PandoraPartyProject

シナリオ詳細

領地 de ホリデイ

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●領地とローレット・イレギュラーズ
 あなたに領地があるとする。どこの国の、どんな領地かは人によって異なるだろう。
 あるとき幻想の王フォルデルマンに端を発した、ローレット・イレギュラーズに領地を持たせようという取り決め。それは幻想鉄帝海洋ラサ、練達天義深緑豊穣と世界八カ国すべてが実質的に同意した『条約めいた何か』である。
 そのために、領地をもっているからといってどこかの国にはたらきを強制されることも、利益や選択権を独占されることもなく、ローレット・イレギュラーズは今日も世界のどこかに自分の領地をもって暮らしている。
 これは、そんなローレット・イレギュラーズたちの日常を描く物語……いや、物語の断片である。
 依頼を受けて世界各国を渡り歩く彼らがもつ、つかの間の休日憚である。

●たとえばこんな休日
 あなたが領地について語る時、何から語って良いのか迷うかも知れない。
 だから例になるように、ある人物の領地について語ってみよう。

 仮に、ここにコンバルグ・コングという男がいるとする。
 彼は鉄帝の国営闘技場ラド・バウにて頻繁に試合を行うA級ファイターで、超有名だが滅多にマッチはしないS級と異なる社会露出のためかある種スターの扱いを受けている。
 そのためか、功績を評価されて領地を与えられたりもしたのだが……。
「オレ、領地、ワカラナイ! 闘技じゃないこと、興味ナイ!」
 うほっほうほっほと言って巨大なダンベルをべきべきにへし折っては湖に向かって投げまくるコング。
 投げるたび回転がかかるので湖の上を結構な重さのダンベルが何度か跳ねていく。
 領地経営を実質一任された管理官はその様子を見て、とりあえず『ダンベルは持ち上げてトレーニングする道具ですよ』と言うだけ言ってみた。
「知ってる!」
「知ってて投げるのやめてください」
 器具の無駄……と言いかけて口を閉ざす。鍛えるという点において、コングはこれ以上ないほど実績をあげていた。むしろ世のジム通いマンたちが一生懸命ダンベルを何百回と持ち上げてる行為より、こうしてべこべこにひしゃげてから湖に投げるのが正しい使用方法なのではと思えてくるほどその実績に差は開いていた。
 もっといえば、こうして水切り石がわりにしてもいいくらいお金を稼いできているので、管理官的にはもう全然文句は無かった。
 コングは稼ぐ金を自分で使わず、自分の壊したもののために使う。
 町を数歩あるいただけで、はずみで何かを壊してしまう彼。かれはそのたびに札束をぶんなげて弁償してまわるのだが、壊した金額よりも上回るせいで町がみるみる潤っていくのだった。
 当然だれも文句は言わないし、壊されて困るようなものを出しておくのが悪いとすら言い出す始末である。コングは『ついでにお金が降ってくる天災』みたいな扱いだった。
 そんな彼の領地には、なんとなく流れ着いた者たちが勝手に住処をつくり、それをコングが弾みで壊すたびにお金をぶっこむのでいつの間にか立派な家が沢山建った。
 彼らも過剰にお金を貰っては悪いといってコングの宣伝やマッチの手伝いや、その他様々な裏方業務を手伝うようになり……いつのまにかコングの領地は実質的なコング専門事務所となっていた。
 最低限の食糧自給を保ったまま、ほぼコングによるマネー投入によって回る村だ。そのかわりコングのファングッズの生産やコングが次の仕事をとってきやすいように走り回るという仕事に彼らは力を注いでいる。村にやってくれば、コングに(たまに)会えるのみならず住民が勝手に作ったらしい『コングランド』なる遊園地で遊ぶこともできるし、お土産としてコンググッズを買っていくこともできる。
 なので……。
「じゃあ、次の試合の相手、聞きますか?」
「オシエロ!」
 闘技のこととなると目の色を変える。
 管理官もみんなも、彼のそういうところが好きらしかった。

