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シナリオ詳細

Rapid Origin Online:今夏を彩るのは

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●R.O.O――アイテムショップにて
 R.O.O、ネクスト。それは練達の発明した仮想世界であり、第二の混沌とも言われる場所。そしてイレギュラーズたちが事態の解決を図るため、アバターでログインするゲームである。
 ウォーカーの幾らかには馴染みがあるだろうが、MMORPGといえばわかるだろうか。こういうゲームには大抵アイテムショップなる場所が点在しているものである。
 それは冒険を助けるためのアイテムを売っていたり、新しい武器防具に更新するためであるが――。
「……ん?」
 『踊り子』ローズマリー(p3y000032)はふとその足を止めた。航海――混沌で言う海洋王国だ――の潮の香りは、現実のように感じられる。
 しかし彼女が立ち止まったのはそれを感じたからでも、ましてや風にのった砂が目に入ったからでもない。
 ここまでくるのにあった美味しそうな店の数々に立ち止まりはしたが、今回は食べ物でもない。
「……水着……?」
 いや、水着だけでなく浴衣も売られている。近づくと期間限定アイテムショップであることがわかった。アバターが纏うものだけでなく、髪飾りや小物などのアイテムもゲームウィンドウの一覧に表示されている。試着をすることもできるようだ。
(そういえば、ここでもやるんだっけ)
 海洋でサマーフェスティバルをするデータを吸収したのか、ネクストでも『セイラー・サマーフェスティバル』が行われる旨が通達されていた。皆、恐らくこのようなショップでアバター衣装を購入しているのだろう。
 ローズマリーが眺めている間にも、衣装を購入していくプレイヤーらしきキャラクターが数人いた。それを横目に、ローズマリーは再び視線をウィンドウへ。
 一覧の中には現実にありそうな水着もあれば、ふりふりヒラヒラとした『本当に海で泳ぐ気あるのか?』と思わせる水着もある。着て海に入ったら溺れそうだが、ゲームの中だから溺れないのかもしれない。良く知らないけど。
「どうしようかなあ」
 ローズマリーは自身の姿を見下ろした。
 彼女は踊り子のアバター姿だ。普段からそこまで着込んでいるわけではないし、肌を見せることに抵抗はない。
 それが故に『何でも良い』という気持ちさえ湧いてくる――これが問題だ。
(浴衣は……あっちで着るつもりだし)
 現実でも着るものをゲームでも、と言う気にはあまりならなかった。人によってはアリかもしれないが、ローズマリー的にはナシなのだ。
 ショップの前で唸り始めたローズマリー。NPCは気にすることなく道を行き来するが、プレイヤーは気になりもするだろう。ちらちらと視線が向けられるものの、彼らもまた期間限定ショップに引き込まれていく。
 さあ、どうしたものだろうか?

GMコメント

●すること
 水着や浴衣を見に行こう!
 お買い物を楽しもう!

●場所
 1プレイングにつき1箇所に絞ることをお勧めします。

【期間限定ショップ】
 アイテムショップです。期間限定で、近くに行くとショップウィンドウを表示することができます。また展示もされており、店内を巡ることで客観的に見ることもできます。
 水着や浴衣、それに付随する小物等のアイテムが一覧には並んでおり、その場で試着が可能です。(試着したまま出ようとしても、ショップから一定距離離れると自動的に戻されます)
 その場で姿が変わるなんて! という方のために試着室も用意があります。

【屋台通り】
 道すがらに屋台がたくさん出ている通りがあります。
 果物のジュースや串焼き、ケバブ、野菜スティック等々。割と何でもありですが、リーズナブルに提供することを目的としています。
 また、航海で産出する珊瑚等を使用したアクセサリーや、織物なども売っています。

【公園】
 屋台通りを抜けると公園に出ます。海が良く見え、ここから見る夕暮れは絶景です。
 遊具はあまりありませんが、ベンチが多いです。ちょっとしたピクニックに良く使われるようです。
 友人たちとちょっと遊びに行くもあり、のんびり波の音を聞いて過ごすもあり。

