PandoraPartyProject

シナリオ詳細

あさごはんを食べよう

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●あさ

 はらぺことかげが待っています。
 尻尾を振りながら待っています。
 さあさあ空腹だ、ぬめった舌がべろりと顔を出しました。
「おはようございます」
 ここは朝のセカイ。
 空腹のとかげは今か今かとおなかを満たすモノを望んでいます。
「あなたのオススメあさごはん。おひとつください」
 とかげはあなたの一挙手一投足をじっと見ています。
 あなたが素敵な朝食を作ってくれることを期待して。
「あなたのせかいのあさごはん。おひとつください」
 目をらんらんと光らせたとかげは、行儀よく待っています。
 時折二又に分かれた舌を伸ばし、喉を鳴らします。未知の匂いも、とかげにとっては大切なものですから。
「よろしくおねがいします」

●あなたのオススメあさごはんを教えてね

 あなたはここでは料理人。ここはあなたのセカイ。どうぞご自由に思いのまま。
 あなたが望むままにカタチを変え、世界はあなた好みの『キッチン』に変貌します。
 場所も、調理器具も、食材も、全て完璧に再現されます。
 屋台? 料亭? レストラン? はたまたあなたの家? 
 豪華なキッチンでも、外でワイルドにバーベキューでも。
 楽しく、ときには激しく料理をして、はらぺことかげをおなかいっぱいにさせてあげましょう。
 とかげはおいしい料理を望みます。食べられないものを提供すると、とても悲しく一鳴きします。
 とかげはあらゆる世界の知的生命体が摂取する朝食に興味を示します。それゆえに、自分の居る所に呼び寄せます。
 なので、あなたはあなたのいる世界で一般的に広く知られている朝食を提供する必要があります。
 あなたたちにとってはありふれた食材や料理でも、とかげにとっては未知の食材や料理です。
 とかげが未だ見ぬ美味しい料理こそ、とかげの望むもの。
 一緒に食べるのもいいでしょう。とかげは此処でずっと孤独に過ごしていますから。
 
 あらゆる世界のおいしいものでおなかいっぱいになった後は、きっとあなたを混沌世界へ帰してくれるでしょう。
 

NMコメント

 りばくると申します。
 あさごはんは大事ですね。よろしくお願いいたします。

●世界観
 『朝の世界』。この世界には夜がやってきません。ずっと朝です。
 からっと晴れた草原のど真ん中、大きな蜥蜴が一匹だけ鎮座しています。
 蜥蜴はこの世界の神様のような存在で、他の世界から知的生命体を呼びこみます。危害を加える事はありませんが、イレギュラーズ達に『あさごはん』を要求します。
 イレギュラーズが念じると、辺りは一面の草原からイレギュラーズの望んだ調理場に変わります。
 言葉は通じますが、簡単な受け答えくらいしかしません。好みの味の料理を提供すると饒舌になるようです。料理漫画みたいなリアクションを取ることもあります。がんばってみてください。
 雑食なのでなんでも食べますが、意図的に料理ではないものや一般的に食べられ無さそうなものを提供すると悲しそうな顔をします。
 また、手づかみなどが出来ない料理に関しては、おもむろに立ち上がり、器用にチョップスティックやスプーン、ナイフ、フォーク等も使い始めます。
 ちょこんと椅子に座るでかい蜥蜴がナプキンを巻いてナイフとフォークを握りしめている姿は可愛いので必見です。

●目標
 『はらぺことかげ』をおなかいっぱいにさせる事。
 ひとり一品料理を提供すると帰してもらえます。

●章について

 1章でおわりです。

●サンプルプレイング



 俺が望む世界は、トーキョーにある愛しの我が家……のキッチンだ!!
 ウオッ椅子壊れる! 椅子壊れる!!!
 デケートカゲが俺ん家のダイニングテーブルに座ってるのマジウケんな。
 「よし! 俺のオススメ朝メシは……これだァーーッ!」
 右手にミルク……! 左手にシリアル……!!
 ドーーーンっ!!!
 シリアルinミルク!!!!
 「手軽に食えて、調理時間わずか一分!栄養もバッチリだ。あまり掻きこみすぎるとメッチャむせるから気を付けろよ!!」



 私たち『ハッソ族』定番の朝食をご用意しますね。
 まず、この『シャギー』の内臓を取り出します。シャギーはそこら辺にいるポピュラーな動物なんですね。
 次に塩をふったシャギーの肉を『オーチャ』の葉っぱにくるみます。これは私たちの間では薬草としても使われていました。臭みを抜いて肉を柔らかくしてくれます。
 これを葉っぱごと蒸し焼きにして、いいところで塩汁にぶちこんで……はいドン!!!
 薬草肉スープの『プルルゥウン』です。めしあがれ!

