頭痛を感じてビッツがこめかみを押える。ビッツさんと呼んだ沙月の声に彼は何でも無いわと首を振った。
シャドーレギオンが『別個体』で存在して居るという彼の状況は特異的だ。システム的にはバグにも近いのだろう。故に、このビッツ・ビネガーは何時もよりも弱々しく感じられる。
オルタニアは『S級闘士(くものうえのひと)』が自身らの支援を受けて進む程なのだから『何らかの影響を受けて居るのかも知れない』と感じていた。そうした事があったとしても何ら可笑しくないのがR.O.Oという世界である。
「ビッツ殿……! あまり無茶はなさらぬよう! 平時ならともかく、どうやら本調子ではない様子!」
マリ家はビッツを気遣うようにそう言った。次いでのように『シャドーレギオン』には愛しきヴァレ家の悪名をなすりつける事は忘れていない。
エクスマリアを守る為に、強行突破してくる敵に逆に『強行突破』を仕掛け続ける。
「……大丈夫よ。心配されるなんて、弱くなったわね」
そんなことない、と吹雪が口を開こうとすればシラスは「本当に」とそう言った。ぎょっとした吹雪が「シラスく――シラスさん?」と慌てたように顔を上げる。ロールプレイが『外れ易い』彼女も慌ててしまったのだろう。驚いた様子で瞬いた吹雪にシラスは「全く、複雑だぜ」とぼやいた。
「S級闘士が何をそんな神妙な顔をしてるんだよ」
「シ、シラスさん。そんな言い方をしなくっても……あ、ううん。そうね、好きに言ってあげて。
ビッツさんに足りないのって『ファンの声援』だと思うわ。そうね、ラド・バウの闘士が追われる身なんて、そんなの酷いもの」
「なッ――」
ファンの声援という言葉にシラスが目を見開いた。吹雪はと言えば、愛しき桃色のアイドルを思い出す。赤と青の鮮やかな瞳に光が灯され、嬉しそうに細められて。そんな彼女に頑張れと告げられる距離感が心地良い。こうして言葉を交わせるのだから、その背を押すのは何時だって『その人を支えることを願う人』なのだ。
「――言われてるぜ?」
揶揄うようなTethがするりと前線へと飛び出した。飛び込んでくるシャドーレギオンへ向けて放ったスキルは彼女の体から電流を走らせる。
反発する気配。
「お触り厳禁タイムの始まりだ。触ると痛いぜ、ビリッとな!」
唇を吊り上げ笑ったTethを一瞥してからザミエラはくすりと笑った。
「ねえ、ビッツは私達よりずっと強いから心配為ていなかったのよ。エクスマリアの護りだって。敵を真っ先に潰せば果たせるもの。
ビッツもエクスマリアも守りきって、自分の命も無駄遣いしない。やってやろうじゃない、今日の私はひと味違うわよ!
――なら、アナタは?」
ザミエラの問い掛けに、ビッツは小さく笑った。シルフハンマの腕に抱かれていたエクスマリアも「おじさんは、こわい?」と問い掛ける。
「……いいえ。アンタ達みたいな最高にイカれた奴が送り出してくれるのよ?
