PandoraPartyProject

シナリオ詳細

尊いは吐くれる

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●お花畑を流してくれ
 世界は全くが『尊い』もので溢れていた。此方を視たならば美しくも愛おしいお花畑。彼方を視たならば恐ろしくも魅力的なカタツムリの挽歌。お隣を視たならば、ああ、誰しもが感嘆する悦びの虹だろう。悉くが魔法にかかったかの如くに朦朧『尊い』ものに五体投地と歓喜してやれ――この世界では『吐いたもの総てが尊く』なるのだ。
 男の子が戯れに玩具を吐いた、これには両親も大喜び。綺麗な女が気紛れに化粧品を吐いた、群がる誰かさんももらっている。老いた一人が生死を吐き散らした、成程、これも立派に『尊い』ものだ。甘酸っぱい青春が奇怪にもエチケットしていく。
 尊いは吐くれる――しかし、新しい『尊い』ものを吐くるのには健康な身体が不可欠だった。何度も繰り返される『尊い』行いは、いつしか住民の食道や臓腑を傷めつけ、落とされていくのは視た事のある『尊かったもの』ばかり。新鮮さを失った世界は何れ退廃し、腐れの底へと一直線して終うのだろう。嗚呼、新しい『尊い』を吐くる者は居ないものか。首を傾げて困り果て、似たような『尊い』を彼等は吐くり出すのだった。
 名状し難くも馥郁、容赦のない虹シャワーのみがのたくっている。
 ――ヴぉえッ。

●宇宙の映像でも問題はない
 境界案内人であるこすもは耳をぴこぴこさせながら頭を抱えていた。その動きは頭痛の種を取り出すようでいて、最早手遅れである事に疑いようはない。
「ううん――尊い。尊いのよ、この世界。なんで尊いかって言われたら尊いからに違いないわ。尊い――?」
 これから説明をするというのにこのザマだ。イレギュラーズの一人が彼女を正気に戻す事でようやく話が開始された。
「ええっと。ごめんなさいね。今回の物語なんだけど『吐いたものが全て尊くなる』世界よ。住民達は『皆の新しい尊い』を欲しているの。それがないと世界が退廃しちゃうからね。ええ、虹シャワーでもお花畑でもカタツムリでも名状し難くても、何だって『尊い』に違いないわ『尊い』わね……」
 ぐるぐると目を回しつつ蒼褪めて笑顔、なんだか楽しく思えてきた。
「まあ汚くはないわよ。なんたって尊いんだからね」
 こすもは宇宙を吐くりました。

NMコメント

 にゃあらです。
 尊いは吐くれます。

●尊いは吐くれる世界
 吐いたものが全て尊くなります。
 皆さんも尊くなりましょう。
 何を吐くっても問題はありません。
 人体って不思議。

●目標
 尊いを吐くる。世界の退廃、腐敗を止める。

●サンプルプレイング

1.ギャグ系
ヴォエー!!!
こんなこともあろうかと、俺は二日酔いできたぜ!
昨日のウイスキーちゃんだとかおビール君だとかちゃんぽん尊くなります。これで住民の皆も歓喜震える事ぜったい。
あ、まだ出そう。虹シャワーが綺麗ですね。

2.シリアス系
ぼたぼたと口から花が咲きます。
花の種類は※※です。花言葉は※※でしょうか。
これは私の頭の中、奥にあるだろう心の叫び。
ええ、あの人はきっとこんな私を嫌ってしまうでしょう。
ですが、ここだけは私も『尊い』もの。
吐くれたに違いありません。
気持ちの悪さはなくなりません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はRです。
 リバースです。宜しくお願い致します。

  • 尊いは吐くれる完了
  • NM名にゃあら
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年04月08日 15時40分
  • 章数1章
  • 総採用数11人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