  • あさごはんを食べよう完了
  • NM名りばくる
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月11日 18時35分
  • 章数1章
  • 総採用数19人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯

「おはよう、私はアーリアよお」
 紫髪を揺らす『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)は首を下げるとかげに、まあ、可愛らしいとかげさんね、と笑いかけた。
「ちょっとだけ待ってちょうだいねえ」
 瞼を閉じて一呼吸。するともうそこは見慣れた自室のキッチン。
 トースターにパンをセットし、その間にフライパンに片手で卵を割り落として火を起こす。目玉焼きは半熟がこだわり。ハムを敷いて胡椒を一振り。
 朝日に照らされて輝くハムと目玉焼きを香ばしいパンの上に乗せて──。

「これが私の朝の定番。温かいうちにどうぞぉ」
 とかげはお皿に乗せられたハムエッグトーストを器用に両掌でつかんで一口。
 黄身がぷちんとはじけて、じゅっとハムの肉汁がしたたる。
「お酒をたくさん飲んだまま、昼が近い位の時間までゆっくり寝て。のんびりと起きてからこれを作るのが好きなのよねぇ」
 テーブルに肘をつきながら、アーリアは目を細めた。とかげは、もう二口めを頬張っている。
「しんせんなあじ」
 三口めで、もうトーストはすっかりとかげの胃袋の中。
「黄身が口の周りについてるわよぉ?」
 二又に割れた舌がべろりと、とかげの口の周りを一周した。
「あなたのオススメあさごはん。ごちそうさまでした」
 気付くともうとかげは居なかった。
 こぼれて固まりかけた黄身とパンくずの散ったお皿だけがテーブルには残されていた──。

「また食べにいらっしゃいねえ」

成否

成功


第1章 第2節

有栖川 卯月(p3p008551)
お茶会は毎日終わらない!

「うさてゃんが好きで色々なとこでおすすめしてたやつを教えるね」
 待っててね! と意気込む『お茶会は毎日終わらない』有栖川 卯月(p3p008551)に、とかげはぺこりと頭を下げた。
 卯月が目を開けると、そこは自宅のキッチン。手に持つのは、真っ黒なホットサンドメーカー。
「早起きしてお母さんと一緒に作ったり、ちょっと寝坊しちゃった時に作ってくれたっけ。懐かしいなぁ」
 手際よく耳を落としたパンの上にチーズと薄目のハムを乗せ、ばちんと挟む。
 数分の間、じっくりと火の上を転がす。じゅわじゅわといい匂いがたちこめると同時に、とかげがぐうぐうと喉を鳴らす。
 網目状の焼き目が見た目にも楽しい、チーズとハムのホットサンドの出来上がり。
 一口頬張ると、にゅ~っとチーズが伸びていく。どうしていいか分からないとかげは、おどおどと食べ進めていた。
 それを微笑ましく見つめながら、卯月は元の世界の頃を思い返していた。
「いつも朝早かったりして大変だったけど、でもお母さんはいつも朝ごはんを作ってくれたんだっけ……」
 混沌世界に来て後悔はしていない。でも。
「Aliceじゃないけど帰りたくなってきちゃった、かも」
 ──なんてね。
「あなたのオススメあさごはん。ごちそうさまでした」
 あさごはんが繋いだ、思い出の味。
 ほんの少しのノスタルジアは、きっと少女をアイドルたらしめる。
 
 

成否

成功


第1章 第3節

冬越 弾正(p3p007105)
終音

「俺は忍者という戦士に憧れているのだが、彼らは完全栄養食品のはしりとなる『兵糧丸』という物を食べていたそうだぞ。さっきから不確定っぽい言い方なのは、俺も食べた事がないからだ。まあ何事も挑戦! 努力! 勝利だな!」
 食べた事がないものを食わそうとしている『Nine of Swords』冬越 弾正(p3p007105)は、首を傾げるとかげにチャレンジ精神を教え込んでいた。
 呼び出すのは和風な家。すり鉢や臼を満足げに撫でた後、もち米を衝いて練って、はちみつを掛け入れる。乾燥させた高麗人参、菜種油など健康に良さげな材料を回し入れ、ヘッドホンから流れるゴキゲンな音楽に合わせて激しくこねていく。
 あとは丸めた兵糧丸もどきをせいろで蒸して──。
「仕上げに砂糖ときな粉をまぶして完成だ、多分。さぁとかげクン。ひと思いにパクっといってみてくれ!」
 とかげが大きな口をあけて、ぽいと頬張ると、とかげの細長かった瞳孔が一気に開いていく。
「そんなにうまかったのか?」
 つられて弾正が兵糧丸もどきを口に放り込むと、思わずニヤリ。
「ほう、これがかつて忍者が口にしていたスーパーフードか……確かに腹持ちは良さそうだ」
 意外にも甘めの団子といった味や食感の兵糧丸。
「今日からこれがあさごはん。ごちそうさまでした」
 飲み込むタイミングが掴めていないとかげは、もっちゃもっちゃとガムのように口をずっと動かしていた。