 と、こんな具合で。
 あなたの領地について語ってみよう。
 どこの国に、どんな場所を作って、どんなふうに民が暮らしているのかを。

GMコメント

このシナリオはラリーシナリオです。仕様についてはマニュアルをご覧ください。
https://rev1.reversion.jp/page/scenariorule#menu13
シナリオは一章構成。描写人数は未定です。

■グループタグ
 誰かと一緒に参加したい場合はプレイングの一行目に【】で囲んだグループ名と人数を記載してください。所属タグと同列でOKです。(人数を記載するのは、人数が揃わないうちに描写が完了してしまうのを防ぐためです)
 このタグによってサーチするので、逆にキャラIDや名前を書いてもはぐれてしまうおそれがあります。ご注意ください。
例:【もふもふチーム】3名

■内容
 このシナリオではPCのもつ領地での日常風景を描きます。
 PCが領地へ帰ってきた時の様子や、そこで生産されている特産品やランドマーク的な建物などをプレイングに書いてみるとよいでしょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 領地 de ホリデイ完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別ラリー
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2021年02月16日 21時45分
  • 章数1章
  • 総採用数20人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

アンジュ・サルディーネ(p3p006960)
海軍士官候補生

 サルディーネ領サルディーネ屋敷。
 海洋海軍士官学校の異端児と恐れられるアンジュは、家柄のよき軍人チルドレンの例に漏れず領地運営に少なからず手をつけていた。
 結果サルディーネ領地はそれなりの規模で栄え家柄を保っている。

 ――というのは嘘である。
「パパたちー! ただいまー!」
 海にざっぷーんと飛び込んだアンジュを待っていたのは大量のイワシ。
 環境管理スタッフを除くほとんどがイワシで構成されたここサルディーネ領地の市民はほぼイワシとエンジェルイワシ。イワ市民である。
「なんかイレギュラーズの仕事でさあ、なんかしらんでっかい鯨やっつけたんだよ。ほらみんな食べてー」
 粉末状にした鯨肉をまきちらすと、イワシの群れが渦を巻いてそれを喰らっていく。
(学校で出された航海図の宿題まだやってないし、海洋学会で出す論文まだまとめてないし……あ、うちの会社の定例会議もあるんだっけ)
 うずまくイワシを見ながらぼうっと考え事をするアンジュ。面倒くさい気持ちまでもが鯨肉と一緒に食われていくような感覚をおぼえて、すっくと立ち上がった。
「なんか元気出ちゃった。休もうと思ったけどやっぱやめ!
 もうひと頑張りしてくるね! ばいばい!」
 バタ足で海面へと戻っていくアンジュ。それをイワシたちは全員全く同じ動きで振り返った。まるで子を慈しむ父のように。偶然なのか、それとも……。

成否

成功


第1章 第2節

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼

 幻想王国アーベントロート領の海辺に、その領地はあった。
 灰雪屋敷にあえて近い場所。雪海鯨が虹をかけながら泳ぐさまが見えるだろうか。
 はるか空へと上がってみれば、騎士学舎の分校も見えてくる筈だ。
 そんな領地の中心ともいうべきお城の上に、『空歌う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)はちょこんと座っていた。
「港が建築できたらよかったんだけどね。もっと工夫したらいけるかな……?」
 ふと振り向けば自生林。隣接した騎士学舎がこれを訓練フィールドに使っているらしく、アクセルはそれを観察するために空へと飛び上がった。
「これがオイラの領地かぁ……」
 走り回る騎士たち。空に虹をかける雲海鯨。
 今日も平和で、ちょっぴり個性的で、のどかな海辺。
 それが、アクセルの領地であった。