饗世 日澄(p3p009571)
紡ぐ者

 彼か饗世かと刺し汚けば臓腑、不時着した心は何処か旧々しい頁と思えるのか。戯の数だけ心臓が跳ねて連なり、ようこそ此処がオマエの舞台上だ――では、皆様。あなた方の大切な存在について思う存分語ってください――演出家か劇作家か、拘りなど在りはしないと『役者』が高笑いしている。気持ち悪い、気持ち悪い、気持ちが悪くて仕方がない。三度も善を行ったのだ、悪を三個咀嚼する事も必須だろう。血管を引き裂くような欠陥が、ひどい吐き気を吐くっている。真逆、尊くなると言うのか。世界はオマエの問答に興味を示していない。悉くを『つけ』るから生き難いのだ。慈愛色の双眸が上下左右と定まらず、可哀想に『私』の中身は空っぽだった。
 家族、友人、恋人。ああ、なんて素敵でしょう! 関係が無意識にも吐くられていく。されど視えないし聞こえないし触れない。痛い、傷い、当たり前だろ。この状況で『何を喰える』と説くのか。奥の奥から孕まれる身の悲鳴、名状し難くも虚を吐いた――ねえ、その思い出に偽りなどないのでしょう? 腐れ爛れた幻想の中、吐けるものがないならば言葉を吐げろ。立て板に胃酸だなんて愉しそうだ。
 なれば、その方々、これより私が嚥下して、文字通りに『吐いて』差し上げましょう!
 お芝居上手なオマエさん、尊い尊いごっこ遊びに狂っているのか。罪に罰を重ねて物語性を吐くれ、満員御礼感謝感激雨霰!
 ――蒼白い化粧は完璧だ。ケラケラケラ。

成否

成功


第1章 第2節

ロジャーズ=L=ナイア(p3p000569)
不遜の魔王

 貌の裏側に緑色を見出せれば現実、その奇譚に食道など在りはしない。成程、貴様が望むのは追兎ではなく嘔吐なのか。渇いた言葉と餓えた文字列、グネグネと巨躯を晒したならば下方への汚濁――虹色の肉がシャワーと成り得るとは思えなかった。そら、宙に尊いミート・パイが描かれているぞ。蠕動と蠢動と尺取るの繰り返し、増殖を食み続ければ特殊にも程度が要る。真逆、オマエは自分自身をラーン=テゴスだと解読しているのか。忘れるなかれは誰に対する台詞なのか「地の文が愚致愚致と騒がしい」――ノイズ音は何処に失せたのか嗚ロロロロ、吐くるべきは城だろう。
 たとえば悪夢が具現するとして、連中は襞も愛でるのだろう。総ての肉を加工してハンバーグ・ステーキ、挟むべきパンズも吐瀉物なのか。気分が悪い。この吐き気は悦楽に変換されるべきだ。痛ましさ! 彼との戯れに使えると解けよう!
 貴様等も同化するが好い。貴様等も融合するが好い。最果てに魅入出せたのは喜ばしき『衝動』だ。ホイップクリームに塗れた壁の中の鼠ども、最早『骨』すらも残されない――Nyahahahaha!!! 反芻した臓物は我等『物語』の業だった。

 最後にバターソースを吐くって注げ! マイルドな味わいは老若男女を魅了する。
 良質的だろう? 無窮にして無敵の真っ黒、内容物は途絶えないのだ。
 団子状に丸めた不可視の乙女、今度は何者を混ぜると嗤うのか。
 血肉は人間だったのだ。

成否

成功


第1章 第3節

アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯

 うぅん――溜息なのか唸り声なのか判断出来ない儘にスピリッツ、蒸発するかのように宇宙を反芻した。尊い。尊いねぇ。彼等・彼女等の世界観も理解出来ないが、こすもちゃんの言ってる事もよく解らないわぁ。混ざりっ気在りきのアルコール・カクテル、酔いに任せて撒き散らせば楽だったのか。まぁ、解ってしまったらきっともう戻れなくなりそうだけど! 感嘆にマドラーをあげて、硝子の胃袋は誰の為に存在する――ああ。嫌ねぇ。厭々。嫌ねぇ。止める事の出来ない酸、綺麗さは賛美歌と称する他にない。肉たらしい誰かさんの姿が視えている? そんな嘘よ、第一声は「こんにちは」だ。
 世界の人と会ったから『吐いた』に違いはない。端々から世界を称える吐が出た。あら? 首を傾げて「アーリアよぉ」と自己紹介。あなたは素敵な名前なんだね。※※※……光でも在れば良かったのか、聖人が咽喉奥から貌を出した。
 ぶるりと悪寒が背を撫でた。レッド・アイで流し込めば神様ありがとう。美味しさが神聖に向いている。如何して『そう』も模倣られるのか。愛しい――あら? ちょっと聞き取れないわ。頭は痛むのに意識がハッキリと吐いている。
 いや、いやよ、こんなの。脳と咽喉に染み付いた歌。心と髪質に吐り憑いた詩。罵詈雑言を吐くり堕しても耳触りよく、障っているのは毒だけだ。絶叫が飲んだくれを姫と吐くって微笑……助けて。

 荒れる息、くるう肝、それすらも素敵なメロディに!