● NPC
 ローズマリーについて、プレイングにご指定頂くことで登場する可能性があります。

●プレイング内容確定・章進行に関して
 今回は以下の進行ペースを考えています。全1章。

 同行者ありの場合、冒頭に共通タグor同行者名をお願いします。

 同行者ありの場合は、最終稿を出すことを推奨します。(GM確認後は修正不可のため)
 同行者がいるとわかる場合、24時間くらいは待つ時間を設けますので、大体で揃いそうな時間に提出頂ければ大丈夫です。
 上記時間を過ぎた場合、完結の可能性もございますのでご了承ください。

 完結予定についてはTwitterで告知する場合がございます。

●ご挨拶
 愁です。こちらはR.O.Oです。
 皆さんサマーアバターはもうお決まりですか? ローズマリーはまだです。
 ゲーム内でも楽しいショッピングをお楽しみください!

  • Rapid Origin Online:今夏を彩るのは完了
  • GM名
  • 種別ラリー
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2021年06月30日 21時20分
  • 章数1章
  • 総採用数16人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

陽炎(p3x007949)
影絵舞台

 『No.01』陽炎(p3x007949)はR.O.O期間限定ショップの前にいた。決して自身の意思ではないし、必ずしも買うとは限らない。
 いや、そもそも本当は不要とさえ思っているのだ。だが――。

 ――あら! 陽炎はとってもかっこいいから、きっと似合うと思うのだわ!

 敬愛するマスターの言葉が蘇る。あの笑顔で言われてしまえば逆らう気だって失せてしまう。仕方ない事なのだ。故に陽炎は偵察だけでも、と訪れたのである。
 買い物自体はウィンドウから可能だが、実際の店のようにディスプレイもされている。これをみるだけでも随分と多い種類だ。
(某は忍を模したアンドロイドでございますから、出来れば露出が少なく動きやすく、且つ色味も暗めなものが望ましいのですが……)
 ディスプレイされているアバターだけでもこの多さ。そして恐る恐るウィンドウを開けば、それなど比にもならないほどの水着浴衣の数が。が。が。
 天井を仰いだ陽炎は自身で探すことをあきらめた。この中から1着を選ぶなんて、あまりに非効率過ぎる。
 陽炎はショップ内にいるNPCへ声をかけた。希望の条件を伝え、それらしい水着と浴衣をリストに表示してもらう。
(やはり、露出を控えるとなると浴衣が多いか……)
 シックなデザインの浴衣。それを試着してみた陽炎は、マスターが見たらなんというだろうかと思いを馳せた。

成否

成功


第1章 第2節

アダム(p3x006934)
いちばんの友達

 海辺と期間限定ショップの間を繋ぐ屋台通りで、『うさぎのおひめさま!』アダム(p3x006934) は目をきらきらとさせながらも口惜しそうにしていた。
「宝の山なのに、混沌には少しも持ち帰れないだなんて……!」
 ここは混沌ではなく仮想世界。現実で似た品を探すことはできるかもしれないが、品そのものは持ち帰れない。
 物凄く未練たらたらに露店を離れようとしたアダムの視界に艶やかな黒髪が靡く。それに「あれ?」と思ったのと声をかけるのは同時であった。
「そこのお姉さん!」
「……なに?」
 立ち止まったのは踊り子の女性。彼女はアダムを見ると目を瞬かせ、考えるように目を細めた。が、反射的に声をかけて慌ててしまったアダムは気づかない。
「その、ごめんね。混沌のお友達に雰囲気が似てる気がして……」
 そう言ってから気づく。ゲームの世界で現実の事を持ちだすのは良くないのだったか。身バレとか言うらしい。
「ところでお姉さん、この布、素敵だと思わない? 俺ね、混沌では、お裁縫を仕事にしてるんだよ」
「へえ……じゃあ、この布でも何か作れるのかな」
 身バレ注意と思うも束の間、早速自身のことをぽろりと零したアダムに苦笑を浮かべながらローズマリー(p3y000032)は言及しない。自分の前ならまあいいか、なんて。
「触り心地も良いし、色も――あとこっちの布は――」
 ――アダムの熱い語りはここから暫く、続く。

成否

成功


第1章 第3節

蕭条(p3x001262)
叩いて直せ!