成否

成功


第1章 第3節

蓮杖 綾姫(p3p008658)
厄斬奉演

 砂の都の古戦場。
 荒れた土地に建てられた役所が、『放浪の剣士?』蓮杖 綾姫(p3p008658)が治める建物……いや、領地である。
「私の領地……などと言えるほど立派な場所ではありませんね……」
 苦笑しながら役所へ入っていくと、積み上げた資料を執政官が猛烈な勢いでめくっている場面に出くわした。
「おお、これは綾姫様。宿屋の主人と石切場の工場長があとで話があると言っていました。呼びつけますか」
「いえ、そんな」
 綾姫が領地をもってからすぐに何人かの商人が移り住み、執政官が派遣されるなどしていた。
 自分は特に何もしていないのに、と思う綾姫だが、どうやら彼らはここでの生活を楽しんでいるようだ。
「綾姫様のもとに仕えられてよかった。こんなに嬉しいことはありませんよ。毎日発見の連続で」
「そうなんですか……? その、さびた剣が?」
 つい先日出土したらしい剣が、丁寧なケースにしまわれている。
 考古学的な何か……らしいが、武器として使えない剣に綾姫はあまり興味を示さなかった。
 それを理解しているのか……。
「綾姫様が気に入りそうな素材が出土しましたが、いま溶かしている筈です。鍛冶場に行ってみますか?」
「是非!」
 なんだかんだで、綾姫もまた楽しそうなのだった。

成否

成功


第1章 第4節

サイズ(p3p000319)
カースド妖精鎌

 『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)はまだ、領地に名前をつけていなかった。
 それゆえ『妖精郷領地(仮)』である。
 その規模は妖精郷の町エウィンと同等といわれ、妖精郷が外部との積極的な関わりをもったことによる変化として妖精達にも認知されていた。
 特に力を入れているのは住民となる妖精の健康管理と町の精鋭維持。次に特産品の生産である。
 女王の頼みで軍事力にも力を入れたのも特徴といえるだろう。
 先の妖精郷を襲った惨事から、彼らなりに学ぼうとしているのかもしれない。

 そんな町にサイズがやってくれば、もちろんのこと妖精達は歓迎し、サイズもまた彼女たちのためにせっせと働くのだ。
 特産品にもしているお茶を飲んだり温泉で疲れを癒やしたりしつつ、今日もサイズは妖精郷のために働いている。

成否

成功


第1章 第5節

小金井・正純(p3p008000)
燻る微熱

 高天原郊外。畳部屋。硯に向かいて。
 『地上の流れ星』小金井・正純(p3p008000)は養父への手紙をしたためていた。
「これでよし……と」
 『星の社』と呼ばれる分社は、社務所を兼ねた領地の管理施設である。
 正純は日頃よりこの社につとめ、参拝者への手伝いをしていた。

「なあ正純。アンタつくづく領主らしくないな」
 鬼人種の執政官がそんな風に行って、正純の背後に立っていた。
 はじめは首でもとられるのかと思ったが、どうやらそういうわけでもないらしい。
 正純はつとめて冷静に手紙を封筒へとさしこむと、執政官の女性へと振り返る。
「まつりごとは分かりませんからねぇ。私に出来るのは信徒の皆さんと一緒に空を見ることくらいですよ」
 おっとりと語る正純に『だろうなあ』と、答えが分かっていたような返事を執政官はした。
「まあ、アンタは思うように生きたらいいさ。ここでくらす連中は『家族』としてアンタの帰りを待つからさ」

成否

成功


第1章 第6節

イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
天才になれなかった女
レイリー=シュタイン(p3p007270)
ヴァイスドラッヘ

 帝都スチールグラード郊外、シュタイン領。
 ここには名物の闘技場……否、レース場が存在する。
 『ユリーカパークレーストラック』である。
 ローレット・イレギュラーズがなぜかエンドコンテンツ的に建てたがる施設ユリーカパークのバリエーションで、平たく言うと競馬場だ。
 『ヴァイスドラッヘ』レイリー=シュタイン(p3p007270)は日々の鍛錬のためにと愛馬ムーンリットナイトと共に参加することもあり、今日がまさにその時であった。
 なかでも特別観客席に人が集まっているのは……。
「ラムレイ、G1への前哨戦よ」
 愛馬ラムレイにまたがる『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)もまた参加しているためである。
 引き絞られる緊張。濃縮されていく瞬刻。銃声を合図に走り出した馬たちの中でトップへ躍り出たのはムーンリットナイトである。
(ここまでは自分のペースで逃げれて体力は十分。
 でも、司書殿は元より、他の騎手、馬も油断出来ない)
 トップを僅かに維持したままのムーンリットナイト馬上にて、レイリーは身を低くして合図を送った。
「目指すはゴール、先頭は譲らず粘り切る!」
「見せてみなさい。貴方ならこの距離でも追い込めるわラムレイ!」
 そんな中猛烈な速度で何頭もの馬を追い抜いていくラムレイ。
『後ろから何か飛んでくる! ――ラムレイ! ラムレイだ!』
 ゴール目前にてレイリーとイーリンの頭が重なり、互いに火花がちる程の視線を交わした。
 馬の頭もまた重なり、互いをぎろりとにらみ合う。
 そして二頭は猛烈なスピードでゴールへ。

 その決着や、いかに――!