成否

成功


第1章 第4節

クーア・M・サキュバス(p3p003529)
雨宿りのこげねこメイド

 夢と現の狭間の中で轟々、奏でると為せば如何様な悦楽と解けるのか。外から中までジンワリと通せばウェルダン、焔は元より尊く、ひとの終わりを彩るもの。物騒なおもいを抱きながらも火種を追って右往左往、その身は果てまでもひとならば『大道芸』の域を出ない。終わりの対偶にあるのは如何だ、誰が観察しても尊くはない。遠いものなのです。するりと駆け寄った世界の住民、誘われるかの如くに集まった。ああ、つまり。吐いた焔が尊いと示されたならば化生、業々と説くのに贋作は無い。確約されるということ。くるりと回転したネズミ花火、ここでの私は『化生』なのです。化粧に不可欠なのは火薬なのか、抱えた『キメラ』は何処に首を向ける――化生は化生らしくねこであり、ねこはねこらしく化生であり、私は私らしく化生であり、化生でねこでひとたる私は――破滅的なまでに固執、素晴らしくも火刑を吐くり出した。しかしビジュアルは虹色光線。何故。
 なのです――ろっぱー垂れ流せばオマエは自由だ。火を放ちたいから適当な方便を並べている訳ではない。住民達は何も疑ってはいないのだ。目を白くすればカートゥーン、はんぶんこが上手いねこでした。断じてホントウナノデスヨ? 近付いた誰かが巻き込まれていた。
 尊い尊い焔に肉を投げれば万歳、惨唱する貌はどれもこれもが蒼色だろう。悪人が善行を積んで何が可笑しいのか、こんがり焦げた患い名称。美しい末路をクーアに捧ぐ。

成否

成功


第1章 第5節

源 頼々(p3p008328)
虚刃流開祖

 根源へと足を向けたならば矛盾点、総て・全てを「あげる」と告げられた。吐くるべきは汚濁ではなく美しさ、ぼとりと咲いたのはグロテスクな彼岸花だろう。こぼれた尊さが頭の中で反響し、絶叫し、のたうつがされど鎮まっている。ひたひたと心臓まで浸るかのように、ひたすらに気持ちが悪い。再生と手折りを反芻した袋の内、未練なのか諦めなのか、あるいは両方なのかと胃酸『召』いている。ああ、わからない。判る筈も解る筈もない。気持ちが悪くて尊いのだ。尊いのが気持ち悪いのだ――抜け殻に生えた菌類、もしや『角』を模倣しているのか。増える、増えた、色が暈を成していく――赤の他に白と黄色。かなしいおもいで。いたましいおもいで。おもうのはあなたひとり――侵されたのは肉体だけではなかったのか。内臓と記すべき精神がじんわりと漿液を漏らす。畜生。虚の殺意を何処に剝き堕せば好いのか。じょうだんじゃない。
 なぶられた臓腑にたれた負感情、頼りにしていた昂ぶりも『血をのぼらせる』事ないだろう。きもちわるい。尊い――吐くり方がわからないアナタに教えてあげよう、十全に使えなくても微笑すれば良いのだ。ぼちゃ、ぼちゃ、途絶える事のない彼岸花。
 いくら吐くっても切りがない。いくら紡いでも鬼りが亡い。畏れているのか恐れているのか、呪いの淵を拭う術は在り得ないのだ。彼岸花に紫色はない――現、唯一の紫はオマエの顔に違いない。地底の悪鬼は貌さかせ。

成否

成功


第1章 第6節

ハロルド(p3p004465)
ウィツィロの守護者

 エイプリル・フールは過ぎたと謂うのにオマエ、その血反吐の量は如何様なものか。
「ぐぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
 感嘆符に地獄をのせて吐くり出したのは後悔と頭、懺悔するにも相手がいなければ意味がないのだ。
 衝撃がこない事に気分の悪さを覚えたオマエ、その打ち付けるのを止めるべきだ。
「出遅れた……この俺が、新クラス発掘に出遅れただと!?」
 三度に頭を振れば眺めるべき場所はスキル欄、乱れているのはただ一心に強くなる為。
 手段と目的が逆転していないか? 尊い世界の住民も首を傾げている。
「何も取得していない! いくらSPがあっても新スキルは取得出来んのだ!」
 種族・ウォーカーの隣を見ると言い。レベルが足りないのだ。
「たとえ2,3日後にはレベルが上がっていたとしてもなぁ! 俺が! この俺が! ハンマーで! 後塵を拝したという事実は覆らん!」
 発見――吐くるべきはハロルドの列、ひとつでも多く埋める事こそが生きがいに等しい。
 それを許せないのは必然だろう。今日もハンマーは燃えている。
「なぜこの展開が読めなかったのかと! なぜ依頼の調整をしなかったのかと!」
 聞こえる。耳朶の奥に響いている、振り下ろす先を見失った彼等の嘆き!
 もっとオマエを撲らせろ。殴らせてくれ、オマエを殴らなければ誰を最初に撲れば好い!
「うおおおおおおお!!!」
 駆け出したハンマーマンの行き先は常。
 庭園が待ちくたびれている。