「水着ー?」
 ふむふむ、とウィンドウを見て。
「浴衣ー!」
 ほうほう、と自身の姿を見下ろす。
 『さかな…』蕭条(p3x001262)はさかなである。多分さかなに着せる浴衣とか水着とかはないと思う。ないよね?
「え? あ、あいむソーリー。ジャストルッキング見てるだけー」
 さあ奥へと誘うNPCへ必死に語る蕭条。ちなみに普通に喋って伝わるのだが、このネクストと言う世界に思考回路が疲弊しきった彼は最早頭が回らない。
(おかしい)
 キレイな洋服を見て楽しめれば良かったはずなのに、NPCを回避したら色んなアバターの人たちが押し寄せて来てずいずいと。ずいずいと。あれ、入口が遠い。
 近くを通るたびにNPCからこれは如何ですか、あれは如何ですかと勧められ断る始末。いやでもキレイですね。その装飾品はなんだろう?
「これは珊瑚の首飾りですよ! この水着とはよく合って――」
「あ、ええと、お着換えノーセンキュー。ノーセンキュー。うろこぬぎませーん」
 頑張る蕭条。入口が見えてきたぞ。脱出までもう少しだ。
(しかし期間限定ショップというだけあって随分と繁盛していま――)
「ぅああぁぁぁぁぁ……」
 再び現れる人の波。そして最初と同じように奥へと流された蕭条は、さらに遠ざかった入口の方を見て途方にくれたのだった。

成否

成功


第1章 第4節

千花(p3x007480)
人を駄目にする触手

(こっちでは人型ですし、味も多分わかるはず)
 屋台通りの中でも食品を扱う屋台を中心に見ていた『人を駄目にする触手』千花(p3x007480)は数本の串ものを購入する。
 現実であればこれも溶かして吸収するだけ。味も食感もわかったものではないが、千花となった今だけは人の食事もできる。
 水着や浴衣も楽しそうだが、それより前に食事が大事だ。
(確か、こうして手で持って)
 人の真似をして串を手に持った千花。そこでふと、口の中まで擬態されていただろうかと考える。女性姿でこそあれ、その中身はやはり触手だ。人の舌を再現した千花は改めてと串へ視線を向ける。
「ではいただきます」
 パクリ。
 触手で感じることのなかった肉の弾力。それを歯で噛み切り、絡まったソースを舌で味わう。肉の間に挟まれているネギはまた異なる食感で、真ん中の方が甘く感じられた。
(こういう味なんですね……)
 美味しい。味だけではなく食感も伴っているから尚更なのだろう。あっという間に買った串ものを全てたいらげ、フルーツジュースを購入した千花はその味に驚く。こういう味だったのか。
 次は何を飲み会してみようか。千花はその幸せを噛み締めつつ、気になった屋台へと足を運んでいくのだった。