成否

成功


第1章 第4節

一条 夢心地(p3p008344)
殿

「至高の朝餉を馳走しようかの」
 ぱかっ、と釜の蓋を開けた『殿』一条 夢心地(p3p008344)がほほ、と笑う。
「よろしくおねがいします」
「苦しゅうない、面を上げい!」
 頭を下げるとかげを制す夢心地。殿は寛大。
 城の中の台所を再現した夢心地は、熱々の白飯をしゃもじでてんてんと丼に盛る。
「近頃は朝餉を抜く若者も増えているとか。嘆かわしいの」
 いつの間にやら見事な目玉焼きを焼き上げて、米の上に乗せて醤油をまわし掛ける。
「ベーコンやらウインナーやらを添えたい気持ちもわかる。しかし、あえて目玉焼きだけ。卵本来の味を醤油で引き立たせつつも、この料理に置いて主役はやはり『米』じゃからな」
 米を主食とする世界に生まれた夢心地は、自身が愛する米の美味しさを他者にも知ってほしかったのだ。
 殿様の割に庶民のような朝食であると──此処に彼を知らぬ者が居たらそう口を挟むかもしれない。しかしとかげは黙って目をくりくりとさせながら、爪先で器用に箸を動かし、米をわしわしと口の中に放り込んでいる。
 此処には、そのような者は居ない。ただ、とかげと殿様だけが居た。
「今日一日ハッピーになる事間違いなし。そうであろ?」
 質素であろうとうまいものはうまい。食に貴賤は無し。身分をも超えた飾らぬ性格こそ、殿たらしめる所以なのかもしれない──。
「はっぴーなあさごはん。ごちそうさまでした」
 丼には、米粒ひとつすら残っていなかった。

成否

成功


第1章 第5節

シルキィ(p3p008115)
繋ぐ者

「良いよぉ、いつもの朝ごはんを用意すれば良いんだねぇ?」
 朗らかな笑顔を見せる『繋ぐ者』シルキィ(p3p008115)は自室のキッチンの前に居た。
 希望ヶ浜学園で養護教諭として生徒たちを見守って来たシルキィは、少年少女たちにも朝食の重要さを説いてきた事だろう。
 そして練達でポピュラーな食べ物である白米と味噌汁にすっかりほれ込んだシルキィは慣れたように、ふんふんと鼻歌交じりに米を研ぎ、炊飯器にセット。その間に味噌汁を顆粒の出汁と味噌を沸かした湯に溶かし入れ、刻んだねぎとほうれん草、なすや人参などをざくざくと切り入れる。
 切り身の鮭に塩を適度にふりかけ、グリルに入れてじっくり焼き上げていく。
 焚きあがった絹のような光沢の米、ごろごろと野菜が嬉しい味噌汁といい具合に焼けた魚が見る見る内にテーブルに並べられる。それを二人分用意し、とかげと向かいに座るシルキィ。
「一緒に食べよっかぁ。いただきまぁす。お口にあうと良いけど」
 鮭をちまちまとつつきながら、そう言えば目の前のとかげは食器が使えるのかと視線を投げるも──
「……心配要らなさそうだねぇ?」
 とかげは大きな鉤爪のような指を器用に使って箸で米を掻き込んでいる。
 とかげの長細い瞳孔がまん丸な黒目になっている事に気づいた。
「うふふ。おいしかった?」
 残さずきれいにカラになった食器を見た彼女の触角が、嬉し気に揺れた。
 