成否

成功


第1章 第7節

ドラマ・ゲツク(p3p000172)
蒼剣の弟子

 偽物を揮い続けていても『付け焼刃』よりは近付いているのか。緑色の怪物が迫り来る事が『当たり前』に成った現実、知らない事の方が多かったのだ。患った甘酸っぱさに心臓を傷ませて永久の如く、百よりも永い無間を得ているような瑞々しさだ。病を識ったのは――そう思っていたモノ――初めて読んだ冒険譚で、金髪碧目の王子様。ふわふわと文字列を追って往けば甘ったるい感覚、脳から足までを抱っこされたかのような体当たり。それが『私が外の世界に興味を持った』きっかけ――けれども。今この胸に抱いている味は『あまい』だけではない。とても辛いのだ。そのクセ苦味もひどく思える。張り裂けそうな胸、とても、とても、一筋縄では行かない『あおい』果実。
 ないぞうがむかむかする。食んでいないのに。飲んでいないのに。本気の『ほ』の字が頭蓋をたたいてくる。運命が嘲笑すれば不意、吐き出してしまいそうになった。これを尊いと言うのならば世界、物語を捲っていた『私』に近い――強い感情を、吐露してしまいそうになる。まわりを観たら熟れていない『もの』まみれ。はじけた柑橘の皮、嗚呼、おかしい。気持ちが、おかしい。
 わるさをしてきた病のおはなし、誰がお薬を吐くれると説くのか。告げる他に満たされないだろう。おかしくなってしまう――吐き出してしまわないと、私は駄目になってしまう。
 ぽわりぽわり、どっちが正面かわからない。
 ドラマ・シーンに杯はない。

成否

成功


第1章 第8節

冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛

 昇り降りの睦月で臓腑が底、そこそこのハンバーグが咽喉を押している。圧迫された脳髄がハンバーグとカスタード、美味しかったホロホロ具合を反芻する。でも今はまぜこぜになってひどい味。残すと嫌われる。滓も視えないほどに舐ってくれないか、戻すなんて考えられない。ぷるぷると痙攣した肉襞が萎縮しているのだ、異物との舞踏は『性別』定められていた。ああ、何が起こるのだろうか。何に怒られると言うのか。考えれば考えるほどに『おそろしさ』倍々化して異く。たまらない。溜まらない肉の塊が愈々だと期待を籠めて魅せた――尊いものになるために僕は我慢しなくては。どんどん。どんどん。僕の胃の腑がハンバーグにこねられている。助けて助けて『誰か』助けて。じゃあ僕が助けるよと焼き加減ブルー、誰でもいいわけじゃないんだ。世界の住民が『きれい』な吐くり物を望んでいた――その程度に僕は我儘。わかってる。オマエは出来損ないにも戻れなかった。
 とまらない。吐き気が水槽の中で上下している。おさまらない。嗚咽が水槽の外で跋扈している。どれだけ吐き散らしたら尊くなれるの? 業々と絶叫した流動物が『ふれて』往った。愛される喜びという汚濁を飲んだ。こわがらなくてもいいんだよ。きっとそのツケ。
 すべて吐き切ったら見捨てられる不安から解放されますか?
 嗚呼、勿体ない事を漏らさないでくれ。
 そのおもい感情が尊いをげぼげぼ生ずるのだ、羊羹をもどせ。

成否

成功


第1章 第9節

耀 澄恋(p3p009412)
六道の底からあなたを想う

 蟾蜍の鳴き声に惹かれれば毒の席、どくどくと脈動した吐物は何か。うわ、うわわ。ぼとりといとしげにこぼれた内臓、ぶんらりと首飾りにお似合いな腸なのか。出てきました! 腎臓膵臓肝臓その他、たらふくに謳えば活きがいい謎ニク風味だ。これは脳味噌でこっちは目玉。ころころと愉し気な光景は「なんだかグロテスク」としか表しようがない。気分の悪さよりも不可思議が勝ったのは良い事なのか、襞々と海藻じみている虹なしのリアル。血管? めちゃくちゃに繋がっている貌は何処か大当たりを記している。ははーん。にっこりとしたのかぐんにゃりとしたのか判らないが兎も角、わたしが『尊い』と肯定されている。體の隅々までもが吐くり出されれば……あら、これは胃でしょうか。ぶんぶんと裏側を観察してみた。
 おかしいですね――昨日のお食事は謎よりも緑、シャキシャキ新鮮な内に臓腑へとおさめた筈だ。しかし胃の内容物『こんなにも肉らしい』のは不可解なのだ。ハテナとくっきーを食い合わせれば彼方側、たくさんたくさん詰まっている――!
 既に夕餉の用意は出来ています。お風呂も沸いています。お布団ぬくぬくするでしょう。嗚呼、成る程。三つでダメならば四つ、四つでダメならばびちびち音だ。わたしの旦那様は、確かに尊いですからね――げぼげぼ錬成しろよ特別扱い、鬼の目にも涙、レディ・キラーの莫迦嗤い。ハネムーンの計画書が澄恋と混ざっていた。誓いのキスを……。