成否

成功


第1章 第5節

ユイ(p3x008114)
甘露寺 結衣のアバター

「わぁ~~、色々な屋台がありますね!」
 『甘露寺 結衣のアバター』ユイ(p3x008114)は小さな体で屋台通りのあちこちを飛び回っていた。
 そこかしこから美味しそうな良い匂い。それに色々なジュースもあるし、食べ物だってたくさん!
(うーん、でも……)
 ユイは自身の体を見下ろした。妖精郷にいる妖精たちと同じくらいの小さめな体だ。『普通サイズの』人間からすればひと口、ふた口で食べられるものかもしれないが、ユイにとっては違う。近くで見れば見るほど、食べ物は壁のように立ちはだかるのである。少なくとも食べきれる量ではない。
 目の前には良い匂いと結果を放つ――ケバブ屋。どうしよう、食べてみたいけれど食べられるのだろうか。正直なところ、いちいち聞いて回るのは面倒すぎる。
(でも……食べてみたい!)
「すみませーん!」
 億劫さは食欲に負けた。購入確認ウィンドウを恐る恐るタップすると、ユイでもどうにか食べられるサイズのケバブがアイテム一覧に入る。
「美味しい!」
 それを取り出したユイは齧り付きご満悦。邪魔にならない場所で食べ終えたユイはきょろりと辺りを見回した。
 すっかり満腹ではあるが、興味があるものはまだまだ沢山。綿あめも食べてみたいし、焼きとうもろこしだって齧り付きたい。しかし腹は満たされていて――さあ、どうしよう?

成否

成功


第1章 第6節

吹雪(p3x004727)
氷神

「あっ、ローズマリーちゃんだ! おーい!」
 『氷神』吹雪(p3x004727)はうっかりいつもの調子で声をかけ、はっと気づく。ここはネクストであり、混沌ではない。自分もまた、『吹雪』というお姉さんアバターなのである!
「ちょっと待って、今のなし! やり直すからそのまま待っててね!」
「え……うん……?」
 困惑する『踊り子』ローズマリー(p3y000032)を余所に、一旦離れる吹雪。そして。
「あら、ローズマリーさん、先日の隠しクエスト以来ね」
「え? あ……うん??」
「何かしら?」
 さも最初からこうでしたと言わんばかりの吹雪。ローズマリーは突っ込むのをやめた。誰にだって一つや二つや三つや四つは詮索されたくないことがあるものだ。
「それより、貴方も水着や浴衣を探しにきたのでしょう? それならお店に入って色々探してみた方がいいわ。一緒に如何?」
 店の前で悩んでいてもどうにもならない、という話にローズマリーはぐうの音も出ない。それに――きっと、誰かと一緒ならより良いものが見つけられそうな気がした。
「……それじゃあ、よろしく?」
「ええ。お互い、良いものを見つけましょうか」
 こうして、女性たちはショップの中へと足を踏み入れたのだった。

成否

成功


第1章 第7節

譛晏?芽!動(p3x007193)
不明な接続エラーが発生しました
ヴィオラ(p3x008706)
月の裏側

「見てください! おいしそうな食べ物が沢山……!」
 目を輝かせる『恋するサテライト』ヴィオラ(p3x008706)に対し、『不明な接続エラーが発生しました』譛晏?芽!動(p3x007193)は若干引き気味な表情を浮かべる。いや、たしかに食べ物も沢山あるが、同じくらい沢山の人、人、人。かなりな大賑わいである。
(思ったよりだいぶ混んでんな……)
 少なからずNPCも存在するだろうが、それにしたって逸れてしまいそうだ。
「あれ、手を? ……お言葉に甘えましょうかね」
 えへへ、と嬉しそうに笑ったヴィオラはあちこちきょろきょろ。きっと、このあと本イベントとなる夏のそれが待っているのだろう。これはその前夜祭に違いないと。
「あ、あの焼き魚美味しそうじゃありません? あっちのお菓子も! ねえ――」
 繋いだ手をくいくいと引いて、振り返るヴィオラ。譛晏?芽!動の名は発音ができないから、名前を呼べないなら自分がアクションを起こすしかない。そうして振り返って、ヴィオラはむぅと口を尖らせた。
 というのも、ヴィオラに倣ってあちこち見る譛晏?芽!動の視線は女の子ばかりに向いているから。彼女が見ていることに気づいた譛晏?芽!動は顔を引き攣らせる。
「ん"ん"っ! ……なんでもねぇ。なんでもねぇぞ。よし、一通り買い漁ったらどっか開いてるスペースで食べようか! な!!」
「もう、今日は私とのデートでしょう。余所見してたらいなくなっちゃいますよ?」
 楽しんでいるなら良い、なんて余裕ぶれない。ツンとしてみせたヴィオラに、にんまりした譛晏?芽!動の手が伸びる。
「っ!? ちょっ、」
「じゃあそうならないようにしっかり捕まえておかねぇとな! そらいくぞ~!」
 ヴィオラを担ぎ上げた譛晏?芽!動。彼女が気にしていた屋台へ一直線に走っていき、彼女の方からは悲鳴が上がったとか、上がっていなかったとか。