成否

成功


第1章 第6節

ヴェルグリーズ(p3p008566)
約束の瓊剣

「朝ごはんが美味しいと一日の始まりから幸せになれるよね。すごく素敵だと思う」
 『全てを断つ剣』ヴェルグリーズ(p3p008566)が立つこの場所は、さて何処であろうか、随分と質素な台所である。
 エプロンの紐を後ろ手に結ぶ彼はさながら高級なホテルのウェイターのようで、何だかこの場所に少々不釣り合いな気もした。
 さて、と手始めに用意したのは水をはじくほど瑞々しいレタスと彩りトマトの簡単なサラダ。それにオリーブオイルとビネガーを混ぜたサッパリ風味のドレッシングを回しかける。
「目玉焼きはどういうものがお好みかな? 黄身の具合も好みが出るよね──俺は断然、半熟の片面焼き」
 ベーコンと卵をさっと焼き上げ、シンプルに塩をふりかけて。目玉焼きがぷるぷるとした半熟具合になったら皿に移す。
 厚めにスライスしたトーストに、イチゴのジャムとバターをきれいな手つきで塗り広げていく。
 特別に、たっぷりめにね、と彼は微笑んだ。
「ぜひ一緒に食べようじゃないか、とかげくん」
 二人前を用意したヴェルグリーズは、とかげの向かいに座り、ざくざくとトーストにかぶりつくとかげを見守りながら、珈琲を啜った。
「誰と食べるかも、料理の大事な要素だから」
 そう目を細めた彼に、ある騎士の影が重なった。『彼』はずっと、一人で朝食を摂っていたから。
 平時まで『彼』に寄り添えなかったヴェルグリーズの、本心の言葉だった。

成否

成功


第1章 第7節

カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽

「いやーでっかいとかげだなあ。腕が鳴るぜ!」
 自宅のキッチンを具現化した『鍋にすると美味そう』カイト・シャルラハ(p3p000684)は、鉄のフライパンを片手にニヤッと笑った。
 まず油をフライパンに引き、熱しておく。その間にキャベツをざくざくと千切りにし、ブロックのベーコンも手ごろな大きさに切り分けていく。
 キャベツとベーコンを温まって煙を立てるフライパンにもりもりと乗せ、真ん中に作っておいたくぼみの中に卵を落とし入れ、ふたをしてしばし蒸し焼きに。
「よし、巣ごもり卵の完成だ! へへん、鳥の巣っぽい感じで面白いだろ!」
 成程確かに、しんなりとしたキャベツや存在感を放つベーコンが、枯草や枝で作られた小鳥の巣らしく見える。
「味もだけど、見た目も楽しいのがご飯の楽しさってもんだぜ!」
 ぱちくりと瞬きを繰り返すとかげ。カイトと出された巣ごもり卵を何度も見返している。
「ん? 俺みたいな鳥人が卵料理とかいいのかって? 猛禽は鳥肉も喰うし、全然問題ないぜ!」
 しかも使用したのは無精卵である。何の気がねもなし。さあ、食べようぜ──と一人と一匹。キャベツの甘味と塩っけのあるベーコンのハーモニーは舌も楽しませる。
 ぺろりと平らげたとかげは、しばし細長い瞳孔をまん丸にしていた。
 本来の蜥蜴が持つ野生でも思い出したのだろうか?
「とりのすはごはん。ごちそうさまでした」
「いや本物の鳥の巣は食うなよ!?」

成否

成功


第1章 第8節

御子神・天狐(p3p009798)
鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人

「出前の時間じゃオラァーッ!」
 リヤカー型の屋台を引きながら超高速で駆け抜ける『最高の一杯』御子神・天狐(p3p009798)は、ドドンとうどんの器をとかげの目の前に突き出した。
「わしが用意する最高の朝餉は──そう、うどんじゃ!」
 まあ彼女は朝だろうが昼だろうが夜だろうが関係なしにうどんを勧めてくるが、とかげは「へぇ~」とでも言うようなぼけっとした顔をしていた。
「はいじゃあまずは普通に茹ででいくぞい」
 茹でたうどんを冷水にさらしてしっかりと締め、ざるにもりもりと盛っていく。
 鰹節で取った出汁をポン酢でサッパリ和えたつゆをうどんにつけるとかげ。なお啜るという食べ方が出来ないとかげは、一回一回うどんを口に運んで食べている。
「ざるうどんの次はかけうどん、そしてぶっかけうどん……と、うどんの食べ方は無限大。たっぷり楽しめるのじゃ~!」
 喋りながら手は緩めない。ガンガン茹で、ガンガンとかげの前にうどんの器を積み上げる。
「さあ喰え、たんと喰え、何ならおかわりもあるからの! へいらっしゃい!!」
 屋台の簡素な椅子に、のれんをはみ出すくらいに巨大なとかげが背を丸めて座っている様は、おかしな状況と言わざるを得ない──が。
「おぬしにとっての最高の一杯、見つかったかの?」
 首をかしげながらとかげを見上げる天狐。
 見つかってないなら、まだまだ奥の手はあるぞ。そう言いたげな笑顔をしていた。