ラド・バウS級闘士の花道にしちゃ薄汚れて泥塗れだけれどね。いいじゃない。精々送り届けなさい!」
よく言うとシルフハンマは肩を竦めた。小さく頷いた萌火が支援を踊り、前線へと進むリックがなぎ倒す。
命は無駄にしない。ネットゲームで『蘇られる』自分たちとは違う。システムでも彼等は生きていた。
ザミエラは不安げに感情を表したエクスマリアにっとてもより良い未来が広がっていることを願い、目を伏せて――
遠く、刃のぶつかる音が響いた。
饐えた硝煙の匂いが近くなる。『外』が近付く気配にTethのドローンが『ゴール』を知らせて。
「さ、そろそろらしいぜ?」
Tethは自身にリミッターがあったなら解除のボタンを真っ直ぐに押しただろう。
ロボが戦い続ける鋼鉄に徒歩で移動する自身らはどれだけ小さく思えただろうか。
「窮鼠猫を噛むってね。まあ、鼠扱いは困っちゃうのだけれど」
小さく笑った吹雪に「美しい鼠っているのかしら」とビッツは常通りの自信をそのかんばせへと張り付けていた。
●
「ねえ、ビッツさん。どうやら追っ手は激しいみたいなの。
折角の網一人の自分との感動の対面に茶々を入れる厄介者って必要あるかしら?」
笑みを零す吹雪にビッツは「感動の対面に横槍なんて感動も冷めちゃうわよね。アタシって冷めたスープは嫌いなのよね」と薄い笑みを浮かべた。
「おじさん……」
不安げなエクスマリアを庇う様にザミエラはそっとその背を撫でた。玉座の間では『闇』と銘打たれたもう一人のビッツがイレギュラーズと死闘を繰り広げている。知った顔が、あの様な残虐さを剥き出しして戦っているのだ。
「ねえ、子犬ちゃん。アンタは『此処で死んじゃうようなくだらない親殺しのアタシ』と『馬鹿みたいに小さい子を引き連れて文句一つ言いに来て吹っ切れるアタシ』のどっちが好き?」
「……何を、」
シラスがその横顔を伺えば、『此処までで見た事の無いような好戦的な瞳』が覗いていた。ぞ、と背筋を走った。それはある冬の日に彼に一騎打ちを挑んだときに見た闘志だ。
彼と戦いたくなかったと言えば嘘になる。S級闘士と戦いたくない等と宣うラドバウファイターが居ると思って居るのだろうか。
だが、彼の問い掛けの応えをシラスは持ち合わせていた。
「強化(バフ)を貰ったあいつと戦った所で精確なビッツ・ビネガーの強さなんて体験できないだろ」
そっぽを向けば嬉しそうな笑い声が降った。長身の、美しい男はそのかんばせに『ラド・バウ』での表情をべたりと張り付けている。
そうだ、この男は嗜虐的に笑ってみせるのだ。『Sクラスの最も華麗で美しく残酷な番人』は他者を甚振ることが好きだ。
狡賢いほどに強者に対して戦いを挑まない。傷付くことを厭い、化粧の崩れ一つも赦さない。
「なあ、ビッツ」
「……なぁに?」
「ファンデーションが崩れてるみたいだぜ?」
「ふふ、いやな子。Teth、アンタから見てもそうかしら?」
どうよ、とぐるりと振り向いたビッツの気迫にTethは面食らった。ああ、これが『ラド・バウS級』の醸す気配か。
ファンデーションは此れまでの隠し通路での行動で確かに浮いていた。目元に僅かに沁みたマスカラが黒い雫を作っている。
「化粧直しがしたいのか?」
「いーえ、言って欲しいのは一言よ。『華麗で美しくって、何時だって残酷だ』。リピート・アフタミー?」
「……」
Tethが口を噤めば沙月は「ふ」と小さく笑みを零した。「来ますよ」と囁けばTethはビッツと擦れ違うように沙月の背を追う。
「アンタと俺様達のゴール到着ってな。後はアンタ次第だぜ、ビッツ――華麗で美しくって、何時だって残酷だよ」
「ふふ」
Tethと沙月が吹雪の背を追い、走り始める。オルタニアも同じく殿へと走り出した。
「来るんじゃないわよもう! アンタたちに用はないの! 来るなら、風穴開く覚悟はしておくんだね!」
全く持って面倒だ。折角、ビッツ・ビネガーという男が心情を吐露するというのに邪魔立てする者ばかりなのだから。
エクスマリアの肩をぐっと抱き、ザミエラは「油断しちゃだめよ」と囁いた。辿り着いてからが正念場だ。
『もう一人のビッツ』にとってもエクスマリアという存在が鍵になる可能性がある。シルフハンマは「目的には着いたけど残業かな?」と問い掛けた。
「ええ、マリアにとっては帰るまでが冒険でしょうからね」
「ふうん。まあ、そっか。護衛する子が倒れちゃ元も子もないしね。生き残ろう。……大丈夫。守るよ」
シルフハンマとザミエラの背後から、エクスマリアが瞳を丸くして眺めて居る。
――ねえ、ビッツさん。抑えておかないと邪魔が入ってしまうでしょう?