成否

成功


第1章 第10節

シャオ・ハナ・ハカセ(p3p009730)
花吐かせ

 地獄で舌を引っこ抜かれると『誰』が見て来たのか、素手で触れた腐肉の具合は何度確かめても『球根』に違いない。異物の混ざった内側を散らかせば百合の舞踏会、怪異に呑まれるが如くに良質、シャオとハカセてくれないか。花が生え、咲き、枯れ、萎びた躯から再び咲くように。旧きものばかりでは世は成り立たない。深淵を理解する必要も彼方側に挨拶する必要もないのだ。その程度がきっと丁度いい――三途の川を渡るのに『菌類』なんて要らないのだ。冬虫夏草の真似事をして眩むなど面白くもない。この依頼をこなすのに問題はないでしょう――頭蓋と称される土中が肥えろ肥えろと囁いて魅せた。花がせり上がってくる。傍観が大好物な脳味噌生け花、吐く姿事態は見慣れたものだろう。ああ、嘘吐きは溢れるほどいるのですから。
 げぼ、げぼ、ばら、ばら、自分自身で吐くのには慣れてはいけない。それでも『嘘を吐くる』よりは有意義で気持ちのいいものだろう。造花、増加する事を止まない……でも本当に花でしょうか? 疑問を抱いて仕舞えば日常、終いに変わったのは美しき贋物。今この口から溢れる花こそが嘘だったとしたら、全部絞り出さなければ――虚へと墜ちていった都合の良さ、環境吐くりはオマエの目的だろう。
 嘘が尊いとでも謂うのか。嘘が愛おしいとでも謂うのか。群がってきた人々が『おかざり』されている吐物を掬っている。気持ちが悪い。
 薄緑のヴェールが剥がれていた。

成否

成功


第1章 第11節

黒影 鬼灯(p3p007949)
やさしき愛妻家

 嘔吐する事こそが依頼なのか。尊いものを生み出す事が依頼なのか。首を右へ左へ動かしたとして世界の真意は見出せないだろう。魅入られるかの如くに黒影の形、オリジナルの衣服が汚れを嫌っている。あ、章殿はダメです事務所NGです俺が認めません。早口言葉でも垂らしたのかと下方へと視線、彼女を虐めるのはよくないと「俺が吐く」と何者かに呟いてみた。とりあえず口布外すから待ってくれ。あとが気持ち悪くなる――あんまり食べていないが吐けるかな。内容物の量は問題ではない、重要なのは如何様な『尊い』が現れるのか。しかしオマエ、認識出来ないとは奇怪な贈り物だ。
 貌無しの存在と説けばカッコウも憑いただろう。気配を薄くするとか、顔が覚えにくくなるとかなんかあっただろと思うのだが。総ては今更の呪い事と言えよう。オマエにもわからない深い深い物語性――兎角。エチケットの代わりに地面を渡された。
 吐くり『堕』されたのはオマエが屠った連中のうた、怨嗟、嘆き、慟哭。どくどくと脈打った鬼火が、禍々しくも熱を孕んで激痛を膿んだ。これが尊いというのか。こんな苛烈な物が――わいわいと集っている住民ども、ステーキ・ソースにぴったりな辛口だ。

 狂っている。

 意識下、無意識下、被っていた貌が剥がれたかの如くに『もれて』いた。言の葉すらもこの世界では正しく尊い『新しさ』だろう。煮詰めたイチゴジャムを塗りたくるように、無垢な少女を象っている。

成否

成功


第1章 第12節

 尊いは吐くれる――世界が吐物に包まれて、酸っぱい臭いが謳われていた。
 住民は新しい尊いに感激し、君達にありがとうを伝えるだろう。
 虹色のおかざりその他はヴェールを脱ぎ、本来の形を取り戻していく。

 ――直に視えた汚らしさ、反芻出来るのか否か。
 宇宙色の袋が破棄だされている。

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