成否

成功


第1章 第9節

カティア・ルーデ・サスティン(p3p005196)
グレイガーデン

「あさごはん……うん、いつもの朝食は……」
 『グレイガーデン』カティア・ルーデ・サスティン(p3p005196)が思慮を巡らせながら呟く。思い浮かべるのはやはり、ダンデリオンのキッチンだ。
 用意するのはパフェグラス。まずは最下層にコーン。遠目から見ると、これがいわゆるパフェのシリアルのように見えるのだ。
 そして中間層にはほくほくとしたミックスビーンズに、茹でたダイスカットの人参、きゅうりをざらざらと入れる。人参ときゅうりは彩りにも食感にも楽しく。
 敷き詰める千切りキャベツはまるでふわっとしたホイップクリームの如く。
 そして上段にはポテトサラダをディッシャーでまるでアイスの如く盛り付け、星形に抜いた人参を乗せていく。
「ピーマンはただ輪切りにするだけでも、クローバーのような形になるのが楽しいんだよね」
 輪切りのピーマンにアボカドディップ。最後にゆで卵を乗せると、本当にパフェと勘違いしそうな程、見事なパフェサラダが完成した。
「どちらかといえば見た目を楽しむものだけど…お口に合うかな?」
 意外な事に、とかげにも美醜という感覚があるようだった。しばし無言で眺めていた。
 やがて大きな口でサラダを飲み込むと。
「おしゃれなあさごはん。ごちそうさまでした」
「……お粗末様」
 さて、遠い記憶に沈む過去の自分は、こんな風に笑えていただろうか。
 誰かの為に作るあさごはんは、心にほんの少しの温かさを抱いて。

成否

成功


第1章 第10節

ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)
自称未来人

「ごきげんようございますっ! 未来人のヨハナ・ゲールマン・ハラタですっ!」
 元気にとかげにむかって手を上げる『自称未来人』ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)。とかげもそれにつられて手を上げていた。
「今回は未来は全く関係ないですけどヨハナの大好きな虫料理……あれっ、食材が出てこないっ!?」
 彼女自身は虫を食材と捉えているようだが、それを『世界』が拒否したのか。
 あれーおかしーなーと呟きながらそこら辺をウロウロしていたが、お目当てのものは見当たらず、がっくりと肩を落とした。
 しかしとっとと立ち直り、かばんからごそごそと何かを取り出し始めたヨハナ。
「仕方ないのでこちらのカロピーメイト……未来ではカロピーメイトって言うんですよ。これはマジですっ!」
 謎のブロック菓子をごりごりと砕いた後、いわゆるチューブタイプのゼリーをぶりんとひねり出し、これまたとろみのあんまり無いヨーグルト飲料をだばあとぶちこんだ。
「はい、カロリーだけは豊富なディストピア風シリアルっ! フレーバーを変えて毎日味わえますよっ!」
 召し上がれ! とずずいと目の前に出されたとかげは、「へぇ~」とでも言いたげにぼけっとした顔をして、一口で飲み込んだ。
「みらいのあさごはん。ごちそうさまでした」
「いやっ、別にアレが未来のド定番な朝食って事でもないのですけどもねっ!」
 ──本当かどうかは、ヨハナのみぞ知る。

成否

成功


第1章 第11節

襞々 もつ(p3p007352)
ザクロ

 ニタリと怪しい笑顔を向ける『同一奇譚~別冊』襞々 もつ(p3p007352)が叫ぶ。
「てめぇがおにくで私がおにくなら、あさごはんもおにくに決まっていますね!」
 ずるりと取り出したのは少女がおにくと形容するのはホイップクリームの塊。うぞりと動いた。まさか。クリームが動く筈もない。
 それを鈍重なミートハンマーで力いっぱい叩き付けると、もう動かなくなった。
 彼女が調味料と呼んだそれも、やはりおにくだった。外見の形容など無意味に等しい。
 だって彼女の目に映る全てはおにくだ。目の前のとかげも。己自身すらも。
 出来上がったシロモノは果たして料理と言えるだろうか。否、彼女にとってはきっとそんなモノはどうだっていいのだ。
 普通の人間なら嗚咽するほど甘いソレを強引にとかげの口に放り込もうとすると、とかげも唾液を吐き散らしながらお行儀悪く『おにく』にかぶりつくだけだ。
 食いちぎり、クリームを滴らせる巨大なとかげは獲物を前にしたハンターの如く、長い瞳孔を瞬かせた。
「ちゃんと飲み込めましたね、素敵です。さあ、次のおにくも──」
 彼女の手元にもうソレはない。
「もう満足なのです? そう、色んなおにくを食べたいと人は言うものですから──Nyahahahaha!!! あれ?」
 自分の嗤い声も忘れてしまうほど『当て』られた少女を意にも介さず、とかげはただ頭を下げた。「おにくのあさごはん。ごちそうさまでした」