これを片付けてから追いかけさせてもらうから、ゆっくりお話していて頂戴。
吹雪の笑みを思い出してから、光輝くサクラメントを一瞥した萌火は一部始終をまじまじと眺めて居た。
「ビッツ殿、どうやら此処が正念場。……『あちら』の出方には気をつけてください」
マリ家はセララ(p3x000273)や現場・ネイコ(p3x008689)と行った見慣れた姿を視認して胸を撫で下ろす。
流石にR.O.O。デスカウントが重なれど出来うる限りの生存は約束されている。故に、ビッツ・ビネガーとの戦闘を継続できているのだろう。
(……間に合って良かった。これで最後に会話もさせてあげられないとなったら……)
マリ家と同じくリックも落ち着いたように息を吐く。「心配も何もいらねえ、言ってやりたい言葉を全部『自分』に言ってやるといいぜ!」と笑いかければ、ビッツは小さく頷いて。
「……アタシがやりたかったのに、アイツが皇帝になったからやれなかったことを勝手にやってくれたわね」
かつり、とヒールが音を立てた。
シラスは、最後の最後まで。ビッツ・ビネガーが影に対してどの様な言葉を継げるのかを聞いていたかった。
恨みなんて晴らせやしない。生まれも、境遇も、此れまでの『過去』も決して消えることはない。
それでも――彼が何を言うのかが、気になって仕方が無かった。
「アンタじゃなかったらそんなこともあったのねって位で終わったわよ。
皇帝はより強い者が。此れまでの歴史でだって暗殺は幾らでもあったでしょう。ラド・バウなんて正式試合で打倒する莫迦正直な奴の方が少ないわ。
けど、嘘っぱちみたいじゃない? アタシ、『皇帝になんかなりたくないのよ』……よりによっても『アタシ』なんだもの。やんなっちゃう」
ビッツは深く息を吐いた。眉間に皺を刻み込んで、髪飾りで整えた長い髪がだらりと横顔を隠す。
「恨んでなんかいないわよ。優しいあの子達はアタシが父さんを殺された恨み言の一つでも言いに来たと思って協力してくれた。
父さんが皇帝じゃなかったらアタシだってアイツを殺してたわ。だから、恨むことなんて赦されないわ」
自分だって、そうしていたと思ったから。そう、ビッツ・ビネガーは言った。
「決着を付けましょうよ。アンタも『嘘っぱちの玉座』から降りなさい。
アタシはアタシの過去と決別するの。生涯張り付いて離れなかった影を折角、引っ剥がすチャンスなんですもの」
――父親、というモノに対して良い思い出を抱いたことは無かった。
母を蔑ろにしてきたあの男はラド・バウではソレなりに名の売れた男だったらしい。幼い頃から武勇伝ばかり聞いていた。
強さばかりが栄誉であるこの国で、『最強の座』に着いてあの男は堕落した。
今まで尽してきた優しい母は病で痩せ細っていった。あの男は家庭さえ顧みず、女の家を渡り歩いてきた。
一つでも、あの男から貰ったものがあったとするならば。
『最強の男を殺した』『嘘吐きで、本音を何時だってファンデーションで塗り固めて隠した』『汚らしい感情を持った』男と決別出来る機会を貰えた事だろうか。
だから、見て居て頂戴よ。ラド・バウの喝采なんかより、小さな小さな喝采を頂戴――?