成否

成功


第1章 第8節

ライラ(p3x009802)
夜の踊り子

 『夜の踊り子』ライラ(p3x009802)は期間限定ショップの前にたどりつき、にんまりと笑みを浮かべた。
(折角R.O.Oという『ないすばぢーなお姉ちゃん』を好き放題堪能出来る機会に恵まれたのだ)
 その『ないすばぢーなお姉ちゃん』こと自身のアバター。この素材を存分に活用せずなんとする。
 つまるところ、アバターに好みの水着を着せたいのだった。いざゆかん期間限定ショップ!
 ライラ――厳密に言うとライラの中の人――の好みはスリングショットである。試着室へ篭り、目を皿にしてショップウィンドウをスライドするライラ。お目当てのものを見つけると『試着』を選択する。
「おお……」
 思わず声が出た。さもありなんボンキュッボンな美女が際どい水着を着ているのである。興奮しないわけもなく――。
(しかし、我ながらハラハラするな)
 見ていれば大変目の保養。しかし着てみれば少し動いただけで全年齢から逸脱しそうな衣装である。
 まあ買っても他人に見せることはないのだ。部屋なりプライベートビーチなりで1人楽しむのだから、万が一があっても被害は少ないと思えば吹っ切れよう。
 姿見の前で幾つかのポーズをとり、水着を購入したライラはそそくさとショップから退散した。自身のアバターながら刺激が強い。大きな姿見も買って――改めて堪能しようじゃないか。

成否

成功


第1章 第9節

ネコモ(p3x008783)
ニャンラトテップ

「むふー、お気に入りのアバターで堂々と水着を着れる季節がやってきたにゃー!」
 『にゃーん』ネコモ(p3x008783)もまたウキウキとステップを踏むようにショップへ。こういうことを見越しての女の子アバターにしたのである。ここは是非とも『映える』水着が欲しい。
 ショップの中へ入ると、沢山のマネキンやハンガーにかけられた水着。視界の端にショップウィンドウを開くためのアイコンが表示される。こうして展示を見るだけでもより取り見取りだが、ウィンドウを開けばもっと多くの水着があるようだ。
(こいつは悩むにゃー……可愛いのから際どいのまでより取り見取りにゃ!)
 目をキラキラさせながら試着室へ入るネコモ。その手は先程展示のあった際どい水着の『試着』ボタンへ伸びる。
「おお……これはなかなかに……ぐふふ」
 ちょっと中の人が出てきているような気もするが、自身とはいえ可愛らしいキャラに際どい水着となれば出ざるを得ないだろう。超眼福。女の子アバターに決めた自分天才。
「我がアバターながらびゅーてぃふぉーにゃ…………ふぅ、これ買ってくにゃ!」
 1人ポーズを決めて楽しんだネコモは、試着していた水着の購入ボタンを満足そうに押したのだった。