成否

成功


第1章 第12節

ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク

「俺の本来の世界の食いモンはなぁ……味気ないエナジーバーだからなぁ、なんで俺アレで納得してたんだろホント」
 懐かしげに『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)が呟く。
「ま、おめえさんには、そんな哀しみを背負いそうなものを食わすわけにゃあいかんからな。俺が想う最高の『あさごはん』を提供させてもらうぜ!」
 前掛けをしゅるりと巻くと、すぐさま巧みな包丁さばきで豚肉や大根、人参、玉ねぎなどを手際よく切っていく。溶かした味噌汁に豚肉をたっぷりの野菜をいれ、くつくつと煮込ませる。
「朝から野菜たっぷりの豚汁は体に嬉しいよな。さて──」
 豚汁の出来上がりを待つ間に、土鍋から炊いた艶々の白飯をぎゅぎゅっと握っていく。
「豚汁が具沢山だからな。シンプルで主張の少ない塩にぎりが一番いい」
 皿に綺麗におにぎりを盛り付けたのち、鯖のみりん干しを七輪で炙っていく。
 ちょうどいい頃合いでさっと取り出すと、何とも香ばしい匂いが立ち込める。
 豚汁をよそい、仕上げに白菜の浅漬けをちょこんと乗せると、ドドンととかげの前にお膳を置いた。
「さぁ、おあがりよ!」
 ゴリョウらしい、食べる者の事も考えた温かみのある朝食に舌鼓を打つとかげ。
 見事! と言わんばかりに瞳孔をまん丸にしたとかげを見て、嬉しくなったゴリョウは──。
「ぶははは! 卵焼きもサービスだ!」
 繊細に味付けされた卵焼きを、とかげの前に突き出した。

成否

成功


第1章 第13節

グレイシア=オルトバーン(p3p000111)
勇者と生きる魔王
ルアナ・テルフォード(p3p000291)
魔王と生きる勇者

「いつまでも朝の世界か。『朝』という概念が壊れそうになるが……」
 『知識の蒐集者』グレイシア=オルトバーン(p3p000111)が未だ知らぬ事もあるものだ、と小さく呟いた。
「とかげさん、とかげさん! おじさまが飛び切り美味しい朝ごはん作ってくれるからね! 待っててね!」
 無邪気にとかげの周りをくるくると回る『絶望を砕く者』ルアナ・テルフォード(p3p000291)。おじさまのご飯は美味しいんだぞ、とアピールをしつつ。
 とかげは二人に、そんなゆっくりと頭を下げた。
 思い描くのは、『Shooting stars』──二人の家である喫茶店。
 食事するスペースもあるし、何より──この孤独なとかげを招待したかった、という事もあった。

「ところでわたしのごはんは?」
 食事はみんなで食べた方がおいしいから、と笑うルアナに。
「ふむ……作る手間も大して変わらない、ならば皆で食べられるように用意しよう」
 グレイシアも頷き、早速エプロンをしながら調理へと取り掛かる。
「やったあ! じゃあわたしもお手伝いする!!」
「では、卵割りを頼もうかな」
 うきうきでボウルに卵を割り入れるルアナを横目に、さてと思案するグレイシア。
 卵液に浸したパンをベーコンと一緒に焼き上げ、とろ~りチーズをのせた、甘くないフレンチトースト。
 反面、スクランブルエッグは甘めがいい。酸味のあるドレッシングをひとかけした彩りのよいサラダに、ほっと一息つけるコーンスープ……これがいい、そうしよう、とグレイシアが顔を上げた時、ルアナが小さく悲鳴を上げた。
「たまごおとしちゃった……ごめんなさい」
「怪我はないか? 何、落してしまった物は仕方あるまい」
 グレイシアが拾おうとして屈むと、とかげがふんふんと鼻を鳴らした。
 すると割れた卵の輪郭がブレていき、するすると消えていった。
 顔を上げると、何事も無かったかのように、落とした筈の卵がそこにはあった。
「あれっ、元に戻ってる? ふしぎだねえ」
「……自由に食材が出てくる辺り、考えるのも野暮というものか」
 トラブルもあったものの、出来上がったのは見事な朝食。ボリュームで言えば、ブランチと言っても良いような。
「さぁ、皆で一緒に朝食としよう」
「頑張って作った朝ごはん! どうぞめしあがれなの!」
 テーブルを囲む二人と一匹。
 とかげが大きすぎて、椅子から大きくはみ出している。
 しかし窮屈そうなそぶりも見せずに、尻尾をゆらゆらとさせながら、フレンチトーストにかぶりついていた。
「おいしいね!」
「気に入ってくれれば、作った甲斐もあるものだ」
 よく話すルアナに、頷き、適度に相槌を返すグレイシア。
 温かい朝食の時間は、平穏な時を感じさせる値千金に相応しい。
「ふたりのたいせつなあさごはん。ごちそうさまでした」