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
お疲れ様でした。
無事にビッツ・ビネガーを送り届けていただき感謝しております。
彼が、『彼』とどのように決着を付けるのか。それは茶零四SDへ続いて。
GMコメント
夏あかねです。
当シナリオは茶零四SDの『<グランドウォークライ>Do you remember』との連動シナリオになります。
●重要
当シナリオは<グランドウォークライ>Do you remember(茶零四SD)との排他シナリオになります。
どちらかにしか参加できません事をご了承下さい。
●成功条件
・ビッツ・ビネガーを『シャドーレギオン・ビッツ・ビネガー』の元へと到着させる
・ビッツ・ビネガー及びエクスマリアの無事
●フィールド情報
帝都スチールグラード。玉座の間に向かう隠し通路です。道はビッツが知っています。
少しばかり狭苦しく、天井は低め。飛行を行う事は難しそうです。
どうやら、シャドーレギオンらがビッツを狙って無数に姿を現してくるようです……
●シャドーレギオン
沢山居ます。道すがらわらわらと出てきます。皆、皇帝の近衛隊であったりだとか、そうした存在に類するようです。
ビッツ・ビネガーの『拘束』及び、侵入者の『排除』を目的としています。
どれ位の相手と戦う事になるかは分かりませんが、連戦&継続戦になるのは確かなようです。
●『防衛システム』
ロボット型の防衛システムです。侵入者を追尾し、決して逃しません。
撃破することが必須となります。ソレなりの数が存在して居るようです。
●ビッツ・ビネガー
美しく棘がある男性です。自称『Sクラスの最も華麗で美しく残酷な番人』。
犯人候補とされていましたが、彼のダークウィッシュのかたちであるシャドーレギオンが動き出したようです。
元・皇帝ブライドの実子。彼との関係性は歪で本人は余り語りたがりません。
自分の身は自分で守ります。ソレなりの強者ですが『シャドーレギオンが分離した影響』か、リソースが其方に裂かれているのか思うように戦えないようです。
彼は、自分の分身であるシャドーレギオン(ビッツ)に一言、言いたいようです。
父親を殺した存在。そして、同時に存在してはいけない彼の元へ。彼の抱いた恨みを晴らしてやりたいと。
……そんなことを、考えているようです。勿論、ビッツは自分を倒しても『皇帝になる』意志はありません。
●エクスマリア
エクスマリア=カリブルヌスさんのR.O.Oの姿。12歳の可愛い女の子。表情がコロコロと変わります。
ビッツおじさんにとっての大切な女の子。心の支え。彼を、護って欲しいと願います。
戦闘は出来ません。一人で置いていけば危険に晒されるために同行します。
●フルメタルバトルロア
https://rev1.reversion.jp/page/fullmetalbattleroar
こちらは『鋼鉄内乱フルメタル・バトルロア』のシナリオです。
・ゼシュテリオン軍閥
ヴェルスが皇帝暗殺容疑を物理で晴らすべく組織した軍閥です。
鋼鉄将校ショッケンをはじめとするヴェルス派閥軍人とヴァルフォロメイを筆頭とする教派クラースナヤ・ズヴェズダーが一緒になって組織した軍閥で、移動要塞ギアバジリカを拠点とし様々な軍閥と戦います。
・黒鉄十字柩(エクスギア)
戦士をただちに戦場へと送り出す高機動棺型出撃装置です。
ギアバジリカから発射され、ジェットの推進力で敵地へと突入。十字架形態をとり敵地の地面へ突き刺さります。
棺の中は聖なる結界で守られており、勢いと揺れはともかく戦場へ安全に到達することができます。
・移動要塞ギアバジリカ
クラースナヤ・ズヴェズダーによって発見、改造された古代の要塞です。
巨大な聖堂が無数に組み合わさった外見をしており、折りたたまれた複数の脚を使った移動を可能としています。
※重要な備考『デスカウント』
R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。
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