成否

成功


第1章 第10節

ヨハナ(p3x000638)
普通の

「ごきげんよう! ノートルダム商会です!」
「おや、ノートルダムのお嬢さんじゃないですか」
 『普通の』ヨハナ(p3x000638)の声に露天の店主がにこやかな笑みを浮かべる。
 彼女がここに現れた理由は観光、買い物……ではなく仕事である。商人の娘だもの。
「お父様の代わりに食材を露店に卸しに参りました」
 注文されていた分の食材を卸し、さらに名を売るヨハナ。かき入れ時ともなれば多くの商人が集うだろうこの町で、しっかり名前を覚えてもらうのが目標だ。
「えーと、次は……」
 ヨハナは卸しのリストをめくる。そしてぴしりと固まった。
 通り北側にはワイン3ケース、樽いっぱいの魚が8つ。西側には油樽を4つと果実の箱を2ダース、その他エトセトラ。びっちりと書き込まれたそのリストは、本日午前中の間に卸す内容である。
「……できます、できますとも! やってみせますとも!」
 彼女の立ち直りは早い。というかこれを見たらなおさら固まっている暇などない。やってできないことなんてないのである、とにかく前進するのみだ!
「どいてください通りまーす!!」
 屋台通りに元気な娘の声が響き渡った。

成否

成功


第1章 第11節

オルタニア(p3x008202)
砲撃上手

「あら、ちょうど良いとこにイイのがあるじゃない!」
 『半魔眼の姫』オルタニア(p3x008202)は通り過ぎようとした露店を見て足を止めた。ブレスレットやアンクレット、バレッタやヘアピン……アクセサリーを扱う店だ。
(髪留め、洒落たものに変えたかったのよね)
 ただのポニーテールも味気ないし、かと言ってそこまでお洒落すぎると使い勝手が良くない。オルタニアは店主NPCへと視線を向ける。
「店員さん、この髪色に似合う髪飾りとかないかしら?」
 すらすらと希望を述べていくオルタニア。どちらかが負けてしまっては良くない。どちらもキレイに魅せられるものがあれば頂こうか。
「お嬢様にはこちらなど如何でしょう?」
 店主が出したのは珊瑚や真珠、海の宝石をあしらったものだ。控えめながらも確かな存在感が、オルタニアの髪とともに映える。
 出されたそれをつけてみて、鏡に写すオルタニア。真珠や珊瑚をこうしてじっくり見ることはあまりなかったが、なるほど美しい。
「このままお買い上げでもいいかな?」
「ええ、もちろん!」
「ありがとね、店員さん♪」
 代金を支払い、ウィンクひとつ。オルタニアは鼻歌混じりに歩き出す。
 海の方から抜けた風が彼女の髪と、髪飾りを揺らした。

成否

成功


第1章 第12節

吹雪(p3x004727)
氷神

「ローズマリーちゃ……さんは、水着を探すつもりだったのね」
「うん。吹雪も?」
 『踊り子』ローズマリー(p3y000032)に頷いた『氷神』吹雪(p3x004727)は丁度いいわと頷いた。似たような場所を見ることになるだろうから、意見交換も捗るだろうと。
「折角だから、このアバターだからこそ着られるものとか。例えば……こういうビキニタイプのものはそれなりに大きくないとなかなか、ね」
「……確かに、着る人を選ぶね」
 吹雪が手に取ったそれへ神妙に頷くローズマリー。互いに現実の姿は知らないが、少なくとも大きくないことはわかる。何がとは言わない。
「あとはデザインもそうだけど、色?」
「好きな色とか、かしら? 私は赤……ではなく、白や青系かしら」
(その方がクールなお姉さんっぽい感じだよね、うん)
 中の人の好みがうっかり漏れそうになる。いけないいけない、ロールプレイの最中だ。
「吹雪は綺麗だから、大人っぽいものが似合いそうだ」
「ふふ、そう? ローズマリーさんは……この辺りなんてどうかしら?」
 2人はあれもこれもと意見を出し合い、色々な水着を当てていく。時間はあっという間に過ぎて――決められたかどうかは、夏本番をお楽しみに。