成否

成功


第1章 第7節

ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
祈りの先
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫

「今日はお休みなので、VDMランドに遊びに来ましたわー!」
 ヒュー! とかいいながらとらぁカートを場内で乗り回す『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)。
 その後ろを『おやびーん!』ていいながらカートで爆走してついていくトラコフスカヤちゃん。
 ズザァって横スライドしながらブレーキかけると、ヴァレーリヤは髪を軽やかに払いながらカートを降りた。
 降りた先でニコニコしながら出迎える『雷はただ前へ』マリア・レイシス(p3p006685)。
「ヴァリューシャ! いらっしゃい♪」
 ニコニコのマリア……の後ろでなんだかソワソワのトラコフスカヤちゃん。
「なぜトラコフスカヤが……ハッ、さてはお高いお酒を手に入れましたのね! 独り占めは許しませんわよ!
 捕まえて縛り付けて、美味しそうなおつまみを目の前に吊るす拷問をして、隠し場所を吐かせるのでございますわー! マリィ、手伝って下さいまし!」
「ふふ! 任せて!」
 ぴゃあといって逃げ出すトラコフスカヤちゃんに先回りするマリア。
 前後から挟み込むと、両手を熊のポーズで振り上げじりじり近づき……からの一斉にジャンプしてぼかすか雲につつみこんだ。
 雲が晴れると簀巻きにされたトラコフスカヤちゃん。
「トラコフスカヤちゃん、ごめんよ……! お酒の在処を話せば解放してもらえるから!」

 尚、拷問は二秒で屈服&終了したという。

「さっきはごめんなさい。私が持ってきたおつまみ、お詫びに沢山食べて頂戴ね。
 ほらマリィ、あ〜ん!」
 差し出されたシャシリクにどぎまぎしつつ、はむっとかじりつくマリア。
「ふふー! ありがとう! お返しに美味しい串カツを揚げてあげるからね!
 ソースでびちゃびちゃだけれど、和風出汁ソースだから濃すぎなくて美味しいんだよ!」
「ふふ、ありがとう! とっても美味しいですわー!」
 こうして領地、というかVBMランドでの愉快なホリデイは過ぎていった。
 こんな日が、いつまでも続けばいいのにと。

成否

成功


第1章 第8節

黒影 鬼灯(p3p007949)
ふたたび歩み出す

 流れていく雲。飛んでいく鳥。
 章姫を腕に抱え、『零れぬ希望』黒影 鬼灯(p3p007949)はぼうっと空を見上げていた。
 ふと視線をさげると、広い広い水田と市場が見える。
 役所の瓦屋根に腰を下ろし、のんびりと日向ぼっこなどしていたところである。
 こちらに気付いた農夫が手を振ったので、鬼灯も小さく手を振りかえしてやった。

 豊穣郷カムイグラにある彼の隠れ里。
 神無月が祈りを捧げた水と章姫が作ったお菓子を特産品(?)とした土地である。
 すこし歩けばこれまた隠された海辺に出るが、ここにもまた鬼灯の仲間達(もとい『暦』の忍たち)が出入りしている。
 更に奥へと進んでいけば、『章姫の庭園』こと専用の遊び場へと入ることが出来る。
 はじめは名の通り章姫のための庭だったが、いつのまにか入り方が余所に知れていたようで、美しい花園を眺めたり観覧車をまわったりと、ちょっとした観光スポットになっているようだ。
 だがそんな場所から更に隠れた鉱山エリアには、行き場をなくした者たちを迎えた訓練施設が作られている。
「気付けば、随分大きくなったものだなあ」
『そうね、鬼灯くん。いろんな人がここへ来て、そして出て行くわ。責任重大ね』
 章姫に笑いかけられ、鬼灯もまた隠れた口元をほころばせた。