成否

成功


第1章 第14節

朔(p3p009861)
旅人と魔種の三重奏

「朝メシぃ?」
 朔(p3p009861)は染められた金髪をがしがしと掻きながら、怪訝そうな顔をする。
 朝食を要求するとはヘンなトカゲもいるものだ。そんな事も考えながら、舌をちろちろと伸ばしているとかげに向かい合う。
「別に作るこたぁ吝かじゃねぇが、そうだな……あれを作るか」
 袖を雑にまくって米を研ぎ、水をたっぷり含ませてから米を炊く。
 沢庵は銀杏切りで食べやすく、絹ごし豆腐は賽の目に。味噌を湯に溶かし込んだら、わかめと豆腐を入れていく。
「いや、本当は惣菜もあったと思うんだが……早食いするために沢庵で白米をかき込んでたから、あんま覚えてないんだよな」
 現代日本にいた頃を思い返しながら、小さくつぶやいた。
 質素な木のテーブルに並べるは、硬めに炊いた白米に沢庵、味噌汁と──派手そうな彼の見た目には少々似合わぬような、古き良き純日本風の朝食。
「一品だけってのも味気ねえ。朝メシってのは、纏めて出てくるからイイんだよな」
 どうせならと一緒にテーブルを囲む朔は、熱々の味噌汁を啜る。
 眉間に寄った皺も綻ぶ、ほっとする味だ。
「朝っていう忙しい時間を忘れちまうくらいだぜ……そういやお前、箸持てんの? 持ててるわ。すげぇな、お前」
 とかげは意にも介さず、沢庵を箸でつまんで、ぼりぼりと齧っている。
 やがて味噌汁の一滴まで残さず平らげると、とかげは器用に頭を下げて。
 朔が気付いた時には、もう元の場所に居た。

成否

成功


第1章 第15節

フィリーネ=ヴァレンティーヌ(p3p009867)
百合花の騎士

「あら、お腹が減っておりますの? ……なるほど、わたくしが作るのですわね」
 『百合花の騎士』フィリーネ=ヴァレンティーヌ(p3p009867)は名家の御令嬢である。
 当然、家に居た頃はシェフやコックが食事を作ってくれていた訳で、彼女自身、あまり料理に携わる事は少なかった。
 しかし、此処に居るのは自身と、大きなとかげ一匹だけ。
 屋敷のキッチンに立つフィリーネは、純白のドレスの上からエプロンをしゅるりと身に着ける。文字通り、エプロンドレスと言った所か。
「お料理は苦手ですけれど、簡単な物ならできそうですわ」
 バターと砂糖、溶いた卵を混ぜた後に牛乳を回し入れ、薄力粉とベーキングパウダーをふるいかけつつしっかり混ぜ込む。
 生地をカップに注入し、窯に入れてじっくりと焼き上げていく。窯に入れたマフィンがふくらむか、ドキドキしながら見ているフィリーネととかげ。
「そろそろですわね……あつっ! とと……完成ですわ!」
 均等に熱が入らなかったからか、斜めにふくらんでしまったマフィンをとかげに差し出した。
「す、少し形は悪いですけれど、味は美味しいはずですわ! はちみつやベリージャムを塗るともっと美味しくいただけます。火傷には注意してくだ……あっ!? カップは食べ物ではありませんわよ!!」

 ──とかげがマフィンのカップごと食べてしまうというトラブルもあったものの、お嬢様の朝食作りは概ね成功のようだった!

成否

成功


第1章 第16節

クルル・クラッセン(p3p009235)
森ガール

「おはようございます」
「うん、おはよう、とかげちゃん!」
 舌を出しながら頭を下げるとかげに、『森ガール』クルル・クラッセン(p3p009235)はにっこり笑いながらご挨拶。
「お腹ぺこぺこだと辛いもんね、わたしと一緒に朝ご飯食べよっか?」
 思い描くのは、緑の濃い匂い漂う木々の狭間。
 森ガールの名に恥じぬ、少女の調理場はこの森の中だ。
「えっと、まずは──」
 近くに流れる清流に水を汲みに行く。
 そのついでに川に流しておいた、竹で編まれた籠罠を覗くと、魚が元気よく跳ねた。
「鮎だ!」
 二匹の鮎と澄んだ水を鉄鍋に入れ、焚き火の元へと戻っていく。
「ん、ヨモギとノビルが生えてるね。採っておこうかな」
 目についた野草も、クルルにとっては立派な食材だ。
 さて、と鉄鍋の水を焚き火にかざし、沸騰させる。
 その間に鮎の内臓を取り除き、食べやすいよう切り身にして──
「全部まとめてお鍋にどーん!」
 洗って切った野草、鮎を湯にワイルドにぶちこみ、軽く塩をふって味を調える。
 時たま灰汁を取りつつ、くたくたに煮立ったら完成!
「手を合わせて、森と小川、大自然の恵みに感謝のお祈りね。はい、いただきますっ」
 とかげもそれに倣って、短い手で必死に合わせようとしていた。
 魚の出汁と野草のアクセントがうまく調和した、森のスープ。
 木漏れ日に手をかざし、小鳥のさえずりを聴きながら誰かと一緒に食べる朝食に、とかげも満足げだった。