成否

成功


第1章 第13節

コーダ(p3x009240)
狐の尾

(ここから絶景が見られるのか)
 『狐の尾』コーダ(p3x009240)は海を見ることのできる公園へ足を運んでいた。夕暮れが評判であるらしいが、ゲームの世界の景色だと思うと不思議だ。
 だが――この仮想世界は現実世界にも劣らない。風は頬を優しく撫で、露店からの美味しそうな匂いを運んでくる。そこらの植物だって本物に見劣りしない。
 少し離れた場所からは屋台通りや、件のアイテムショップの賑わいも聞こえてくるようだったが、コーダはあそこに混じるよりここの空気の方が好ましかった。
(……さて、始めようか)
 ただぼんやりしに来ただけではない。もちろんそれも理由ではあるけれど――神出鬼没な『おにーさん』こと、R.O.OのNPCであるヴォルペの情報を集めに来たのだ。
 そのあたりにクエストが発生していないか見回るとともに、NPCと思しき者へは声をかけてみる。何、聞き方は簡単だ。自分の姿(アバター)は彼によく似ているのだから。
(そう簡単には出てこないだろうが……)
 始めたばかりとはいえ、空振りが続く。しかしコーダは焦らず、景色を見るなどして時間を潰しながら情報を持つNPCとの出会いを待つのだった。

成否

成功


第1章 第14節

カンパニュラ(p3x000406)
燕黒 姫喬のアバター
トゥリ(p3x008152)
本で殴る!

「最近のゲームってのはすごいねー。お買い物までこのクオリティたぁ」
「わざわざ着替えなくても試着できちゃうんだって、さすがアバターだね」
『燕黒 姫喬のアバター』カンパニュラ(p3x000406)と『本で殴る!』トゥリ(p3x008152)は仮想世界のショップに感動していた。特にカンパニュラなどは色々な場所を見てみたり、展示のパレオをまくってみたり。ついでに大きな尻尾があちこちに当たり判定をつけているのは秘密……にするにはあまりにも頻発しているのでご愛嬌、と言うことで。
 R.O.O不慣れなカンパニュラに悪戯してやろう、とトゥリはほくそ笑み、2人の水着を探すと息巻く。いつもなら泳ぎやすいものを選ぶだろうが、アバターだからそんな事抜きに決めても楽しそうだ。
「んじゃ、水着は任せて他を探すぞー」
 カンパニュラはお揃いのサンダルや装飾品なんかを物色。へえ、こんなものもあるのか。こういうところは現実と似ているなあ、なんて見ているとほどなくしてトゥリに呼ばれる。
(お、水着の選定が終わったかね)
 さてどんなものになったのやら――ひと足先に試着室へ向かっていたトゥリの元へ向かうカンパニュラ。そこで丁度シャッとカーテンがあけられた。
「どうしよう、私が布沢山使うやつ選んじゃったから、カンパニュラさん分の布が足りないよー」
 めちゃくちゃ棒読みで現れたのはひらひらフリフリ、確かに布沢山な水着を纏ったトゥリ。
「……にぇえ!? そんなルールあるの!?」
 目を丸くしたカンパニュラだが、如何せんR.O.Oには疎い。そしてトゥリがそうだと言っている以上、それっぽいルールがあるのかもしれないと思い始める。
「あー、あれだ、ええと? パーティ? だかなんか分配だの何だのって理屈……?」
「そうなんだよー。だからカンパニュラさんが着るのはこの水着ね!」
 本当か? とカンパニュラの目が語り始める前にトゥリが行動を起こす。彼女の為に買っておいた水着をトレード機能で渡し、着るように囃し立てる。その勢いに呑まれて着たカンパニュラは――。
「……うお! んじゃこりゃあ!?」
「大丈夫だよ! 夏の間はこの格好で戦うんだって!」
「んぇえ!?」
 畳みかけられるトゥリの大嘘に目を白黒。彼女が真実に辿り着けたか否かは――2人のみぞ知る。

成否

成功

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