成否

成功


第1章 第9節

セリア=ファンベル(p3p004040)
初日吊り候補

「セリア様、セリア様ー! 緊急! 緊急事態ですー!」
 扉を連打する音と声に目を覚ます『初日吊り候補』セリア=ファンベル(p3p004040)。
 今日は依頼もないしお昼寝でもとアジトに転がっていたところである。
 何事かと思って扉を開けてみると、セリアの代わりに土地を管理していた執政官がゼーゼーいいながら立っていた。
「どしたの? また竜でも来た?」
「いえ、その……とにかく、酒場のほうへ行ってください。皆さんセリア様を待っておられます」
 えー、酒場で何があったら領主がたたき起こされるの? と思ったがそこは領主。セリアは眠い目をこすりながら酒場へ行き、『よく来てくださいました領主様!』といって差し出されたメイド服に着替え『お願いします領主様!』とオーダーされたビールジョッキを五つまとめてテーブルへ運び『頼むぜ嬢ちゃん!』と言われて料理のオーダーをとり『ナイスなケツですねェ!』といって伸ばされた手にチョップをたたき込み――
「って! ウェイトレスのバイトじゃないですか!」
 おりゃーといってトレーを地面に叩きつけるセリア。
 そうこれが、セリアという領主様の日常であった。

成否

成功


第1章 第10節

善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル

 ――全てはリーゼロッテお嬢様のために。

 『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)の生き方は、かつての世界(?)での複雑さとは裏腹に、ここ混沌世界では一貫していた。
 領地内に巣食っていたマフィアグループを手中に納め、土地を社会ごと掌握。軍需産業に手を着けつつ銀行及び保険制度の導入により金融を増やし更に資本を拡大していった。
 これによって穏健派マフィアであったステラファミリーはレジーナの兵隊となり、『邪魔者』の排除に役立っている。
「今日の新聞は?」
 情報メイド課の配達員からそっと差し出されたロール紙を受け取ると、レジーナはそれを広げた。
 書かれているのはリーゼロッテ・アーベントロート嬢に関する嘘と誠。注意深く動く者であっても、かの暗殺令嬢の張り巡らせた嘘の網をくぐり抜けることは難しい。
 それでもレジーナはティーカップに口をつけ、唇を小さく歪める。
 情報の隙間から、御嬢様が悪戯っぽくこちらに向けて微笑むのが見えたきがしたからだ。

 嘘でさえ、罠でさえ、毒でさえ。
 レジーナとリーゼロッテは、確かな『何か』で繋がっていた。

成否

成功


第1章 第11節

エルス・ティーネ(p3p007325)
砂国からの使者

 ラサ・ティーネ領はネフェルスト郊外のクレシェンテ、マジア、リュンヌ、へーレという四つの地区に分かれている。
 領主である『砂食む想い』エルス・ティーネ(p3p007325)が掲げる目標は傭兵団『赤犬の群れ』の支援だ。
 これまで二度の大規模な攻撃を受けたネフェルストはその内外問わず防衛に力を注ぐ向きが強まり、ティーネ領はその中でも特段ディルクへの想いの熱い土地として知られた。
 吟遊詩人曰く、『恋する軍事基地』。
「ラサのピンチにいつでも備えられるように、皆で強くなりましょ!」
 中でも特に軍事に力を入れるクレシェンテ地区の喫茶店では、エルスが手ずからレモネードを振る舞うとして兵士たちに人気だった。
 エルスの想いがディルクに向く一方、領民達の想いはエルスに向いたようである。
「元々はろくに家もない荒れ地だったのに……ここもいい土地になってきましたね、領主さま」
 兵士の言葉に、エルスは照れたように苦笑した。
「まだ心許ないところもいっぱいだわ。今だって木材も足りてないし、資源ももっと安定して――」
 指折りして課題をかぞえるエルス。
 その姿は愛しいひとに合うため自分磨きをする乙女そのもので、領民たちはそんな姿に癒やされつつも、彼女の想いに賛同するのだった。