成否

成功


第1章 第17節

ルネ=エクス=アグニス(p3p008385)
書の静寂

「異世界の未知の朝食を求めるトカゲか……」
 『書の静寂』ルネ=エクス=アグニス(p3p008385)は巨大なとかげを見上げて呟いた。
 とかげも、ルネの紫瞳をじっと覗き込んでいる。
「多くの本を読みたい僕と、多様な朝食を求める君。カテゴリは違えど、知識欲という意味合いでは同じ。中々親近感が湧いてくるね」
 ただ僕は余り料理は得意ではないから、そこはすまないね。そう前置きし、ルネはテーブルに置かれたパンを手に取った。
 瑞々しいレタスを水にさらし、歯触りをよくさせる。ずっしりと重く、赤々と艶があるいいトマトも、食べやすいようにスライス。
 先ほどのレタスとトマト、そして一口大に切ったベーコンをパンの上に乗せてもう一枚のパンで挟み、真ん中から半分に切り分けて──ベーコン・レタス・サンドの完成。

「好きな具材をパンで挟むだけで出来るから簡単で、おまけに片手で食べられる。作業中や本を読みながら食べられる素晴らしい食事さ」
 時間が惜しいルネにとって、サンドイッチは最適解の朝食なのだ。
「流石にこれだけでは味気ないかな。何か好きな食材はあるかい? それもサンドイッチにして準備しようか」
 両手いっぱいにサンドイッチをつかんで、あぐあぐと齧っているとかげを見て、ルネはくすりと笑った。
 あなたが作るものならどんなものでも。そう言いたげな顔だった。

成否

成功


第1章 第18節

鳶島 津々流(p3p000141)
四季の奏者

「寝る前にどれだけ食べても、目が覚めたらいつの間にかお腹って空いているよねえ。ああ、そっか、ずっと朝だからはらぺことかげさんはずっと腹ぺこなのかな?」
 『行く雲に、流るる水に』鳶島 津々流(p3p000141)の言葉に、巨大なとかげはまん丸な目をぱちぱちとしていた。
「お米はもう食べたみたいだから……そうだ、お餅にしよう。切り餅を焼くだけだし、すぐ出来るね」
 彼が思い描くのは、かつて自分が居た世界の台所。
 こんなに細部まで再現できるのかと驚き半分、嬉しさ半分でふわふわ歩いていたが、目的を思い出し、さっそく七輪に火を起こす。
 つきたての餅は美味だが、朝食という手軽さで言えば切り餅はとても優秀だ。
 餅を均等に四つ、網の上に並べる。
 熱が加えられた餅がひび割れ、ぷくぷくと膨らむ様子をとかげは物珍し気にじっと見ていた。
「はい、もう出来上がり。海苔を巻いたらお好みでお醤油をどうぞ?」
 一口大に切った大根やなすの即席漬けを添える。
 口の中をサッパリとさせる付け合わせだ。
 さっそく口に放り込むと、噛み切る前に、にゅ~っと伸びていく餅。とかげの切れ長の目がまん丸になる。
 くちゃくちゃと噛みつつ、飲み込むタイミングを失ったらしいとかげが一言だけ。
「みちのたべもの。とてもおいしいです」
 どうやら満足してもらえたらしい──津々流はとかげの食べる様子を、静かに微笑みながら見つめていた。

成否

成功


第1章 第19節

 ああ、おなかがいっぱいだ。
 ありがとう、いせかいのたびびとたち。
 おやすみなさい。
 
 とかげは欠伸をしながら、静かに横たわり、その大きな体を丸めました。
 とかげは、神様のようなものでした。
 この世界を維持するために、エネルギーが必要でした。
 とかげが食に未知を求めていたのは、何千、何万、何億と繰り返された『目覚め』に、飽いてしまっていたからかもしれません。

 次に起きる時。その機会は何十、何百、何千、何万年後かわかりませんが──。

「あなたのせかいのあさごはん。おひとつください」

 きっとまた、おいしいあさごはんを求めるのでしょう。

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