成否

成功


第1章 第12節

金枝 繁茂(p3p008917)
善悪の彼岸

 豊穣郷カムイグラには、広い広い花畑が存在する。
 何のための花園かといえば。
 それは……。

(天香・長胤様の奥方に成られる筈だった蛍様が獄人の無法者により殺されたあの日から、報復のように関係の無い獄人が多く殺された。
 その時なんとか逃げ出し生き延びた者を受け入れる場所が必要やった。
 いくら肉体に恵まれた獄人でもまとめる者がいなければ集団として成り立たん)
 刻まれた名をそっと撫でる『祝福を授けし者』金枝 繁茂(p3p008917)。
「だって、君やったら見捨てられへんかったやろ? せやから死んでしまったんやで」
 小さく、誰にも届かないような声で囁いて、『どアホ』とため息混じりに吐き出した。
 目を閉じる。三つ数える。
 繁茂は墓標に背を向け、うーんと背伸びをした。
「そういや領民のみんなで芋煮パーリィしてるんだっけ。領主ちゃんの顔を拝ませにいきますか☆」

 花を送る時、そこにある想いは美しいらしい。

成否

成功


第1章 第13節

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器

 王都メフ・メフィート郊外。街道筋にあるというエアツェールング領。
 人呼んで、『物語領』。
 『もふもふねこ巡り』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)の治める土地である。

「嬉しいね、ありがとう。そして猫は可愛いなぁ……!」
 領主の仕事は多々あれど、ヨゾラが日課にしているのは領民もとい領猫たちとのたわむれであった。
 ねこをなでこなでこしたり、猫じゃらしでじゃらじゃらしたり、癒やしの時間を楽しむである。
 特別ふわっふわなねこフローエさんは留守にしているが、それにしたって猫まみれパラダイスだった。
 いまヨゾラがすごしているのは猫型の水道施設『清水湛える猫の泉』。
 猫好きなヨゾラならではの施設だ。
「おっと、そろそろ日課のあれをやらなくちゃ」
 日も傾いてきたのを察すると、ヨゾラは『夜空の下の小さな館』へと帰って行く。
 今日も館の宝箱に『ねこー!』と叫んでねこぢからを溜めるのだ。

成否

成功


第1章 第14節

古木・文(p3p001262)
結切

 海洋王国、静寂の青。
 長年不可能とされてきた青攻略につき広大な領海を得た国家は、ここぞとばかりにローレット・イレギュラーズへ領地を分け与えた。
 『文具屋』古木・文(p3p001262)もまたその一人であり、フィリ島という場所を己が領地とした。
「…………」
 ぱたん、と呼んでいた本を閉じる。
 砂浜においた椅子に腰掛け、暖かい風をうける日々。
 綺麗な海、南国の風、ゆるやかな時間。
 文は名義上領主ということになっているが、政治は執政官に任せてこの土地で学者らしくはたらいていた。
(この場所に隠れ家でも作ろうか……)
 そんな風に考えたところで、島へまた人がやってきた。

 文の名声を聞きつけて頼りに来たのか、無碍に断ることも出来ず受け入れることにしたらしい。
 のんびりとした休日を過ごすことを諦めて、文は領地の平和のため、お薬を作ったり病院を手伝ったりと大忙しな日々を送ることになった。
「平和が一番。頑張るよ」

成否

成功


第1章 第15節

ラダ・ジグリ(p3p000271)
天穿つ
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
奈落の虹

 ――ここはラサ西部ヴァズ、深緑への玄関口のひとつである町です。
 ――僅かな緑地と広がる砂漠、水を湛えたオアシス。
 ――今日も領地の一日が始まります。さて本日の領地、お天気は……。

 モノローグを脳内に流していた『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)が、ハッとして顔をあげた見上げた。
「木材が足りない?」
 資料を手に困り顔の執政官へ問いかけると、『その通りでございます』とかえてきた。
 土地柄木の生えづらい場所である。執政官もそれなりにやりくりしてくれているようだが、このまま木材不足が続けば色々な所にヒビがはいるだろう。
「ですので、ここはひとつ……」
「わかった。『お隣さん』に連絡をとっておこう」
 こういうとき、ローレット・イレギュラーズとしてのコネクションが役に立つのだ。





 ――深緑迷宮森林に所在する領地『ウォルターズ領』。
 ――この領地には此処がまだ小さな集落だった頃から仲良くしている大切な『お隣さん』がいる。

 脳内でモノローグを流していた『魔風の主』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)のもとに伝書鳩がとまった。
 差出人はラダ。木材の不足を訴える書であった。
「熱砂の友がお困りだ! 在庫をありったけ出せ!!」
「ソイヤ!」
「みんな丸太は持ったか! 行くぞー!!」
「ソイヤ! ソイヤ!」

 深緑の木材と、熱砂の煉瓦。
 お互い足りないものを得るために始まった交易も、今では祭りのようになっている。
 森にはない石と鉄をくれるだけでなく、流行り病のために薬を配り、ドラゴンを蹴散らしてくれたヴァズの民。
 『お隣さん』の助けになれる事がみんな嬉しくてたまらないのだ。





 後日、ヴァズには大量の丸太が届けられ、そのお礼として日干し煉瓦の山がウォルターズ領へ贈られた。
「ほんと、ウォルターズ領には足を向けて寝られないよな」

成否

成功


第1章 第16節

江野 樹里(p3p000692)
ジュリエット

 領主、『ジュリエット』江野 樹里(p3p000692)の朝は早い。
 幻想王国王都メフ・メフィート郊外あるという一軒の教会にて炊き出しの準備を始めるのだ。
「……ふむ。まだ練達で収録した甘やかCDなるものは届きませんか」
 鍋に火をかけながら、アデプトヤマトからの配達通知に目を通す。
「それをどうするつもりなんです」
 炊き出し作業に加わっていた執政官が、ジャガイモの皮を剥きながら声をかけてきた。
 資料を手の甲で軽く叩き、キリッとした顔で振り返る樹里。
「領民全員に配ろうと」
「配らないでください」
「けどエイプリルフールに向けて受理の祈りが必要では」
「祈りのBGMになんてものを流させるつもりですか」
 いい加減にしてくださいよと冷たく言い放つ執政官。
 各家庭から樹里のボイスが流れるさまを想像して執政官は。
 執政官は。
 執政官は。
(アァァァ――良い!)
 内心身もだえていた。
「そろそろうちの特産品に受理が追加されてもいい頃合いだと思うんですが」
「前から思っていたんですがその受理ってなんですか」
「受理は受理ですよ? 最近はボイスも含みます」
「ボイス?」
 次元を越えた概念に首をかしげる執政官。
 樹里は『それじゃあ鉱山の崩落を解決してきます』といって杖をかついで出て行った。
 受理が産出される日は、くるのか。

成否

成功


第1章 第17節

リゲル=アークライト(p3p000442)
白獅子剛剣

 『白獅子剛剣』リゲル=アークライト(p3p000442)の治める領地、通称『銀河庭園』は聖都フォン・ルーベルグ郊外に開拓された聖なる地である。
 そんな土地に、今日新たな仲間がやってきた。
「サラダちゃんと言うんだ。畑耕作が得意なんだよ。
 皆、仲良くしてくれると嬉しいよ」
 リゲルにえらくなつきまくった馬サラダちゃんのたてがみを撫でてやりながら、畑の管理をしている民へと紹介してやる。
 『リゲルしゃんのためなら!』と目の色を変えて耕作機械を引っ張り始めるサラダちゃん。

 ここ『銀河庭園』は鉄や木材を安定産出できる一方で作物の生産は弱い。
 水資源の少なさ故に水田がつくれないからだ。
 けれど民はみな穏やかで、リゲルのもとで平和に暮らしている。
 物質的な豊かさが必ずしも幸福ではないというのは、古代の哲学者の言葉であったか。
 リゲルの真面目さと優しさのもとで管理され、彼の天義における名声によって人が集まってくる。
 『銀河庭園』は、まさにリゲルらしい土地だった。

成否

成功

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